こんにちは、元イヤホン専門店スタッフのかじかじ (@kajet_jt)です。
ハイエンドオーディオブランド「Bang&Olufsen」のカジュアルブランド「Beoplay」より、大人気完全ワイヤレスイヤホン Beoplay E8シリーズに第3世代の最新作が登場!特徴がこちら!
特徴
- 前作より大幅スペックアップ
- Qi(ワイヤレス充電)対応
- コンパクトでエレガンスなデザイン
- 高音質コーデックapt-Xにも対応
- フラットかつシルキーな高品質サウンド
前作のE8 2nd Genも、高音質系完全ワイヤレスイヤホンとして好評でしたが、チップが最新型ではなく、再生時間が短かったり、音途切れがあったりと不便な面がありました。
その弱点を全て克服した最新作「Beoplay E8 3rd Gen」を今回は徹底解説していきます。
- Bluetoothバージョン:4.2 → 5.1
- 再生時間(ケース込):最大4時間(ケース込み16時間)→ 最大7時間(ケース込み35時間)
- 内蔵マイク:片側あたり1つ → 片側あたり2つ
- コーデック: SBC,AAC → SBC,AAC,apt-X
弱点克服しすぎ。apt-X対応は嬉しいですね。
Beoplay E8 3rd Gen レビュー
総合評価
4.0/5
Beoplay E8 3rd Gen
- 完全ワイヤレスイヤホンでは珍しい”フラットサウンド”
- apt-Xで対応機種との組み合わせでさらに高音質
- アプリの機能が豊富
- 外音取り込みが優秀
- Qi(ワイヤレス充電)が便利
- マイクが超高品質
- 低音が少ない※イヤーピースで改善可能
- ノイズキャンセリングはついていない
- 近接センサーがついていない
5.0
高音
4.5
中音
3.5
低音
4.5
解像度
4.0
遮音性
4.5
利便性
外観・付属品
パッケージ
B&Oらしいシンプルかつ高級感のあるパッケージ。
開封
本来は干渉防止用のシートが貼り付けられていますが、先に取ってしまいました。カエルみたいなお顔。
付属品一覧
- イヤーピース
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
シリコン製イヤーチップセット4ペア(XS、S、M、L) 、コンプライ 1サイズ (M)の計5ペアが付属。XSのサイズがかなり小さいので、あらゆる耳のサイズに対応できそうです。
USBケーブルもB&O印がしっかりと入っています。
充電ケース
エンボス加工を施された本革の充電ケース。コロンとしたデザインで、可愛いさと高級感を両立した美しいデザインです。
ケースの蓋を開けると、外側とは異なるアルミニウム素材。レザーとアルミニウムを外側、内側で使い分けることによって、高級感がより一層増しますね。
イヤホン本体
L/Rの表記は内側に印字されています。丸々としていて耳からツルッと落ちそうなデザインではありますが、意外と耳にフィットしやすく、日常使いで一度も落ちることはありませんでした。
ノズル径はやや細め。イヤーピースによっては、サイズが合わない可能性があります。しかし、この細さがゆえにマッチしやすいものもあるので、サードパーティ製のイヤーピースをお持ちの方は、いろいろ試してみてもいいと思います。後述しますが、かなり化けます。
他のイヤホンと比較
AirPods Proと比較すると、全体的なサイズ感は劣ります。
時計回りに、AirPods Pro / WF-1000XM3 / EAH-AZ70W / Beoplay E8 3rd Gen人気機種4点との比較。AirPods Proに次ぐコンパクトさですね。WF-1000XM3が大きすぎる・・・。
以上、外観のチェックでした。高級アクセサリーのような見た目と、実用性を兼ね備えたB&Oにしかできない美しいデザインですね。サイズがコンパクトなのも持ち運びしやすくて嬉しいですね。
スペック
スペック | Beoplay E8 2nd | Beoplay E8 3rd |
---|---|---|
Bluetooth | 4.2 | 5.1 |
ドライバー | 5.7mm | 5.7 mm |
