こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
国産の注目ブランド「Maestraudio」から、最新エントリーモデル「MAPro1000 II」と、EDMに特化したモデルMAPro1000 Dropを紹介します。

1年前に登場したモデル「MAPro1000」の後継機&派生機にあたるNEWイヤホンです。
「Maestraudio」とは、数々の低価格で音質の良い有線イヤホンを送り出す「intime(アンティーム)」のブランドで販売する群馬県の企業である「オーツェイド」が新たに展開するイヤホンブランドです。
かつてはNHKでも取り上げられたほど話題になったメーカーで、オーディオマニアの間では知らない人はいないほど。
最近は中華イヤホンが多いなか、MAPro1000はちゃんと日本のメーカーですしMADE IN JAPANです。

実際に試してみましたけど、個人的には初代より好きな音の傾向になっていましたね。
価格もMAPro1000 IIはe☆イヤホンで11,880円と初代よりも定価は1000円安くなっています。MAPro1000 Dropは約1000円高い12,870円となっています。
今回はアユートさんから紹介用に提供いただけることになったので、前回紹介した「MAPro1000」と比較しながら
▼動画版はこちら▼
MAPro1000 II / MAPro1000 Drop 外観・付属品
それではMAPro1000 II / MAPro1000 Dropの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
MAPro1000 II / MAPro1000 Dropのパッケージはわりと簡素な印象。めちゃくちゃシンプル。

開封したらこんな感じ。

付属品

- MAPro1000 Cable
- iSep02イヤーピース(S/MS/M/L)
- iReep01(S/M/L)
- キャリングポーチ
イヤーピースには「iSep02」を採用。intimeで販売されている「iSep01」よりも硬度を増したものとなっています。

また「iReep01」も付属しています。

本体・ケーブル
MAPro1000 II / MAPro1000 Dropの本体は、初代MAPro1000のようなクリア一色ではなく、不透明ソリッドカラーフェイスプレートと、クリアカラーのシェルの2つのカラーで彩られたツートン仕様となっています。

ちなみに、MAPro1000 IIは「Shadow Crown(黒色)」「Frost Mint(青色)」の2色。
MAPro1000 Dropは黒赤の「Euro Black」の1色となります。

MAPro1000と比べるとこんな感じです。
それぞれドライバー構成も異なりまして、MAPro1000 IIは元のMAPro1000のドライバーをそのままに、半田を低損失の素材に変更することで、抜けの良いサウンドに進化したようです。

そしてMAPro1000 Dropは翔DDというintimeブランドで発売された27500円の有線イヤホンと同じドライバーを使用しています。こちらは半田は通常のものを使っているみたいですね。
なのでIIとDropの違いは「半田」か「ドライバー」かになります。
そしてどちらも独自技術のパッシブ型セラミックコートツイーターで、MAProシリーズ用に開発した5.8mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)を搭載したハイブリッド構成となっています。
内側から見ると、樹脂が中まで重鎮されているように見えますね。耐久性はとても高そうに見えます。

ケーブルは汎用性の高いMMCXを搭載。

初代MAPro1000のMMCXは抵抗が少なくクルクルと周りすぎる印象がありましたが、今作は少しだけ抵抗が加わっていました。
実際にMMCXコネクターの接続安定性も強化しているようです。
ノズルは初代と変わらず少し太めですが、一般的なイヤーピースであれば大体使えるのではないかと。

