音質良すぎて実質無料|HiFiMANの最新ヘッドホン ANANDA NANO / Arya Organic レビュー

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はガチヘッドホン。

オーディオマニアからも人気の高いガチすぎる中国のオーディオメーカー「HiFiMAN(ハイファイマン)」から、最新有線ヘッドホン「ANANDA NANO」そして「Arya Organic」をレビューします

2023年夏のポタフェスでどちらも聴かせていただいたのですが、聴いてきたヘッドホンの中でも特に良かった2機種なんですよね。

ありがたいことにHiFiMANさんからレビュー依頼をいただけました!

HiFiMANさんの製品ならどんな製品でもレビューするよ。どの製品もめちゃめちゃ音質良いからね。

ANANDA NANOは99,550円! Arya Organicは198,880円!

どちらも1000日間使い続ければ大体100〜200円

毎日のコーヒーの代わりに音楽鑑賞をしたと考えたら実質無料ですし、健康にも良いですね。

ポイントもつくのでむしろお得です。

製品貸出:HiFiMAN

YouTube版はこちら

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

HiFiMAN ANANDA NANO / Arya Organicの概要

それでは各製品の概要をまずお伝えします。

ANANDA NANO

従来のヘッドホンはマグネットが音の阻害をしていましたが、『ANANDA NANO』はステルスマグネットを採用したことにより、淀みないピュアなサウンドの再生が可能にしたとのこと。

このステルスマグネットは今回紹介する製品はどれも搭載しています。

そして、HiFiMANが多大な時間とコストを割いて制作したナノ単位(10億分の1メートル)の薄さを実現した振動板を採用。だからANANDA NANOという名称なんですね。

Arya Organic

Arya Organicも同じくステルスマグネットを採用した平面磁界型のヘッドホンで、元モデルのAryaとは異なりウッドのフレームを採用した工芸品のようなデザインになっています。

特許を取得した「ウィンドーシェード」システムも搭載し、ドライバーの保護とともにHiFiMANが目指した完璧な音を実現するための開放型デザインを採用しています。

Aryaと比べても音質はまた異なる印象でしたね。

スペック比較

スクロールできます
スペック一覧ANANDA NANOANANDAArya OrganicArya
ドライバー平面磁界型ドライバー
ナノメーター振動版
平面磁界型ドライバー
NsD(NEO super Diaphragm)
平面磁界型ドライバー
ナノメーター振動版
平面磁界型ドライバー
ナノメーター振動版
材質金属製
プラスチック
金属製
プラスチック
金属製
ウッド
金属製
プラスチック
ステルスマグネット技術搭載搭載搭載搭載
ウィンドシェードシステム搭載搭載搭載搭載
インピーダンス 14Ω16Ω16Ω32Ω
再生周波数帯域5Hz-55kHz8Hz-55kHz8Hz-65kHz8Hz-65kHz
音圧感度94dB93dB94dB94dB
プラグ形状3.5mm3極3.5mm3極6.3mm3極6.3mm3極
着脱ケーブル3.5mm × 2(L / R)3.5mm × 2(L / R)3.5mm × 2(L / R)3.5mm × 2(L / R)
重量419g398g440g430g
発売日2023/8/252018/08/292023/8/252019/03/22
価格99,550円
ポイント10%
77,000円
ポイント10%
198880円
ポイント10%
145200円
ポイント10%

