評価:5
こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
Panasonicのハイオーディオ向けブランド『Technics(テクニクス)』より、2021年10月に発売した完全ワイヤレスイヤホン『EAH-AZ60』を今回はレビューします。
実際に使ってみたのですが、結論から申し上げると最高でした。
いや本当、堂々と満点評価をあげられるくらい素晴らしい製品で、間違いなく2021年一番良かった完全ワイヤレスイヤホンNO.1候補です。
音質・機能性・利便性・マイク性能、どこをとってもハイクオリティすぎるイヤホン『EAH-AZ60』を今回は購入してきましたので、実機を使って前作やライバル機との比較も含めレビューしていきます。
ぜひ最後までご覧くださいませ。
動画でも紹介しています
総合評価
4.7/5
- 艶やかで響きの良いサウンド
- マルチポイント対応
- ノイズキャンセリング性能も非常に高い
- 操作性・装着感がかなりの良さ
- 周りのノイズを取り入れないマイク性能
- ワイヤレス充電に対応していない
- 外音取り込みにもう少し自然さがほしい
4.6
高音
4.7
中音
4.6
低音
4.8
装着感
4.5
ノイズキャンセリング
4.0
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.2 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体7時間/ ケース込み24時間 |
コーデックha | SBC,AAC,LDAC | 充電時間 | 約2時間 |
ドライバー | 8mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 7g/45g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
Tecnics EAH-AZ60 概要
- 独自の音響構造による臨場感あふれるリアルな高音質を実現
- ハイレゾ相当の高音質コーデック『LDAC』に対応
- 自分の声をクリアに届ける『JustMyVoice』テクノロジーを搭載
- 業界最高クラスのノイズキャンセリング性能
- 装着感にこだわった高品位なデザイン
- マルチペアリング、そしてマルチポイントに対応
業界最高クラスのノイズキャンセリングや装着感・音質にもこだわったイヤホンではありますが、個人的には『LDAC』と『マルチポイント』のこの2つが対応していることが強みかなと感じました。
LDACで聴くと、本当に有線イヤホンで聞いているかのように音の破綻がなく密度の高い情報量で流してくれるので、完全ワイヤレスでも非常に高音質を体感することができます。
マルチポイントは2台のデバイスに同時に接続することができる機能で、スマホ・タブレット・パソコンなど複数のデバイスを使う現代では必須の機能だと思っています。
接続機器を切り替える際にペアリング設定をする必要もなく、音を再生した側のデバイスから自動的に音声を流してくれるので本当に便利です。
マルチポイントの魅力はとても1文では語りきれませんので、こちらの記事を参考にしてみてください。
マルチポイントに対応しているメーカーは今までJabraくらいしかありませんでしたが、超高音質ブランド『テクニクス』でこの便利さを体感できるのは最高すぎますね。
カラーバリエーションはブラックとシルバーの2色になります。
EAH-AZ60とEAH-AZ70Wと比較すると?
製品名 | EAH-AZ60 | EAH-AZ70W |
Bluetooth | 5.2 | 5.0 |
ドライバー | 8mm ダイナミック型 | 10mm ダイナミック型 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | SBC,AAC |
再生時間 ※ANC ON時 | 本体:7時間 ケース込:24時間 | 本体:6.5時間 ケース込:19.5時間 |
充電端子 | Type C | Type C |
防水 | IPX4 | IPX4 |
マルチポイント | ◯ | – |
ノイズキャンセリング | ◯ | ◯ |
外音取り込み | ◯ | ◯ |
価格 ※Amazon参考価格 | 28,000円 | 25,000円 |
EAH-AZ60と前作の『EAH-AZ70W』を比較すると、スペック上で確認できる大きな違いとしては再生時間、コーデック、マルチポイントの3つ。
外観は前作と比べ非常にコンパクトになり、本体の装着感も大幅に改善されているようにも感じますね。
前作のEAH-AZ70Wはノイズキャンセリングや音質は非常に優秀でしたが、装着感の悪さや接続の安定性な利便性に欠けていた製品だったので、そこが改善されたら最強では?
