ゼンハイザー IE 200 レビュー|2つの音を楽しめる!? IE 100やIE 300との比較も

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ゼンハイザーの新たなエントリー向け有線イヤホン「IE 200」をレビュー|素晴らしい完成度

ゼンハイザーから久しぶりのエントリー向けの有線イヤホンが登場しましたよ!はい、それがIE 200です!

その特徴ですが次の通りです。

特徴
  • デュアルチューニングシステムを同社初採用
  • アコースティックフリースとレゾネーターチャンバーを搭載
  • 上位機種のIE 600のバックボリューム機構と同様のものを搭載
  • 軽量でタッチノイズも少ない「ブレードケーブル」を初採用
  • ミニマルでシンプルなプレミアムデザインを採用
  • これだけの機構を備えつつ価格は23760円(税込)

とまあ価格に対して上位機種顔負けの機構を多く取り入れたハイコスパ有線イヤホンというわけです。

特にユニークな機能が「デュアルチューニングシステム」なのですが、他社のイヤホンとかによくある一つで2つの音を楽しめるというアレです。

ゼンハイザーはかなりめずらしい機構を採用していて、イヤーピースの位置をズラすだけで、ノズルにある溝から空気の流れを変化させて、2つの音を体感できるようになるとのことです。

果たしてどれほどの実力なのか、今回はゼンハイザーさんよりレビュー用に提供いただいたので、「IE 100 Pro」や、比較用に購入した上位機種の「IE 300」と比較しながらお送りします。

後半ではそれぞれの音を体感できるようにバーチャル試聴も用意しましたので、ぜひ最後までご覧ください。

総合評価

4.8/5

IE 200

  • この価格でゼンハイザーの高級シリーズのエッセンスを体感できる
  • 上位機種に迫るほどの音質の良さ
  • 優しくて聴き馴染みがよい
  • それでいて高解像度
  • デュアルチューニングシステムで2つの音が楽しめる
  • オープンスタイルの時の音の抜け感がとても良い
  • 他のmmcxケーブルと互換性がない

4.6

高音

4.6

中音

4.6

低音

4.4

解像度

4.4

迫力

4.5

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り
IE 200
ゼンハイザー

▼動画版はこちら▼

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

IE 200 外観・付属品

それではIE 200の外観や付属品をチェックしていきましょう。

パッケージ

IE 200のパッケージはいつものゼンハイザーらしい、カッコいいデザイン。

開封するとこんな感じ。

付属品

付属品一覧
  1. イヤーピース(シリコン製)3ペア
  2. イヤーピース(ウレタン製)3ペア
  3. ポーチ
  4. マニュアル

イヤーピースはシリコンタイプと

低反発タイプが付属しています。

 

IE 200に関しては個人的にはシリコンタイプを使っていますね。

さらにポーチも付属。

本体・ケーブル

IE 200のイヤホン本体は樹脂製で、マットブラック調のシンプルなデザインです。

内側はIE 200の印字があります。

ケーブルの着脱にも対応していて、MMCX端子を採用しています。

ただ、このMMCX端子、少し奥側に入った溝付きの設計で、一般的なMMCX端子のリケーブルは使用できません。

互換性が低く、ほぼ他社のケーブルは使えないのでご注意ください。変に独自規格にするのやめて。

ノズル部はMOMENTUM True Wireless 3の形状に近く、少し短めかつ太めのノズルを採用しています。

ケーブルは新設計のブレードケーブルを採用しています。

上質な音のために可能な限りの障害をなくして長時間のリスニングも快適さを実現。さらに軽量で耐久性も高いため、日常の中でも使いやすくなったとのこと。

コネクタ部は独自のMMCXを採用。

耳掛け部は形状記憶型で、耳に合わせて形状を変形できます。

分岐部は透明のスリーブに覆われた超シンプルな設計。ある意味一番実用的?

