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イヤホン界隈で超話題!1万円台の新星「qdc SUPERIOR」レビュー

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回は高級イヤホンメーカー「qdc」から2023年7月に発売した初の1万円台で買える有線イヤホンqdc SUPERIOR」をレビューします。

いまこのイヤホンがめちゃくちゃ話題になってまして。

国内最大級のオーディオイベント「ポタフェス」では、この製品の試聴のために長蛇の列ができたり発売前なのに予約が多過ぎて品切れになったりと、オーディオ界隈でもいま一番注目を集めている製品と言っても過言ではないでしょうね。

ということで、今回はこちらの「qdc SUPERIOR」を メーカーさんよりレビュー用に提供いただいたので、実機を使ってレビューしていきます。

ぜひ最後までご覧くださいませ。

提供:アユート株式会社

▼動画版はこちら▼

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

なぜそんなに人気なの?

まず、SUPERIORがなぜ発売前なのにそんなに人気なのか? おもに次の3つの理由があるからだと思っています。

①あのqdcが1万円台で手に入るから

なぜそんなに人気なのかというと、あの「qdc」が1万円台で手に入るからということでしょうね。

qdcといえばイヤモニの定番的なメーカーで僕も大好きなんですけど、今まで一番安くても3万円台で買えるものしかなく、他の製品は3万円〜30万円台とするものばかりなんですよ。

急に12870円で買えるエントリーモデルが発売されたものだから、イヤホン界隈では話題沸騰というわけです。

②手掛けるのが株式会社アユートだから

また、それを手掛けるのが「株式会社アユート」なんですよ。AZLAやAstell&Kernなど、オーディオ製品でも特に人気のモデルを扱う代理店です。

今回のモデルの企画はアユートさんが行なっているみたいで、qdc独自モデルというよりは、qdcとアユートのコラボモデルという感覚に近いでしょうね。

③実際に音が良いから

もちろん「qdcにしては安い!」「PRがうまくいっている!」というだけでは人気はでません。

実際にイベントや店舗で聴いたユーザーが「この価格でこの音はすごい」という口コミが広まっていているから、というのが一番の人気の理由でしょうね。

僕も実際に試しましたけど、とても良かったですよ! 音質レビューはまた後半でお送りします。

qdc SUPERIOR 外観・付属品

それではqdc SUPERIORの外観や付属品をチェックしていきましょう。

パッケージ

qdc SUPERIORのパッケージはこんな感じ。

今までのqdcのパッケージって、木箱使ったりとかとんでもなく大きかったりするものとか多かったんですけど、今回はかなり小さくてシンプルになりました。

今までのqdcのパッケージはデカすぎ

小さくして輸送コストを下げることによって、この価格を実現しているそうです。

開封するとこんな感じ。

付属品

付属品一覧
  1. 3.5mm3極アンバランスケーブル
  2. ソフトフィットシリコンイヤーピース:3ペア(S/M/L)
    ダブルフランジシリコンイヤーピース:3ペア(S/M/L)
    クリーニングツール
    キャリングケース

ハードタイプのキャリングケースが入っているのはありがたい。

本体・ケーブル

qdc SUPERIORのイヤホン本体は、価格にしての品質はとても高い印象です。

今回は「Vermilion Red」を提供いただきました。他にもPiano Blackがあります。

本体は3Dプリンティング技術を使用したシェルを採用。耳に合わせた形状で作っているので、フィット感もとても良さそうな感じ。

ハウジングはミラーパネルデザインとなっていて、めちゃくちゃ反射します。1万円台でこの本体の美しさは素晴らしい。

ドライバーは「10mm径シングルフルレンジダイナミックドライバー」を一基採用。

また、独自の同軸デュアル磁気回路によって磁束密度を高め、さらにデュアルキャビティ構造によって内部の空気圧を段階的に最適化することで瞬発性が高く、歪みの少ないサウンドに仕上げたそうです。

スペックはインピーダンス16Ω、音圧感度100dB/mWとなっているので、それなりに鳴らしやすそうです。

ケーブルは着脱も可能で、コネクタはL字でフラットタイプの2pinを採用。口径は0.78mmです。

着脱端子は2pinフラットタイプを採用

qdcは今まで独自のコネクタを採用していたのですが、ここにきて通常の2pinタイプになりました。

今までのqdcの着脱端子

ふつうの2pinタイプの方がリケーブルの幅は広がるので、こっちの方が嬉しいという方も多そうです。あと単純に抜き差ししやすい。

ノズルはメタルノズルを採用したことによって、正確なサウンドをストレートに届けられるようにしているようです。

ケーブルは高純度無酸素銅(OFC)の4芯線を採用。光沢感のある皮膜を使ったケーブルで、取り回しも良い感じです。

耳掛け部は形状固定型。

分岐部は半透明のアジャスターがついています。

プラグはストレートタイプを採用。

AK HC3とかDACを使うことを想定してストレートプラグにしたそうな。

本体とケーブルを装着するとこんな感じです。美しい。

qdc SUPERIOR レビュー

それではqdc SUPERIORのレビューをしていきます。

装着感|さすがイヤモニメーカー

装着感(5.0)

