こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はbeyerdynamicより、2万円台で買えるステージ向けに作られた本格的なイヤモニ「DT 30 IE」を紹介します。

beyerdynamicといえばDTシリーズのモニターヘッドホンが有名ですけど、こちらはイヤホン版のプロ向けモデルになります。
同社のイヤモニだとTESLA.11ドライバーを積んだ「DT 70 IE」シリーズがありますが、あちらは9万円クラスで、とてもじゃないけど手が出ないイヤモニだったんですよね。
今回のDT 30 IEは24,970円と、かなり手が届きやすくなりました。

11mmのダイナミックドライバーを1基積んで、パッシブ遮音は最大39dB。さらにIP54の防塵防滴とケブラー補強ケーブルまで備えています。完全にステージで使うことを前提にした作りとなっています。
今回はbeyerdynamicさんより紹介用に提供いただきましたので、実機を使ってどれほどの実力なのか検証していきましょう。ぜひ、最後までご覧ください。
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beyerdynamic DT 30 IE 外観・付属品
それではbeyerdynamic DT 30 IEの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
beyerdynamic DT 30 IEのパッケージは、黒基調で装飾を削ぎ落としたシンプルなデザインです。

開封するとこんな感じ。

付属品|シリコン・フォームのイヤーピース、MMCXケーブル、ケースなど

- イヤーピース(シリコン製)3ペア
- イヤーピース(フォーム製)3ペア
- MMCXケーブル(3.5mm3極/約1.4m)
- 交換用フィルター
- キャリングケース
- マニュアル
イヤーピースはシリコン製がS/M/Lの3ペア。

ケースは硬めのセミハードタイプ。

交換用フィルターまで同梱されているあたりが業務用らしい。現場でノズルが詰まっても自分で直せるようになっています。
本体・ケーブル
beyerdynamic DT 30 IEのイヤホン本体は、中身が透けて見えるクリアシェルです。

オレンジ色の内部パーツやネジまでうっすら見えていて、表面にはbeyerdynamicの「y」ロゴがぽつんと入っているだけ。飾り立てないぶん、いかにも道具って感じの見た目になっています。ボクはこういうの好きですけどね。
シェルの形はしずく型で、内側は耳のくぼみに沿うようなカーブ付き。耳型データをもとに設計されているとのことで、見た目からしてかなり小ぶりです。

ケーブルは着脱も可能で、コネクタはMMCXに対応しています。根元のリングがL側は黒、R側はオレンジになっているので、パッと見で左右を判別できるのも地味にありがたい。

ノズル部楕円形。内部にフィルターが装着されていて、ここは付属品の交換用と入れ替えができます。

ケーブルはこちら。

硬すぎず柔らかすぎずで取り回しは良好。タッチノイズも耳掛けのおかげでほとんど気になりません。クリアな本体と白いケーブルの組み合わせも、並べてみると意外とオシャレです。
コネクタ部は金メッキのMMCXを採用。

耳掛け部は形状記憶型のメモリーワイヤーが一体になっており、自分の耳に合わせて曲げておけば激しく動いても外れにくそうです。
分岐部にはケーブル長を調整するアジャスターが付いています。こちらもケーブルと同じ白で統一されていますね。

プラグは3.5mm3極のL字タイプを採用

本体とケーブルを装着するとこんな感じ。

IP54相当の防塵防滴に対応しているので、ステージ上で汗をかいても気にせず使えます。有線イヤモニでIP54相当は珍しい。
beyerdynamic DT 30 IEの概要・スペック
| スペック一覧 | beyerdynamic DT 30 IE |
|---|---|
| 形式 | カナル型(密閉型) |
| ドライバー | 11mm ダイナミックドライバー |
| インピーダンス | 18Ω |
| 音圧感度 | 111dB SPL(1kHz/1mW) 128dB SPL(1kHz/1Vrms) |
| 再生周波数帯域 | 5Hz〜20kHz |
| プラグ形状 | 3.5mm3極 |
| コード長 | 1.4m |
| 重量 | 2.7g ※片側/ケーブル・イヤーピース除く |
| リケーブル対応 | ○(MMCX) |
| リモコンマイク | × |
| 保証期間 | 2年 |
18Ω/128dBとかなり鳴らしやすい設計です。スマホやドングルDACでも十分な音量が取れるので、アンプを用意する必要はありません。
beyerdynamic DT 30 IE レビュー
装着感|ステージで動いても外れない
beyerdynamic DT 30 IEの装着感についてですが、装着時に少しクセはありますが、一度装着位置が決まればそこから動かない安定感抜群のフィット感のように感じました。
実際に装着してみるとこんな感じ。耳穴周辺に蓋をするかのような装着感です。

前から見ると耳から全く飛び出していないどころか耳内にほとんど収まっているんですよ。このおかげで耳を下にして寝転んでも全然痛くないんですよね。

ステージで激しく動く前提の設計だけあって、一度ハマってしまえば耳から落ちる気が全然しないですね。
ただ、浅い位置から蓋をするような装着感なので、うまく密閉できないとスカスカな音になるかも。
| 装着感 | (4.5) |
音質について
DT 30 IEの音質についてですが、さすがbeyerdynamicですよ。お手本のような原音を重視した素晴らしきモニターサウンドをちゃんと2万円台で体感できます。
- DAC:FiiO BTR17
- アプリ:Apple Music
- 接続方式:3.5mmアンバランス接続
- イヤーピース:付属シリコンイヤーピース
- エージング:20時間ほど

