こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
まさに探していた理想のDAPが登場しました! これ100%めっちゃ売れる。
それが今回紹介するHiBy Digtal M300です。
主な特徴は次のとおり。
- Android 13 ベースのカスタム OSでストリーミングにも対応
- Snapdragon 665搭載で動作が超サクサク
- DACチップはCS43131を搭載
- 最大再生時間29時間
- LDACにも対応し、ハイレゾ&ハイレゾワイヤレスどちらも認証
- 価格は29,800円
簡単に伝えると、胸ポケットサイズなのに動作が超サクサクで価格も超安いコスパ最強のエントリー向けDAPというわけですよ!
そう、これを探していた。この価格・このサイズなのにSnapdragon 665搭載だから動作サクサクすぎて、もはや音の良い小型スマホですよ。たぶん勘が良い方は、M300の最適な使い方がわかるはず。
今回は代理店のミックスウェーブさんより先行でレビュー用に提供いただいたので、実機を使って紹介していきます。
YouTube版はこちら
HiBy Digital M300 外観・付属品
HiBy Digital M300のパッケージはこちら
開封するとこんな感じ。
- USB A to USB Type-C 充電用ケーブル
- クイックガイド
- 保証書
HiBy Digital M300の付属品は費用をおさえているためか、かなりシンプルです。
本体はDAPとしてはかなり小型で胸ポケットにすっぽり収まるほどのサイズ感。某日本のDAPに似ている気もしなくもない。
筐体にはアルミニウムを採用し、ガラス製のパネルも搭載。堅牢でシンプルなデザイン。
ディスプレイは4インチのIPSディスプレイを採用しており、解像度は1280×640となっています。
他のDAPやスマホと大きさを比べるとこんな感じ。
側面で比べるとこんな感じ。いかにM300が小さいことがわかるかと。
右側面には電源ボタン、音量ボタン、選曲ボタン、操作ロックのためのスライドスイッチが備わっています。
逆側にはMicroSDカードスロットとストラップホールが備わっています。ちなみにMicroSDカードは2TBまで対応のようです。
下部には充電兼データ伝送用のUSB-C端子、3.5mmイヤホンジャック、そしてDAPとしては超めずらしいスピーカーが備わっています。
イヤホンがなくても気軽に音楽を聴けるスマホライクな使い方ができます。ゲームとかもできるかもね。
天面に備わっているのはマイクで、 ボイスレコーダー機能も搭載しています。スマホやん。
重さは138.2g。
iPhoneがケース込みで220gほどなので、スマホよりかなり軽めです。
HiBy Digital M300 スペック
スペックはこちら!
項目 | 詳細 |
---|---|
OS | Android 13 |
SoC | Qualcomm Snapdragon 665 |
DAC | CS43131 |
最大出力 | 103mW |
ダイナミックレンジ | 119dB |
S/N比 | 120dB |
最適音量での歪率 | 0.001% |
ノイズフロア | 1μV |
オーディオフォーマット | DSD256、PCM768kHz/32bit |
出力端子 | 3.5mm PO / USB out |
WiFi | 2.4GHz, 5GHz |
Bluetooth | Bluetooth 5.0 |
Bluetooth codecs | LDAC / AAC / SBC ※aptXに対応予定 |
ディスプレイ | 4.0 インチ タッチスクリーン |
ディスプレイ解像度 | 1280×640 |
RAM | 3GB |
内部ストレージ | 32GB |
マイクロ SD | 2TB |
バッテリー容量 | 2000mAh/3.8V |
再生時間 | 最大約29時間 |
カラーバリエーションはブラック・シルバー・ブルーの3色となります。
ちなみにHiBy Digitalとは、オーディオ界隈でも人気の高いメーカー「HiBy」のエントリー向けの新ブランドのようです。
HiBy Digital M300の実力は?