簡単な比較はこれくらいにして、音質や装着感をチェックしていきましょう。
Tecnics EAH-AZ60 外観・付属品
パッケージ
EAH-AZ60のパッケージはコンパクトに収めらたテクニクスらしい高級感のあるデザイン。
開封してみるとこんな感じ。
本体はビニールで覆われていますが、それ以外は紙っぽい素材でパッケージングされているようです。
いま流行りのサステナブルなパッケージというやつでしょう。
付属品|イヤーピースが超豊富
- イヤーピースXS1,S1,M,L,XL,XS2,S2 計7ペア
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
イヤーピースは7ペア付属しており、どんな耳でもフィットするようにあらゆるサイズが用意されています。
XSとSサイズについては背が高い『XS1、S1』と、背が低い『XS2、S2』の2種類が用意されており、「どんな耳も意地でもフィットさせてやる」という気概を見せてくれているようで好感をもてます。
イヤーピースの軸は半透明上の白っぽい配色で肉厚な素材感。
イヤーピースの素材もかなりこだわってそうで、他社製のイヤーピースを使わなくてもいいのでは? と感じさせられるほど。
USBケーブルは短めのType Cケーブルが付属します。
特にロゴなどは印字がされていない汎用品のようです。
最後にマニュアルという感じですね。
充電ケース・本体
EAH-AZ60の充電ケースは金属系かと思いきやマット調の樹脂素材で作られており、軽量かつ傷や汚れが目立たない利便性に優れた充電ケースに進化しました。
奥行きも薄く、ズボンのポケットに入れても膨らみが気にならず、かさばらなさそうです。
掌に乗せてもスッポリと収まってしまうほどの大きさで、携帯性はかなり良い方だと思います。
前作のEAH-AZ70Wと比べるとスリムにダイエットできましたね。結果にコミットしたTechnics。
最近発売された主要の完全ワイヤレスイヤホンと比べると横幅は一番長いですが、厚みは一番薄いようです。
充電端子はUSB Type Cに対応。
ワイヤレス充電には対応していません。
個人的にワイヤレス充電ヘビーユーザーなので、対応していないのは結構残念ポイントですね。
置くだけで充電されているのって想像以上に便利なんですよ。
充電ケースを開けるとこんな感じ。パッと見の高級感が素晴らしいですね。
マグネットの吸着性はそこまで高くないですが、意識せずに本体を収納してもズレることなく収まってくれますね。
充電ケースを下向きにして振ったとしても本体が落ちることはありません。
再生時間はノイズキャンセリングON時で本体7時間、ケース込みで24時間。
必要十分すぎるくらいのバッテリーの持ちの良さで、長時間の通話やオンライン会議が入ってもバッテリーが切れる心配が少なく、ご迷惑をおかけすることもなくなるでしょう。
イヤホン本体は金属系のハウジングにサーキュラー加工が施された高級感のあるデザイン。
側面から見ると内側が平坦になっており、耳への収まりが非常に良さそうな設計になっています。
前作のEAH-AZ70Wが丸々とした筐体で耳に全然フィットしなかったのですが、今作は装着感をかなり意識していそうですね。
本体上部にはノイズキャンセリング・外音取り込み用のマイク。
本体下部には通話用のマイクが備わっています。
それぞれに金属メッシュを配置することによって風の入れ込む量を制限し、通話時やノイキャン時の風切り音を防止しているようです。
防水性能はIPX4相当に対応しています。
雨天時の使用やジョギング時の汗にも強く、水回りで使用しても壊れる心配が少なそうです。
ノズルは短めですが、平均的な口径のように感じます。主要どころのイヤーピースだと問題なく装着できそうですね。
試しに完全ワイヤレス向けのイヤーピース『SednaEarfit Light Short』を装着してみましたが、問題なく充電ケースに収納できました。
けっこう余裕があったのでもしやと思い、有線イヤホン向けで軸が長めのイヤーピース『SednaEarfit Light』でも装着できました。
これはサードパーティ製イヤーピースをほとんど装着できるのでは? 検証のしがいがありますね!
