こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
国産のイヤホンブランド「Maestraudio」より、ミュージシャン向けカスタムIEMメーカー国内最大手である「FitEar」とコラボレーションして新規開発されたエントリー / ライブ用ステージモニターイヤホン「STAGEAR(ステージア)」を紹介します。

発売日は2026年2月14日で、価格は29700円、専門店だと26730円で販売予定です。
このイヤホン、スゴイですよ!
超モニター! ドモニター!! ここまでモニターに振り切った有線イヤホンも珍しいと感じたくらいドモニターサウンドです。逆にテンション上がったやつ。
「Maestraudio」とは、「intime(アンティーム)」のブランドで販売する群馬県の企業である「オーツェイド」が新たに展開するイヤホンブランド。

かつてはNHKでも取り上げられたほど話題になったメーカーです。
そしてFitEarは国内最大手のイヤモニ(カスタムIEM)ブランドで、音楽番組を見てみたら日本のアーティストのほとんどがFitEarをつけているんじゃないかな?と思うくらいシェア率の高いブランドです。

どちらも日本のメーカーで、MADE IN JAPANという純国産のコラボイヤホンとなります。
より多くの方へ手が届きやすく優れたライブ用ステージモニターIEMをお届けしたいという、共に同じ思いを持った国内IEMブランド同士がタッグを組み、数多のアーティストやエンジニアへ提供してきたライブステージIEMの知見を持つFitEarからのアドバイスをMaestraudioならではの解釈で昇華し、ハウジングの設計/開発、プロの業務使用に応える徹底したサウンドチューニングを実施したモデルとのことです。
今回はアユートさんから紹介用に提供いただけることになったので、どれほどの実力か検証していきましょう。
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STAGEAR 外観・付属品
それではSTAGEARの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
STAGEARのパッケージはこちら。

開封したらこんな感じ。

付属品

- STAGEAR Cable
- AZLA SednaEarfit ORIGIN 1ペア(Mサイズ)
- iSep02イヤーピース4ペア(S/MS/M/L)
- iFep01 3ペア(S/M/L)
- キャリングポーチ
- FitEarケーブルクリップ
イヤーピースはなんと3種類入っています。
以前紹介した有線イヤホン向けのAZLA「SednaEarfit ORIGIN」がMサイズのみ1ペアだけ付属します。

こちらは国内向けのみのサービス品とのことです。とても耳への刺激が少なく装着感も良好。音にも味付けを加えすぎずニュートラルに出すタイプで、有線イヤホン向けにも個人的におすすめしているイヤーピースです。
サービス品と言いながらも、これでチューニングしてない?って思うくらい相性が良いんだけど。
他のMaestraudioのイヤホンにも付属してきた「iSep02」も付いてきます。

こちらのイヤーピースでも合うかな?と思って試してみたのですが、モニターらしさを追求するならSednaEarfit ORIGINの方が合っていましたね。
iSep02だと上方向に音が広がりつつ、高域に少し煌びやかさが加わるような感じでした。
またフォームタイプを採用した「iFep01」も付属しています。遮音性や装着感重視であればこちらもおすすめです。

そしてFitEar印のケーブルクリップもついてきます。

個人的に一番好きなクリップで、ケーブル側を強く挟みすぎずに負担をかけず、クリップ部も好きな方向に変えられるからめちゃめちゃ好きなんですよね。
シャツの手前で止めて使ってもいいですし、ケーブルを背中側から回して、シャツの襟の後ろ側でクリップを挟んで使うのもおすすめですよ。
装着がめんどくさいですけどケーブルが邪魔にならないですし、タッチノイズも大幅に軽減できます。
本体・ケーブル
STAGEARのイヤホン本体はこちら。パッと見は完全にFitEarじゃないですか。

FItEarは一番安いユニバーサルモデルでも6万円ほどするのに、それを26000円ほどで手に入れられるとなると、すごくコスパが高そうに見えますね。というか単純に見た目でテンションが上がる。
ちなみにカラーはGaral Blue、Clearの2色。今回はClearをお送りいただいています。こっちの方が「これぞFitEar」って感じの見た目で良いですね。


コネクタ周りに目が行きがちですけど、コネクタ以外の筐体はMaestraudioの「MAPro1000」に似ていますね。
ただ、決して同じ筐体というわけではなく、STAGEARの方が筐体がやや分厚かったり、ヘリクス部に凹凸があったり、コンチャ部の造形がなだらかになっていたりと、STAGEAR向けに筐体を新規で設計されていることがわかります。
ドライバーには深い低域再生を実現する10mm径グラフェンコートダイナミックドライバーと、独自技術のパッシブ型セラミックコートツイーターで、MAProシリーズ用に開発した5.8mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)を搭載したハイブリッド構成を採用。

一見MAPro1000と同じ構成ではありますが、筐体仕様の変更に伴い、RSTの基本設計も見直しつつ、FitEarによるチューニングを施しているようです。
内側から見ると、FItEarのカスタムIEM同様に、中までレジンがみっちり充填されていて耐久性もかなり高そう!