beyerdynamic DT 30 IEの音の特長は次のとおりです。
4.5
高音
4.5
中音
4.6
低音
音の傾向
音の傾向は比較的ニュートラル〜やや重心が低めって感じでしょうか。どこかの帯域を強調させるようなタイプではないです。ただ楽曲が持つグルーヴ感や熱量まで感じやすい音作りになっていて、結果的にノリ良く聴けるようなタイプになっていますね。
ステージで自分の音を確認するための道具なので当然といえば当然なのですが、音の輪郭がとにかくはっきりしています。ベースの動き、ギターの刻み、ボーカルの位置、そのあたりの音が全部わかりやすいです。
高解像度なリスニング系の有線イヤホンのように「ギターの一弦ごとの音が聴こえる」とか、音を細かく刻むような解像度感ではなく、「各パートがどんな風に聴かれているか」を把握しやすいって感じですかね。まさにステージモニターって感じの聴こえ方です。
この前も某大手のモニターイヤホンをレビューしましたけど、そちらはもっと「無感情で俯瞰的に音を視る」って感じでしたけど。DT 30 IEの方が「各楽器ごとの躍動感から熱量まで音に乗せるぜ!!」って感じの熱さを感じるモニターサウンドという感覚でした。
音場
音場は広くも狭くもなく標準的ですが、余韻の作り方はとても上手に感じますね。他のモニターイヤホンのように解像度重視でスパッと余韻を削ぎ落とす感じではなく、空気の震えまで拾い上げているんですよ。
定位もかなり良好で、どの音がどこで鳴っているかが掴みやすいですね。
高音
高域は誇張せず、ニュートラルに引き出すような感覚。一昔前のbeyerのようなキツさもなく、必要な分だけスパッと鳴らしますね。聴き疲れも意外としにくいです。
ハイハット / シンバルの「チッ」「シャーン」と爽やかに弾ける様までしっかり再現しますし、良く伸びてくれてるおかげで他の音に埋もれにくくてリズムも追いやすいです。
高域だけの話ではないかもしれませんが、スネアドラムの音のリアルさにはビビりましたね。「タンっ」と勢いよく炸裂するあの音を2〜5万円台で一番再現できてるんじゃね?って感じたほど。ずっとスネアの音聴いていたい。
ただ、ストリングスやアコギの音を自然にすぅ〜っと伸ばすのは苦手かな?という印象でした。粒立ちの良さも価格なりって感じですかね。心地よく聴くことが目的ではなく、モニタリングをすることが目的だから仕方ないですね。
中音
中音域も色付けがほとんどなく、原音重視でとにかく楽曲が持つ情報を引き出すって感じ。
艶を足したりしっとりさせたりはしないので、ボーカルものを気持ちよく聴きたい方には物足りないかもしれません。でもその人の声そのものが出てくる感じで、質感はとても良いです。
ボーカルと楽器の距離感もフラット。どちらかが前に出ることがないので、バンド全体を俯瞰して聴けますね。
厚みもしっかり確保できているので、エレキギターの音もめちゃめちゃ重厚に聴こえます。アジカン聴いてたら超楽しい。
ただ、どんなギターも厚みのある音になるので、小気味良いカッティングでもなんだか重くなるような感覚はありますね。
低音
特に素晴らしいのが低域側のモニタリング能力の高さ。すっごい。ボヤけがちなバスドラムやベースラインの輪郭を見失うことなく、ずっと耳で追い続けられます。
beyerdynamicはヘッドホンも低域側のモニタリングがしやすい印象でしたが、イヤホンでもその実力は健在でした。
バスドラムもただただリズムを刻むだけでなく、空気の震えまでしっかり再現するような感覚です。
なにこれ、リズム隊最強のモニターイヤホンかな? ドラマーやベーシスト向けにめちゃめちゃいいんじゃないかな? 他のモニターイヤホンと比べて低域側のモニタリングが明らかにしやすいです。
低域の躍動感と中域の厚みのせいで、音の重心も全体的に低めに感じますね。
おすすめのジャンル
おすすめのジャンルですが、基本的にニュートラル傾向なのでなんでもいけますけど、ドラムやベースの躍動感やアタック感の再現性が見事なおかげでバンドサウンドとの相性の良さを特に感じましたね。
あくまでモニタリング用途でチューニングされたモデルなので、バラードやクラシックをしっとりと聴きたいという方には他にも選択肢があるように感じました。
beyerdynamic DT 30 IE まとめ
beyerdynamic DT 30 IEをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
DT 30 IE

- 色付けのない音で俯瞰的に音を聴ける
- 楽器の輪郭が把握しやすい
- 分離感の高い低音で
バスドラムやベースラインを追いやすい - 定位が掴みやすくパートの聴き分けがしやすい
- 耳内にすっぽりと収まる装着感
- IP54相当の防塵防滴で耐久性も高い
- 4.4mmバランスケーブルは付属していない
4.5
高音
4.5
中音
4.5
低音
4.5
解像度
4.5
迫力
4.5
装着感
beyerdynamic DT 30 IEはこんな人におすすめ
DT 30 IEはイヤモニの新たな定番の一つとして君臨できるほどの実力を持つイヤホンのように感じました。
熱量のあるモニターサウンドで、「ステージモニター」としてだけではなく「リスニング目的」でもふつうに楽しい音です。
ヘッドホンのレビューからいつも感じていたことなんですけど、beyerdynamicのモニターサウンドはボクの理想とするモニター系のチューニングに一番近いんですよね。今のこのチューニングでXELENTO REMOTEの復刻版作って欲しい。
以上! beyerdynamic DT 30 IEのレビューをお送りしました。
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