こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
ノイズキャンセリングといえばBOSE、BOSEといえばノイズキャンセリング。
そんなノイキャンの化身であり創造主であるBOSEですが、そのノイズキャンセリングをイヤホンで体感するためには、現状フラッグシップモデルの「QuietComfort Ultra EarBuds」を購入するしかない状況なのですよ。
ただ、価格が36000円ほどと、一般的の感覚からすればやや高いんですよね。ボクも一般人なんで、イヤホンに3万もかけるの気が引けます()
そのBoseから買いやすい価格でありつつ、ノイズキャンセリングを搭載したイヤホンが登場しました!
それが今回紹介する「Bose QuietComfort Earbuds」です。
あれモデル名、元に戻っただけじゃね? ややこしいモデル名やめてけれ。
今回はBoseの強力なノイズキャンセリングと価格が26,400円とやや安いんですよ。定価で比較すればQuietComfort Ultra EarBudsより1万円ほど安いですね。
今回はBoseさんから先行でプレゼントいただいたので、容赦無く近い価格帯のイヤホンや、上位モデルの「QuietComfort Ultra EarBuds」と比べながら、その実力を検証していきます。
▼動画版はこちら▼
Bose QuietComfort Earbuds 外観・付属品
それではBose QuietComfort Earbudsの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
パッケージはコンパクトかつゴテっとしたBoseらしいデザイン。
開封するとかこんな感じ。
付属品
- イヤーピース3ペア
- イヤーフィン3ペア
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
イヤーピースはBose独自の楕円形で開口部が広めのいつものやつ。このイヤーピースのフィット感大好きなんですよね。
さらにイヤーフィンも付属していて、これを耳の淵に引っ掛けることで、めちゃくちゃ装着感が安定するんですよ。
充電用のケーブルはBOSEロゴ入りのUSB-Cケーブルが付属しています。
充電ケース・本体
Bose QuietComfort Earbudsの充電ケースがこちら。
BOSEのロゴのおかげでなんとかなってるけど、これロゴ消したら3000円台のワイヤレスイヤホンと変わらんレベルのチープさや!
横から見てもこのとおりシンプル&チープ! 傷もめっちゃつきやすそー。
QuietComfort Ultra EarBudsと比べるとこのとおり。
厚みはQuietComfort Ultra EarBudsの方が薄いですね。
充電端子はUSB Type Cに対応。
さらにワイヤレス充電にも対応しています。Boseのワイヤレスイヤホンでちゃんとワイヤレス充電に対応しているのは珍しすぎる!
ワイヤレス充電を一度使い出すと「充電しているつもりがないのに、いつも満充電になってる!」のような感覚で使えるので本当に便利ですよ。
ちなみに初心者の方にはAnkerのワイヤレス充電器がとりあえずおすすめです。安い割に品質も良く、問題なく充電ができますよ!
充電ケースを開けるとこんな感じ。
ケースから本体がかなり飛び出している状態なので、取り出しやすさは問題なしですね。
イヤホン本体は今までのQuietComfortシリーズと比べると、丸っこいフォルムに変化しましたね。
上位モデルのQuietComfort Ultra EarBudsがややスティック型みたいな形状でしたが、こちらはスポーツモデルっぽい見た目になりました。
ノズルは相変わらず極楕円形なので、他社のイヤーピースを合わせるのは難しそうです。まあ純正イヤーピースありきの装着感やノイズキャンセリング性能だと思うので、Boseは基本変えなくてOKだと思います。
最後に重さですが、総重量は5.8g、本体片耳の重量は58.6gです。
QuietComfort Ultra EarBudsは7g程だったんで、本体も軽くなりましたね!装着感にも影響がありそう。
Bose QuietComfort EarbudsとQuietComfort Ultra EarBuds スペック比較
製品名 | QuietComfort Earbuds | QuietComfort Ultra Earbuds |
Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
コーデック | SBC,AAC,LC3 | SBC,AAC,aptX Adaptive(48kHz / 24bit) |
再生時間 ※ANC ON時 | 本体:8.5時間 ケース:2.5回分充電 (合計:29.75時間?) | 本体:6時間 ケース込:24時間 |
充電端子 | USB-C ワイヤレス充電 | USB-C ※ワイヤレス充電は別売りケースが必要 |
防水 | IPX4 | IPX4 |
自動装着検出 | ◯ | ◯ |
ノイズキャンセリング | ◯ | ◯ |
外音取り込み | ◯ | ◯ |
パーソナライズ | – | ◯ |
EQ | 5バンド | 3バンド |
マルチポイント | ◯ | ◯ |
空間オーディオ | – | ◯ |
アプリ | ◯ | ◯ |
音声アシスタント | ◯ | ◯ |
Amazon価格 | 26,400円 | 36,000円 |
上位モデルのQuietComfort Ultra EarBudsと比べても、再生時間が大きく伸びたのと、ワイヤレス充電にも対応した点は大きいですね。利便性は上位モデル以上かと思います。
何気にはじめからマルチポイントにも対応しています。
空間オーディオは現時点では対応していませんが、公式サイトを覗いてみると、一応対応予定ではあるようです。
高音質コーデックには対応していないので、より劣化なく高音質で聴きたい方はQuietComfort Ultra Earbudsの方が良いかもしれません。
Bose QuietComfort Earbuds レビュー
装着感|閉塞感が少なくホールド力が高い
装着感はいつものBoseらしく最高ですね!