動作がとにかくサクサク
M300を使っていて一番驚いたのが動作のサクサクさ。
29800円でこれだけ小型でありつつ、エントリー価格のスマホにも搭載されるSoC「Snapdragon 665」を搭載しているため、操作時のストレスが全然たまりません。
動作が重たくなりがちなApple MusicやAmazon Musicも、立ち上げた瞬間からかなりサクサクと動きますね。
文字を打つときもAndroidスマホのように1文字ごとにバイブがブルっと震えてくれるので、ちゃんと文字を入力できているかどうかも直感的にわかりやすい仕様になっています。
アーティストの検索時もスマホ感覚で文字入力ができますね。
また左から右にスワイプすれば前の画面に戻れたり、画面下から上にスライドするだけでホームに戻れたり、スマホのような直感的な操作も可能です。
おそらく低価格帯では一番動作が快適なDAPかと。6万円〜10万円クラスのDAPでも、ここまで動作がサクサクなDAPはなかなかないですよ。
ストリーミングもOK
先ほど例に挙げたApple Musicはもちろん、Amazon Music、Spotifyなど基本ストリーミングはなんでも動作します。
それぞれGoogle Play Storeからダウンロード可能です。
ただ、どのDAPにも言えることなのですがアップデートによって対応しなくなる可能性もあるのでご注意ください。HiByはおそらく大丈夫かと思いますが。
音質|スマホよりは間違いなく良い
HiBy Digital M300の音質ですが、まあ単体では価格相応かなって感じですね。
スマホよりは間違いなくいいですし、価格と操作性を考えれば十分って感じです。初めてDAPを購入しようと思っている方には良い選択肢だと思いますよ。
音の特徴は次のとおりです。
3.8
音質
特別味付けをすることもなく、ニュートラルにイヤホンの特性を引き出すような感じですね。
感覚的には、サクサク動作するAndroidを搭載した1万円クラスのドングルDACという感じでしょうかね。
音量調整もしやすく、スマホの利便性を欠けさせることもないので、ドングルDACよりもかなり運用はしやすいと思います。
最大出力は103mWとスマホよりも高い出力を得られるので、能率の悪いイヤホンでもそれなりに鳴らせますね。
ただ、ストリーミングいらずで単純に音質だけを求めたい場合は、32,000円ほどで買える「R3 II」の方が良いかと思います。
4.4mmバランス端子は備わっていないのは残念
4.4mmバランス端子が備わっていないのは残念ですね。この価格で4.4mmバランス端子がついていたらマジで敵なしでした。
ただ、4.4mm端子が備わっていなくても大丈夫です。音質もある程度でもOKです。この子のメインの使い方は、単体で使うことではありません。
DACのトランスポーターとして最適解のDAP
このM300さん、DACのトランスポーターとして最適解のDAPなんですよ。これがボクがM300を理想のDAPと伝えた理由です。
USB-C端子からデータの転送もできるため、DC-EliteとかRU7とか、少し大型のShanling H5でも問題なく接続できます。音質は外部のUSB-DACで運用するので、M300単体の音質はある程度でいいんですよ!
これなら4.4mmバランス接続での運用もできますね。
R3 IIでもドングルDACを使えるのですが、AndroidベースじゃないからApple Musicなどのストリーミングサービスを自由に使えないんですよ。
M300にDC-Eliteの組み合わせはとくに最高ですよ! M300とDC-Eliteをマジックテープとかでくっ付ければ、ミニマムなのに音質最強のオーディオシステムが完成しますよ。
この環境であればDC-Eliteをスマホに繋げて運用しなくても良いので、スマホ側のバッテリーを吸われ続けることなく、スマホの利便性も保てます。
さらにM300はスマホと同じような操作性でストリーミングサービスも使えて、さらに胸ポケットサイズで持ち運びもしやすいので、ドングルDACのトランスポーターとしてホント最適解なんですよ。
ちなみにApple MusicにDC-Eliteを繋げたままで音楽を流しっぱなしにして検証してみましたが、大体4時間〜5時間くらいは保ちました。十分じゃない!?