プラグはL字タイプを採用しています。

本体とケーブルを装着するとこんな感じです。

IE 200 レビュー

音質|IE 100とIE300とも違う音作り(超好み)

IE 200の音質音質ですが、とてもバランスが良く聴き心地の良さを重視したサウンドのように感じました。

IE 100のようにガッツリモニター系ではなく、完全にリスニング向け、オーディオファン向けに作られたチューニングのように感じましたね。

今回の検証はエージングを約30時間ほど、試聴環境はSONY NW-WM1AM2とiPhone変換アダプターの2つの環境で試してみました。

エージングをしてからの方が、高域の伸びや粒立ちが良くなった気がしますね。あくまで感覚ですけど。

IE 200の音の特長は次のとおりです。

音の特長

4.6

高音

4.6

中音

4.6

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り
  • 高音:刺さり感が一切なく、マイルドかつサラッとした粒立ちの良いサウンド。こもり感もなく、弦楽器から管楽器まで伸びやかなに鳴らします。刺激感はほとんどないので、シンバルの炸裂音をリアルに味わいたい人には物足りないかも。IE 300の方が高域は伸びますが、IE200の方が落ち着いて聴けるような感じですね。
  • 中音:最近のゼンハイザーらしいボーカルがとても映えるチューニング。男性女性問わずに艶っぽく上品に聴かせ、サビで楽器隊の音圧が高まってもボーカルは埋もれることがなく浮き彫りされたような感覚で聴かせますね。感覚的にはIE 200はボーカルラインが一番得意なように感じました。
  • 低音:迫力というよりも深みや聴き心地を重視した上品な低音という印象。ベースラインやバスドラムもフワッと優しく広がるように、落ち着いて聴いていられますね。かといって輪郭がボヤける感じもなく、耳でリズム隊もしかりと追えますね。
  • 音場:少し広めで外側にフワッとぬけていくような音場感。同価格帯のなかではかなり広めかと。
  • 傾向バランスがとても良く優しいウォーム系のサウンド。余韻感はそこまでなくニュートラルに鳴らしますね。IE 100とまったく逆の完全リスニング向けのチューニングで、IE300よりももっと落ち着いたトーンで鳴らします。

得意なジャンル

  • オールジャンルOK

とくに苦手なジャンルはなく、ロックやポップス、ジャズ・クラシックまでなんでもこなせるように感じました。

逆に「これが一番得意!」と呼べるような尖った部分もないといったところ。

IE 100はプロ向けのガッツリモニター系のサウンドなので、リスニング向けに使うには音が硬く、高解像度すぎて耳がつかれるといった感覚があるかもしれませんが、IE 200は全く逆傾向です。

究極までにリスニング向けのサウンドで、本当に耳あたりが優しすぎて、良い意味で刺激が全くないんですよね。

IE 300ともタイプが異なりますね。IE 300はメリハリ感のあるハデめの濃いサウンドですが、IE 200の方が落ち着いたトーンで聴かせる上品な音です。

高音や低域の量感はIE 300の方が良く出ていて解像度も高いですが、ぶっちゃけ価格差ほどの実力差を感じさせません。IE 200の方が音は好きです。そう考えるとコスパはめちゃくちゃ高いんですよね。

ただ、解像度はIE 100 Proの方が上のような気がしますね。そもそもIE 100 Proは完全にプロ向けのモニターサウンドなので、用途やチューニングが全く異なるので仕方がないですね。

柔らかくて優しく、それでいて緩くなりすぎない高解像度系のサウンドが好きな方にはたまらないチューニングですよ!

デュアルチューニングシステムがすごい

と、ここまではイヤーピースを奥まで挿入したクローズ状態での評価です。

ここからはデュアルチューニングシステムを使って、イヤーピースを手前の位置までズラしてオープン状態にした状態した状態でレビューします。

音の傾向は以下のような印象に変化しました。

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音場感と音の抜け感が抜群に良くなり、まるでオープン型ヘッドホンで聴いた時のような自然な高音の抜け方に変化しましたね。

