こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
コスパの高さで定評のあるQCYの最新ワイヤレスヘッドホン「H3 Pro」をレビューします。

以前コスパ最強として紹介したH3の上位モデルにあたりますね。
主な特徴は以下の画像にまとまっています。

前回紹介したH3との大きな違いとして、高音質コーデックのLDACに対応し、ノイズキャンセリング性能も-45dB→-50dBにパワーアップしたことでしょうか
それ以外にもデザインやスペックなど細かな点も異なります。

先に試しましたけど、前回高評価でレビューしたH3よりも結構パワーアップしていますよ。価格は1000円上がってますけどその価値は十分あると思います。
ということでH3 Proをレビュー用に提供いただいたので、実機を使って詳しく紹介していきます。
YouTube版はこちら
QCY H3 Pro 外観・付属品
それではQCY H3 Proの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
QCY H3 Proのパッケージはこんな感じ。今回もめちゃめちゃS◯NYっぽい。

開封!

付属品

- オーディオケーブル
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
本体
本体はこちら。

アーム部分にQCYの途切れビッグロゴが印字されています。

カラーバリエーションも今回、ブラックとホワイトがあります。
イヤーパッドはH3よりも厚みは薄くなりましたが、より柔らかくなって耳へのフィット感が良くなってそうですね。

とてもモチモチふわふわで上質です。
ヘッドパッドも同じく薄くなって柔らかくなっています。

ヘッドバンドは合皮素材で覆われた少し高級感のあるデザインになっています。

アームは10段階で調整が可能。

右側の下部には、外音モードの切り替えボタン、充電用のUSB-C端子、ヘッドホン端子、音量ボタン、電源ボタンが備わっています。

折りたたみも可能で、こんな風にコンパクトに収納できます。ただ、ヘッドホンケースは付属していません。

H3と比べるとこんな感じ。

基本形状はH3と同じですが、ハウジングを支えるアームの質感やマイクの位置なども変更され、全体的にシュッとした感じになりましたね。
重さは229.5g。H3が262gなので30gほど軽くなってますね! 装着感にも影響がありそうなくらい軽くなってる!


QCY H3 Pro スペック
製品名 | QCY H3 Pro | QCY H3 |
Bluetooth | 5.4 | 5.3 |
ドライバー | 40mm(磁気強化) | 40mm |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | SBC,AAC |
再生時間 ※ANC ON時 | ANC OFF:55時間 ANC ON:40時間 | ANC OFF:60時間 ANC ON:35時間 |
充電端子 | Type C | Type C |
防水 | – | – |
自動装着検出 | – | – |
低遅延モード | ◯ | ◯ |
ノイズキャンセリング | -50dB | -45dB |
外音取り込み | ◯ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | ◯ |
空間オーディオ | ◯ | – |
価格 ※Amazon参考価格 | 7,990円 | 6,980円 |
H3はハイレゾに対応していましたが、それは有線接続時のみ。
今作はLDACにも対応したことでハイレゾワイヤレスの認証を得ています。
基本的にはH3の完全上位互換と考えても良いかと思います。
QCY H3 Pro レビュー
装着感|モチモチふわふわで痛くなりにくい
QCY H3 Proの装着感ですが、イヤーパッドとヘッドパッドがモチモチふわふわなおかげで、なかなかに快適です。
実際に装着してみるとこんな感じ。

