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クリスタルのような美しさ……有線イヤホンのミドルクラス注目作「DITA / Project M」レビュー

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はDITAのミドルクラス有線イヤホンの注目作「Project M」をご紹介します。

発売日は2023年12月14日で、発売当初は品切れが続いたりとけっこう話題になった製品です。

この筐体の美しさヤバない? ファイナルファン○ジーだったらクリスタルと間違えるレベルよ?

今まで見てきたイヤホンの中でもっとも美しいと思える筐体なんじゃないかなと思えるレベル。

DITAシンガポールを拠点にイヤホンの開発・販売を行うオーディオブランドで、イヤホン界隈でも人気の高いブランドです。今までダイナミックドライバー1基構成で貫いてきていました。

DITAといえばどのモデルも10万円以上するものばかり開発してきましたが、今回は49,800円とDITAブランドとしては手が届きやすい価格設定。そして、DITA初のハイブリッドドライバーを搭載した意欲作となっています。

商品提供:final

▼動画版はこちら▼

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

DITA Project M 外観・付属品

それではDITA Project Mの外観や付属品をチェックしていきましょう。

パッケージ

DITA Project Mのパッケージはこちら。グラフに周波数特性を記した背景に、DITAのロゴと製品名を記したデザイン。

開封するとこんな感じ。男心を鷲掴みにしてくるかのようなパッケージングでテンションが上がります。

付属品

付属品一覧
  1. 特別仕様FINAL TYPE E イヤーピース5ペア
  2. Tanos社製Systainer®イヤホンケース
  3. Tanos社製Systainer®イヤホンケース
  4. Cardas Audio社製「MOCCA」
  5. マニュアル

イヤーピースの中でも評価の高いFINAL TYPE E イヤーピースを採用していますが、付属のものは軸部分が暗闇でも光る蓄光タイプを採用した特別仕様となっています。

そしてこのケース。メカメカしい風貌でまさに男心をくすぐるデザイン。

ドイツの有名なツールメーカーTanos(タノス)社が設計したSystainer®(システナー)を採用しています。スタッキングもできるようですが、別売りで販売してくれないとスタッキングできない。

中身はこんな感じになっています。実用性はともかくかっこいい。

本体・ケーブル

Project Mの1番の特徴は、なんといってもこのシェルの美しさ。スーパークリア樹脂で透明かつ剛性の高い筐体を採用しています。

内側から見てもこんな感じ。中のドライバーから配線までスケスケ。

樹脂を型に流し込む際に気泡の発生が発生してしまいがちなのですが、DITAでは慎重な樹脂の選定と生産技術の開発により、高い透明度を実現したようです。

さらに、耐久性を高めるため、筐体にはUV防止コーティングが施されています。密度感たっぷりの筐体でたしかに耐久性はとても高そうです。

ドライバー構成はダイナミックドライバー1基、バランスドアーマチュアドライバー1基の2ドライバー構成となっています。

最近のイヤホンとしてはシンプルな構成に感じますが、そもそもDITAは今までダイナミックドライバー一発のみで開発してきたので、ダイナミックドライバー側にコストが掛けられているのかと。

そのダイナミックドライバーには新開発の9.8mmドライバー「PM ONE+」を採用しています。

インピーダンス32Ω、感度 107db/mWとやや鳴らしにくいくらいでしょうかね。周波数特性は 20Hz – 20KHzとなっています。

ケーブルの着脱部はめずらしく凸型のqdcタイプですかね?を採用しています。 中華イヤホンやqdcだと採用されることが多いですがDITAでこの端子は珍しいですね。

金属ノズルを採用しており、網目の細かいフィルターも備わっています。

ケーブルはオーディオ界隈でも有名な「CARDAS社」製線材「MOCCA」を採用。ケーブルだけでなく内部配線にもこの線材が使われているようです。リケーブルの必要はまずないかと。

耳掛け部は形状固定型。

分岐部はこんな感じ。アジャスターが備わっていないのが気になる……。けっこう使うんだけどなーアジャスター。

プラグ部分には交換可能な「Awesome Plug2」を採用。

3.5mmシングルエンドと4.4mmバランスの2種類のプラグが使用可能です。プラグはケーブルの配色に合わせて新たに設計したようです。

本体とケーブルを装着するとこんな感じ。美しさの極み。

DITA Project M レビュー

装着感|オーダーメイドイヤホンのような装着感

DITA Project Mの装着感ですが、まるでカスタムIEM(オーダーメイドイヤホン)かのように良好です。

実際に装着してみるとこんな感じ。クリアなシェルも相まってカスタムIEMのようにしか見えないですね

前から見るとこんな感じ。耳への収まりも良く飛び出しも少なめです。

屋外で使っても歩いた反動で装着位置がズレることもなく、安定した装着感を提供してくれます。

筐体にレジンがみっちり充填されている影響か、遮音性もかなり高いですね。

ケーブルの取り回しも良く、屋外でも使いやすい印象を受けました。

装着感(4.8)

