こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
AMAZONや楽天で完全ワイヤレスイヤホンを購入するときに商品スペックを見ていると
「QCC3020搭載!」「最新チップQCC3040を搭載!」
と主張してくる製品が多いですが
QCC…なにそれ…?
「QCC3020」と「QCC3040」どっちがいいの?
とわからない方が多いかと思います。
「QCC…」というのは半導体メーカー「Qualcomm(クアルコム)社が開発するワイヤレスイヤホン 向けのチップです。
要はこのチップがないと無線接続がそもそもできないのです。
そして「QCC3040」はQualcomm社の”最新型”Bluetoothチップです。
こちらの記事ではQCC3040の性能や、前作「QCC3020」との比較をご紹介していきます。
公式ページはこちらをご覧ください。(全文英語です)
Qualcomm® QCC3040とは?
Qualcomm® QCC3040は、イヤホンでの使用に最適化されたBluetoothチップです。
- アクティブノイズキャンセリング機能を搭載
- 安定した接続性
- 音声アシスタントのサポート
- Qualcomm TrueWireless Mirroringに対応
- 最新コーデック「aptX Adaptive」に対応
この中でも「アクティブノイズキャンセリング」・「Qualcomm TrueWireless Mirroring」・「aptX Adaptive」の3つの特徴を解説をしていくよ!
アクティブノイズキャンセリング機能を搭載
QCC3040には「Apple AirPods Pro」や「SONY WF-1000XM3」にも備わる周りの音を遮音することを目的とした「アクティブノイズキャンセリング機能」がチップの機能として搭載しています。
今までは「アクティブノイズキャンセリング専用のチップ」を組み込む必要がありましたが、QCC3040にはその機能が備わっているので別途用意する必要がなく、コストを抑えて「アクティブノイズキャンセリング対応イヤホン」を制作することができます。
でも「QCC3040」を搭載していてもアクティブノイズキャンセリングに対応していないイヤホンって多くない?
あくまで”機能”として搭載しているだけで、「アクティブノイズキャンセリング」をイヤホンに取り入れるかどうかはメーカー次第ということ。
ちなみにAMAZONの商品紹介画像でよくある「cVcノイズキャンセリング」と「アクティブノイズキャンセリング」は全く別物なのでご注意ください。
cVcノイズキャンセリングは「通話時に相手にノイズを伝えにくくする性能」です。
Qualcomm TrueWireless Mirroring
Qualcomm TrueWireless Mirroring(クアルコム トゥルーワイヤレス ミラーリング)とは、完全ワイヤレスイヤホンとスマートフォン(デバイス)を接続するときに
- 左右のイヤホンのどちらかが親機(マスター)として接続される。
- 左右のイヤホンのどちらかが子機(スレーブ)側として接続され、親機の情報を傍受(ミラーリング)。
- 接続状況によって「親機」と「子機」を素早く入れ替える(ロールスワッピング機能)。
といった機能です。
Qualcomm TrueWireless Mirroringのメリットは以下の通りです。
- 接続がとにかく安定する
- ペアリングの際にデバイス側で「イヤホン名-L」「イヤホン名-R」など2つのアドレスが表示されることがない。
- 左右問わず、イヤホンの片耳での使用が行える。
- TWS Plusのようにデバイス依存ではなくなった。(iPhoneでも使える)
似たような技術で「TWS Plus」という機能がありましたが、こちらは”対応しているデバイス”でしか使えないため、iPhoneユーザーは全く恩恵のない機能でした。
こちらの「Qualcomm TrueWireless Mirroring」であれば、デバイスに依存することなく使うことができます。
前作のQCC3020から接続は安定してたので、個人的にはペアリングがしやすくなったり、片耳での使用がしやすいというのがメリットかな。
aptX Adaptive
aptX Adaptiveは通信状況によって転送ビットレートを可変する”最新音声コーデック”です。
音声を圧縮する方式の名称のことを指します。
スマートフォン(デバイス)からワイヤレスイヤホンに音声データを送る際、そのままだとデータ容量が大きすぎて音が途切れたり、伝送できなかったりするため、データを圧縮して伝送します。
今までの「aptX」だと伝送ビットレートが「352kbps/384kbps」に固定されていましたが、「aptX Adaptive」だと転送ビットレートを「280kbpsから420kbps」の間で可変してくれるようになります。
また映像と音声の遅延も少なくaptXが「70〜80ミリ秒前後」に対して、aptX Adaptiveは「50〜60ミリ秒」前後の遅延です。
以下引用元です。
つまりどういうこと?
