ポータブルオーディオ専門ブログを運営しています、かじかじ (@kajet_jt)です。
前回に引き続き、今回もAZLA!
おすすめのイヤーピースとしてよく紹介する「SednaEarFitシリーズ」でも有名な「AZLA(アズラ)」から、初の低反発素材「フォームタイプ」のイヤーピースが登場しました!
それが今回紹介する『SednaEarfit Foamax』です。
こちらのSednaEarfit Foamaxですが、特徴をひとことで伝えると、高音がこもりにくくて低反発らしくフィットもしやすい!まさに理想のフォームイヤーピースです。
素材は高い遮音性を確保する独自の高密度フォームと、イヤホンのノズルに対して高い固定力を発揮するプレミアムメディカルシリコンのハイブリッド構成を採用。
他のフォームタイプのイヤーピースの場合、遮音性とフィット感が良い代わりに、音質が低域寄りになってしまうというデメリットがありましたがFoamaxは、高域の減衰を抑えつつ音の直進性を確保する独自の内部設計により、広いサウンドステージと鮮明な音の確保を実現したとのことです。
今回はこちらのSednaEarfit Foamaxを代理店のアユートさんから先行で提供いただいたので、実機を使って検証していきます。
AZLA SednaEarfit Foamax 外観・付属品
それではSednaEarfit Foamaxを開封していきましょう。
パッケージ・付属品
SednaEarfit Foamaxの外箱は、前作と変わらず小さいけど情報量が多めのパッケージ。
開封すると本体がペア別に収納されています。
こちらはSHUREなどに採用される細軸のノズルに口径を合わせるアダプターは付属していません。
外観
外観はAZLAにしては珍しく完全なブラック。パッと見はふつうのフォームタイプ。
近くで見るとフォーム特有に空洞や気泡のようなものがなく、非常に高密度でツヤっとしています。
SednaEarfit Foamaxは一度潰すと約30秒かけてゆっくりと復元していくようです。とても低反発性が高い。
ポタフェスというイベントでちょうど半年くらい前に一度SednaEarfit Foamaxを試したことがあったのですが、その時点で試した時は低反発性が弱めで、わりと元の形状にすぐに戻ってしまっていました。
「もう少しゆっくり戻るようにしてほしい!」と伝えたところ、アユートさんがメーカーサイドにフィードバックを送ってもらえたみたいで、そのリクエストに応えた仕様にしてくれたようです!ありがたやー。
そして耳道への刺激を軽減する円形デザインの採用と、汗や皮脂汚れを防ぐ超薄膜コーティングを施しているとのことです。
また装着感最高の医療シリコン100%を採用したイヤーピース「SednaEarfit MAX」と同じく、ダンパー機能を有する独自のハニカム構造コアレスワックスガードを搭載。
耳垢を防ぐフィルターとしての機能を備えつつ、音を整える機能も兼ね備えています。
またコアレスの一体成形のためフィルターでありつつも非常に柔らかく、耳穴にも負担をかけない仕様になっています。
サイズは中間サイズを含めたS/MS/M/ML/Lの計5サイズ展開。
パッケージング構成は、単品サイズ2ペアと、非常に好評な中間サイズを含めた近接3サイズ(例:S/MS/M)を1ペアずつパッケージングした3ペアの2種類を採用。
これによって、左右で耳道の大きさが異なるなどの際、微妙な調整をしやすくなります。
できれば近接サイズ3ペアの物を購入することをおすすめします。
今回はTWS向けやAirPods Pro向けには販売されないらしく、有線イヤホンやWF-1000XM5のようなケースの収納部の深いワイヤレスイヤホン向けのみとなっています。
ちなみに寸法は次のとおりとなっています。
どのワイヤレスイヤホンに使える?
