こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回は2023年に発表されてから、特に注目度の高いソニーWF-1000XM5、Technics EAH-AZ80、JBL TOUR PRO2の3製品を徹底比較します!
どれも、2023年でトータルバランスでいえばトップクラスの実力を持つワイヤレスイヤホンです。
性能も価格帯も似てますしねー。
それぞれどんな人におすすめか? どんな違いがあるのか?実機を使って徹底比較していきます!
ぜひ最後までごらんください。
動画版はこちら
WF-1000XM5、EAH-AZ80、TOUR PRO 2を徹底比較
スペックを比較
それではスペックをまず比較していきましょう。
スペックを比較
スペック | WF-1000XM5 | EAH-AZ80 | TOUR PRO 2 |
---|---|---|---|
Bluetooth | 5.3 | 5.3 | 5.3 |
ドライバーサイズ | 8.4mm | 10 mm | 10mm |
コーデック | SBC,AAC,LDAC,LC3 | SBC, AAC, LDAC | SBC,AAC,LC3(対応予定) |
再生時間(ANC ON時) | 本体:8時間 ケース込:24時間 | 本体:7時間 ケース込:24時間 | 本体:8時間 ケース込:32時間 |
充電端子 | USB Type-C Qi(ワイヤレス充電) | USB Type-C Qi(ワイヤレス充電) | USB Type-C Qi(ワイヤレス充電) |
充電時間 | 本体:1.5時間 ケース:2時間 3分で60分再生 | 約3時間 15分で70分再生 | 約2時間 15分の充電で4時間駆動 |
防水 | IPX4 | IPX4 | IPX5 |
アプリ | ◯ | ◯ | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | ◯ | ◯ |
ノイズキャンセリング | ◯ | ◯ | ◯ |
外音取り込み | ◯ | ◯ | ◯ |
低遅延モード | △(LC3で対応) | ◯ | ◯ |
マルチポイント | 2台 | 3台 | 2台 |
価格(税込) ※Amazon実売価格 | 41,800円 ポイント10% | 36,630円 ポイントなし | 30,000円 ポイント+1% |
どの機種もノイキャンや外音取り込み、マルチポイント、ワイヤレス充電とワイヤレスイヤホンとして欲しい機能は全て備えています。
スペックだけで見れば大体同じレベルですね。バッテリー周りはJBLが強いかなって感じですね。
ただ、コーデックについてはTOUR PRO 2がAACとLC3(対応予定)まで。
高音質コーデック「LDAC」に対応している他の2機種の方が音質的には優位です。ただ、iPhoneだとLDACに対応していないので、関係ないですけどね。
外観、デザイン
次に外観をチェックしていきましょう。
まず充電ケースの正面。JBL TOUR PRO 2はケースにディスプレイがついているので、どうしても大きくなってしまいますね。
大きさ的にはWF-1000XM5 < EAH-AZ80 < TOUR PRO2 という感じ。
厚みはどれも大体同じくらいですかね。
どれもポケットにすっぽり収まる程度の大きさなんで、持ち運びに苦はありません。
ケースの質感は、WF-1000XM5はマット。
EAH-AZ80は金属素材で、側面は樹脂素材。
JBL TOUR PRO 2はディスプレイ+樹脂素材って感じですかね。
デザインだけで言えば、①EAH-AZ80 ②WF-1000XM5 ③TOUR PRO2の順で好きかなー。
