こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はLetshuoerの1万円台で買える次世代型平面磁気ドライバー搭載モデル「S08」を紹介します!
この機種は個人的にですけど、とても良かったですね!
1万円台の平面ドライバーモデルといえば、同社の「S12 / S12 Pro」が有名ですが、形状もドライバーも音も全てブラッシュアップされた最新モデルって感じです。音もS12やS12Proとは全然違いますよ。
1万円台で有線イヤホンを探している方にはとても良い選択肢になると思いますので、ぜひ最後までご覧いただければと思います。
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LETSHUOER S08 外観・付属品
それではLETSHUOER S08の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
パッケージはこんな感じ。LETSHUOERのパッケージはシンプルでおしゃれなものが多くて好き。
開封するとこんな感じ。
付属品
- シリコンイヤーピース2 種(S/M/L 各2ペア)合計6ペア
- ケーブル 3.5mm / 4.4mmプラグ
- キャリングケース
- マニュアル
安価なモデルでありつつ、付属品は上位モデルとほぼ同じ内容になっていますね。
イヤーピースは傘がソフトな半透明タイプと、傘がややハードめの白色タイプの2種類が付属。
キャリーケースはマットな質感の丸型ケースがついてきます。実用性はともかくかっこいい。
本体・ケーブル
イヤホン本体はCNC加工が施された金属シェルを採用。LETSHUOERとしては珍しく、小ぶりなイヤモニ形になっていますね
ハウジングは「8」の字で設計された面白いデザインに。
ドライバーには第4世代の13mm平面駆動ドライバーを採用。さらにナノスケールのマグネトロンスパッタリングプロセスを採用。
高級スピーカーなどによく採用されるような工程で、ドライバーに銅材料を噴霧してコーティングすることで、音のチューニングを整えています。
AKGのワイヤレスイヤホンのN5 Hybridでも同じような工程でチューニングされていましたね。
またその振動板をコイルの層で挟み込むような形にしているようです。
またPTR 弾性フィルムを組み込むことで、低音の深みが大幅に向上し、よりタイトな低音の表現が実現したようです。
内側はこんな感じでシンプル。
カラーはブラックとシルバーの2色ですが、今回はシルバーを送ってもらってます。
ケーブルの着脱端子はフラットタイプの2pin(0.78mm)を採用。着脱部の仕様はS12に似ていますね。
ノズル部も金属筐体を採用しています。
他のLETSHUOERのイヤホンと比べると、筐体がよりイヤモニっぽいデザインになりましたが、意外と大きさはS15とかと変わらない……。というかむしろS08の方がでかい気がする。
ケーブルは40本の0.05mmの銀メッキ銅線を4芯で編み込まれています。S12やCadenza 4とは違う材質なので、少しグレードの低いものを採用していそうですね。
ゴツく見えますけど、取り回しはふつうに良いですよ。
耳掛け部は形状固定型。
分岐部はこんな感じ。
プラグはこの価格でちゃんと3.5mm / 4.4mmの切替が可能なタイプ。これはありがたい!
本体とケーブルを装着するとこんな感じです。かっこいい。
LETSHUOER S08 スペック
スペック一覧 | LETSHUOER S08 |
---|---|
形式 | カナル型 |
ドライバー | 13mm平面ドライバー |
インピーダンス | 26Ω |
再生周波数帯域 | 20Hz〜40kHz |
音圧感度 | 105dB |
プラグ形状 | 3.5mm3極 |
リケーブル対応 | 2pin (0.78mm) |
保証期間 | 1年 |
LETSHUOER S08 レビュー
装着感|とくに不満なし
LETSHUOER S08の装着感は、Cadenza 4やS15ほどは良くないですが、普通には使えるレベルです。
実際につけてみるとこんな感じ。
前から見るとこんな感じ。
本体もそこまで重たくないので、しばらく着けていても耳が痛くなりにくかったですね。
遮音性もなかなか高いので電車の中で使っても外音はそこまで入ってこないですし、装着感周りは不満なく使えるように感じました。
装着感 | (4.0) |
音質|平面ドライバーなのにドッシリ系サウンド
S08の音質ですけど、最近の1万円台後半の有線イヤホンの中では個人的には特に良かったですよ!この音で1万円台はかなりコスパが高いと思いますし、ちゃんとS12シリーズとの差別化もできています。