このクリアシェルの美しさもFitEarの強みですよね。いつかはFitEarのカスタムIEMが欲しいと思いながら10年経ちました。
ケーブルは着脱対応で、コネクタはFItEarタイプの2pinを採用。

かなりガッチリと装着できるタイプなので、ステージモニターで使っても抜け落ちる心配がないのが良いところ。
ただしこのコネクタ、市場に出回っているリケーブルが少なく、コネクタが高いためリケーブルも全体的に単価が高め。
ノズルは少し太めですが、一般的なイヤーピースであれば大体使えるのではないかと。まあイヤーピースはいっぱい付属しているので、基本は付属品を使うことをおすすめしたいところ。

パッと見わかりにくいですけど、フィルターもちゃんと備わっています。

ケーブルにはシルバーコートOFC&OFCハイブリッド4芯ケーブルを採用。

耳掛け部の形状はワイヤーなどで固定はされておらず、耳掛けをする際も重力にまかせて耳に這わせるような感じですね。

分岐部はシンプルな設計で、アジャスターもついています。

プラグはL字タイプを採用。

残念ながら4.4mmケーブルは付属しませんが、そらプロ向けに作られているんだったらそうなるよね。現場で4.4mmバランス端子とか使えないでしょうし……。
本体とケーブルを装着するとこんな感じ。

見た目が完全にFitEarなおかげで所有欲がめちゃめちゃ満たされます。「俺、いま好きなミュージシャンと同じイヤモニを使ってる……」みたいな感覚になります…
STAGEARのスペック
| スペック一覧 | STAGEAR |
|---|---|
| 形式 | カナル型 |
| ドライバー | 10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1 5.8mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)×1 |
| インピーダンス | 22Ω |
| 再生周波数帯域 | 20Hz~40KHz |
| 音圧感度 | 111dB |
| プラグ形状 | 3.5mm3極 |
| コード長 | 1.2m |
| リケーブル対応 | FitEar 2pin |
| リモコンマイク | × |
| 保証期間 | 1年 |
STAGEAR レビュー
装着感|イヤモニのようにぴったり
STAGEARの装着感はかなり良いですね。MAPro1000シリーズと同じような筐体で、イヤモニ感覚で使えます。
実際につけてみるとこんな感じ。見た目は完全にFitEarのイヤモニ。この写真だけ見ればカスタムIEMを作ったみたいでテンションが上がりますね。STAGEARカスタム。