最後にEAH-AZ60の重さを実測値で測ってみましたが、総重量は51.5g、本体片耳で6.2g。
完全ワイヤレスイヤホンとしては平均的な重さではありますが、これだけの性能や筐体の美しさを備えつつ実用性の備えた軽量設計は素晴らしいですね。
Tecnics EAH-AZ60 レビュー
それでは外観・付属品のチェックを終えたところで、EAH-AZ60を実際に使ってレビューしていきましょう。
装着感|外れにくいし疲れにくい
公式サイトやプロモーションでも大々的に伝えている通り、装着感はなかなかに最高。
激しく運動しても外れにくいし、頭を振っても落ちる気がしません。
装着製のプロモーションのためにプロのダンサーや歌舞伎役者にも検証してもらうほどだから、よほど装着感に自信があるのでしょうね。
高級感のあるデザインのおかげでイヤホンを装着していても野暮ったくならず、デキる仕事マンが身につけるスマートガジェットのように着飾らせてくれます。
ノイキャンや外音取り込み・マルチポイントなどあらゆる機能をそなえつつ、装着感の良さも両立しているのは素晴らしいですね。
なにより長時間装着していても痛くなりにくく、後述する高音質っぷりと相まって、ずっと着けていたくなるようなある意味危険なワイヤレスイヤホンです。
装着感 | (4.8) |
音質|完全ワイヤレスで一番好きな音
EAH-AZ60の音質はボーカルを軸としつつ、解像度が高くクッキリとした印象なのにカチッとしすぎず、音のつながりが滑らかで艶っぽい感じの音作りです。
いままで聴いてきた完全ワイヤレスイヤホンの中で一番好きな音かもしれないと思えるような完璧なチューニングですね。
各帯域の音の特徴は以下の通りです。
- 高音:キラびやかでありつつ刺さりがなく、とにかくよく伸びるのに瑞々しく、そして音像はボケずに小気味良く鳴らす解像度感と艶感を両立したかのような音。金物音が特に得意でトランペットやホルン、ハイハットやシンバルの音がめちゃめちゃ心地よく響きます。
- 中音:歌い手の息遣いや感情まで投影するかのような表現力の高さで、ボーカルラインの艶やかさや心地よさはトップレベルというより、もはやトップ。ピアノも打鍵音から壁を跳ね返って響くような音まで見事に表現し、あまりの音の美しさにイヤホンを外せなくなってしまいます。
- 低音:粘り気のある低音で「ズンッ」というより、「ドゥオン」って感じの音。ベースラインが広がっていきつつ、決してボーカルラインはマスクしない絶妙なチューニング。ロックやEDMも問題なく表現できますが、ウッドベースのアナログライクで自然に広がる低音が一番得意なように感じました。
- 音場:やや広めな印象で、伸びやかな広さというより響きのよい残響感のある広さといった印象。
- 傾向:ボーカルラインが際立つ弱カマボコ型。
- 解像度:かなり高め。なんでこんな余韻たっぷりなのに音の立ち上がりがいいのかワケがわからない。
得意なジャンル
- 女性ボーカル全般
- アニソン
- ポップス
- ジャズ
あまりにこの音の素晴らしさを伝えたすぎてめちゃめちゃ長くなりました。
EAH-AZ60の音を一言で表すとすれば『心地良さを究極まで突き詰めた音』という感じです。
これらの感想はiPhoneで聴いた時の音なので、AAC接続となっていてハイレゾ相当では聴けてないんですよ。
Xiaomi Redmi Note 9sでLDACで接続してあらためて聴いてみましたが、音の細やかさや深みがさらに増し、有線イヤホンで聴いているのかなと錯覚するほどの音の密度感に進化しました。
びっくりしたのが、据え置き環境で作ったZen Signature Set +HD 660 Sの計10万オーバーの構成と比べても、楽曲によってはEAH-AZ60の音の方が好きなんですよ。
解像感や音の表現力ではもちろん劣りますが、自分の中で『好きな音』『聴いていて心地の良い音』と感じたのはEAH-AZ60だったんですよね。
もちろん、全員がそうではないと思うし、個人差はあるので参考程度にしてほしいですが、それほどまでに好きな音でした。
どんなジャンルを聴いてもイヤホンを外さずにずっと聴いていたくなるような、そんな魅力のあるイヤホンです。