充電端子はどれもUSB-Cに対応。WF-1000XM5とEAH-AZ80は背面に、JBL TOUR PRO2は底面に充電端子が備わっています。
もちろん、どの製品もワイヤレス充電に対応しています。
充電ケースの開き方は、どれも上にパカっと開くようなタイプ。
取り出しやすさで比較すると、①EAH-AZ80 ②TOUR PRO 2 ③WF-1000XM5の順番で取り出しやすいですかねー。
WF-1000XM5がマジでツルツルするのでめちゃくちゃ怖い。
本体デザインを比較するとこんな感じ。
WF-1000X5やEAH-AZ80は耳にすっぽりと収めるようなタイプなのに対して、TOUR PRO 2はショートスティック型というAIrPods Proのような形状をしています。
EAH-AZ80は金属のハウジングで内側がマットな樹脂素材を採用したデザインで、高級感が素晴らしいです。
TOUR PRO 2はスティック部分が平べったい形状をしていて、なんだか頭でっかちな印象。ただ耳の収納部は小さめなので、従来のJBL製品と比べると装着感は改善されています。
WF-1000XM5はこの中では一番コンパクトですが、内側はなぜか光沢感たっぷりのトゥルトゥル仕様になっています。
これのせいでデザイン的にもダサいし、充電ケースから取り出す時も滑りやすいですし、ホンマなんでこんなデザインにしたのかわからん。
この光沢仕様のせいでだいぶ評価を落としている気がします。
ノズルはWF-1000XM5が少し細め、EAH-AZ80が一般的なサイズ、TOUR PRO 2は楕円形で軸が短めの仕様になっています。
WF-1000XM5とEAH-AZ80は充電ケースの収納部が深めなので、他社のイヤーピースでも使えます。
TOUR PRO 2は付属イヤーピースでも収納スペースがギリギリなので、他社のイヤーピースだと干渉する可能性が高いのでご注意ください。
あと、WF-1000XM5についてですが、ノズルにフィルターがついていない+ノズル直下にノイズキャンセリング用のフィードバックマイクが備え付けているため、フィルター付きのイヤーピースを使う必要があります。
フィルターなしでもいけなくはないと思いますが、耳垢がフィードバックマイクに付着して放置されたら、どんな不具合を起こすかわからないので……。
なので実質イヤーピースの選択肢が純正に限られてしまうんですよね。ここが残念。
最後に重さですが、まずWF-1000XM5は総重量が48.3g、本体が5.8g。
次にEAH-AZ80は、総重量は60g、本体のみで6.3g。
最後にTOUR PRO 2ですが総重量が85.3g、本体が6.1g。
WF-1000XM5が非常に軽量ですが、ポケットに入れて持ち運ぶ程度だったらどの機種を選んだとしても気にならないです。
外観やデザインだけで評価すると、個人的な順位は、
①EAH-AZ80 ②TOUR PRO 2 ③WF-1000XM5
って感じの順位ですかねー。
WF-1000XM5の本体のトゥルトゥル仕様の罪は重い。
装着感比較
まずは装着感を比較していきましょう。
ソニー WF-1000XM5の場合
WF-1000XM5は本体が小ぶりなこともあって、なかなか装着感は良いですね。
実際につけてみるとこんな感じ。
前作のWF-1000XM4の本体は大きくて、装着感に難ありでしたが、今作になってかなり改善されましたね。
耳の小さい方にもおすすめしやすくなりました。
ジョギングとかスポーツ用途だと、ポロッと落としてしまいそうでちょっと怖いかな?
Technics EAH-AZ80の場合
EAH-AZ80はコンチャフィット形状というものを採用していて、耳の形に沿わせたような形状になっています。
実際につけてみるとこんな感じ。見た目が美しい!