現在所持しているイヤホンで、使用できるかチェックしてみました。全てLサイズで検証しています。
機種名 | AirPods Pro 2 | WF-1000XM5 | MOMENTUM True Wireless 3 | EAH-AZ80 |
適合 | × | ◯ | ◯ | ◯ |
機種名 | TOUR PRO 2 | ピヤホン6 | EarFun Air Pro 3 | Soundcore Liberty 4 |
適合 | △ イヤピが潰れた状態で収納される | ◯ | ◯ | ◯ |
TWS向けには販売されていませんでしたが、今回試した中ではAirPods Pro以外は全てケースに干渉せず使えました。
AirPods ProはSednaEarFit MAXに付属していたアダプター使って装着してみましたが、ケースを閉められなくなってしまいました。
有線イヤホンはよほどノズル口径が大きくない限りはどれも装着できそうです。
AZLA SednaEarfit Foamax レビュー
それでは、SednaEarfit Foamaxをしばらく使ってみましたので、詳細なレビューをお送りしていきます。
まずは装着してみよう
まずは装着してみましょう。
フォームタイプを使ったことがない人向けに解説しますが、このタイプのイヤーピースはまずイヤホンにイヤーピースを装着した後、イヤーピースを一度小さく潰します。
そしてイヤーピースが小さくなっている状態から、そのまま耳にブッ刺してしばらく指で押さえて待ちます。
すると耳の中でフォームイヤーピースが元の形状に戻る過程で、耳にピッタリフィットするようになります。
このように装着することで、シリコンタイプのイヤーピースでは得られないような密閉感の高い装着感を得られるというわけです。
装着感|フォームタイプなのに異物感が少ない
それでは実際に使ってみた後のSednaEarfit Foamaxの装着感の感想ですが、フォームタイプでありつつ医療用シリコンを採用したイヤーピースかのように異物感が少ないですね。
耳に入れたての状態だと通常のフォームタイプと同様に「耳に何か入ってきた!」という異物感があるのですが、そのまま挿入していると異物感がなくそのまま耳の一部として馴染むような感覚です。
ボクはフォームタイプを長時間使っていると耳が痒くなることが多いので、あまりメインで使うことはないのですが、SednaEarfit Foamaxは耳があまり痒くなりませんでしたね。
ためしに「耳が痒くなるまで外せませんゲーム」を一人でしていたのですが、4時間後くらいにようやく痒くなりました。めっちゃ長時間装着していられるやん。
ちゃんとフォームタイプとしての密閉感の高さもあるので、ノイズキャンセリングイヤホンと合わせて使えばさらに遮音性はアップします。
耳に合うイヤーピースがなくて困っているけど、フォームタイプは苦手なんだよなーって方は、SednaEarfit Foamaxを使うと悩みが解決できるかもしれません。
WF-1000XM5の悩みが解消した
今回WF-1000XM5で検証して気づいたことがあるのですが、ひとつWF-1000XM5の悩みが解消しました。
WF-1000XM5を純正イヤーピースを使っている時や、他のシリコンイヤーピースを使っている時に感じていたことなのですが、歩いたり首を動かしたりすると「カポカポ」という音が耳に響いていたんですよ。
おそらく他のイヤーピースだと耳にしっかりフィットしていなかったんでしょうね。 YouTubeのコメントでも同じ悩みの人がいたので、多分ボクだけじゃないはず!
WF-1000XM5を使いたくないレベルで気になっていた現象だったんですけど、コレが解消されたのはうれしい!
この前レビューした「SednaEarfit max ASMR」でもなかなかに解消したのですが、こちらのSednaEarfit Foamaxはカポカポ音がゼロレベルでなくなりました。 コレは嬉しい!