バッテリー | 最大4時間(ケース込みで16時間) | 最大7時間(ケース込みで35時間) |
コーデック | SBC,AAC | SBC,AAC,apt-X |
防水 | IP54 (防塵・防滴/汗耐性) | IP54 (防塵・防滴/汗耐性) |
マイク | 全指向性 1つ | 全指向性、MEMS 2つ |
重量 | イヤホン本体:7g(右) イヤホン本体:6g(左) 充電ケース:45g | イヤホン本体:5.8g 充電ケース:55g |
サイズ | イヤホン:2.3 x 2.0 x 2.5 cm (W x H x D) 充電器:7.3 x 4.7 x 3.3 (W x H x D) | イヤホン:2.5 x 1.9 x 2.6 cm (H x W x D) 充電ケース:7.05 x 4.6 x 3.45 cm (H x W x D) |
前作のBeoplay E8 2ndと比較すると、大きくバージョンアップしました。弱点であった再生時間も改善され、接続性も安定。本体もややコンパクトになったこともあり装着感もUP。さらにapt-Xに対応したことにより、対応スマホとの接続で、さらに高音質を体感できるようになりました。
内臓チップの世代で、利便性の違いに雲泥の差があるため、前世代のBeoplay E8をお持ちの方は、Beoplay E8 3rdに絶対買い換えるべき。
- SBC・・・音質悪い/遅延多い/接続は安定する/Bluetooth対応機種にほぼ100%対応
- AAC・・・音質普通/遅延普通/接続はやや安定する/iPhoneに主に採用
- apt-X・・・音質良い/遅延少なめ/接続は安定しないこともある/Androidに主に採用
ペアリング方法
スマートフォンと接続する際のペアリング方法はこちら!
Beoplay E8のペアリングはこちらで完了です。「オートペアリング」に対応しているため、次回以降はケースから取り出すだけで自動的に電源オン→スマホと接続されます。
操作方法
- 再生/停止 → R側を1回タップ
- 音量を上げる → R側を長押し
- 音量を下げる → L側を長押し
- 曲送り → R側を2回タップ
- 曲戻し → L側を2回タップ
- 外音取り込み → L側を1回タップ
- 音声アシスト → R側を3回長押し
- 電話を受ける → L側 or R側を1回タップ
- 着信拒否 → L側 or R側を5秒間タップ
- 通話終了 → 通話中にL側 or R側を2回タップ
完全ワイヤレスイヤホンの中でも特に操作性が良く、タッチの感度もちょうど良い塩梅でストレスなく操作が可能です。音量操作を長押しで行えるのも良いですね。これはAirPods Proにも搭載していない機能ですよ。楽曲によって音量を大きくしたり、小さくしたりすることが多いので、個人的にはとても便利です。
良かった点
- 完全ワイヤレスイヤホンでは珍しい”フラットサウンド”
- apt-Xで対応機種との組み合わせでさらに高音質
- アプリの機能が豊富
- 外音取り込みが優秀
- Qi(ワイヤレス充電)が便利
- マイクが超高品質
フラットで繊細なサウンド
Beoplay E8 3rd Genは、完全ワイヤレスイヤホンでは珍しい、フラットなサウンドです。低域の量感は少なめですが、超高域がよく伸び、とにかく繊細でシルキーな音です。
得意なジャンルは、小編成のクラシックやジャズといった電子回路を伴わない生楽器系のサウンド。薄く細かな優しいタッチのハイハットワークや、バイオリンやピアノの抑揚まで見事に再現。スムースで伸びやかな音を、完全ワイヤレスで表現をできるのは凄いと思います。アコースティックな楽器との相性は、完全ワイヤレスイヤホンの中でも1-2位を争う相性の良さです。
しかし、後述しますが、低音の量感が薄く迫力がないため、ロックやポップスなど大衆向けの楽曲とは相性がそこまで良くありません。聴くジャンルによっては、全くオススメできないイヤホンにもなりかねないので注意が必要です。
- ジャズ/ボサノバ
- 小編成のクラシック
- 弾き語り
第3世代からついにapt-Xに対応!