WF-1000XM4を含めた他の製品と比較した評価はこんな感じ。
製品名 | EAH-AZ60 | WF-1000XM4 | Tour Pro+ TWS |
高音 | (4.8) | (4.8) | (4.7) |
中音 | (5.0) | (4.8) | (4.7) |
低音 | (4.8) | (4.8) | (4.7) |
傾向 | 艶感たっぷりの豊潤サウンド | サラッとした刺激の少ないサウンド | パワフルでダイナミックなサウンド |
個人的には音質最強クラスだったWF-1000XM4を超えたように感じましたね。何度聴き比べてもEAH-AZ60のほうが良く感じるし好きな音でもあります。
Tour Pro+ TWSと比べても圧倒的にEAH-AZ60のほうが良い音で、1ランクほどレベルが違うように感じました。
これ以上の音質と利便性が両立したイヤホンは、ゼンハイザーくらいしか作れないんじゃないかなと思わせるような最高の出来です。
こちらも参考にしてくださいね
操作|ほどよい感度のタッチセンサー
EAH-AZ60の操作はタッチパネルで行います。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を1回押す |
曲送り | R側を2回タップ |
曲戻し | R側を3回タップ |
音量を上げる | L側を3回タップ |
音量を下げる | L側を2回タップ |
電話を受ける | 着信中にL or R側を1回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話中の音量アップ | 通話中にL側を3回タップ |
通話中の音量ダウン | 通話中にL側を2回タップ |
通話終了 | 通話中にL or R側を長押し |
ミュート・ミュート解除 | 通話中にR側を2回タップ |
通話中のノイズレベルの調整 | 通話中にR側を3回タップ |
外音モードの切り替え | R側を長押し |
音声アシスタント | L側を長押し |
ペアリングモードへの移行 | イヤホンの青いインジゲーターが点滅してる間にLorRを7秒間長押し |
物理ボタンではありませんが、ほどよい感度で誤動作が起きにくく、まるで物理ボタンかのように思い通りの操作ができます。
2回タップしたらタップ後に『ププ』、3回タップだと『プププ』とタップ数に応じたビープ音を鳴らしてくれるため、自分が何回タップしたかの把握もしやすいですね。
音量操作から選曲、外音モードの切り替えやボイスアシスタントまで網羅的に操作も行えつつ、タッチセンサーの感度も良好で操作性の良さは個人的に完璧レベルでした。
さらにアプリで各項目を自由にカスタマイズできるので、自分の好きな操作感にも変更できます。
WF-1000XM4やTour Pro+ TWSのように『再生コントロール』『外音コントロール』など大枠の設定しかできませんでしたが、EAH-AZ60なら個別操作ごとに設定できるものポイントが高いですね。
ただ、ペアリングモードの移行がややこしい印象で、『イヤホン本体を取り出してLEDが青く点滅している間にLorRを長押し』という初見殺しのような移行方法で、説明書をみても初めはよくわかりませんでした。
後述するマルチポイントの設定で使うことが多いと思うので覚えておいてください。
マルチポイント対応は最高すぎるっ
EAH-AZ60は2台のデバイスに同時に接続できるマルチポイントにも対応しているのですが、個人的にパソコンやタブレットなどマルチにデバイスを切り替えることのある現代において必須の機能だと思っています。
それほどに便利な機能なのですよ。
例えばですが、自分のiPhoneにEAH-AZ60で音楽を聴いていて、途中でiPadでYouTubeを見たいとなったときに、普通なら
『ペアリングモード』→iPadの『設定』→『Bluetooth』→『EAH-AZ60をタップ』→YouTubeの動画を再生
と、5ステップほど踏まないといけません。
しかし、マルチポイントであらかじめiPadに接続しておけば、
YouTubeで動画を再生
と、1ステップでiPadの音声がEAH-AZ60から流れるんですよ!? 革命的じゃないですか!?
