評価:4.3
こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
中国でコスパに定評のあるイヤホンブランド「1more(ワンモア)」より、LDAC、ハイブリッドドライバー、マルチポイントに対応した超本気の完全ワイヤレスイヤホンが登場しました。
それが今回紹介する「1more EVO」です。
- 1BA+1DD搭載したハイレゾ対応ハイブリッドドライバー搭載
- LDAC対応で音質に妥協なし!
- 最大42dBのノイズカット&風切り音防止機能も搭載
- 3Dセラミック素材を使用したデザイン
- アプリ機能「SoundID」で好みの音にカスタマイズ
見てのとおり、ワイヤレスイヤホン最新の機能をすべて詰め込んだような超本気のフラグシップモデルです。
マルチポイントや、ワイヤレス充電にも対応していたりと利便性にも妥協なし。
音質と機能性を追求した1more史上最高の完全ワイヤレスイヤホンという感じですね!
ということで、今回は1moreよりレビュー用に製品を提供いただいたので、実機を使ってレビューしていきます。ぜひ最後までご覧ください。
総合評価
4.3/5
1more EVO
- LDAC対応で音質はかなりの実力
- ハイレベルな外音取り込み機能
- マルチポイントが超便利
- ワイヤレス充電に対応
- SoundIDで好みの音にカスタマイズ
- ノーマルモードを無効にできない
- 外音取り込み時の風切り音が大きい
- 操作方法の変更項目が少ない
4.5
高音
4.6
中音
4.3
低音
4.3
装着感
4.3
ノイズキャンセリング
4.6
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.2 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体5.5時間/ ケース込み20時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | 充電時間 | 1時間 |
ドライバー | 1BA+1DD(10mm) ハイブリッド型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 6.7g/58.3g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
1more EVO 外観・付属品
それでは1more EVOの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
1more EVOのパッケージは、いつもの1moreらしい黒とグレーであしらわれたデザインです。
開封するとスケッチアートのようなものがズラリ。
付属品|イヤーピース、USB-Cケーブル、マニュアル
- イヤーピース(シリコン製)5ペア
- USB Type Cケーブル
- ステッカー
- マニュアル
イヤーピースはシリコン製のものが本体装着分含め5ペア付属しています。
楕円形で皮膜が薄め。そこまで質が高いというわけでもなさそうです。
充電用のケーブルはUSB-Cのものが付属します。
充電ケース・本体
1more EVOの充電ケースは金属筐体で、高級感はかなりのもの。ただ、金属筐体ということもあって傷がつきそうで怖いですね。
手のひらにすっぽりと収まりそうなほどのサイズ感で、かなりコンパクトですね。
SONYのWF-1000XM4と比べると、ケース付きとの比較ではありますが、一回り小さめです。
充電端子はUSB-Cで、さらにワイヤレス充電にも対応しています。
ワイヤレス充電を一度使い出すと「充電しているつもりがないのに、いつも満充電になってる!」のような感覚で使えるので本当に便利ですよ。
ちなみに初心者の方にはAnkerのワイヤレス充電器がとりあえずおすすめです。安い割に品質も良く、問題なく充電ができますよ!