安定したホールド力の高い装着感でありつつ、とても自然なつけ心地なんですよね。
軽いジョギング程度であれば耳から落ちる心配も少ないですし、装着感はめちゃくちゃ満足しています。
WF-1000XM5よりも装着感は全然良いと思います。
ただ、日によって3-4時間くらい装着していると、耳に圧迫感があって鈍痛を感じることがありますね。
JBL TOUR PRO 2の場合
TOUR PRO 2の装着感もかなり良いですね。
ショートスティック型なので耳の収納部分も小さめですし、EAH-AZ80同様に耳の形に沿った形状なので、装着感も自然です。
実際につけてみるとこんな感じ。それなりにスマートな見た目。前から見ても飛び出しが少なめ
今までのJBLのフラグシップモデルは装着感が弱点でしたが、TOUR PRO 2になって一気に改善されましたね。
こちらも軽いジョギングくらいであれば使えそうなレベルです。
EAH-AZ80よりも装着感は軽快なので、イヤホンの圧迫感が苦手な方はTOUR PRO 2の方が気楽に着けられそうですね。
装着感まとめ
装着感を比較
製品名 | WF-1000XM5 | EAH-AZ80 | TOUR PRO 2 |
装着感 | (4.5) | (4.8) | (4.8) |
装着感はどれも不満がないレベルですが、あえて一番良いものを選ぶとすれば、僕の耳ではEAH-AZ80ですね。
ただ、耳が小さい人だとTOUR PRO2の方がフィットするという方もいるかもしれません。
音質比較
次に音質の比較をしていきましょう。
今回の検証では、WF-1000XM5とEAH-AZ80はXperia 5Ⅳを使ってLDACで検証。
LDACに対応していないTOUR PRO 2では、iPhone 13 Proを使って検証しました。
アプリはApple Musicを使って、ロスレス音源で試聴しています。
ソニー WF-1000XM5の音質
4.8
高音
4.9
中音
4.7
低音
得意なジャンル
- オールジャンルOK
WF-1000XM5の音をひとことで表すとすれば「ニュートラルで高解像度」といったところでしょうか。
高域には煌びやかさや刺激感のようなものは少なく、原曲に対してありのままの高音を出すような印象。なので、ストリングスからシンバル、シンセサイザーなど傾向が異なる楽器でも相性を選ばないですね。
それゆえに美しさや勢いのようなものは少なく、音を聴く上での「楽しさ」のようなものは、他の2機種と比べても控えめ。
反面、中域の解像度感はとても高く、EAH-AZ80やTOUR PRO2では、少し団子になっていた音もしっかり分離して、一音一音を把握しやすくしています。
低域の解像度感も高いのですが、少しソニーの癖のある低音というか、妙に柔らかくて沈み込みが少し浅く感じることがありますね。
あくまで他の音質特化のイヤホンと比べた場合なので、3万円台の機能性重視のイヤホンと比べれば低音の質は十分に高いですね。
前作のWF-1000XM4よりもメリハリ感は出るようになったので、だいぶ楽しくは聴けるようになりました。
ニュートラルがゆえにどんなジャンルでもこなせるので、ロックやポップス、ジャズ・クラシックなど幅広い楽曲を聴く方や、どんなジャンルや音が好みかわからないという人はWF-1000XM5を選んでもOKだと思います。
Technics EAH-AZ80の音質
4.8
高音
4.8
中音
4.8
低音
得意なジャンル
- ポップス
- バラード
- R&B
- ソウル
EAH-AZ80は音の余韻と解像度を両立したような豊潤なサウンドが特徴です。高域から低域にかけてのつながりが滑らかで、とても心地よく鳴らしてくれます。
前作のEAH-AZ60はボヤっとした感じの低音でしたが、より深みと迫力のある音が出るようになりました。ただ特別レスポンスの良い音というわけでもないですね。
WF-1000XM5よりも華やかでしっとりとしており、「美音」という表現が一番合うように感じました。解像度感はWF-1000XM5の方が上かな〜?
EAH-AZ80の場合、ロックもいけますけど、ボーカルを中心としたポップスやバラード、ソウルといったしっとり系のサウンドがどちらかといえば得意。特に男性ボーカルがいい感じです。
藤井風とか星野源とか、洋楽だとエド・シーランが良い感じでしたね。
JBL TOUR PRO 2の音質
4.7
高音
4.7
中音
4.8
低音
得意なジャンル
- ロック
- ポップス
- アニソン
- エレクトロ
- ヒップホップ
JBLらしいパワフルかつ厚みのある音作りで、高解像度でレスポンスが良いアメリカンサウンドですね!