- DAP:SONY NW-WM1AM2
- アプリ:Apple Music
- 接続方式:4.4mmバランス接続
- イヤーピース:付属シリコンイヤーピース
- エージング:100時間ほど
音の特長は次のとおりです。
4.5
高音
4.5
中音
4.6
低音
音の傾向は5万円クラスのS15の傾向にかなり似ていますね。ミニS15的な感じの鳴らし方です。
まず一聴して感じることは低音の量感。支配的になる一歩手前くらいまでかなり豊かな中低域を広げつつ、ドッシリと鳴らすような重心が低めのチューニングです。締まる低音というよりは広がる低音って感じ。
膨らみがちにも感じますが、ギリギリブーミーに感じない解像度感ですね。豊かな低音が好みという方は間違いなくハマるかと。
ボーカルは平面ドライバーらしく、とても明瞭に出ている印象で、やや支配的な中低域のなかでもボーカルラインは埋もれずクリアに鳴らしますね。女性ボーカルはむしろ得意なレベル。
YOASOBIのようなハイトーン系の女性ボーカルは距離感が近く感じますが、男性ボーカルは比較すると少しだけ遠く感じるかも。
高域はS15やCadenza 4の性質に近いウォームかつ伸びやかなサウンド。高域もボーカルラインと同じくこもりは感じません。繊細になりすぎずに刺さり感もなく聴きやすい音ですが、煌びやかさやキレの良さはイマイチ。
S12やS12 Proの平面ドライバーを聴いたことがある人だと、伸びやかで硬質な高音を思い浮かべると思いますが、性質は正反対に近いですね。繊細でパキッとした高解像度サウンドが好みの方はS12 Proの方がおすすめかもしれません。
音場は平面ドライバーらしく広めで横方向に迫力を保ちながら立体的に広がっていくような感覚です。ただ、定位は甘めで各楽器隊の方向や距離感は把握しにくい印象がありました。
おすすめのジャンルはロックやポップス、チル、ジャズといったところでしょうか。
EDMやヒップホップはトラック次第ですけど思ったよりキック音に迫力が加わらないので、ノリ良く楽しめない印象でした。どちらといえばアンビエントサウンド寄りのチル系トラックの方が合っているように感じましたね。
ロックだと凛として時雨や結束バンドなどギターのキレの良さを求めるならS12 Proの方がおすすめですが、結束バンドでも「星座になれたら」のように女性ボーカルとベースラインのグルーヴ感を軸に聴きたい場合はS08の方がおすすめって感じです。
かなり完成度が高いので、1万円台で有線イヤホンを探している方は、必ず候補の一つとして入れていただきたいレベルです。
駆動力はそれなりに必要
平面ドライバーを搭載している影響か、駆動力はそれなりに必要なように感じました。
Xperia5Ⅳで3.5mmプラグで直差しで検証してみましたが、これでも十分音質は良いですけど、バランス接続時と比べると音が少し平面的に感じてしまいますね。
バランス接続ができるDAPやDACなどは用意したほうが、S08の実力を最大限まで発揮できるかと思います。
同社のDT03と組み合わせると、駆動力を確保しつつ、全体的に音の締まりが良くなって解像度感も高まるのでおすすめです。
おすすめのイヤーピース
少し低音が多すぎるから、もう少し中高域側に重心を寄らせたいという方におすすめのイヤーピースが水月雨「清泉 – Spring Tips」。
中高域にパリッとした明るさが加えられ、中低域寄りだった音が少し高域側に寄ってくれます。それでも中低域寄りのサウンドには変わりはないですけどね。
高域側にも少し煌びやかさが加えられるので、もう少しキレの良い音で聴きたい方におすすめです。
LETSHUOER S08 まとめ
LETSHUOER S08をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
LETSHUOER S08
- 1万円台としては音質がとても良い
- 豊かで広がりのある低音
- 3.5mm / 4.4mmバランス接続の切り替えが可能
- 付属品が充実している
- ある程度駆動力が必要
- 低域がやや支配的
4.5
高音
4.5
中音
4.5
低音
4.4
解像度
4.6
迫力
4.0
装着感
筐体の質感も高く、プラグ交換でバランス接続も可能で、付属品も充実していて音質も良いなど、価格に対する完成度がとても高いイヤホンのように感じましたね。
低音重視のチューニングなので好みはあると思いますけど、それ以前に約17,000円でこのクオリティを出せるのはスゴイと思いますよ。
1万円台で有線イヤホンを検討している方は、S08をぜひ候補に入れてみてください。ボクとしてもかなりおすすめです。
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