ボク、あらゆるイヤホンのなかでBoseの装着感が一番好きなんですよ。
縦長で開口部が広いイヤーピースのおかげで、セミオープン型のイヤホンのように閉塞感の少ない装着感を得られます。
実際に装着してみるとこんな感じ。
前から見ても飛び出し感は少なめ。
QuietComfort Ultra EarBudsと本体形式は異なりますが、装着感にはほぼ違いはないように感じました。むしろ今作の方がちょっと軽い分装着感は良く感じるかも。
イヤーフィンのおかげで耳から落ちる心配も少なく、ジョギングやワークアウト用途にも使えます。
ただ、ジョギング中にノイズキャンセリングモードにすると風切り音がうっとおしくなると思うので、オフで運用した方がよいと思います。
装着感 | (5.0) |
音質|意外と上位モデルとも変わらないレベル
QuietComfort Earbudsの音質ですが、廉価モデルなのでイマイチかと思いきや、意外とQuietComfort Ultra EarBudsとそこまで変わらないレベルですよ。
やや傾向が異なり、今作のQuietComfort Earbudsの方がもう少し高域のシャリ付きを抑えられていて、低域がより立体的になっているように感じますね。
音の傾向だけでいえば今作の方が好みかも。いままでのBoseらしい音が好みの方でも問題なくハマるかと思います。
4.4
高音
4.5
中音
4.7
低音
Boseらしく低域がとても豊かで、深いところから低域→中低域にかけてグワァっと持ち上げるような濃密が音が特徴です。
音量を下げても音が痩せ細ることなく、豊かな低音を鳴らし続けられる点がBoseの強み。
中低域だけが支配的になることなく、ボーカルやストリングス、シンバルなどの中高域帯も埋もれることなく、なかなかクリアですね。ウォームでありつつもフレッシュな音という感じですかね。
また、深みのあるネットリとした低音が出るようになっていますね。上位モデルよりも今作のQuietComfort Earbudsの方が聴きやすいと感じる方もいるかと思います。
ストリングスやブラス系などのアコースティックな楽器隊も「電子音感」が薄れ、より生楽器っぽく演出できるようになったように感じましたね。
アタック感や歯切れの良さはQuietComfort Ultra EarBudsの方が上かな?とは感じました。
スピード感には欠けるのでロック系の音数の多くBPMの速い楽曲よりは、ミドルテンポのポップスやヒップホップ、ソウル、R&Bあたりの方が得意かなと思います。
邦楽アーティストだと「藤井風」や「なとり」、「星野源」あたりがおすすめですね。オーケストラやジャズなど生楽器系もおすすめです。
同価格帯で音質と機能性を重視したモデルだと「JBL TOUR PRO 2」と「HUAWEI FreeBuds Pro 3」がありますが、音の傾向の違いはあれどボクは
TOUR PRO 2 > QuietComfort Earbuds > FreeBuds Pro 3
の順で音質は良く感じましたね。
LC3での接続は?