WF-1000XM5やEAH-AZ80と比べると、やはりAAC接続のみということもあって、やや解像度感は劣ります。
ただ、雑味やザラつきのようなものはなく、しっかりと音の輪郭を保ちつつ、高音もこもらせず刺さらせず、ドッシリとした低音を鳴らしてくれます。
「音質」という意味では、他の2機種には勝てないですが、「音の好み」とか「ノリの良さ」でいえば、TOUR PRO 2が一番好きかも。
TOUR PRO 2を聴いた後だと、WF-1000XM5が少しノッペリとした音に聴こえてしまいますね。
ロックとポップスとの相性がとても良いので、最新のチャート曲を楽しく聴くという意味では、TOUR PRO 2をイチオシしたいところです。
結束バンドを聴いたら、LDACで接続したEAH-AZ80とかWF-1000XM5よりも良く感じましたからね。
YOASOBIやEve、NewJeans、Adoとか最新チャート曲を聴く時はTOUR PRO 2が一番良かったですね。
音質まとめ
音質をまとめるとこんな感じです。
音質を比較
製品名 | WF-1000XM5 | EAH-AZ80 | TOUR PRO 2 |
高音 | (4.8) | (4.8) | (4.7) |
中音 | (4.9) | (4.8) | (4.7) |
低音 | (4.7) | (4.8) | (4.8) |
実力的にはWF-1000XM5もEAH-AZ80もほぼ同レベルですね。音の好み次第だと思います。
ちなみに音の好み的には、僕はEAH-AZ80の美しくて豊潤なサウンドの方が好きです。
TOUR PRO 2はAACコーデックまでということもあって、やはり他の2機種と比べるとどうしても解像度感が荒くなってしまいますね。
ただ、iPhoneだとAAC接続までなので、iPhoneとの組み合わせで他の2機種と比較すれば、TOUR PRO 2もほぼ同等レベルです。
多分、LDACに対応していれば、僕の音好みだけで判断すればTOUR PRO 2を一押ししてたと思います。
ジャンル別におすすめをするなら
- オールジャンル → WF-1000XM5
- 男性ポップス、ソウル、バラード → EAH-AZ80
- ロック、ポップス → TOUR PRO 2
といったところですかね。
また音質最強ランキングという記事も以前アップしていますので、音質だけの評価を見てみたい方は以下の記事参考にしてみてください。
バーチャル試聴
YouTube版ではダミーヘッドによるバーチャル試聴も行っています(11:33~)
操作性比較
操作性についてですが、コレは意外一番良かったのはWF-1000XM5ですね。
それぞれの操作方法は次のとおりです。
操作を比較
製品名 | WF-1000XM5 | EAH-AZ80 | TOUR PRO 2 |
再生/停止 | R側を1回タップ | L or R側を1回タップ | R側を1回タップ |
曲送り | R側を2回タップ | R側を3回タップ | R側を2回タップ |
曲戻し | R側を3回タップ | R側を2回タップ | R側を3回タップ |
音量を上げる | R側を4回タップ(タップし続けることで断続的に音量が上がる) | L側を3回タップ | アプリで対応可能 |
音量を下げる | L側を4回タップ(タップし続けることで断続的に音量が上がる) | L側を2回タップ | アプリで対応可能 |
ノイズキャンセリング 外音取り込み | L側を1回タップ | R側を長押し | L側を1回タップ |
その他機能 | クイックアクセス L側を2回タップ | – | トークスルーモード |
音声アシスタント | L側を長押し | L側を長押し | L or R側を長押し |
ソニー WF-1000XM5の場合
WF-1000XM5は本体操作のみで再生停止・曲送り、曲戻しまで行えつつ、さらに今作から音量調整も実質行えるようになりました。
一応前作でもアプリで割り振りはできたんですけど、操作ボタンに対してひとつひとつ自由に割り振れるわけではなく、「左は外音コントロール」右は「再生コントロール」みたいな感じで一括で操作が割り振られるんですよ。
どちらも必要な操作だったんで、実質音量調整ができなかったんですよね。
これが4回タップで音量調整ができるようになったのは強いです。
一見4回タップでめんどくさそうに感じますけど、タップし続ける限りは断続的に音量が上がっていく仕様なんですよ。
なんで音量を3つあげたい場合は、4+4+4=12タップではなく、4+1+1の6タップで音量を3つ上げられるんですよね。
意外とこの4回タップの音量調整は便利ですよ。
Technics EAH-AZ80の場合
EAH-AZ80の場合はWF-1000XM5と同じく基本操作はすべて行えます。
さらにアプリで左右の各ボタンに対して自由に操作を割り振れるので、自由度は一番高いですね。
ただ、WF-1000XM5と違って断続的に音量操作をするためには、毎回その操作を行わないといけないんですよね。
たとえば音量を3つ上げたい時に、L側3回タップに音量アップを割り振っている場合は、1つ音量あげるたびに毎回3回タップしないといけないんですよ。
かといって長押しに対しては音量を割り振れないみたいで、断続的に音量を上げ下げしたい時に煩わしいです。
あと操作のレスポンスもWF-1000XM5より少し悪めですね。
JBL TOUR PRO 2の場合
JBL TOUR PRO 2はソニーと同様に、左右に対して一括で操作が割り振られるようなタイプです。
そして、WF-1000XM4と同様に音量操作を実質割り振れないパターンです!