音質|クリスタル系ソリッドサウンド

Project Mの音質ですが、一言で伝えるならクリスタル系ソリッドサウンドという印象でしょうか。

最近は5万円前後の有線イヤホンも激戦区となっていて、ボクもその価格帯のイヤホンを数々レビューしてきましたけど、同価格帯とも十分対抗できるほどの実力を持っていると思いますし、個人的には上位クラスで好みの音です。

DITA Project Mの音の特長は次のとおりです。

音の特長

5.0

高音

4.8

中音

4.8

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向的には高域は寒色系で中低域は暖色系で、音のつながりを滑らかに鳴らす硬質サウンドという印象です。「ソリッドだけど豊かな音」という表現が一番合うかもしれません。

一番印象的なのは高域で、線の細めの音で非常に鋭く硬質に鳴らすような感覚。シンバルやハイハット、ギターの弦を爪弾く音など、小気味の良い金物系の音を鋭く伸ばすのがとても得意ですね。同価格帯の中でも高域は群を抜いてよく伸びます。

人によっては高域のキツさが気になるかもしれないですが、耳が痛くなるような不快なキツさではなく、金物系の音をリアルさながらの鋭い音で表現しつつも、刺さりがしんどく感じない絶妙なチューニングに仕上がっています。

ただ、箱出し状態だと高域はけっこうキツイので、ある程度本体も耳も鳴らし込んだ方が良いかもしれません。慣れたらクセになってきますよ。

中域はそれなりに厚みがあり、ボーカルも近すぎず遠すぎちょうどいい距離感で歌声を聴かせてくれます。ピアノの音も中域〜高域のつながりが滑らかで鍵盤の音が自然に伸びていく様を描いてくれますね。

ただ、華やかさや艶やかさのようなものは控えめのようにも感じますね。わりとドライな中音という印象です。

低域は同価格帯の精鋭と比べると臨場感や迫力にはやや控えめですが、過不足なく豊かに鳴らすような印象ですね。迫力が控えめなだけであって深みのある低音を表現するのは得意ですね。

DAPを使ってバランス接続でハイゲインで鳴らしてあげた方が、もっと躍動感のある低音を出してくれるようになるのでおすすめです。

音の傾向が寒色系でソリッドに鳴らすため、聴くジャンルも同じく寒色系の楽曲が合うように感じましたね。ボクがふだん聴いている楽曲だと「TK from 凛として時雨」あたりが特に相性が良く感じました。

鋭く伸びる高音がハイハット、硬質で繊細なアコースティックギター、ストリングス、TK氏によるハイトーンボイス、すべてがProject Mに合っているように感じましたね。「haze」「unravel」「flower」あたりの楽曲はとくにおすすめです。

その他にも、上原ひろみの「BLUE GIANT オリジナルサウンドトラック」もいいですね。カチッとしたハイハットワークに豊かに広がるウッドベースやサックス、ピアノの音が心地よく響いてリズミカルに鳴らしてくれます。高域は硬質、低域は豊かに広がるチューニングのため、ジャズ全般は相性が良いかと。

final A5000と比べてみると

DITA製品は同価格帯の製品がないため、代理店元であるfinal A5000と比べてみました。こちらは個人的有線イヤホンミドルクラスランキングでも1位として紹介した製品です。

価格がワンランク上がることもあって、音の好み関係なく全体的な実力はProject Mの方が上のように感じましたね。

特に高域のクリアさは、試聴開始3秒で明らかに伸びや質感が違うとわかるほどの実力差があります。

中域ラインの艶やかさや、ニュアンス的に含まれている余韻など、A5000にしか出せない表現もあるので一概にどちらの方が良いとは言いにくいところもありますが、実力的にはProject Mの方が上だと思います。

予算があればProject Mの方がいいかもしれないですが、特有の高域の鋭さもあるので人によっては合わないかもなんで、やはり一概には言えないですね。ボクは価格を抜きにすればProject Mの方が好きでした。

FINAL|ファイナル イヤホン カナル型 A5000 FI-A5DPLD [φ3.5mm ミニプラグ /ハイレゾ対応]

バーチャル試聴

YouTube版ではダミーヘッドを使ったバーチャル試聴も行っています。

DITA Project M まとめ

DITA Project Mをまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.8/5

DITA Project M

  • とても鋭く伸びやかな高音
  • 所有欲を満たすデザイン性の高さ
  • 男心をくすぐるパッケージや付属品
  • バランス化が容易にできる
  • 人によっては高域がキツく感じるかも

5.0

高音

4.8

中音

4.8

低音

4.8

解像度

4.5

迫力

4.8

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

DITA Project Mはこんな人におすすめ

正直ボクは高域がキツめのイヤホンはそこまで好みじゃないんですけど、Project Mの高域はとても好みですね。リアルな刺激感を再現しつつも、刺さりとしては感じさせない絶妙なチューニングのように感じました。

もし高域がキツく感じたら、ディープマウントイヤーピースZONEあたりに変えてあげると、高域が少し減衰して低音の臨場感も少しだけプラスしてくれるのでおすすめですよ。見た目も超美しくなります。

激戦区の有線イヤホン5万円台ですが、Project Mを選択肢のひとつとして選んでも問題がないレベルのように感じました。個人的にもおすすめですよ。

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