Beoplay E8 第3世代から高音質コーデック「apt-X」に対応。iPhoneで対応している「AAC」より圧縮率を抑え、さらなる高音質での伝送が可能になりました。iPhoneを使われている方はメリットがありませんが、XperiaやGalaxyなどapt-Xに対応しているAndroidスマホをお持ちの方は、さらに高音質で聴くことができます。
Androidスマホを所持していないため、iBasso DX160にて試聴しましたが、iPhoneで聴いた時よりも、雑味のない滑らかな音を体感できます。音の密度が増えたような感覚がありますね。
アプリが直感的に使える
専用アプリがあり、以下の設定が可能です。
・サウンド設定
・外音モード設定
・ヘッドホンを探す
・バッテリー残量、接続コーデックの確認
・ヘッドホンの名称変更
・ファームウェアのアップデート
・マニュアル閲覧
まずこちらからアプリをダウンロードしましょう
初期設定
まずお使いのB&O製品を登録しましょう。途中、操作方法のチュートリアルもはさみますので、どのように使うかの復習ができると思います。
ホーム画面
バッテリー残量・音量調節・サウンドモード・Surroudings(外音取り込み時の音楽再生音量)・自動スタンバイ・その他設定が可能です。
プリセット
こちらのプリセットからイコライザーの選択が可能です。また右下の◯ボタンを押すと、自身でのイコライザー設定も可能になります。
Bang & Olufsenアプリで面白いのが、イコライザーを帯域ごとの設定ではなく、どのような音の傾向にするかを直感的に触れるという点。音楽を流しながら音の調整が可能なため、好みの音に設定しやすいです。
僕は付属のコンプライのイヤーピースを装着した状態で、こちらの設定で運用しています。また、名前をつけてプリセットとして保存することも可能です。
外音取り込み
Surroundingsという設定で「オフ・1・2・3」と4段階で選べます。
- オフ・・・外音取り込みを機能させない
- 1・・・外音取り込みON 再生中の音楽の音量をやや小さくする
- 2・・・外音取り込みON 再生中の音楽の音量を小さくする
- 3・・・外音取り込みON 再生中の音楽をミュートにする
こちらの設定は、L側をタップしたときの外音取り込みモードと連動します。BGMとして流しながら作業をしたいときは1〜2あたりがオススメです。外音取り込みの強さは、オフ以外は変わらないです。
その他機能
そのほか操作方法の確認や、リセット、ファームウェアのアップデートなどもアプリで可能です。
不具合などもなく、製品を運用していく上で必要な項目がこちらのアプリで全て完結できるため、使いやすいです。
外音取り込みが優秀
外音取り込みとは、文字通りイヤホンの外の音を搭載しているマイクで取り込む機能のことなのですが、この機能がかなり優秀です。AirPods Proのような何もつけていないかの感覚まではいかないですが、AirPods Proに次ぐ外音取り込みの精度の高さです。
コンビニやスーパーでお会計を行うときや、駅のアナウンスを聴きたいときなど、ワンポイントでの使用はもちろんのこと、アプリで外音と音楽の音量バランス調整もできるため、音楽をBGM感覚で聴きながら、会話や仕事や家事を行う「ながら聴き」にも適しています。AirPods Proでも使える機能ですが、Beoplay E8だとさらに高音質のBGMを体感できます。Beoplay E8を着けながらジャズやボサノバを流し、Macbookで仕事をしていると謎の優越感に浸れますよ。
おすすめの外音取り込み対応の完全ワイヤレスイヤホンでも紹介しています。
Qi(ワイヤレス充電)が便利
Qiを使ったことがない人は、一度は本当に使って欲しい。iPhoneでQiを使った時はそこまで便利に感じませんでしたが、完全ワイヤレスイヤホンとQiの相性は本当にヤバイです。「充電したこともないのに、いつも満充電になっているな」って感覚になります。
置くだけで充電ができるというのは、思っている以上に便利で、USBケーブルを刺して充電するということが、いかにわずらわしい行為だったのかを思い知らされました。
一応、Bang & Olufsen純正のワイヤレス充電機も販売しているのですが
価格はなんと1万円オーバー・・・。機能性も安価なものと変わらず、E8とのデザインとの親和性が高いというだけ。よほど財布に余裕がある人ではない限りは、AMAZONで販売している安くて高評価のものでいいと思います。
個人的に使用しているQi充電器はこちら