左に「外音コントロール」、右に「再生コントロール」を割り振ったらもう終わりだよ!! 音量操作割り振れねえよ!!
よって、TOUR PRO 2はこの中で一番操作性が悪い! 本体のみで音量調整を気軽にできるのは結構大事よ?
一応スマートケースで音量調整はできますけど、なんか違う気がする。やはり本体だけで完結すべき。
JBLは早く音量調整を実質割り振れるようにしていただきたいですね。
ちなみに操作のレスポンスはかなり早い方なので、音量調整以外は不満なしです。
操作性まとめ
ということで一番操作性が良かったのはWF-1000XM5ですね。
WF-1000XM4のことを考えると、操作性はホント改善されたと思います。音量操作大事。
欲を言えば、AirPods Proみたいにスワイプ操作で音量を調整できたら最高ですけどね。
ノイズキャンセリング比較
次にノイズキャンセリング性能を比較してみましょう。
この中で一番ノイズキャンセリング性能が高かったのはWF-1000XM5でした。
ただ、ぶっちゃけどの製品を選んでもかなり強めなので、どれも実用レベルですよ。
ノイズキャンセリングを比較
製品名 | WF-1000XM5 | EAH-AZ80 | TOUR PRO 2 |
ノイズキャンセリング | (4.9) | (4.7) | (4.5) |
ソニー WF-1000XM5の場合
WF-1000XM5はこの3つの中では、一歩レベルが上のノイズキャンセリング性能を持っていますね。
前回アップしたノイズキャンセリングランキングでも2位で紹介したくらいですしね。
散々最強クラスだと謳われていたAirPods Pro2をも凌駕する遮音性能で、電車の「ガタンゴトン」という振動音から、「キイィィィ」と鳴る高周波まで全帯域にわたりノイズをカットしてくれます。
風切り音もめちゃくちゃ少ないです。
人の声や空調音、キーボードのタイピング音に対する遮音効果も高くて、オフィスでデジタル耳栓代わりに使って仕事に集中したい時にも実用的に使えます。
高域帯はBoseより遮音性も高く感じましたね。
またBoseと比べてもノイズキャンセリングの安定性が高く、急に音が大きくなったりせず、自然かつ強烈に遮音しつづけてくれます。
これでもまだ遮音性が物足りないなら、次発売が噂されているBoseの新作を狙うしかないですね。
Technics EAH-AZ80の場合
WF-1000XM5と比べると、高域帯や下から響くような低音に対する遮音性が少し控えめに感じます。
WF-1000XM5の遮音性がすごすぎるだけであって、EAH-AZ80も全然上位に組み込むほどの遮音性の高さなんですよね。
全然実用的というか、このレベルあれば十分。
電車に乗っても音楽を聴いていればノイズは全然入ってこないですし、新幹線でも快適な旅をできますよ。
風切り音も少なく、ホワイトノイズも少なくて、圧迫感のない自然なノイズキャンセリングを提供してくれますね。
JBL TOUR PRO 2の場合
この中ではTOUR PRO 2が一番遮音性的には低いと感じましたけど、ふつうにこの子もノイズキャンセリング性能強いですからね。
EAH-AZ80と比べても低域の振動音は同程度に防いでいるように感じましたね。
風切り音とかサーって鳴るホワイトノイズもめちゃ少なく感じました。
ただ、キーボードのタイピング音とか空調音とかの高域帯は耳に通りやすい印象で、EAH-AZ80の方が遮音性は上に感じました。
おそらく耳栓効果による密閉感がEAH-AZ80の方が高いからなんでしょうね。
こちらもロックやポップスなど、やや激しめの音楽を聴いていれば、周りのノイズは全く気にならないレベルです
ノイズキャンセリングまとめ
