こんにちは、元イヤホン専門店スタッフのかじかじ (@kajet_jt)です。
2019年、完全ワイヤレスイヤホンが間違いなくトレンドではありましたが、数ある完全ワイヤレスイヤホンの中で一番売れたイヤホンは、今回紹介するSONY WF-1000XM3でしょう。
SONY WF-1000XM3のが売れた理由はこちら
- 完全ワイヤレスとノイズキャンセリング、どちらの機能もハイレベルで実現。
- 外音取り込みも、他のイヤホンと比べてもかなり自然。
- 再生時間などのスペックも高く、音質もかなりレベルが高い。
「完全ワイヤレス×ノイズキャンセリング」2020年トレンドになるであろう全部入りのイヤホン。そのトレンドを作ったのはこちらのSONY WF-1000XM3。
2019年に発売されたモデルの中では、機能性が群を抜いており、ノイズキャンセリングによる静音性はもちろんのこと、音質の良さや、外音取り込みの自然さ、再生時間や充電時間などのスペックの高さ、どの部分を見てもこの機種に勝るイヤホンはありませんでした。
ランキングサイトでも、売れ筋ランキング1-2位にずっといましたね。
2020年はAirPods Proをはじめ、SENNHEISER(ゼンハイザー)やTechnics(テクニクス)、PanasonicやYAMAHAなど、各大手メーカーが完全ワイヤレス×ノイズキャンセリングの全部入りイヤホンを各社続々と解禁しており、完全ワイヤレスイヤホンの戦国時代と化していくでしょう。
今回は2019年の王者「SONY WF-1000XM3」を外観から付属品、音質からアプリの使い方まで徹底レビューしていきます!
他の製品と比べてどうなの?と気になる方は最強のノイズキャンセリング完全対応ワイヤレスイヤホンランキングをご覧ください。
WF-1000XM3 レビュー
いい音には、静寂が要る。
そのキャッチコピーのもと制作された、SONY最新ノイズキャンセリング対応,完全ワイヤレスイヤホン。カラーバリエーションはプラチナシルバーとブラックの2色。
前機種である初代WF-1000Xから、完全ワイヤレス×ノイズキャンセリングの機能はありましたが、接続の安定性が悪く、再生時間も3時間(ケース含めて最大9時間)しか再生できませんでした。音質も少しザラつきがあり実用性が低く、人気はある程度ありながらも不満の残る製品でした。
前機種の弱点を全て克服し、接続の安定性は良くなり、再生時間も6時間に(ケースを含めて最大24時間)。音質も高価な有線イヤホンに匹敵するほどの解像度の高さになり、向かうところ敵なしのイヤホンとなりました。
パッケージ
白地に本体のみのシンプルなデザイン。メインの機能であるノイズキャンセリングを始め、Googleアシスタント対応やバッテリー駆動時間も掲載しています。
開封
早速開封!
付属品一覧
- 充電ケース
- USBーCケーブル
- イヤーピース
- 保証書
- マニュアル
イヤーピース
イヤーピースは計7ペアと豊富に入っています。「トリプルコンフォートイヤーピース」という丸洗いできるフォームタイプのイヤーピースも3ペア付属しており、わりと豪華な付属内容です。
充電ケース
充電ケースはやや大きめ。天面は金属素材で、気づいたらSONYのロゴ周りが傷だらけになりそうです。他社製のケースも販売しているため、長く愛用していくためにも、いつか手放す時も考えケースでの運用をおすすめします。
イヤホン収納部がやや浅めのため、一部の他社製のイヤーピースを変えると、ケースが閉まらなくなってしまいますので購入前にご注意ください。実際に使えるイヤーピースを検証した記事もありますので、あわせてご覧ください。
イヤホン本体
イヤホン本体もやや大きめ。ノイズキャンセリング機能や音質など、さまざまな機能を詰め込んだ完全ワイヤレスイヤホンなので仕方がないところ。天面にはわかりやすくLRの表記があります。ノズルは他のSONY製イヤホンとほぼ同サイズです。
SONY WF-1000XM3 スペック
- ドライバー:6mm ドーム型(CCAWボイスコイル)
- 再生時間:最大6時間 (ノイズキャンセリングOFF時 8時間)/ ケース込み24時間
- 充電時間:1.5時間(USB-C)
- 急速充電:10分で90分再生可能
- Bluetoothバージョン:5.0
- 質量:片側6.3g
- 対応コーデック:SBC,AAC
- ノイズキャンセリング:○
- 外音取り込み:○
- 防水:×
- 価格:25,880円ほど
主要スペックをまとめるとこんな感じです。apt-Xと防水性能がついていないのは残念ですが、それ以外はSONYのワイヤレス×ノイズキャンセリング技術を全て詰め込んだかのような機能性の高さ。
SONY WF-1000XM3 ペアリングと操作方法
ペアリング方法
WF-1000XM3を接続したい機器の1m以内に置いてください。
WF-1000XM3を充分に充電してから手順を行ってください。
スマートフォンと接続する際のペアリング方法はこちら!