イヤーパッドが薄くなった分、前から見た時の飛び出し感も少なくなりましたね。


決しておしゃれということでもないですけど、まあパッと見はふつうのワイヤレスヘッドホンって感じ。
長時間装着していても耳が痛くなりにくくて、H3同様に2〜3時間くらい連続でも装着していられましたね。
またH3よりもイヤーパッドが柔らかくなった分、耳内をしっかり密閉しやすくなったようにも感じますね。
10,000円以下のワイヤレスヘッドホンの中では、装着感はとても良い方だと思います。
冬は耳も寒くなりますけど、H3を着けておけば結構あったかいですよ。
装着感 | (4.7) |
価格に対して音質はかなり優秀な方
QCY H3 Proの音質ですが、前回高く評価したH3と比べると音質差はそこまで大きくないように感じましたが、音の傾向が変わって聴きやすいバランスに整いましたね。
QCY H3 Proの音の特長は次のとおりです。
3.8
高音
3.8
中音
3.9
低音
今回の評価はiPhone 15 ProのAAC接続同士で比較したので、LDACによる音質差は含まれていません。
音の傾向はH3と比べて低域寄りから、低域・中域・高域、それぞれがメリハリ良く鳴らすW字型に変更されています。
中低域がふっくらとするような感覚がなくなり、全体的にタイトで聴きやすい音になりました。
見た目と同じように、音も「シュッとした」って感じですね。
高域はこもり感も少なく、弦楽器やハイハットの輪郭も感じ取りやすい解像度の高さ。
ボーカルはH3にあったような中低域に少し被る感覚がなくなり、より明瞭になったように感じますね。
低域はH3のように膨らみすぎず、それでいてドッシリとした立体感のある迫力が加わりました。
得意なジャンルはロック・ポップス全般といったところでしょうか。
ジャズやクラシックなど高域〜超高域の伸びやかさや解像度感が足りない感覚はありますが、音質に強いこだわりがない限りは気にならないかとは思います。
それくらいバランスが良く、万人にとって良い音を体現しているかのような感覚でした。
LDACで聴くとさらに高域がパキッとした解像度感を持つようになり、H3 Proのタイトさが際立ったサウンドになります。LDAC時の音質はH3よりもやはりよく感じましたね。
USBオーディオも使える!
H3も対応していましたが、今作もUSBオーディオが使えます。
USBオーディオとは、パソコンやスマホとUSB-Cケーブルで接続することで、音質の劣化や遅延なく聴くことができる接続方式のこと。
1万円以下もモデルだとUSBオーディオに対応していないものも多いのですが、H3 Proはちゃんとパソコン側で認識されますね。ただ音量ボタンは効きませんでした。
Bluetoothと違って劣化がなく緻密な音で楽しめるので、自宅でじっくり聴きたいときやパソコンとペアリングするのがめんどくさい時に使うのがおすすめです。
音質もBluetooth接続時と同じようなバランスで鳴らしてくれますね。H3はUSBオーディオを使うと結構モコっとした音になったんですよね……。
また、H3と違ってUSBオーディオ接続時でもノイズキャンセリングや外音取り込みも問題なく使用できます。
USBオーディオの利便性や音質もH3より大幅にパワーアップしています。
有線で聴くと……

H3は3.5mmオーディオケーブルで繋ぐとかなりモコっとした音になっていましたが、H3 ProはBluetooth接続時と同じバランスでならせていますね。
というのも、3.5mmケーブルで接続した時点で自動的に電源がONになるんですよね。
これで中のオーディオ回路を通ることにより、Bluetooth接続時と同じバランスで鳴らせるようになりました。
もちろん、ノイズキャンセリングや外音取り込みも使えます。
ただ、そのかわりバッテリーがない状態だと使えなくなりました。
ノイズキャンセリングは価格に対してかなり強い
ノイズキャンセリング性能はH3でもかなり優秀でしたが、H3 Proはさらに遮音性がアップしています。
耳がキュッとなるような感覚になり、装着した瞬間からノイズキャンセリングがハッキリと効いていることがわかります。
電車の中で使っても音楽を流しておけば雑音は気にならないですね。
H3と比べても低域〜中域にかけての遮音性が少しアップしていて、より雑音が気にならなくなっていますね。
1万円以下のワイヤレスヘッドホンとしてはトップクラスの遮音性の高さだと思います。
ただ、タイピング音のような高域側の音は少し残るような感覚はありますね。
また、ノイズキャンセリングモードはアプリで5つのモードから切り替えられます。

- アダプティブ
- 騒がしい
- 通勤
- 室内
- 風切り音カット
この価格でアダプティブノイズキャンセリングに対応しているのはスゴイですね。
基本アダプティブにしておけば、場所に応じて最適なノイズキャンセリングに切り替えてくれます。
アダプティブの状態だと風切り音は少し気になりますが、その場合はアプリで風切り音カットをONにしてあげればOK。
アダプティブノイズキャンセリングで風切り音にもアダプティブ対応して欲しい。
ノイズキャンセリング | (4.3) |
外音取り込みはややダウン?
なぜか外音取り込み機能は前作よりも少し聞こえにくくなっているように感じますね。
H3と比べて高域は自然に聞こえるようになりましたが、声の帯域はH3よりもこもって聞き取りにくくなっています。
最小音量でBGM感覚で音楽を聴いて試してみましたが、相手の声が聴き取りにくくて結局ヘッドホンを外すことが多かったです。
まあ、音楽を止めれば普通に会話ができるレベルですね。
外音取り込み | (3.6) |
操作性|ノーマルモードを挟むのがストレス
操作方法についてはH3と同じですね。
操作方法は以下をご覧ください。