とりあえずノイズキャンセリングはWF-1000XM5が一番強いで間違いないです。
出張とかで飛行機や新幹線など長距離の移動が多い人や、音楽を流さずにデジタル耳栓代わりに使って仕事や勉強に集中したい人はWF-1000XM5がおすすめです。
ただ、音楽を聴きながら出勤するくらいであれば、どの製品を選んでも実用的なノイズキャンセリング性能はありますよ。
ノイズキャンセリングの比較はこちらも参考にしてね!
ノイズキャンセリングのバーチャル試聴
YouTube版ではダミーヘッドによるノイズキャンセリングの比較も行っています。(14:30~)
外音取り込み比較
次に、外音取り込み機能の比較ですが、これはEAH-AZ80の圧勝ですね!
外音取り込みを比較
製品名 | WF-1000XM5 | EAH-AZ80 | TOUR PRO 2 |
外音取り込み | (4.5) | (4.8) | (4.5) |
ソニー WF-1000XM5の場合
まず、WF-1000XM5の外音取り込み性能ですが、とても優秀です!
周りの音はかなり聞こえやすいてす。
ただ、優秀は優秀なんですけど「耳に何もつけていないような感覚」まではいかず、少し耳が詰まった感覚があるんですよね。ちょっとマイクで拾っている感があるというか
下位モデルのLinkBuds Sの方がもっと周りの音を自然に収音してくれます。
求めたいのは、AirPods Proのような「耳に何もつけていないような感覚」なんですよね。
Technics EAH-AZ80の場合
EAH-AZ80の外音取り込み性能ですが、この子はとても優秀です!
「明らかにマイクで拾っているような感覚」みたいなのがなくて、ずっと耳に装着している状態でも違和感がないレベルで、めちゃくちゃ自然なんですよね。
ほぼ耳で聞いている感覚に近い状態で、ほんの少しだけ遮音されているような感じです。
風切り音も入りにくいですし、ホワイトノイズも少ないですし、耳の痛みさえしなければ着けっぱなしで24時間生活送れる自信ありますよ。
今回検証している中では外音取り込み機能は一番優秀です。
JBL TOUR PRO 2の場合
この中で一番外音取り込み性能が弱く感じたのは、TOUR PRO 2ですね。ただ、こちらも実用的なレベルではあります。
マイクで拾っている感は少しありますが、音楽を止めていれば会話はできますし、小音量で音楽を流していれば相手の声は聞き取れます。
集音性能自体はWF-1000XM5の方が上なのですが、TOUR PRO 2の便利なところは、外音取り込みモードはJBLの場合2種類使い分けができるところなんですよね。
- アンビエントアウェアモード(L側を1回タップ)
→音楽の音量を下げずに、そのまま外音取り込みに移行するモード - トークスルーモード(L側を2回タップ)
→音楽の音量をグッと引き下げて、外音取り込みに移行するモード
音楽を聴きながらBGM感覚で聴きたいときはアンビエントアウェアモードを使って、コンビニやスーパーのレジとかでワンポイントで使う場合はトークスルーモードといった二通りの使い方ができます。
この2つのモードを使い分けできるから、実質WF-1000XM5より実用的なんですよね。
外音取り込み性能まとめ
ということで外音取り込み性能はEAH-AZ80の圧勝でした。
TOUR PRO 2は評点的にはWF-1000XM5より低いですけど、2つのモードの使い分けができるので、使いやすさでいえばTOUR PRO 2の方が上でしたねー。
WF-1000XM5には、せめてLinkBuds Sくらいの外音取り込み性能は欲しかったところです。
外音取り込みの比較はこちらも参考にしてね!