こちらでペアリングが完了です。
「オートペアリング」に対応しているため、次回以降はケースから取り出すだけで自動的に電源オン→スマホと接続されます。
また「NFC」にも対応しており、搭載スマホとの連携でワンタッチでペアリングも完了します(iPhoneには搭載していません。)
操作方法
アプリにて、外音コントロール/再生コントロール/音量コントロール/Google アシスタント/Amazon Alexa/割り当てなしの6つの項目をLRのタッチパネルに割り当てることが可能です。
- 外音コントロール
∟タップ ノイズキャンセリング➡︎外音取り込み➡︎オフ と切り替わる
∟押し続ける➡︎クイックアテンション(押し続けている間は外音取り込みモード) - 再生コントロール
∟1タップ➡︎再生/停止
∟2タップ➡︎次の曲
∟3タップ➡︎前の曲
∟押し続ける➡︎音声アシスト機能を起動 - 音量コントロール
∟1タップ➡︎音量を上げる
∟押し続ける➡︎音量を下げる - Google アシスタント
∟1タップ➡︎音声入力のキャンセル
∟2タップ➡︎通知の読み上げ
∟押し続ける➡︎音声入力 - Amazon Alexa
∟1タップ➡︎音声入力/キャンセル
「外音コントロール」などの大項目をL/Rに設定し、それぞれのモードにあらかじめ設定された操作ができます。
僕は、L側:外音コントロール R側:再生コントロール こちらで設定しています。
良かった点
- メリハリの効いた高解像度サウンド
- アプリが多機能
- イコライザーのクリアベースがGood
- ノイズキャンセリングの遮音性抜群
- 外音取り込みもそれなりに自然
- アップデートも豊富
メリハリの効いた高解像度サウンド
WF-1000XM3の音質は、SONYらしいメリハリの効いたサウンドで、完全ワイヤレスイヤホンの中ではかなりレベルが高いです。
ひとつひとつの音に芯や迫力があり、付帯音に空気感をまとい鳴らします。解像度も高く、低域から高域までバランスの良いサウンドです。
オススメジャンルは、J-POPやロック、EDM、ヒップホップなど、ノリの良い音楽はみんな友達。クラシックやジャズのような繊細な楽曲も十分表現できており、あらゆるジャンルに対応した万能イヤホンです。
ただし、全体的に音がハキハキとしすぎており、バラードやチルアウト系などゆったりとした柔らかい雰囲気を出すのは苦手。どんな曲でも元気良く鳴らしてしまいます。
完全ワイヤレスイヤホンとノイズキャンセリング機能、どちらも搭載しているモデルで、利便性で選ぶなら「AirPods Pro」、音と機能性、価格のバランスで選ぶなら「WF-1000XM3」、音質重視で選ぶなら「Momentum True 2」がおすすめではないでしょうか。
他の製品と比べてどうなの?と気になる方は最強のノイズキャンセリング完全対応ワイヤレスイヤホンランキングをご覧ください。
アプリが多機能
- 接続コーデック確認
- バッテリー残量確認
- アダプティブサウンドコントロール設定
- 外音コントロール設定
- イコライザー
- 音質モード(接続優先/音質優先)
- DSEE HX ON/OFF
- タッチセンサー機能の変更
- 自動電源オフ
- ファームウェアアップデート
- etc
上記をみていただいてわかる通り、かなり多機能です。特に設定なしでも使いやすいイヤホンですが、タッチ設定や音質設定を行い、さらに自分好みの操作性や音質に変更することもできます。
アプリはこちらからダウンロードしてみてください。
イコライザーのCLEAR BASSがGood
イコライザー機能は自然に音域を変えることができ、違和感なく好みの音に変化させることが可能です。とくにおすすめしたい機能が『CLEAR BASS』。
通常のイコライザー設定だと低音のみを増やした場合、バランスの悪いモコッとしたような音になりがちですが、『CLEAR BASS』だと伸びやかな高音やクリアな中高域はそのままに迫力のみを増やすことができます。
EDMやヒップホップ、電子音を多様したJ-POPなどに相性の良い機能です。Perfumeを聴く時に『CLEAR BASS』の値を増やしてあげるとブチアガりますよ。
重低音が響くおすすめの完全ワイヤレスイヤホンとしてこちらの記事でも紹介しています。