qdc SUPERIORの装着感ですが、コレは素晴らしいの一言。

元がイヤモニメーカーだけはあって、有線イヤホンのなかでも最高クラスの装着感の良さを提供してくれます。

実際に装着してみるとこんな感じ。見た目の美しさがすごい。

前から見てもそんなに飛び出してはいないです。

わりと2〜3時間くらい装着しっぱなしでも耳が痛くなりにくい印象で、装着感にはホント不満がありません。

qdcってどの製品もそうなんですけど、この装着感がめちゃくちゃ良いんですよね。

密閉感も高く、周りの音もけっこうシャットアウトするので、電車の中でもノンストレスで音楽に浸れます。

音質|得意ゾーンの実力はヤバい

qdc SUPERIORの音質ですが、こちらも素晴らしいですね。

わりと特殊な鳴り方をするのでジャンルを選ぶ印象ではありますが、得意なゾーンはコスパが凄まじく、苦手なゾーンでも価格相応の実力を発揮してくれます。

今回は以下の環境で検証しました。

  • プレイヤー→iPhone 13 Pro
  • DAC→AK HC3
  • エージング→100時間ほど

qdc SUPERIORの音の特長は次のとおりです。

音の特長

4.3

高音

4.4

中音

4.4

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り
  • 高音:刺さり感が少なくて味付けも少ないニュートラルでモニターライクな高音。ただ、抜け感のある高音の表現はイマイチで、弦楽器などの生楽器系は苦手な印象。かわりにシンセサイザーやエレキギターなど電子音の表現力は同価格帯でもピカイチ。
  • 中音:たっぷりと厚みがありつつも非常に高解像度。ボーカルのバックで発するコーラスもハッキリと聴きとれるレベル。代わりにボーカルはやや遠め。とくに中低域から中高域にかけての再現性が凄まじく、楽曲の一番おいしいラインを素材の味を活かしたまま料理をするのがめちゃくちゃ得意。
  • 低音:深く沈み込むような感じではないけど、迫力をしっかりと感じられる60Hzあたりが前に出るような印象。サブベースの「ブォン」とした電子音を含む迫力のあるサウンドを表現するのが上手で、エレクトロ系から洋楽ポップスまで相性が抜群に良いです。
  • 音場:縦にも横にも狭めで、ニアフィールドな鳴らし方。
  • 傾向弱ドンシャリのパワー型モニターサウンドという印象でしょうか。アタック感たっぷりでズンズン攻めてくるような鳴らし方ですが、脳筋サウンドではなく、音数の多い楽曲でもリズムはしっかりと取れる印象。音の余韻も少なく、余計な音を排除してスナップ感良く鳴らしますね。

抜け感はそこまで広くなくてレンジも狭めですが、苦手という感じではなく、むしろ価格相応くらいの印象です。

ただ、SUPERIORが得意なゾーン(中低域〜中高域)に対するパフォーマンスは凄まじく、相性がピッタリとハマったときに価格からは想像できないような音質を提供してくれますね。

邦楽より洋楽の方が合う

相性としては、邦楽より洋楽の方が合うように感じました。

いつもレビューの際に聴くことの多い「ずっと真夜中でいいのに。」「Eve」とかは、SUPERIORでは高域を伸ばしきれていない印象がありましたね。最近の楽曲はレンジが広いですね〜。

ここら辺の楽曲は、他の中華系イヤホンの方が良いと思いました。

逆に「YOASOBI」の「アイドル」の場合、ドスが効いたベースラインと、キラキラとしたシンセサウンドが、SUPERIORの強みを引き出せているような印象でした。

洋楽では、低域の「ズンっ」と脳を響かせるようなベースラインがSUPERIORの得意なゾーンをついているような印象です。

とくに「ブルーノマーズ」「ダフトパンク」あたりのディスコファンク系とか、「ビリーアイリッシュ」あたりのエレクトロ系サウンドを多用したPOPSが良かったですね。

Bad guyの低音とか大迫力でゴリゴリに鳴らしてくれるのでめちゃくちゃ気持ちいいですよ。

どちらかというと、邦楽ファンよりは洋楽ファンに薦めたいイヤホンのように感じました。

80〜90年代オルタナシーンにめっちゃ合う

洋楽のなかでも、90年代のオルタナロックシーンはSUPERIORの一番相性が良いように感じました。

あの時代の楽曲は、最新の楽曲のように低域から高域にかけてのレンジがそこまで広くなくて、あらゆる楽器隊が「SUPERIOR」の得意とするゾーンを突いてくれるんですよ。

「Nine Inch Nails / Closer」のイントロの心臓のようなバス音も迫力がすごくて、リアル心臓音!サマソニで聴いたCloserのような高揚感がありましたね!サビに入った時の力強いドラムも、悲壮感と怒りたっぷりのボーカルも何もかもが最高になります。

「OASIS / Wonderwall」のようなアコギで始まるイントロも、そこまで上まで伸び切らずに中高域ラインにとどめて鳴らすので、SUPERIORの守備範囲になるんですよね。リアムのボーカルもノエルのギターも映え映えです。

他にも「Rediohead」も「マッシブアタック」も「ケミカルブラザーズ」も「Nirvana」、いろいろなアーティストを聴いてみましたけど、全部最高でしたね!