5コイルで、置く場所を選ばず充電エラーも起きにくい。同時に2つ充電も可能なので、iPhoneとE8を同時に充電もできます。Beoplay E8 3rd Genは完全ワイヤレスでは珍しく10Wの高速充電にも対応しており、こちらの充電器も対応しているため、安くて欲しい機能もあって便利です。
マイクが超高品質
Beoplay E8 3rd Genは、前作からの比較で内蔵マイクが片側あたり1つ→2つに変更されました。一度通話で使ってみましたが、かなりの品質の高さ。風切り音やノイズの防止はAirPods Proに軍配が上がりますが、マイク音声のクリアさは完全ワイヤレスイヤホン史上一番良かったと感じるレベルでした。ノイズの入らない自宅でテレワークや、友達との通話には最強です。
イマイチな点
- ノイズキャンセリングはついていない
- 近接センサーがついていない
- 低音が少なく、楽器との相性で音がざらつく
ノイズキャンセリングはついていない
Beoplay E8 3rdは、3万円代という価格帯では、各社ノイズキャンセリング機能を搭載してきているが、E8には搭載していません。公式HPにはパッシブノイズキャンセリング対応とは掲載されていますが、こちらは本体とイヤーピースで密閉して、周りの音を遮音する機能のことなので、電子的な処理は行わないです。
特にノイズキャンセリング機能がなくても、外音はある程度は遮音されるのですが、AirPods ProやTechnics EAH-AZ70Wと比べると、通勤時の電車の音がどうしても気になってしまいます。
その分、外音取り込み機能や、音量調整など操作性は優秀なので、他のイヤホンにはない利便性があります。
近接センサーがついていない
Beoplay E8 3rd Genを耳から外しても、音楽は自動で止まりません。かゆいところに手が届く操作性の良さがウリでしたが、近接センサーがついていないのは少し残念かなとは感じました。
低音が少ない
Beoplay E8 3rd Genは、完全ワイヤレスイヤホンの中では、良くも悪くもフラットな音です。イコライザーやイヤーピースである程度は低音の量感を増やすことができますが、元の音質傾向を大きく変えることはできません。
バスドラムやベースの迫力は少なく、重低音のビートを刻むようなサウンドには合いません。激しいロックやメタルには向かないため、好みのジャンル次第ではBeoplay E8 3rdを購入することをオススメしません。
が、この弱点を克服する相性最高のイヤーピースを見つけました!
E8 3rd Gen におすすめのイヤーピース
それがこちらのFender Sureseal Tips。ノズル径が細めのイヤホンにしか装着できないイヤーピースですが、E8 3rdにはぴったりフィット。付属のイヤーピースやコンプライでも密閉できなかったのですが、Sureseal Tipsを使うと耳に吸着な装着感で隙間なく密閉され、薄かった低音に迫力が出るようになりました。
伸びやかな高音はそのままに、弱点である低音が完全に克服されました。さらにノイズキャンセリングも必要ないくらい遮音性がアップし、音質・装着感に隙なしの完全完璧ワイヤレスイヤホンとなりました。本当にオススメなので、騙されたとおもって導入してほしい!
Beoplay E8 3rd Gen レビューまとめ
総合評価
4.0/5
Beoplay E8 3rd Gen
- 完全ワイヤレスイヤホンでは珍しい”フラットサウンド”
- apt-Xで対応機種との組み合わせでさらに高音質
- アプリの機能が豊富
- 外音取り込みが優秀
- Qi(ワイヤレス充電)が便利
- マイクが超高品質
- 低音が少ない※イヤーピースで改善可能
- ノイズキャンセリングはついていない
- 近接センサーがついていない
5.0
高音
4.5
中音
3.5
低音
4.5
解像度
4.0
遮音性
4.5
利便性
Beoplay E8 3rd Genはこんな人におすすめ
- ジャズ、クラシックをメインで聴く
- 所有欲を満たすオシャレなイヤホンがほしい
- AirPods Proの音質に満足できない
- テレワークやチャットで聞き返されたくない
B&Oらしく機能性と音質、そしてデザインと全てを兼ね備えています。ジャンルに向き不向きはありますが、満足度は非常に高いイヤホンでした。ノイズキャンセリングがなくても、音の良さと使いやすさがあれば問題なし!!
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