ただ、フィット感の良し悪しはホント人によりけりなんで、あくまで参考程度に。
ちょっと行儀悪いかもしれませんが、ボク一人でご飯を食べる時はスマホでYouTubeを見ながらイヤホンをして食べることが多いんですよ。
その時に他のイヤーピースだと咀嚼するたびにもカポカポという音が響いてウザかったんですが、SednaEarfit Foamaxであれば食事中のカポカポ音もなくなりました。
もし、WF-1000XM5ユーザーで同じ悩みを持っている方がいれば、もしかしたら解消されるかもなんで、一度SednaEarfit Foamaxを試してみてください。
音の変化について
次に音の変化についてですが、そのままWF-1000XM5の純正イヤーピースと聴き比べをしてみました。
高域の減衰ですが、一般的なフォームタイプと比べると少ない方ですが、他のシリコンタイプと比べると少し減衰していますね。ちょうど間くらい。
ボーカルラインまでは減衰しているような感じはなく、そのままクリアになっているような印象ですね。
純正と比べてもやや高域が減衰していますね。純正イヤーピースの方がもう少し高域がクリアに感じます。
WF-1000XM5やはり純正イヤーピースでチューニングを合わせているため、やはりそれと同等クラスというのは難しい印象でしたね。
ただ、純正イヤーピース以上に個人的に相性が良く感じたのが、前回紹介した「SednaEarfit max ASMR」なんですよね。
WF-1000XM5のイヤーピースだけで音質の比較をするとすれば、今回検証した中では以下のような感想でした。
SednaEarfit max ASMR > 純正イヤーピース > SednaEarfit Foamax
音質面ではふつうでしたけど、カポカポ音が無くなるのも捨てがたいんだよな〜〜〜〜。
そこでWF-1000XM5の機能「ファインド・ユア・イコライザー」を使ってあげると、SednaEarfit Foamaxを使った状態でのベストなイコライザー設定を見つけられるのでおすすめです。
ファインド・ユア・イコライザーを使ったらイイ感じにメリハリ感のあるイコライザー設定を見つけてくれました。
IE900との組み合わせがとても好みだった
SednaEarfit FoamaxをWF-1000XM5に使ってわかったことが、フォームタイプでありつつも高域をそこまで減衰させないということ。
ということは、フォームタイプだと高域がこもりすぎるけど、シリコンだと音がシャキシャキとしすぎるイヤホンと合わせればちょうど良いのでは?
と思って使ってみたのがゼンハイザーのIE900。
ベストマッチでした。
高域のややキツい感じや線の細い感じがなくなり、少しウォーム寄りで聴きやすい音になりました。心なしかボーカルラインも少し前に出たような感覚もあります。
感覚的には、さらにレンジが広くて解像度感も高いIE600みたいな感じ。ロックやポップス向けの音になりましたね。
この組み合わせは個人的にもとてもアリでしたね。
ただ、IE 900の高域の抜け感とか伸びやかさを活かしてストリングスやハイハットを伸びやかに聴きたい場合や、ジャズやクラシックなどに特化したい場合は、純正イヤーピースやスパイラルドット++など他のイヤーピースを使うことをおすすめします。
THIE AUDIOのPrestigeとの相性も良かったですね。
他にもSA6 MK2とか有線ピヤホン3など、元から高音がキツめだけど、フォームタイプにすると高音が減衰し過ぎてしまうようなイヤホンと合わせるのにもおすすめですよ。
AZLA SednaEarfit Foamax まとめ
総合評価
4.8/5
SednaEarfit Foamax
- フォームタイプにしては高域が減衰しにくい
- フォームタイプにしては耳が痒くなりにくい
- フォームタイプらしい密閉感の高さ
- 細かなサイズ展開で耳に合わせやすい
- 有線・ワイヤレスともに使えるものが多い
- 高域の減衰はあることはある
4.0
音質
4.0
迫力
5.0
装着感
4.8
遮音性
- 普段使っているイヤホンが耳に合わない
- フォームタイプを使いたいけど耳が痒くなるのがイヤだ
- フォームタイプの高域の抜け感が悪くなりすぎるのが苦手
- 高域のキツさを抑えたい
ボクもどちらかというとフォームタイプは苦手なので、チューニング以外で使うことはそこまでないのですが、SednaEarfit Foamaxはフォームタイプのデメリットを極力抑えたイヤーピースのように感じましたね。
表面の質感がガサガサしていないので耳も痒くなりにくいですし、フォームタイプにしては高域も減衰しにくいですし、
WF-1000XM5のカポカポとした音を解消できたのはとても強いですね!SednaEarfit max ASMRとどちらで使おうかスンゴイ迷う……。音質で選ぶなら間違いなくSednaEarfit max ASMRだけど。
有線イヤホン向けにもおすすめなので、イヤホンが耳に合わない人とか、今使っているイヤホンの高域がちょっとキツいって方もSednaEarfit Foamaxを検討してみてください。
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