この年代の楽曲を、逆に高解像度でレンジの広すぎるイヤホンで聴くと「旨み」が詰まっていない帯域まで強調してしまって、高揚感や心地よさが欠けてしまうことがあるんですよね。個人的にですけど。

SUPERIORはこの年代の「美味しい部分」だけをうまく強調して、それでいて素材の味は引き出してくれますね。

他の中華イヤホンや、3万〜5万クラスの高級イヤホンでは表現できないような音を、SUPERIORは再現してくれます。

90年台前半から後半にかけてのオルタナロックシーンはめちゃくちゃ好きなので、SUPERIORを使って久々色々聴きまくりましたね。超楽しいです。

このオルタナシーンとの相性が本当に良いので、これだけのために1軍として使おうと思っています。

サントラ系とも相性が良い

ゲームのサントラとも相性が良くて、このドゥオンっと鳴らすような地響きのような低音が、サントラの壮大な楽曲とマッチしているようです。

とくに聴いてほしいと思ったのが、「ニーア・レプリカント / イニシエノウタ/運命」。ゲームファンの間ではかなり人気の名曲です。

イントロから爆撃のような低音から脳を揺さぶりつつ、コーラスとアコギがエモいこと。全編にわたりSUPERIORがものすんごい壮大に鳴らしてくれますよ。

ゲームをしたことない人も、この曲聞くだけでどんなゲームなの?って気になるくらい最高ですよ。超切な系鬱ゲーです。

ゲームのサントラもぜひ色々聴いてみてほしいです。

バランス接続でさらに化ける

SUPERIORには別売りでバランスケーブルも発売しています。

価格は4950円ほど。

このバランスケーブルを使えばさらに化けてくれますね。

全体的に中央に寄っていた音場が左右に広がるようになって、少し団子になっていた音も、一音一音をよりクッキリと感じやすくなりました。

駆動力も上がるおかげか、低音の迫力やスナップ感も増しているような印象です。

弱点を補いつつ、長所も伸ばすような印象でしたね。

AK HC3、AK HC2、両方で試してみましたが、僕は3.5mm接続より4.4mm接続の方が好きでした。

バランスケーブルを買っても約18,000円ほどなので、4.4mmを使えるDACやDAPをお持ちの方は、ぜひあわせて購入してみてほしいです。

スマホ直差しでも良い音

バランスケーブルの方が良いとは伝えましたが、スマホ直差しでも音量も取りやすいですね。Xperia 5Ⅳに直接つないで聴いてみましたが、全然これでも音いいです。

できればDACとかDAPとか使った方が本領発揮をしてくれますが、イヤホンジャック変換アダプターとか、ジャックに直差しで運用しても全然問題ないと思います。

バーチャル試聴

動画版ではバーチャル試聴も行っています。(12:12~あたり)

同価格帯のイヤホンとの比較を行っていますので、傾向の把握くらいしかできませんが聴いてみてください。

qdc SUPERIOR まとめ

qdc SUPERIORをまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.8/5

SUPERIOR

  • 1万円台のあらたな定番となり得る実力
  • 同価格帯最強クラスの装着感
  • 洋楽やサントラとの相性が良い
  • 価格に対して高いビルドクオリティ
  • 付属品も充実
  • バランス化でさらに化ける
  • 音場やレンジは狭め

4.3

高音

4.4

中音

4.4

低音

4.4

解像度

4.6

迫力

5.0

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

qdc SUPERIORはこんな人におすすめ

こんな人におすすめ
  • 予算1万円台で有線イヤホンを探している
  • 低音の迫力がすごいモニターサウンドが好み
  • 洋楽ポップスやオルナタ系、サントラ系が好み
  • サブ機として本格的に使えるイヤホンが欲しい

前評判のとおり、1万円台の有線イヤホンとしては素晴らしい完成度でしたね。

もちろん万能な音作りではないので、この音が嫌いとか苦手という方もいると思うんですよ。音場狭いですし、レンジも狭いですし。

ただ、中低域から中高域にかけての「美味しいゾーン」に対する再現力が本当に高いので、洋楽とかサントラとか自分の得意なジャンルに引き込めば勝確的なイヤホンです。

領域展開イヤホン(?)です。

特に90年代オルタナシーンとの相性がめちゃくちゃ良かったので、僕はRedioheadとかOasisとかを聴くとき用として使います。

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