マルチポイントって結構ビジネスユース向けに通話用として重宝されているように宣伝されていますが、個人のエンタメ鑑賞でもめちゃめちゃ使えるんですよ。
このマルチポイントがあったからJabraのElite 85tを愛用していたというのもありますが、音質最強クラスのEAH-AZ60でも使えるとなったらマジで無敵です。
マルチポイントが好きすぎて魅力を伝えるためのブログも書いてますので、興味があれば参考にしてみてください。
ちなみに最後に大事なことを伝えますが、LDACとマルチポイントは併用して使えないのでご注意ください。
アプリでこんな風に注意書きが出てしまいます。
マルチポイントで利便性を取るか、LDACで音質を最優先するか、選択肢は二つに一つです。
アプリ|カスタマイズ項目が多い
EAH-AZ60はアプリに対応しています。
アプリでできることは以下の通りです。
- バッテリー残量の確認
- 外音モードの切り替え
- 外音取り込み、ノイズキャンセリングレベルの調整
- ノイズキャンセリングの最適化(手動)
- イコライザー設定
- 操作ボタンのカスタマイズ
- ヘッドホンを探す
- JustMyVoiceの確認
- 通話時のノイズを抑える強さ
- 接続モードの変更(AAC、LDAC、SBCどれを使うか)
- マルチポイントのON/OFF
- etc……
主要の機能としてはだいたいこんなところです。
ノイズキャンセリングと外音取り込みのレベルはアプリで調整することができ、効果がキツすぎると感じたらレベルを下げることができます。
また外音取り込みモード時に周囲の音をそのまま取り込む『トランスペアレント』と、音楽を一時敵視して声を強調する『アテンション』の2種類のモードを選ぶこともできます。
まあ、個人的には音楽を聴きながら周りの音を聞きたいのでトランスペアレントのままかな。
サウンドモードではプリセットで用意されているイコライザーと、5バンドのカスタムイコライザーが用意されています。
細かくイコライジングはできますが、オフ状態でも十分すぎるくらい好みの音なので僕は触っていないです。
ユニークだと思った機能が『JustMyVoiceの確認』で、自分がEAH-AZ60のマイクに対して発した声を1〜8秒後にフィードバックする機能が備わっています。
自分が普段通話を行う環境でどれだけのノイズがあるか、周りの音がうるさくないかを事前にチェックすることができるので、テレワークやオンライン面接のシミュレーションにも使えそうですね。
あとは『ヘッドホンを探す』という最後に接続した場所を位置情報を使って追跡する機能も備わっています。
ただ、行ったことがない場所が位置情報で表示されたので、精度はかなり怪しいですね……。
アプリ全体としてはカスタマイズ項目も多く自由度も高いため、かなり使いやすいアプリだとは感じました。
アプリは以下よりダウンロードできます。
Technics Audio Connect
Panasonic Corporation無料posted withアプリーチ
ノイズキャンセリング|自然かつ強力
EAH-AZ60のノイズキャンセリング性能は非常に高く、周りの雑音もスッとかき消してくれます。
他の完全ワイヤレスイヤホンと比べてもかなりハイレベルの性能で、電車の走行音や街中の雑踏音もノイキャンをONにしてしまえば全く気にならなくなりますね。
それだけではなく、ノイズキャンセリング特有の耳の詰まったような閉塞感が少なく、自然に周りの音だけを遮音してくれているような、そんな感覚です。
屋外で使っても風切り音が静かで、ストレスなく音楽に没頭できますね。
こちらはWF−1000XM4とAirPods Proと比べてみました。
製品名 | EAH-AZ60 | WF-1000XM4 | Tour Pro+ TWS |
ノイズキャンセリング | (4.8) | (5.0) | (4.4) |
遮音レベルはWF−1000XM4の方が高いように感じましたが、EAH-AZ60で十分すぎるくらいの遮音性は備えています。
EAH-AZ60の装着感が軽やかななので、AirPods Proのように気軽に使うこともできるのもGoodポイントですね。
通勤通学・出張用に使ったり、作業集中用としてこの上ないノイズキャンセリング性能を備えていますよ。
こちらも参考にしてくださいね
外音取り込み|それなりには自然
外音取り込み性能についてですが、こちらはそれなりの性能で、音楽を止めれば普通に会話ができるレベルです。
ただ、『外音取り込みだけ優秀』なイヤホンとは違い、耳内で自分の声が響いたりモゴモゴするような感覚がないため、自然に会話をすることができますね。
こちらもWF-1000XM4とAirPods Proと比べてみました。
製品名 | EAH-AZ60 | WF-1000XM4 | Tour Pro+ TWS |
外音取り込み | (4.3) | (4.8) | (4.7) |
外音取り込み機能についてはWF-1000XM4やTour Pro+ TWSの方が周りの音が自然に聴こえやすい印象ではありましたね。