高音質かつ途切れにくくて音声のズレも少ないってこと。
ただし、完全ワイヤレスイヤホン側でaptX Adaptiveに対応していても、対応しているスマートフォンやプレイヤーが現状は少なく、その性能をほとんど活かしきれません。
- Xperia 1 II
- Xperia 5 II
- AQUOS R5G
- LG V60 ThinQ
iPhoneはもちろん対応していません。
完全ワイヤレスイヤホンで対応していても、デバイス側が追いついていないんだよね。
「QCC3040」と「QCC3020」の違いは?
QCC3040とQCC3020の違いを簡単にまとめてみました。
機能 | QCC3040 | QCC3020 |
---|---|---|
ノイズキャンセリング | アクティブノイズキャンセリング cvcノイズキャンセリング | cvcノイズキャンセリング |
接続方式 | Qualcomm TrueWireless Mirroring (デバイスに依存しない) | TWS Plus (デバイス依存) |
コーデック | aptX Adaptive | aptX |
まとめると、QCC3040はQCC3020の上位互換であり、あらゆる面においてQCC3040の実力が上です。
QCC3040搭載、QCC3020搭載、どちらのイヤホンを買おうか迷った場合は「QCC3040」を搭載している方を選ぶとハズレは少ないです。
「QCC3040」が上というのは、あくまでスペック上!「音質」や「機能性」の良さはまた別の話です。
QCC3040対応 おすすめのワイヤレスイヤホン
AVIOT TE-D01gv
AVIOT TE-D01gvは恐らく一番初めにQCC3040を採用した完全ワイヤレスイヤホンです。
1万円以下の完全ワイヤレスイヤホンの中で音質が特に良く、コストパフォーマンスに優れます。カラーバリエーションも豊富で女性にもおすすめ!
SOUNDPEATS SONIC
5000円以下で本体のみの再生時間15時、QCC3040搭載という化け物スペックの完全ワイヤレスイヤホンです。
sonicのレビュー記事もかきましたが、スペックも音質もとんでもないコストパフォーマンスの高さで、5000円以下のおすすめ完全ワイヤレスイヤホン特集でも1位にいれました。
SOUNDPEATS TrueAir2
TrueAir2はPhone付属のイヤホンのような形状の「インナーイヤー型」を採用した完全ワイヤレスイヤホン。
インナーイヤー型で探している方はこれ一択でOKだと思ってます。
NOBLE AUDIO FALCON2
前作「FALCON」にQCC3040を搭載してさらにブラッシュアップした完全ワイヤレスイヤホン「FALCON 2」。
スペックはもちろんのこと、音質もかなり向上しています。
以上QCC3040搭載のイヤホンを紹介しました。
コストパフォーマンスが最強のイヤホンが多いっ。
QCC3040まとめ
- QCC3040はQualcomm社の最新Bluetoothチップのこと。
- QCC3020より性能は上。
- 「アクティブノイズキャンセリング機能」「Qualcomm TrueWireless Mirroring」「aptX Adaptive」に対応している。
- 「aptX Adaptive」はデバイス側が追いついていない。
- QCC3040搭載イヤホンはコストパフォーマンスに優れている製品が多い。
QCC3040を搭載していれば、2020年以降に発売された最新機能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンという証明でもあります。
まず「自分が必要としている機能が備わっているか?」「音質は好みか?」「耳にフィットするか?」が重要ですが、次点の選択肢として「QCC3040」が搭載しているか?という指標は作ってもいいと思います。
2021年以降のワイヤレスイヤホンは、ほとんどが「QCC3040」搭載になると予想しています!
以上「QCC3040」まとめでした。
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