ノイズキャンセリングの遮音性抜群
WF-1000XM3の真骨頂はアクティブノイズキャンセリングの効果の高さ。
大ヒットノイズキャンセリングヘッドホン『WH-1000XM3』に搭載している「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」と共通の技術をWF-1000XM3にも使用されています。
さらに内側と外側のマイクで集音し、逆位相の音を高精度に生成する「デュアルノイズセンサーテクノロジー」を搭載。
WF-1000XM3は「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1」と「デュアルノイズセンサーテクノロジー」この2つが合わさることにより、高いノイズキャンセリング効果を発揮することが可能なのです。数々のノイズキャンセリング搭載機種を開発してきたSONYだからこそできる技術です。
実際に通勤時に使用すると、音楽を流していれば電車内の音は全く気になりません。新幹線のような振動音ではなく高周波が耳にキンとくる車内の音も軽減され、出張ながらも快適な旅を送ることができます。
外音取り込みが自然
AirPods Proほどではありませんが、WF-1000XM3の外音取り込み機能はかなり自然です。小音量で音楽を流せば、会話をしながらBGM感覚で音楽を聴くことも可能。
外音取り込みモードにすれば、コンビニや駅のアナウンスもイヤホンを外すことなく聴き取ることができるレベルです。
おすすめの外音取り込み対応の完全ワイヤレスイヤホンでも紹介しています。
アップデートが豊富
WF-1000XM3は定期的にファームウェアの更新を行なっており、不具合の修正や、機能の改善により日々アップデートしているイヤホンです。過去のアップデート一覧はこちら。
- 2019年11月5日 ➡︎ iOS(iPhone) 搭載機器との接続性を改善
- 2019年11月26日 ➡︎ Amazon Alexa に対応/ヘッドセットの操作で音量を調節を可能に/アプリで充電ケースのバッテリー残量を確認できるように/
- 2020年1月14日 ➡︎ 通話品質の向上
- 2020年3月18日 ➡︎ 音楽の一時停止中に、スマートフォンから音量操作をしても、反映されない事象を改善/一部のスマートフォンで、意図せず音量調節バーが表示される事象を改善
過去のアップデートで見てわかる通り、定期的なアップデートによりWF-1000XM3の機能が改善されます。他のレビューやYouTubeの動画で「接続が途切れる」といったレビューを見受けられた場合、こちらのアップデートを適用する前の可能性が高いです。
Amazon Alexaにも対応しましたので、お使いの環境によってはさらに便利に使えますね。
WF-1000XM3 レビュー イマイチな点
- 充電ケースが大きい
- 本体が大きく装着感が悪い
- 音途切れがたまに起こる
- タッチセンサーの反応が良すぎる
- 外音コントロールの切り替えがしにくい
充電ケースが大きい
WF-1000XM3は他の完全ワイヤレスイヤホンと比べると、充電ケースが比較的大きめです。
ズボンのポケットにはなんとか収まりますが、スキニージーンズのようなピチッとしたズボンだと、明らかに形状がわかる浮き出た状態になってしまします。
決して運用しにくいという訳ではありませんが、他の完全ワイヤレスイヤホンを使ったことある方は、そのケースの大きさゆえに気になってしまうかもしれません。
本体が大きく装着感が悪い
WF-1000XM3はイヤホン本体も大きく、装着感が人によって難があります。レビューや知人の意見を聞いてみると、フィットする人としない人は半々くらいの割合です。僕はそこまでフィットしませんでした。
左耳だけうまくフィットせず、首を振るとWF-1000XM3本体がグラグラします。耳から落ちることはありませんでしたが、落としてしまいそうな不安は拭えません。
イヤーピースである程度改善はできるため、他社製のイヤーピースに変え運用しています。WF-1000XM3に合うイヤーピースを8つ検証した記事もあげましたので、こちらもあわせてご覧ください。
音途切れがたまに起こる