EAH-AZ60は外音取り込みをONにしてBGM感覚で音楽を聴いていれば、何言ってるかわからないけどぎりぎり相手の声が分かりそうなくらいの聞こえ方です。
あくまで比較した時の実力差なので、単体で見れば十分実用的な外音取り込み性能ではありますよ。
こちらも参考にしてくださいね
通話品質|ノイズ削減機能が素晴らしい
EAH-AZ60のマイク性能ですが、独自の「JustMyVoice™」テクノロジーによって周りの雑音を大幅に削減して自分の声だけクリアに伝えてくれます。
音声を録音してみましたのでよければ聴いてみてください。
無音時の音声は肉声に近いという感じでもないですが、何を言ってるかはハッキリと聞こえる声にだけにフォーカスを合わせたような鳴らし方です。
約70dBほどのかなりうるさい『カフェ店内の音』をバックで流して録音してみましたが、バックの音がほとんど消えているではありませんか。
これは屋外やオフィスなど騒がしい環境での通話には最適ですね。
テレワーク用途で使ったとしても生活音をほとんど聞かれることがなさそうです。
長時間装着していても耳に不快感が全然ないので、通話・オンライン会議用のマイクとして大活躍してくれますよ。
通話品質 | (4.8) |
こちらも参考にしてくださいね
音の遅延|ほんの少しずれる程度
EAH-AZ60の音の遅延についてですが、動画をみたら若干ずれるように感じますが、ライブ映像やPVなどではほぼ違和感なく視聴できます。
FPSや音ゲーだと流石にズレが気になってゲームプレイに支障が出るかなといった印象でした。
音楽や動画などメディア鑑賞程度であれば十分に使える遅延の少なさといったところです。
遅延の少なさ | (4.0) |
Tecnics EAH-AZ60 まとめ
EAH-AZ60をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.7/5
- 艶やかで響きの良いサウンド
- マルチポイント対応
- ノイズキャンセリング性能も非常に高い
- 操作性・装着感がかなりの良さ
- 周りのノイズを取り入れないマイク性能
- ワイヤレス充電に対応していない
- 外音取り込みにもう少し自然さがほしい
4.6
高音
4.7
中音
4.6
低音
4.8
装着感
4.5
ノイズキャンセリング
4.0
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.2 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体7時間/ ケース込み24時間 |
コーデックha | SBC,AAC,LDAC | 充電時間 | 約2時間 |
ドライバー | 8mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 7g/45g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
新製品レビューなどの兼ね合いで相対的に評価が上下することもありますので、あくまで参考程度にみていただければ幸いです。
EAH-AZ60は2021年発売された完全ワイヤレスイヤホンの中でもNO.1候補と言えるほど素晴らしい製品だと感じました。
音質が他の完全ワイヤレスと比べてもトップクラスなのに、装着感もノイズキャンセリングも操作性も良くて、さらにマルチポイントやLDACに対応となると向かうところ敵なしでしょ。
これはWF-1000XM4を超えたかもですね。
こんな人におすすめ
- とにかく音質にこだわりたい
- 女性ボーカルを好んで聴く
- スマホ・パソコン・タブレットなどデバイスをマルチに使う
- テレワークなど通話する機会が多い
※タブで切り替えができます
とにかく音質にこだわりたい方はもちろん、通話性能も高くマルチポイントにも対応しているので、テレワークなどのビジネスユースでも活躍してくれること間違いなしでしょう。
外音取り込み性能は悪くはないですが、もっと耳で聞いてる感覚に近い外音取り込みを求める場合はAirPods ProやWF-1000XM4がおすすめでしょう。
EAH-AZ60は本当におすすめの製品なので、堂々と満点評価でおすすめさせていただきます。
以上!EAH-AZ60のレビューをお送りしました。
ブログでわかりにくかった場合は、動画も併せてご覧ください!
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コメント
コメント一覧 (1件)
せっかくなのでTechnics AZ60に合うイヤーピースを紹介していただきたいです。
私的には装着感とノイズキャンセリングの効きを重視してMandarinEsのSymbioEartips、AZLAのSednaEarfit、Crystallineのクリスタルチップスなど硬めの物が合うと思いました。
ステムがSONYなどと比べると低いのでTWS用ではなく普通のイヤピっぽいのが合います。