パッと見わかりにくいですけど、フィルターもちゃんと備わっています。

ケーブルには高伝導OFCを導体にした4芯構成ケーブルを採用。

耳掛け部が初代と異なり形状固定型になりました。また色付きのスリーブも追加され、左右がぱっと見でわかりやすくなりましたね。

分岐部はシンプルな設計で、アジャスターもついています。

プラグはL字タイプを採用。

また、別売りで同じOFC素材の4.4mmバランスケーブルも購入できまして、
本体とケーブルを装着するとこんな感じ。

エントリー価格だけはあって、ケーブルや付属品周りの仕様はシンプルな印象ですね。
MAPro1000 II / MAPro1000 Dropのスペック
| スペック一覧 | MAPro1000 II / MAPro1000 Drop |
|---|---|
| 形式 | カナル型 |
| ドライバー | 10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1 5.8mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)×1 |
| インピーダンス | 22Ω |
| 再生周波数帯域 | 20Hz~40KHz |
| 音圧感度 | 111dB |
| プラグ形状 | 3.5mm3極 |
| コード長 | 1.2m |
| リケーブル対応 | MMCX |
| リモコンマイク | × |
| 保証期間 | 1年 |
MAPro1000 II / MAPro1000 Drop レビュー
装着感|イヤモニのようにぴったり
MAPro1000 II / MAPro1000 Dropの装着感は初代と変わらずかなり良いですね。
実際につけてみるとこんな感じ。見た目は完全にイヤモニ。
MAPro1000 II


MAPro1000 Drop


本体も軽いから圧迫感もないですし、耳の痛みも発生しにくいです。
遮音性もなかなかに高いので、実際にステージモニターとしても十分使えるかと思います。
| 装着感 | (4.8) |
MAPro1000 II 音質|初代よりも中高行きがクリアに
MAPro1000 IIの音質ですが、初代同様にバランスの良いニュートラルなサウンドで、初代と実力的には大きくは変わらないですが、中高域がより明瞭になっていますね。
IIの方がカチッとした華やかな音で好みに感じましたね。

MAPro1000 IIの音の特長は次のとおりです。
4.4
高音
4.4
中音
4.3
低音
音の傾向
全体的に余韻は少なめで、帯域の偏りがないニュートラルなサウンドです。
初代よりもカチッとさが増して、もう少しモニター寄りの傾向になったように感じます。
広い音場の中で鳴らすフラットでクセのないサウンドという感じですね。
音場
Maestraudioの強みと言えば、イヤホンなのに感じられる広大なサウンドフィールド。
公式いわく「Dive into Music」をスローガンにした音作りとなっており、広いサウンドステージで、音楽やゲーム、映画、VR空間などあらゆるコンテンツで没入感を高めるイマーシブサウンドを有線イヤホンで実現した音作りのようです。
謳い文句の通りアナログなのに3Dサラウンドのような音場感で、広い空間の中から音が降ってくるような感覚です。
初代よりもカチッとした音になっているため、定位もより定まっているように感じました。
高域
初代と聴き比べると、少し感じていたモッサリ感がなくなり、突き抜けるようなクリアな高音になりました。
高域はintimeのVSTらしいシャキッとしつつも刺さり感やキツさは感じさせず、レスポンスの良い音でフレッシュに鳴らす清々しい高音。
弦楽器や管楽器よりも、シンバルやエレクトロサウンドなどとの相性が良いような印象ですね。
低域
低域は初代と比べて、少し広がりを抑えてタイトな迫力が加わるように感じました。
ブーミーにはならず、中高域とのバランスを保ちながら締まりの良い音で鳴らすスナップ感のよい迫力という感じですね。
ただ、ベースラインの輪郭は少し追いにくいように感じました。
こちらも初代より好みの傾向になっていましたね。
中域
中高域の明瞭度が向上した影響か、ボーカルも初代よりクリアでハリの良い音になりました。解像度感は価格相応で前作との違いは感じず。
定位感の良さの影響か、同帯域に対する分離感も高く、ボーカルと被りがちなコーラスもハッキリと耳で聴き取れます。
艶感や美しさのようなものは感じ取りにくいですが、録音環境に対して実直に鳴らすような感じですね。
おすすめジャンル
わりといろんなジャンルに対応できますが、アニソンやポップス、あとはクラシックなんかも相性が良く感じましたね。
また、その音場の広さと定位感の良さから、ASMRやサウンドトラック、FPSなどのゲーミング用途にも向いているように感じました。
総評して、初代のMAPro1000よりもクリアかつタイトな音になっていて、とても好みの傾向になっていました。
買い替えまでは必要ないと思いますが、これから買う人は初代よりIIがおすすめって感じです。
MAPro1000 Dropの音質|元のバランスはそのままに迫力アップ
続いてMAPro1000 Dropの音質ですが、MAPro1000の音の傾向からは大きく変えず、ほんの少しドンシャリ傾向にした様な感覚ですね。