物理ボタンで全て操作を行うのですが、基本音量調整から曲送りなど基本操作は全て行えます。
マルチファンクションボタンをダブルクリックで、本体のみで低遅延モードをONにできるのもポイントが高いですね。
1点気になるのは外音モードの切り替え。
ノイズキャンセリングと外音取り込みモードの2つで切り替えたいのに、ノーマルモードを挟むことによって、余計に2回の操作が必要になってしまうんですよね。
これができない製品は毎回気になるところとして伝えていますが、H3 Proもできないようで残念。
今後アプリでノーマルモードの操作をOFFにできるようにしてほしいですね。
ただ、ノーマルモードで聴いた方が音質が少し良いので、ノーマルモードも捨てがたいところ……。
アプリについて

QCY H3 Proは先にも伝えている通りアプリにも対応しています。
- バッテリー残量の確認
- イコライザーの変更
- ノイキャンモードの変更
- LDACのON/OFF
- 空間オーディオ
- オーディオバランスの調整
→L/Rの音のバランスの調整 - 操作方法の変更
- ゲームモードのON/OFF
- ヘッドホンを探す
- ファームウェアアップグレード
- etc
こんな感じでできることは結構あります。
ただ、アプリと本体の接続が不安定になることが多くて、アプリを再起動したり、本体を再起動したりすることが多かったです。
QCYはどのモデルもアプリが不安定でカスタマイズがしにくかったり、設定にストレスが溜まったりするんですよね。
通話品質|価格に対してなかなか優秀
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
H3 Pro
H3
H3と比べて音声が明らかにクリアになっていますね。
雑音のなかで録音してみましたが、背景ノイズはめちゃめちゃカットできているわけではないですけど、それなりにはカットできていますね。
通話用途で使っても実用的なレベルかと思います。
通話品質 | (4.3) |
音の遅延|ゲームモード搭載で超低遅延
QCY H3 Proの映像と音声のズレですが、おおよそH3と同じ程度で、YouTubeの視聴くらいなら問題はありませんが少しズレを感じますね。
ゲームモードをONにすると、FPSや音ゲーでも違和感なくプレイできるくらい遅延が少なくなりました。
もっとハイスコアを狙いたい場合は有線イヤホンの方が良いですが、カジュアルにワイヤレスでプレイするのであればH3 Proでも全然問題なしです。
またゲームモードを本体操作のみでONにできるのもポイントが高いです。
USBオーディオでの接続時も遅延がなくなるので、有線接続でPCゲームをする時にもおすすめですよ。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動も問題なし。
あらかじめペアリングさえしておけば、電源OFFにした後に再び電源ONにしても、自動的に2台のデバイスに接続されます。
ちなみに、後から再生された方のデバイスを優先的に再生されるような挙動になりますね。
LDAC/マルチポイント/空間オーディオの併用不可
残念な点がLDAC/マルチポイント/空間オーディオ、それぞれの併用が不可という点。
空間オーディオはともかく、LDACとマルチポイントはけっこう併用することが多いんですよね。
1万円以下で両機能の併用に対応したモデルはなかなかないので仕方ないですが、できれば対応して欲しかったところです。
QCY H3 Pro まとめ
QCY H3 Proをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
H3 Pro

- 約7000円と考えれば音質/機能性/スペックが
それぞれ高い - USBオーディオが使える
- ノイズキャンセリングがとても優秀
- ゲームモードも搭載で低遅延
- 装着感がとてもふかふか
- マルチポイントにも対応
- LDAC対応
- 自動装着検出が非搭載
- LDAC/マルチポイント/空間オーディオの併用不可
- アプリの接続や設定が不安定
3.8
高音
3.8
中音
3.9
低音
4.7
装着感
4.3
ノイズキャンセリング
3.6
外音取り込み
4.3
マイク性能
4.4
利便性
Bluetooth | 5.4 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 最大40時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | 充電時間 | 表記なし |
ドライバー | 40mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 表記なし |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | – | 空間オーディオ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | 保証 | 1年 |
QCY H3 Proはこんな人におすすめ
- 予算は6000~7000円ほどでワイヤレスヘッドホンを探している
- できるだけ安くて音が良いワイヤレスヘッドホンが欲しい
- LDACで使いたい
- ゲームをすることが多い
- ノイズキャンセリングと装着感の良さを重視したい
H3も高く評価していましたが、H3 Proはさらにブラッシュアップされたモデルという感じでしたね。完全に上位互換。
価格はH3よりも1000円ほど上がりましたが、その性能には1000円以上の価値はあると思います。
予算的にOKであればH3 Proの方が満足度は高いと思いますので、どちらかで迷われている方はボク的にはH3 Proを捺したいところではあります。
1万円以下ではH3 Pro一択!とまではいかないですけど、LDAC対応、ノイズキャンセリング、装着感の良さ良さこだわるならH3 Proはアリだと思います。
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