搭載されている機構などはありませんが、ドライバーの種類の違いやインピーダンスや音圧感度、再生周波数帯域が細かく異なります。

ANANDA NANO / Arya Organic 外観・付属品

それではANANDA NANO / Arya Organicの外観や付属品をチェックしていきましょう。

パッケージ

パッケージはめちゃめちゃ簡素ですね。2010年台はかなり豪華なパッケージのようなものが多くなりましたが、最近はエコ志向ですね。

ANANDA NANOのパッケージ

付属品はANANDA NANOには大型のキャリングケースが付属。いやいや持ち運ばねえよ。

ANANDA NANOのキャリングケース

あとはヘッドフォンケーブルと、あとは6.3mm変換プラグくらい。ケーブルは2mくらいありそう。

ANANDA NANOの付属品

Arya Organicはさらにシンプルでヘッドホンケーブルくらいしか入っていません。

Arya Organicのケーブル

でも、実は中にパッケージに見せかけたヘッドホンスタンドも入っています。これぞエコシステム

Arya Organicには緩衝材兼ヘッドホンスタンド付き

本体デザイン

ANANDA NANOはシルバーのフレームが際立つデザイン、Arya Organicはウッドフレームの落ち着いたデザインですね。

左:ANANDA NANO、右:Arya Organic

デザインだけで言えばArya Organicの方が好き。ウッドに弱い。

HiFiMANといえばこのお面のようなハウジングが特徴。フラッグシップモデルのHE1000のようなデザインが2機種にも踏襲されています。

HiFiMAN剣道部!!

中のドライバーもうっすらと見えます。

ヘッドバンド部

ANANDA NANOはヘッドバンドの下側に重量を分散させるようなストラップを搭載。オーディオテクニカさんのヘッドホンとかでよく見かける形式ですね。

ANANDA NANOのヘッドバンド

Arya Organicもパッと見は同じに見えますが、ヘッドバンドにクッション性が少しあり、接触面積も広めです。

Arya Organicのヘッドバンド

アーム部

ANANDA NANOは段階的に従来のヘッドホンのようなアームを伸ばして長さを調整するような形式。

ANANDA NANOのアーム部

対してArya Organicはラッチ方式というものを採用していて、アーム部ではなくヘッドバンドの位置ごとカチカチと上下させるような形式をとっています。

Arya Organicのアーム部

イヤーパッド

イヤーパッドはどちらも非常に大型で、外側はレザー、内側はスエード調の素材を採用したハイブリッドなイヤーパッドになっています。

左:ANANDA NANO、右:Arya Organic

こちらは2機種で違いはなさそうです。

コネクタ部

コネクタ部はどちらも3.5mm3極タイプを採用。

着脱コネクタはどちらも3.5mm3極両だし

ケーブル

ケーブルは今回はどちらもブラックケーブルを採用。昔のHiFiMANに採用されていた魚肉ソーセージみたいな色のケーブルじゃなくてよかったです。

上:ANANDA NANO、下:Arya Organic

Arya Organicはケブラー素材のようなもので保護されたケーブルで、ANANDA NANOより剛性が高そうに見えます。

プラグはANANDA NANOは3.5mm、Arya Organicは6.3mmを採用しています。

左:ANANDA NANO、右:Arya Organic

最後に重さの実測値ですが、ANANDA NANOは419.5g

Arya Organicは438.2g。

どちらもなかなかヘビー級。

ANANDA NANO / Arya Organic 装着感比較

まず装着感について。

ANANDA NANOの装着感

ANANDA NANOは少しだけキツめという感じでしょうか。

実際に装着してみるとこんな感じ

イヤーパッド部が非常に大きいので、耳周辺どころか顎まで押さえられている感覚があります。

意外と1時間〜2時間くらいは痛くならない感じですね。

装着感(4.0)

Arya Organicの装着感

対してArya Organicの装着感はめちゃめちゃいいですね。

実際に装着してみるとこんな感じ。

基本はヘッドバンド全体で重さを分散しつつ、イヤーパッドは耳に添えるだけのような感覚ですね。

400gもあるのにその重さを感じさせずに、頭頂部と耳どちらにも負担をかけないような最適な装着感のように感じました。

装着感(4.8)

ANANDA NANO / Arya Organicの音質

今回は以下の環境で検証を行いました。

検証環境
  • DAC、アンプ→FiiO K9 Pro
  • 再生アプリ:Apple Music
  • エージング:どちらも100時間ほど

ANANDA NANOの音質

まずANANDA NANOの音質ですが、これはめちゃめちゃ気に入りましたね!