前から見たらこんな感じ。SednaEarfit ORIGINだと軸が長めなので、若干飛び出し感がありますね。

本体も軽いから圧迫感もないですし、耳の痛みも発生しにくいです。遮音性もなかなかに高めですね。
| 装着感 | (4.8) |
音質|ドモニターすぎるモニターサウンド
STAGEARの音質ですが、冒頭で伝えた通り最近では珍しいドモニターサウンドです。
以前紹介したFitEarとqdcのコラボモデル「SUPERIOR EX」は、SUPERIORをベースにFitEarがその潜在能力を引き出すために最適化したような感じで、その音はややモニター寄りのリスニング向けなサウンドでした。
対してSTAGEARは、ドライバー構成的にはMAPro1000ベースにしているのでしょうかね。そこにFitEarとMaestraudioによる共同チューニングで、完全にモニター向けに極振りしたような音のように感じましたね。
MAPro1000とドライバー構成は同じですが、チューニング違いという感じではなく、実際に聴き比べてみても上位互換と思えるような実力はあるように感じましたよ。
ボクはSUPERIOR EXよりSTAGEAR派。
STAGEARの音の特長は次のとおりです。
4.6
高音
4.6
中音
4.6
低音
音の傾向
音色はFitEar寄りではなく、Maestraudio寄りの音。そらドライバー構成がRST+グラフェンコートDDだからMaestraudioの音になるよね。
ただ、FitEarによるチューニングが入っている影響か、Maestraudioにしては音がとても俯瞰的で、特定の帯域のみが主張せず、音のバランスも楽器の距離もすべてがフラットな印象。MAPro1000シリーズとは異なる音のバランスになっています。
音に良い意味で抑揚が全然なくて、「音楽を聴く」というよりも「音を視る」という感覚がとても強いです。
2〜3万クラスは最近だと高解像度系でリスニングライクな中華イヤホンが多い印象ですが、それらのイヤホンとはアプローチがまったく異なるドモニターサウンドです。モニターすぎて逆に楽しくなってきます。
音場・定位
STAGEARの一番の強みはこの音場の広さと定位感の良さ。エントリーモデルのMAPro1000も音場が大概広くて定位も良かったですが、その上位互換のような感覚です。
音の解像度自体は同価格帯で比較すれば並程度だと思うのですが、広大な音場と、音の方向性や距離の正確さのおかげで、各楽器隊の音の見渡しがとても良いのですよ。
録音環境に応じて、音が「左・左斜め前・前・右斜め前・右・下・上」とそれぞれがレイヤー分けされているかのような感覚で、音が見えてきます。
ステージに立つミュージシャンだけでなく、PAやミキシング・マスタリングエンジニアさんのモニタリング環境としてもとてもおすすめできそう。
高域
高域はFitEarのような多BAで表現する剥き出しの高解像度で攻めてくるような感じではなく、Maestraudioお得意の「RST」の音って感じです。
そのRSTも楽曲や音量によってはキツく感じることもありますが、STAGEARはRSTの音だけど特有のジャキッと感は抑えられてキツさが感じにくく、俯瞰的に音の輪郭を把握できるようになっています。
角がとれた柔らかい感じではないんですが、高域のレスポンスや粒立ちの良さはそのままに、不快に感じるようなキツめの音はスパッと切っている感じ。かといって伸び切らない感じでもなくクリアな音です。
アタック感もしっかりとあって、スネアやシンバルの弾けるような音も録音環境に応じて実直に鳴らすような感覚で、なんとも心地よい刺激感があります。
中域
中域は艶感や美しさのようなものは感じ取りにくいですが、録音環境に対して実直に鳴らすような感じですね。
FitEarチューニングが加わったことにより、Maestraudioブランドの中でも特にボーカルの質感が高く、輪郭をクッキリと聴き取りやすいモデルのように感じましたね。フラットなバランスだけどボーカルは決して埋もれず存在を主張し続けるような感覚。
女性ボーカルがやや刺さりがちになるRSTが、FitEarがチューニングに加わることによって、刺さり感がなくそれでいて瑞々しい歌声になるようにうまく調整されていますね。FitEarさん、RSTの使い方めちゃめちゃ巧くない?
低域
フラットな傾向でありますが、低域は意外と重心が低目で、ドッシリとした立体的な迫力で鳴らせます。
バスドラムが空気を揺らすような重厚な音でありつつタイトに鳴らすような感覚。レスポンスもとてもよく、キックの輪郭が追いやすく、リズムをブレさせず、楽曲が持つ迫力をそのまま引き出しながらノリ良く鳴らしてくれます。
ただ、他の楽器と比較して、ミッドベースはボヤけやすく、意識しないと輪郭を追いにくいように感じましたかね。MAPro1000シリーズでも感じていたことなのですが、RST+グラフェンコートDDの構成だとミッドベースの再現は苦手なのかな?
おすすめのジャンル
突出して得意なジャンルはないですが、なんでもいけますよ。
というかステージモニターなどモニタリング用途で使うのが一番向いているとは思います。
あとは定位感がとても良く、空間表現に優れているので、ゲーミング目的で使うのにもおすすめできそうです。
STAGEAR まとめ
STAGEARをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.6/5
STAGEAR

- 音を俯瞰的に把握できるドモニターサウンド
- 音場の広さや定位感の良さなど
空間表現力に優れている - イヤモニのような装着感
- 見た目がFitEarなのに2万円台で購入できる
- イヤーピースやクリップなど付属品が充実している
- リケーブルの互換性が低い
4.6
高音
4.6
中音
4.6
低音
4.6
解像度
4.6
迫力
4.8
装着感
STAGEARはこんな人におすすめ
- 予算 2〜3万クラスで有線イヤホンを検討している
- 味付けの少ないモニターサウンドが好み
- ステージモニター用のイヤモニを検討しているミュージシャン
- PAやマスタリングエンジニアなど音響に関わる方
- FItEarのカスタムIEMが欲しかったけど、高くて手がなかった
2〜3万円クラスでここまで完全にモニターに振ってくる有線イヤホンも最近では珍しいですね。おかげでとても好印象でした。
FitEarコネクタなので、オーディオマニア的にはリケーブルの選択肢が少なくて残念かもしれませんけど、むしろ現場で使っている方は、メインで使っているFitEarのカスタムIEMが壊れたとき用のサブ機としても使えますし、ケーブルが断線した時はケーブルだけ入れ替えて使うこともできますし、保険代わりに持っておくのもおすすめできそうです。
憧れのFitEarをエントリー価格で手に入れられるような感覚なので、気になっていた方はぜひ店頭で視聴してみたり、購入を検討してみたりしてみてください。
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