マイク性能の比較
マイク性能ですが、おおよそどれも同じくらいの実力で、どれもワイヤレスイヤホンとしてはとても優秀です。
マイク性能を比較
製品名 | WF-1000XM5 | EAH-AZ80 | TOUR PRO 2 |
マイク性能 | (4.8) | (4.8) | (4.8) |
それぞれ音声を録音してみましたので聞いてみてください。
WF-1000XM5の音声をチェック
EAH-AZ80の音声をチェック
TOUR PRO 2の音声をチェック
WF-1000XM5はノイズの抑制力と音声のクリアさのバランスが良い印象。
EAH-AZ80はノイズ抑制力に特化しているようで、バックの雑音や風切り音は一番抑えられているように感じました。ただ、音声がちょっとこもったような感じも聞こえます。
あと、外音取り込み機能が優秀なので、喋っても自分の声がモゴモゴしない点も良いですね。
TOUR PRO 2は音声が一番聞き取りやすいですが、他の2機種と比べるとノイズがやや入りやすい印象です。
どれを選んでも実用的なレベルなので、通話用途では不自由なく使えると思います。
優劣がつけ難い性能の良さなので、全モデル引き分けといったところですかね。
音の遅延の比較
最後に音の遅延についてですが、これは通常モードだと現状はどの製品も同じくらいですね。
ただ、EAH-AZ80とTOUR PRO 2には低遅延モードが備わっています。これによってFPSでもギリギリ遊べるくらいの遅延の少なさになります。
音ゲーはちょっと厳しいですね。
対してWF−1000XM5は低遅延モードは備わっていないですが、その代わりXperiaとの組み合わせでのみ、次世代コーデックのLC3を使えるようになります。
このLC3がめちゃくちゃ遅延が少なくて、音ゲーでも有線並みの遅延の少なさで遊べるようになるんですよね。
ただ、このLC3がまだまだベータ版って感じで、ノイキャンの動作が不安定だったりとか、音質はLDACの方が良かったりとか、わざわざLCに切り替えてペアリングをしなおさないといけないとか、実用性は全然ないんですよね。
使える環境が限定的にすぎるので、実質まだLC3は使えないと思った方が良いです。
ということで、動画や映像を見る分にはどれも同じくらいで、ゲームだとEAH-AZ80とかTOUR RPO 2が良いかな〜って感じですね。
おすすめの独自機能の比較
最後にそれぞれのイヤホンでしかできない、おすすめの独自機能を解説していきます。
WF-1000XM5はクイックアクセスが優秀!
WF-1000XM5には独自の機能が多いんですよね。
声を発したら自動的に外音取り込み機能に切り替える「スピーク・トゥ・チャット」とか、自分の状況によってノイキャンを自動で切り替える「アダプティブサウンドコントロール」とかもありますが、ここらへんはぶっちゃけ使えないんですよね。
そのほかに「Spotify Tap」という項目があるのですが、これがめちゃくちゃ良い!