充電ケースを開くとこんな感じ。
本体の取り出しやすさは、本体収納部に指が入る程度の溝があるため出し入れしやすい印象です。マグネット吸着性もいい感じですね。
本体は「3Dセラミックヘッドホンパネル」という、まるで宝石のように美しいデザイン。
本体側面はマット調な素材になっていますね。
内側はL/Rの表記のみが記されたシンプルなデザインです。
ノズルは楕円形かつ軸が短めの特殊な口径。
サードパーティー製のイヤーピースを使う際は適合する物が少なそうな印象です。
最後に重さですが、総重量は59.3g、本体片耳の重量は5.7gです。
金属筐体を採用していることもあり、充電ケースは見た目以上にズシっときますね。
1more EVO レビュー
装着感|小ぶりでフィットしやすい
1more EVOの装着感は小ぶりな筐体のおかげで、どんな耳でもフィットしやすいように感じました。
装着している画像は以下のとおりです。
とにかく筐体が小さいので、耳の中にスッポリと収まりますね。
前から見ても耳の飛び出しがなくて、本体のふちにゴールドの枠がついているため高級感があります。
しばらく装着していても痛みや圧迫感を感じにくいため、長時間装着していても作業に集中しやすい印象ではありました。
ただ、ジョギングで使うと汗ですべり落ちてくる感覚があるため、スポーツ用途にはそこまで向いていないような印象ですね。
他社のノイズキャンセリングイヤホンは筐体が大きくなりがちですが、1MORE EVOであれば耳の小さな方でも圧迫感なく装着できると思います。
装着感 | (4.3) |
音質|LDAC +ハイブリッド型によるHIFIサウンド
1more EVOの音質は、表現力の高いボーカルを重視したカマボコ型のサウンドです。
LDACで接続すると、音の破綻が少なくとても緻密で豊かな音を奏でます。
1more EVOの音の特長は次のとおりです。
4.5
高音
4.6
中音
4.3
低音
- 高音:ハイブリッド型らしく中高域はハリが良く、ブラス系の楽器を瑞々しく鳴らします。かといって耳つんざくような感覚はなく、聴き馴染みの良い高音のように感じます。
- 中音:ボーカルラインを際立たせるサウンドで、どちらかというとカマボコ型な印象。ワイヤレスイヤホン特有のピークラインで発生する音のざらつきが少なく、緻密かつ表現豊かに鳴らしてくれます。
- 低音:低音はスッキリ系という印象で、音圧や迫力は控えめ。音が全体的に柔らかく、中低域のベースラインを下支えするような丁寧な鳴らし方。
- 音場:広くも狭くもなく
- 傾向:とにかくウォーム系という印象で、柔らかく余韻感を重視した繊細なサウンド。いつまでもBGM感覚でゆっくりと聴いて痛くなるような優しい音作りです。
得意なジャンル
- ポップス
- ジャズ
- ピアノソロ
1moreらしく中域にフォーカスを当てた音作りでありつつも、LDACやハイブリッドドライバーの恩恵もあり、レンジが広く躍動感のあるサウンドに進化しました。
2万円以下という価格を考えればなかなかの実力で、優しく柔らかいボーカル重視の音作りが好きな方には良い選択肢にはなるのではないでしょうか。
音質の実力だけでいえば、コスパ最強イヤホン「JBL LIVE FREE 2」よりも確実に上です。
こちらも参考にしてくださいね
操作性|ほどよいタッチ感度の良さ
1more EVOの操作はタッチパネルでおこないます。操作性は良く、まるで物理ボタンのように、自然でストレスのない操作ができますね。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を2回タップ |
曲送り | アプリで設定可能 |
曲戻し | アプリで設定可能 |
音量を上げる | アプリで設定可能 |
音量を下げる | アプリで設定可能 |
電話を受ける | 着信中にL or R側を2回タップ |
通話終了 | 着信中にL or R側を2回タップ |
外音モードの切り替え | L or R側を長押し |
音声アシスタント | L or R側を3回タップ |
ペアリングモードへの移行 | 充電ケースのボタンを長押し |
操作のしやすさに対して、操作項目の割り当ては「ダブルタップ」「トリプルタップ」の2項目しか変更できません。
L/Rの操作割り当ては独立しておらず、「再生/一時停止」「前のトラック/次のトラック」「Vol-/Vol+」と左右セットで割り当てられるため自由度も低めです。
L/Rの設定を独立させつつ、シングルタップや長押しも設定できれば、ユーザーにとって使いやすい設定にできるのでは? と感じました。
アプリについて
1more EVOはアプリに対応しています。
アプリでできることは次のとおりです。
- リスニングモードの切り替え(ノイズキャンセリング・外音取り込みなど)
- スマート再生設定
- 操作方法の変更
- Bluetooth接続設定
- SoundID