ポタフェス2023夏で聴いた時から一聴き惚れしましたけど、その時感動した音そのものでした。

音の特徴はこちらの通りです。

音の特長(10万円以下のヘッドホンを基準とした評価軸)

4.9

高音

4.9

中音

4.8

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

前回聴いた記憶を頼りにではありますが、前作のANANDAは基本万能でありつつも、全体的にナチュラルな印象がありました。

対してANANDA NANOは、とても明るくて華やかな音ですね!

音場はHiFiMANらしくとても広いフィールド感もありつつ、外に自然に抜けていくような感覚。

定位感は結構甘めです。「モニタリングするわけではないのでそんなもん必要ない」と言わんばかりの定位感の甘さです。

音の傾向は全体的に硬質でありつつ余韻感たっぷりの極リスニング向けのサウンド。

余韻感が良すぎて、細かなハイハットワーク、ギターのカッティングまで全ての音に対してフワッとした余韻感が足されているような感覚です。

同価格帯のHD 660S2とは正反対の音だと思ってください。

HD 660S2がキッチリとした性格でやや暗めの生徒会長系だとすれば、ANANDA NANOは聖人なみに性格の良くて、ウェイ系じゃない陽キャみたいな音です。

そしてこの価格帯にしては珍しく、ジャズやクラシックなどのアコースティック系の楽器にフォーカスしすぎておらず、ロックやポップスもとても心地よく聴けるタイプなんですよね。

低音の迫力がとても豊かで、ボーカルラインも近くて余韻感たっぷりなので、僕が普段聴いている「Eve」「Vaundy」「King Gnu」「ずっと真夜中でいいのに。」などの最新チャート曲ともかなり相性が良いですね。

余韻感たっぷりで心地よくも聴きつつ、ノリよく楽しく聴けるヘッドホンという感じでしょうか。

このロック・ポップスにも合わせられるチューニングが個人的にANANDA NANOを好きになった理由です。

もちろん、ジャズやクラシックも最高です。

できれば据え置きアンプを用意したほうがいい

平面磁界型としてはまだ鳴らしやすい方かなとは思いますが、やはり据え置き型のアンプは用意してあげた方がいいですね。

M6 Ultraのハイゲインで3.5mm接続で聴きましたが、やや出力が足りない感覚がありました。

バランス接続なら問題なくドライブができるかもしれませんが、付属では4.4mmバランスケーブルはついていないので、別途用意しないといけません。

僕が使っているFiiO K9 Proでは、アンバランス接続でも問題なく鳴らしきれましたね。

味付けたっぷりの音ではありますが、意外とアンプの特性にも影響されやすいタイプでもあるので、相応のアンプを用意してあげた方がANANDA NANOの音の旨みをより引き出せるかと思います。

Arya Organicの音質

まずArya Organicの音質ですが、こちらはこちらでまたスゴイ。

ANANDA NANOが明るさや華やかさだとすれば、Arya Organicは美しさや繊細さという感じでしょうか。

得意なジャンルも全然違います。

音の特徴はこちらの通りです。

音の特長(10万円~20万円のヘッドホンを基準とした評価軸)

4.8

高音

4.9

中音

4.9

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

ANANDA NANOと同様に音場が広くて余韻感のある音ですが、音の響き方が異なります。

ANANDA NANOが金属的な響きがだとすれば、Arya Organicはギターやバイオリンなどの木材を使用した楽器のボディから伝わる響きをリアルに再現するタイプです。

低音の量感はたっぷりではありますが、どちらかといえば繊細な傾向。

そしてANANDA NANOよりもボーカルが近くて、リアルな歌声を耳にダイレクトに届けてくれるような感覚があります。

低域は柔らかく豊かに広がるような音で、ウッドベースやティンパニのような中低域ラインの広い帯域で広がるような音が特に得意ですね。

ANANDA NANO同様にロックポップスもいけますが、電子系のサウンドは苦手ではないけど得意でもないように感じました。バスドラムやサブベースなど締まりのある音はあまり得意ではないですね。