本体をダブルタップすると、Spotifyを呼び出してプレイリストを再生してくれるんですよ。
選曲するのがめんどくさいけど音楽を聴きたい時ってあるじゃないですか。「なんでもいいからBGM感覚でなんか音楽を聴きたいなー」って時に役に立つんですよね。
懸念点としてはSpotifyがハイレゾに対応していないことでしょうか。早よ対応して。
EAH-AZ80はマルチポイントが最大3台使える
EAH-AZ80のユニークな機能は、マルチポイントが最大3台使えることでしょうか。
WF-1000XM5もTOUR PRO 2もマルチポイントは使えますが、2台まででです。
スマホ、タブレット、パソコンの3つとも接続しておいて、自分が聴きたいと思ったデバイスからすぐに音楽を流したり、通話をしたりしたい時にとても便利な機能です。
ただ、3台接続の設定だと高音質コーデックのLDACが使えなくなるんですよね。
僕はLDACも使いたい派なので、LDACも併用できる2台同時接続までの設定にしています。
ちなみにWF-1000XM5もマルチポイントとLDACの併用は可能です。
iPhoneとかiPadユーザーだとコーデックはAACまでなので、複数のAppleデバイスを使っている方は3台モードでも良いと思います。
JBL TOUR PRO 2はスマートケース
TOUR PRO 2の一番ユニークな機能は、やはりスマートケースでしょうか。
このケースで「再生停止」「イコライザー設定」「イヤホンを探す」「空間オーディオの設定」など、スマホでアプリを開かずともいろいろな設定ができるんですよ。
意外とアプリを開く行為ってめんどくさいんですよね。
特に便利なのが、イコライザー設定とSpatial Soundの2つです。
このケースで聴く音楽にあわせて、最適なイコライザーを気軽に変更できます。
ちょっと映画やアニメを見たいときは、Spatial SoundのムービーモードをONにすれば、アプリを開かずとも気軽に映画館のような臨場感を味わえるのでとても便利です。
個人的な要望としては、スマートオーディオモードの切り替えが充電ケースで出来たらもっと良かったですね。
スマート充電ケースは、ぜひ他のメーカーも真似して欲しいと思える機能でした。
独自機能まとめ
それぞれの独自機能は、どれも”あれば便利”くらいの感覚なので「この機能が使えるからこれがおすすめ!」みたいなのはないですね。
ただ、個人的にはWF−1000XM5のクイックアクセス機能は気に入ってますね。
比較まとめ
以上、WF−1000XM5、EAH-AZ80、TOUR PRO 2の徹底比較をお送りしました。
製品名 | WF-1000XM5 | EAH-AZ80 | TOUR PRO 2 |
音質 | (4.8) | (4.8) | (4.7) |
装着感 | (4.6) | (4.8) | (4.8) |
ノイズキャンセリング | (4.9) | (4.7) | (4.5) |
外音取り込み | (4.5) | (4.8) | (4.4) |
マイク性能 | (4.8) | (4.8) | (4.8) |
利便性 | [(4.8) | (4.9) | (4.8) |
価格 | 41800円 ポイント10% | 36,680円 | 30,000円 |
良かった点 | 音の解像度が高くオールジャンル合わせやすい トップクラスのノイズキャンセリング性能 クイックアクセスが便利 音量調整が本体のみでしやすい | 美音系の華やかなサウンド 外音取り込み機能がとても優秀 装着感がとても良い マルチポイント3台まで対応 | ロック・ポップスに合うノリの良いサウンド 軽快で圧迫感のない装着感 スマートケースでイコライザーを切り替えられる 他の2機種と比べると価格がお手頃 |
イマイチな点 | 本体内側の光沢が滑るしデザインも微妙 フィルター付きのイヤーピースが選べない | 断続的な音量調整ができない | LDACなど高音質コーデックが使えない 音量調整を実質割り振れない |
それぞれこんな人におすすめ
- 周りの音をシャットアウトして作業や勉強をしたい
- 出張などで飛行機や新幹線を使うことが多い
- あらゆるジャンルを聴くことが多い
※タブで切り替えができます
ざっくりまとめると、音の解像度感とノイズキャンセリングで選ぶならWF-1000XM5。
音の美しさと外音取り込み機能で選ぶならEAH-AZ80。
音の楽しさやノリの良さと、ほどよい機能性、コスパの良さで選ぶならTOUR PRO 2って感じですね!
トータルバランスでは、どの製品もトップクラスの実力なので、どれを選んだとしても満足はできると思います。
多分、僕自身がどれが一番おすすめなのか知りたい!という方が多いと思いますが、それは来週ごろアップ予定の「上半期完全ワイヤレスイヤホンランキング」で発表したいと思います!
上半期とは……?
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