- 落ち着くサウンド
- ファームウェアアップデート
- クイックガイドの確認
- スマートバーンイン(エージング機能)
- マルチポイント設定
リスニングモードの切り替え
リスニングモードは、アプリ上でノイズキャンセリングや外音取り込み機能の切り替えができます。
ノイズキャンセリングモードは「ディープ」「マイルド」「風切り音低減」「スマート」の4種類が備わっています。
ディープだと風切り音が入ってきやすいので、屋外で使う場合は「風切り音低減」にしておくと、わずらわしい風切り音が大幅に改善されます。
パススルー(外音取り込み)は、周りの音を自然に聞かせる「環境パス」と、声を強調して集音する「ボーカルエンハンス」の2種類が備わっています。
ボーカルエンハンスでも、わりと周りの音は自然に取り入れてくれるため、個人的にはこちらの設定で使うことが多かったですね。
操作方法の切り替え
アプリで操作方法の切り替えも可能です。
こちらは操作方法の項目でもお伝えしたとおり、ダブルタップとトリプルタップの2つしか変更ができません。
カスタマイズの自由度はそこまで高くないですね。
Bluetoothの接続設定
Bluetoothの接続設定では「音質優先」または「接続安定性優先」の設定切り替えができます。
音質優先にすると、対応スマートフォンやDAPで「LDAC」で聴けます。音質優先モードでも音途切れは一度もなかったですね。
ただし、iPhoneだとLDACで接続できないため、Bluetooth接続設定の項目自体が表示されません。
スマートバーンイン
スマートバーンインは、イヤホン本体をエージング(慣らし運転)するための機能です。再生ボタンを押すと「ザー」というノイズが流れます。
慣らし運転が必須というわけではありませんが、できれば鳴らしこんであげたほうが、低域に深みが出たり、音がより滑らかになることが多いですね。
SoundID
SoundIDとは自分に最適化されたイコライザー設定を作る1more独自の機能です。
あらかじめ用意されたジャンル別プリセット音源を選びます。
イコライザー調整が施された「A」「B」2種類の音源のうち、どちらが自分にとってよく聴こえたかを選んでいきます。
これを複数回繰り返して、最終的に出来上がった設定が「あなたにとって最適な音」として登録できるようになります。
設定完了後はSoundID「ON」と「OFF」で切り替えられます。
ボクの設定では、少し物足りないと感じていた低音に躍動感が生まれ、迫力のあるサウンドを体感できるようになりましたね。
SoundIDをONにしたほうが明らかに音質が良く感じました。
アプリはダウンロードしておくべき
SoundIDやボタンの設定をふくめ、カスタマイズできる項目が多いため、アプリは必須レベル。
以下のリンクよりダウンロードができますので、購入された方は忘れずに導入してみてください。
1MORE MUSIC
posted withアプリーチ
ノイズキャンセリング|作業用にピッタリ
1more EVOのノイズキャンセリング性能はなかなかに高め。-42dBの実力までは感じませんでしたが、中低域の振動音をほどよく引き下げます。
電車内の「ガタンゴトン」という走行音を、気にならないレベルまで掻き消してくれるような印象です。
圧迫感も少なく、長時間ノイズキャンセリングした状態で作業をしていても、耳の痛みや気持ち悪さのようなものも感じにくいですね。
カフェとかオフィスとかで作業用として使うのにピッタリです。
風切り音はノーマルモードだと結構気になるのですが、アプリで「風切り音防止モード」という設定があります。
こちらに設定にすると遮音性が少し下がりますが、風の強い日やビルのすきま風でも気にせず、外で周りの音をシャットアウトできます。
屋外で使う場合は「風切り音低減」にすることをおすすめします。
ノイズキャンセリング | (4.3) |
こちらも参考にしてくださいね
【最強はこれ!】ノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホンおすすめランキングTOP10
外音取り込み|耳で聞いている感覚に近い
1more EVOの外音取り込みはかなり自然。ふだん耳で聞いている感覚に近い感覚で取り込んでくれますね。1moreの製品は外音取り込み性能はどれも優秀です。
コンビニでのお会計時はもちろんのこと、ながら聴きにぴったりで、家事やオフィスワーク、ゲームをしながら周りの音に耳を向けたいときにも最適です。
屋外で使うと風切り音がけっこう入ってくるため、BGM感覚で音楽を聴きながら散歩をしたり、ジョギングをしたりといった使い方は向いていません。
屋内であればBGM感覚で音楽を聴きつつ人と会話ができるレベルで、総じて外音取り込み性能はかなり高いように感じました。
外音取り込み | (4.6) |
こちらも参考にしてくださいね
マルチポイントにも対応!