ただ、純正アプリ以外はSRCを回避できない
ただ、USB出力で再生する際、純正の「HiBy Music」以外(Apple MusicやAmazon Music)で再生する場合は、Android SRCは回避できず、ビットパーフェクトで出力することができません。
iPhoneのUSB出力はビットパーフェクト、Andoird14でもSRCを回避できるようになったとして最近話題になってましたけど、M300は対応できていません。
実際に聴き比べてみると、HiBy MusicでSRCを回避した方が若干音が緻密で音像のブレが少ないような気がしました。ただ、再生アプリによる音質の差もあるかも……。
Apple Musicでも十分音質は良いですね。聴き比べなければほぼ気にならないレベルです。
ちょっと気になるのは、サードパーティアプリで再生した場合、48kHzにダウンサンプリングされるわけではなく、おそらく192kHzにアップサンプリングされて固定になってしまう状態になっているのかと思います。
AFUL SnowyNightを接続して確認したのですが、192kHz(もしくは176.4kHz)で入力されたときと同様にLEDが「緑」に光っていました。Dawn Proでも検証しましたが同じ反応でしたね。
メーカーさんに確認したところ、本当に192kHzで固定出力されるようです。珍しい仕様。
気にする方はハイレゾ音源を購入してHIBy Music経由で聴けばいいですし、気にしなければふつうにストリーミングで再生すればOKかと思います。
ちなみにHiBy MusicでSRCを回避する場合は、HiBy Musicの「設定」→「Exclusive HQ USB」をONにすればOKです。
このモードだとHiBy MusicだとUSB出力から音が出て、Apple Musicなどその他のアプリだとスピーカーから音が出るようになります。
HiBy Linkが超便利
動作がサクサクでストリーミングが使えるだけでもすごいのに、M300にはさらに便利な機能があります。
それが「HiBy Link」という機能なんですけど、この機能を使えばスマホからM300を遠隔で操作できます。
やり方ですけど、まずM300にプリインストールされている「HiBy Music」を立ち上げます。
次にタブの右から4つ目くらいの「CDからWiFiが飛んでる」感じのアイコンをタップします。
「HiBy Linkクライアント」と「HiBy Link サーバー」の2つ項目があるので、「HiBy Link サーバー」のスイッチをONにします。
次にスマホ側でHiBy Musiのアプリをダウンロードします。
そこから「HiBy Link」のスイッチをONにして、HIBYDIGTAL M300を選択すれば、スマホから操作ができるようになります。
ただ、たまにリンクが途切れたりするので、安定した動作ができるというわけではありません。あと同じネットワーク内にスマホとM300がつながっている必要があります。
また、M300内に転送した楽曲しか再生できないため、Apple Musicなどストリーミングサービスまで遠隔操作ができるわけではありません。それができたらもっと最高だった。
LDAC対応でBluetoothでも使いやすい
M300はLDACに対応しているので、USB-DAC用に使うだけではなく、LDAC対応のワイヤレスイヤホンに使う場合にもおすすめです。
たとえば、ピヤホン7を所持していて、メインスマホがiPhoneの場合、対応コーデックがSBC・AACまでなので、より高音質で聴けるLDACが使えません。
そんな時にM300があれば、iPhoneユーザーでもLDAC再生専用機として使うこともできます。
通信もスマホほどでないですけど割と安定している印象で、ピヤホン7もわりと問題なく使えました。
LDACの接続モードも、可変モードから音質優先モードまで変更可能です。
HiBy Digital M300 まとめ
総合評価
5/5
M300
- スマホ感覚で操作が超サクサク
- Androidベースでストリーミング系も使える
- 胸ポケットサイズで携帯性抜群
- ドングル型DACと合わせて運用しやすい
- LDACが使える
- 4.4mmバランス端子が備わっていない
3.8
音質
4.8
携帯性
4.0
拡張性
5.0
利便性
- 初めてDAPを買おうと考えている
- ストリーミングサービスメインで使う
- ドングル型DACをメインで運用している
- スマホとは別で音楽再生機を専用で用意したい
M300は、DC-EliteなどドングルDACをスマホとは別でメインで運用したい方に最適なDAPのように感じました。
そう、こういうのを探していたのだよ。
ストリーミングサービスを使わなければ、R3IIとかでも良いと思いますけど、ボクはストリーミングサービスを使える環境が必須なのでM300派ですね。
サイズも小さいですし、動作もスマホ並みに超サクサクですし、とにかくストレスなく操作できますし、DAC用トランスポーターとして最高の選択肢ですよ。
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