高域は鋭さや煌びやかさのようなものは少なく、楽器が持つ特性をあるがままに伸ばしつつ余韻感を加えるようなナチュラルな音です。

Arya Organicの音を一番生かせるのは弦楽器のように感じました。

特にアコースティックギターの音を聞いた瞬間に「生で聴いた時の音やっ!」ってなりましたからね。それくらいリアル。

弦の爪弾かれた金属的な振動音が、ギターのボディを伝わって耳に届ける様までめちゃめちゃリアルに感じ取れますからね。

弦楽器の表現力の高さは、10万以上のモデルのなかでも特に素晴らしいように感じました。もはや木の化身。

ロック・ポップスを聴くなら正直ANANDA NANOの方が楽しかったですが、弾き語り・ジャズ・クラシックなどアコースティック編成をメインで聴くなら絶対Arya Organicの方が良いです。

できれば据え置きアンプを用意したほうがいい

Arya OrganicもANANDA NANO同様に駆動力はある程度必要なヘッドホンです。

高出力のDAPでも鳴らせなくはないですけど、やはり据え置きでしっかりドライブしてあげたほうが本来の実力は引き出しやすいです。

しっかりとした据え置きアンプをお持ちではない方は、たまにEF400もAmazonセールが安くなっていることもあるので、そのタイミングで買うのもアリだと思います。

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HiFiMAN

ANANDA NANO / Arya Organic まとめ

総合評価

4.8/5

ANANDA NANO

  • 極リスニングサウンドでとにかく心地よい
  • 高価格帯のヘッドホンとしては低域が豊かで臨場感のあるサウンド
  • ジャズからクラシックまでさまざまなジャンルに合う
  • ロックやポップスなど最新チャートにも合わせやすい
  • 側圧がやや強い
  • できれば4.4mmバランスケーブルが欲しい

※10万円以下のヘッドホンの評価軸

4.9

高音

4.9

中音

4.8

低音

4.6

解像度

4.8

迫力

4.0

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

総合評価

4.5/5

Arya Organic

  • 極リスニングサウンドでとにかく心地よい
  • 弦楽器の音がもはや生
  • ボーカルが近くて非常に艶やか
  • 重さに対して装着感がとても良い
  • できれば4.4mmバランスケーブルが欲しい

※10万円〜20万円のヘッドホンの評価軸

4.8

高音

4.9

中音

4.9

低音

4.7

解像度

4.9

迫力

4.8

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

ANANDA NANO / Arya Organicはこんな人におすすめ

ANANDA NANO はこんな人におすすめ
  • 予算10万円以下で据え置き環境で使える有線ヘッドホンを探している
  • 音楽鑑賞用途でしか使わない
  • 余韻感たっぷりの豊潤なサウンドが好み
  • いろんなジャンルを聴くが、主にポップスやロックなどを好む
Arya Organicはこんな人におすすめ
  • 予算20万円で据え置き環境で使える有線ヘッドホンを探している
  • 音楽鑑賞用途でしか使わない
  • クラシックやジャズ、弾き語りを好んで聴く
  • ボーカルと弦楽器をとにかく良い音で聴きたい

どちらの機種もモニター感は一切なく、完全に”リスニング”に極振りしたかのような音で、とても聴き心地が良かったです。

これがHiFiMANらしさというか、オーディオファンからも愛される理由でもあるのでしょうね。

個人的な好みで言えばANANDA NANOですかね。こちらは10万円以下のヘッドホンの中では特に好みの音でしたね。ポタフェスで聴いた時の感触は間違いなかったようです。

ボクが普段聴いている曲のみであればANANDA NANOでいいんですけど、Arya Organicはこのヘッドホンでしか出せない凄みがあるんですよね。

ホント、弦楽器の響きとかボーカルが”生”なんで、得意なジャンルに合わせればArya Organicの方が明らかに実力が上になります。

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • はじめまして。
    いつも動画とブログ楽しく見させて頂いてます
    YouTube動画の方でArya Organicのバーチャル視聴で感動しまして
    今度実際に視聴しにいって購入しようか検討中なのですが
    据え置きアンプとしてK9PRO ESSかK9 AKMかで迷っています
    もしよろしければどちらがおすすめか教えていただけると嬉しいです

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