1more EVOには、実はマルチポイント機能も備わっています。
ふつうにペアリングをしても、2台同時接続されないので、「本当にマルチポイント機能備わってる?」と思っていましたが、アプリの「実験的機能」という項目に隠されていました。
こちらの「2台接続可能」という機能をONにすると、マルチポイントで使えるようになります。
マルチポイントで接続すると「LDAC」は併用できないメーカーもあるなか、1MORE EVOはマルチポイントもLDACも両方使えますね。
タブレットや会社パソコンなど、デバイスをマルチで使う方にとってはとても便利な機能なのですよ!
マルチポイントの魅力は次の記事でも解説しています。
通話品質|ノイズ対策がすごい!
1more EVOのマイク性能ですが、実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
無音状態だとややガサつきはありますが、声は聴こえやすい印象です。
バックでカフェ店内の音を流した状態で録音してみると、ノイズがかなり除去できていますね。
自宅で妻が掃除機をかけている状況でのテレワークや、少しさわがしいオフィスでの通話用途に使いやすそうですね。
総評して通話品質はなかなかに高いように感じました。
通話品質 | (4.5) |
こちらも参考にしてくださいね
音の遅延|ほとんど気にならない
1more EVOの映像と音声のズレですが、ほとんど気にならないレベルまで遅延レベルですね
低遅延モードは搭載していませんが、YouTubeやプライムビデオを見るくらいであれば違和感なく視聴できそうです。
スマホゲームをすると若干遅延が気になるので、音ゲーやFPSをする人には向いていない印象でした。
遅延の少なさ | (4.0) |
1more EVO まとめ
1more EVOをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.3/5
1more EVO
- LDAC対応で音質はかなりの実力
- ハイレベルな外音取り込み機能
- マルチポイントが超便利
- ワイヤレス充電に対応
- SoundIDで好みの音にカスタマイズ
- ノーマルモードを無効にできない
- 外音取り込み時の風切り音が大きい
- 操作方法の変更項目が少ない
4.5
高音
4.6
中音
4.3
低音
4.3
装着感
4.3
ノイズキャンセリング
4.6
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.5
利便性
Bluetooth | 5.2 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体5.5時間/ ケース込み20時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | 充電時間 | 1時間 |
ドライバー | 1BA+1DD(10mm) ハイブリッド型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 6.7g/58.3g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
1more EVOはこんな人におすすめ
- ノイキャン対応で音質にもこだわりたい
- 本体が小さめのノイキャンイヤホンを探している
- 騒がしい環境で通話をすることがある
- 周りの音を聞きつつBGM感覚で音楽を聴きたい
※タブで切り替えができます
1more EVOは2万円以下の完全ワイヤレスイヤホンとしては非常に高機能で、コスパに優れた製品のように感じましたね。
2万円以下でLDACとマルチポイントに対応したイヤホンはなかなか珍しいですね。ノイキャンや外音取り込み機能もなかなかに実力が高く、機能性も実用的です。
音質もボーカル重視で聴き疲れにくいサウンドなので、BGM感覚でボーカルものをゆったりと聴きたい人にピッタリですよ!
以上! 1more EVOのレビューをお送りしました。
動画でも解説しています
コメント