ボクが普段聴く楽曲だと、MAPro1000 Dropの方が合う曲が多かったですね。
4.4
高音
4.4
中音
4.3
低音
音の傾向 / 高域 / 中域
EDM向けのチューニングだからといって極端に低音をゴリゴリにせず、全体のバランスを保ったまま低域の迫力をプラスしたような音です。
MAPro1000 IIよりも、ほんの少し低音の量感を増やしてほしいと感じていた方にはちょうど良いバランスになっているかと思います。
高域のクリアさや中域の解像度感もMAPro1000 IIとほぼ変わらない印象。ただ、低音の量感がDropの方が少し多いため、MAPro1000 IIよりも中高域の主張が弱めに感じるかも。
低域
低域はMAPro1000 IIのタイトさはそのままに、サブベースとキックの量感と迫力をプラスした感覚。
低音を広げすぎずにピンポイントの帯域で迫力をドンっと加えますね。
モニター用途でも、Dropの方がキックやベースが追いやすい様に感じましたね。
音場
音場の広さや定位の広さも変わらず良好。低域もタイトなので過度な立体感が加えられず、あくまで解像度感や定位感重視といった印象です。
おすすめジャンル
おすすめジャンルは基本MAPro1000IIと同じですが、公式でも謳っている通り、EDMやヒップホップなど、低音を重視したジャンルとの相性が良くなりましたね。
米津玄師の「Plasma」はMAPro1000 Dropで聴いた方が圧倒的に良かったてす。
総評して、MAPro1000IIの低音ゴリゴリ版!って感じではなく、音の傾向はそのままに弱ドンシャリ型にした意外とバランスの良い音という印象でしたね。
バランス接続をすると
別売りのバランスケーブルも使って聴いてみましたが、MAPro1000が持つ音場の広さと定位感の良さをさらに強調するように聴こえましたね。
ただ、「音楽」ではなく「音」にフォーカスを当てたような鳴り方になるため、音楽としての一体感が薄れてしまう感じがありました。多分音が分離しすぎるんでしょうね。
初代も同じ感想でしたけど、ボクは3.5mmの方が好みでしたね。
ASMRとかFPSのプレイ時には4.4mm接続はおすすめかも。音の細部にわたる解像度感や全体域にわたる音像の定まり方は4.4mmの方が間違いなく上に感じたので、やはり好み次第かと。
MAPro1000 まとめ
MAPro1000をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
MAPro1000 II / MAPro1000 Drop


- 1万円台の定番となり得る実力
- 空間表現力が優れたバランスの良いサウンド
- 初代MAPro1000よりもさらにクリアな音に
- Dropは低音の迫力も強化され、最新チャート曲にも合わせやすい
- イヤモニのような装着感
- とくになし
4.4
高音
4.4
中音
4.3
低音
4.4
解像度
4.4
迫力
4.8
装着感
MAPro1000 II / MAPro1000 Dropはこんな人におすすめ
モニター寄りのニュートラルなサウンドが好みでありつつ、中高域にクリアやキレが欲しい場合はMAPro1000 II。
低域にキレと迫力が欲しい場合は、MAPro1000 Dropがおすすめに感じましたね。
ボクはイヤホンの音だけにフォーカスするならMAPro1000 IIの方が好みでしたが、最近よく聴く楽曲を考えるとMAPro1000 Dropの方が合うものが多かったですね。
どちらか一つ選べ!って言われたらスゴ迷いそう……。ボクだったらDropの方がかな〜……。
どちらも初代のMAPro1000よりもクリアかつタイトな音になっていたので、これから買おうと考えている方は、今回紹介したどちらか2機種を選ぶのがよいかと思います。
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