LC3にも対応しているので、Xperia1Ⅵを使って接続できるか検証してみましたが、結論できませんでした。
あわせるスマホ次第なのか、それともアプリで設定が必要なのかわかりませんが、ボクの環境では使えませんでしたね。
LC3での接続できれば、遅延がかなり少なくなってゲームもできるほどになるんですけどね〜。
Androidユーザーであれば、AACよりもLC3の方が音質も良く感じるかもですね。
ノイズキャンセリング|上位モデルほどではないけど優秀
ノイズキャンセリング性能についてですが、QuietComfort Ultra EarBudsと同等とまではいかないですが、同価格帯の中ではとても優秀だと思いました。
電車や車の振動音が伴う低域〜中低域あたりの遮音性はなかなかに高めで、ゴォォォとしたから響くような音もスッとかき消してくれますが、QuietComfort Ultra EarBudsと比べるとやや振動音が残る感覚があります。
カフェでも使ってみましたが、人の声などの中高域あたりの遮音性はやや甘めで、音楽を聴かずに使うとザワザワとした音が耳に入ってきやすいように感じましたね。音楽を聴いていれば気にならない感じ。
QuietComfort Ultra EarBudsのように「遮音されすぎて怖いっ!」という超強力なノイキャンという感じではなく、「かなりしっかり遮音されているな〜」という感覚で留まるような感じですかね。この2モデル間では明らかな遮音性の差があります。
ただ、今までのモデルは「ホワイトノイズが多い」とか「ププっというノイズがたまに入る」などの不満の声がありましたが、今作はボクの個体ではそのような症状もなく、とくに気になりませんでした。
同価格帯の中ではかなり優秀な方だと思いますが、QuietComfort Ultra EarBudsやAirPods Pro、WF-1000XM5には敵わないという印象でしたね。
ノイズキャンセリング | (4.7) |
外音取り込み|むしろこっちの方が優秀
ノイズキャンセリング以上に優秀だと感じたのは外音取り込み性能。こちらはQuietComfort Ultra EarBudsとほぼ同じ実力で、めちゃめちゃ自然に周りの音を取り込んでくれます。
感覚的にはAirPods Proに近いレベルで、まるで耳を塞いでないイヤホンを使っているかのような感覚ですよ。
音楽を小音量で聴いていても、家族とふつうに会話ができるレベルなので、オフィスや自宅でBGM感覚で聴きながら作業する”ながら聴き”用途にもピッタリです。
外音取り込み | (4.8) |
操作性|直感的に操作できる
操作はタッチパネルで行うのですが、こちらも良好です。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を1回タップ |
曲送り | L or R側を2回タップ |
曲戻し | L or R側を3回タップ |
音量を上げる | R側を1回タップしたあと2回目を長押し |
音量を下げる | L側を1回タップしたあと2回目を長押し |
電話を受ける | 着信中にL or R側を1回タップ |
外音モードの切り替え | L or R側を長押し |
音声アシスタント | アプリで設定可能 |
ペアリングモードへの移行 | L R側を長押し |
再生/停止、曲送り/戻し、音量アップ/ダウンまで網羅的に操作が可能。
また左右に対して1〜3回タップ/長押しに対して自由に操作の割り振りもできます。
タップした回数に応じて「ピッ」「ポッ」」パッ」と操作音も切り替わっていくので、自分が何回タップしているかも分かりやすい点も良いですね。
ストレスなく操作ができて、不満は特に感じませんでした。
ただ、ノイズコントロール切り替え時に「オフ」を挟んでしまうのが気になりましたかね。アプリでもこの設定は変えられないんですよ。
アプリについて
アプリは今まで使用されていた「Bose 」ではなく、新たに開発された「QCE」に対応しています。
できることは次のとおりです。
- ノイズコントロール
→オフ・クワイエット・アウェアの3つから変更可能 - EQ
→5バンド±5で調整可能 - タッチコントロール
→左右の1回〜3回タップ、長押しに対して自由に割り振り可能 - ボイスコントロール
→音声操作の項目をチェックできる - マルチポイントのON/OFF
- ファストミュート
→1タップでマイクをミュートできる機能を割り当て - リモートセルフィー
→イヤホンからスマホのカメラを操作する機能 - ボイスアシスタント
- スマートコール
→音声で受話できるようになる機能 - サイドトーン
- ローレイテンシーオーディオ
→低遅延モードのこと、動画鑑賞・ゲーム時の音の遅延を少なくできる - バッテリープレディクション
→使用状況に合わせた最大再生時間を表記してくれる
前作からの大きな進化としては音声コントロールの追加やEQが5バンドになったことですがね。
ただ、音声コントロールは英語操作しか対応していないので、正直使わないと思います。