アップデートでかなり改善はされましたが、駅ホームや電車内などで音途切れが発生することは今でもあります。iPhoneで使う上では、そこまでストレスを感じることはありませんが、アンテナ感度の弱い端末だと音途切れが頻繁に発生する可能性があります。
外音コントロールの切り替えが使いづらい
1タッチで「アンビエントサウンド」→「外音コントロールオフ」→「ノイズキャンセリング」と切り替わっていくのですが、外音取り込みからノイズキャンセリングまで変えるのに、2タップ必要になりスムーズな切り替えができません。
また、音楽を流している時に切り替えると、たまにアナウンスが流れないこともあります。アナウンスが流れないと、ノイズキャンセリングにしたいのに、今のサウンドモードはどれかわからずタップしなおすことも。
外音コントロールオフで使うことがないので、外音取り込みとノイズキャンセリングのみ切り替えるようにできれば操作しやすかったのにとは感じます。
アダプティブサウンドコントロールも使いにくい
また「アダプティブサウンドコントロール」という周りの環境音に合わせてノイズキャンセリングや外音取り込みのレベルを変えてくれる機能もあります。しかし、こちらも誤動作することが多く、音楽を聴いている時ににアナウンスが入ったり、外音レベルが変わったりと逆にストレスに感じてしまいます。僕はこちらのモードはOFFにしています。
DSEE HXが個人的にはやや不自然
DSEE HXは、MP3やストリーミングなどの圧縮音源の高音域を補完し、ハイレゾ相当までアップスケーリングを行う機能ですが、僕はこの機能をOFFにしています。
この機能をONにすると、たしかに高域が補完され、より密度と伸びやかさのある高音がでます。しかし、補完された音にデジタルっぽさを感じることがあります。一度マイクを通ったあとのような、不自然なシャリつきがあり、ハイハットやバイオリンの音に違和感を感じることがあります。
OFFにすると補完部分はなくなり高音の伸びが少なくなり、普段聴く楽曲次第では不自然な部分が気になる可能性もあります。あくまで楽曲次第です。楽曲によっては良くなることもありますし、不自然に聴こえることもあります。
常時ONではなく、自分の好みに合わせてDSEE HXのON/OFFを切り替えをおすすめします。
おすすめのシリコンケース
ケースはこちらを使用しています。
理由は安いから・・・。
特に不便もなく、ツルッとしたシリコン素材のため埃もつかず、WF-1000XM3を傷から守ることができます。WF-1000XM3は天面に傷がつきやすい素材なので、シリコンケースの使用をおすすめします。
WF-1000XM3 レビューまとめ
総合評価
4.5/5
WF-1000XM3
- メリハリの効いた高解像度サウンド
- アプリが多機能
- イコライザーのクリアベースがGood
- ノイズキャンセリングの遮音性抜群
- 外音取り込みもそれなりに自然
- アップデートも豊富
- 充電ケースが大きい
- 本体が大きく装着感が悪い
- 音途切れがたまに起こる
- タッチセンサーの反応が良すぎる
- 外音コントロールの切り替えがしにくい
- DSEEが個人的には不自然
4.5
高音
4.0
中音
4.5
低音
4.0
ノイズキャンセリング
3.5
装着感
4.5
利便性
WF-1000XM3はこんな人におすすめ
- 音質も機能性も妥協したくない人
- AirPods Proより音質が良いイヤホンが欲しい人
- 音楽鑑賞が好きで、音に集中したいひと
WF-1000XM3は、本気で音楽が好きな方におすすめなイヤホンだと思います。ノイズキャンセリングという静寂の中で、高解像度の音をストレスなく楽しめるイヤホンなので、本当の意味で音楽を楽しむのには最適です。
WF-1000XM3よりも音質が良いイヤホンも、機能性が良いイヤホンもあります。ただこの価格帯で、この機能性と音質のバランスをとれた完全ワイヤレスイヤホンは、こちらの機種くらいかなと思いますので、まだまだ候補にしていただいてもいいと思います。
その他のノイズキャンセリング対応完全ワイヤレスイヤホンとの比較はコチラの記事をご覧ください!
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