カナル型イヤホンでこの抜け感を体感できるのはヤバい。

スタンダードとオープン時の周波数特性の違い

アコギやストリングスアレンジの施された楽曲との相性がとても良くて、ヨルシカやEveなどの少し繊細なテイストのロック・ポップスは最高に良い感じです。

特にEveの「蒼のワルツ」を聴いた時は、鳥肌がびっしり立ちました。

抜け感が良くなったからといって音圧が低くなるような感覚は特になく、少し中低域寄りだった傾向がフラットになったような感覚ですね。

オープンスタイルで聴くようになってから、IE 300よりも余裕で好きになりました。

IE 200を聴く際は、絶対にイヤーピースを少し手前側に引っ張って、オープンスタイルで聴いてみてほしいです。それほどの衝撃です。

今後発売するゼンハイザーの有線イヤホンには、全てデュアルチューニングシステムを採用してほしいです。素晴らしい機構です。

バーチャル試聴

ということで、IE100、200、300とそれぞれバーチャルで録音してみましたので聴いてみてください。

リアルな音というわけではなく、あくまで他機種との比較や傾向の把握程度にご試聴ください。

バーチャル試聴環境(タップで開く)
  • ダミーヘッド(収録用マイク):サザン音響 SAMREC 2600
  • オーディオインターフェイス :RME Babyface Pro FS
  • 録音ソフト:Audacity
  • DAP(有線接続時):SONY NW-WM1AM2
  • スマートフォン(ワイヤレス接続時):SONY Xperia 5Ⅳ

IE 100 Pro

IE 200

▼スタンダードポジション

▼オープンポジション

IE 300

IE 200
ゼンハイザー

バランス接続をすると?

ちなみに今回純正のバランスケーブルもレビュー用に提供いただきました。

こちらのケーブルで4.4mm接続でNW-WM1AM2に接続して聴いてみると、まあ普通に良くなりましたね。

ちょっと甘めだった音の輪郭はビシッと定まり、低域に締まりも生まれてほんの少しメリハリ感が出ましたね。

バランス接続した時の「左右に音がパックリ分かれる」ような感覚もなく、自然なステレオ感を保ったままリスニングライクに鳴らしてくれますね!

個人的にはIE 200に関してはバランス接続で聴いた方が好きでしたね!

装着感|イヤモニ型で良好

IE 200の装着感はイヤモニ型を採用していることもあり、装着感は良好なように感じました。

装着してみるとこんな感じ。耳の中にスッポリと収まります。

前から見ても耳からの飛び出しは全然気にならないですね。

遮音性はかなり高いという感じでもないですが、通勤用途など外出先で使う分には特に問題なしかな?という印象です。

ただ、耳にかけて使ってもタッチノイズは少し気になるかな? という印象でした。

あと、コネクタのMMCX部が装着の際にクルっと回ってしまうことが多いので、装着位置を定めるのも少し難しい気がしました。MMCXはこれだから嫌いです。

装着感(4.5)

IE 200 まとめ

IE 200をまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.8/5

IE 200

  • この価格でゼンハイザーの高級シリーズのエッセンスを体感できる
  • 上位機種に迫るほどの音質の良さ
  • 優しくて聴き馴染みがよい
  • それでいて高解像度
  • デュアルチューニングシステムで2つの音が楽しめる
  • オープンスタイルの時の音の抜け感がとても良い
  • 他のmmcxケーブルと互換性がない

4.6

高音

4.6

中音

4.6

低音

4.4

解像度

4.4

迫力

4.5

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

IE 200はこんな人におすすめ

こんな人におすすめ
  • 予算2万円ほどで有線イヤホンを探している
  • ウォームで聴き馴染みの良いサウンドが好き
  • 一つのイヤホンで2つの音を楽しみたい
  • オープン型のような抜け感の良いサウンドが好き

いや〜3万円以下の有線イヤホンとしてはかなりの有力候補ですよ。

IE 200はただのナンバリングが中途半端なエントリーモデルというわけではなく、他のIEシリーズとしっかり差別化できたイヤホンのように感じました。

個人的にはこのウォームな音作りが上位機種のIE300よりも好みで、もし有線イヤホンで2万円台で一つメイン機を選ぼうとしていたら、間違いなく候補に入れると思います。

デュアルチューニングシステムは本当にすごいので、また店頭とかで試聴する際は、イヤーピースを少し前にずらして試聴してみてください!

以上! IE 200のレビューをお送りしました。

IE 200
ゼンハイザー

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