前作のアプリは接続性の悪さとかアップデート時の遅さとか、いろいろとゴミすぎでしたが、今回はそこらへんの安定性は解消されてそうです!アプデも10分ほどで終わりました。
マルチポイントの挙動も問題なし
最近QuietComfort Ultra EarBudsがようやくマルチポイントに対応して喜んでおりましたが、今作ははじめからちゃんとマルチポイントに対応していました。
挙動もチェックしましたが、電源ON後も自動的に2台目のデバイスにも接続されますし問題なしですね。
ちなみに、割り込み再生はできない仕様になっています。
接続安定性について
接続安定性については、ボクが使った範囲では特に問題はなかったですね。
QuietComfort Ultra EarBudsほどの不安定さは今のところ感じませんでした。
音の遅延について
映像と音声のズレも、YouTubeであればほぼ気にならないレベルですね。(iPhone 15 Proで検証)
YouTubeなど動画コンテンツを見てもズレはほぼなく、ライブ音源やPVも問題なく楽しめます。
低遅延モードも搭載しているのでアプリでオンにして検証してみましたが、あまり変わらない印象でした。
とりあえず音ゲーやFPSは厳しい感じです。
通話品質|マイク音量が小さめ
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
Bose QuietComfort EarBuds
Bose QuietComfort Ultra EarBuds
QuietComfort EarBudsは背景ノイズはしっかり取れていますが、マイク音声が小さめなのが気になりますね……。
対してQuietComfort Ultra EarBudsはまだ音声は大きめですけど、背景ノイズが残っているのが気になります。
通話性能だけで選ぶならTOUR PRO 2やAirPods 4、HUAWEI FreeBuds Pro 3あたりの方が全然優秀だと思います。
Bose QuietComfort Earbuds まとめ
Bose QuietComfort Earbudsをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.7/5
Bose QuietComfort Earbuds
- エントリーモデルでも妥協のないBoseサウンド
- 小音量時でも豊かで臨場感のある低音
- 同価格帯出はノイズキャンセリング性能が優秀
- ホワイトノイズや電子ノイズが目立たなくなった
- 外音取り込みもかなり優秀
- マルチポイントにも対応
- 再生時間が長い
- ワイヤレス充電に対応
- アプリへの接続が安定しやすくなった
- 充電ケースのデザインがチープ
- 高音質コーデックに対応していない
- マイクの音声が小さい
- 外音モードの切り替え時に「オフ」を挟む
4.4
高音
4.5
中音
4.7
低音
5.0
装着感
4.7
ノイズキャンセリング
4.8
外音取り込み
3.8
マイク性能
4.6
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体8.5時間/ ケース2.5回分 |
コーデック | SBC,AAC,LC3 | 充電時間 | 本体1.5時間/ ケース2.5時間 |
ドライバー | ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳 | 8.5g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
Bose QuietComfort Earbudsはこんな人におすすめ
- 予算2万円台でノイズキャンセリングが強いものが欲しい
- 予算を抑えてBoseのサウンドとノイキャンを手に入れたい
- QuietComfort Ultra EarBudsは所持していない
- 通勤・通学、作業集中用のイヤホンが欲しい
価格に対して音質・ノイキャン・外音取り込み・機能性・操作性、それぞれのバランスがよくできた製品のように感じました。
上位モデルのQuietComfort Ultra EarBudsの気になるポイントもわりと解消されていますし、予算2万円台くらいであれば、ふつうに選択肢に入れても良いかと思います。
問題はQuietComfort Ultra EarBudsはプライムデーセールとかブラックフライデーセールだと27000円ほどで販売されることがあるんですよ。ちょいちょいセール価格になるんですよね。
セールのタイミングだと上位モデルとの金額差がなくなってしまうので、そのタイミングだったらQuietComfort Ultra EarBudsを買ってしまった方が良いかな〜とは個人的には思いましたね。やはりノイキャンの精度が全然違う。
今回の「QuietComfort Earbuds」もそのうちセールになることもあるでしょうし、定価でも2万円台としてはアプリの評価は抜きにすれば優秀な製品だと思いますよ。
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