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ゼンハイザー HD 660S2 レビュー|これが 600シリーズの最高峰

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

ゼンハイザーには600シリーズというヘッドホンがあるのですが、初代モデルはなんと1997年から発売されて、今でも後継機が発売され続ける大大人気のヘッドホンなんですよ。

ボクも昔にHD 650や、今も使っているHD 660Sを愛用してきましたね。

その600シリーズに、久々の最新モデルが登場しましたよ!!

それが今回紹介するHD 660S2です!

HD 660 Sの発売が2017年11月だから、約5年ぶりですか!?もうそんな経ってたんですね。

このHD 660S2ただのマイナーチェンジモデルではありません。結構違います!

ということで、今回はこちらのHD 660S2を前作のHD 660と比べてどのように変わったのか?音質の比較や、フラグシップモデルのHD 800Sとの比較などもしていきます。

ぜひ、最後までご覧ください。

総合評価

4.5/5

HD 660S2

  • HD 600シリーズ最高峰のクオリティ
  • 柔らかく聴き心地の良いサウンド
  • 前作よりあらゆるジャンルに対応できる
  • ケーブルが短くなって使いやすくなった
  • スペック以上に鳴らしやすい
  • 価格もシリーズ史上最高峰

4.8

高音

4.7

中音

4.8

低音

4.6

解像度

4.4

迫力

4.0

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

▼動画版はこちら▼

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

HD 660S2の概要

ちなみにHD 660S2とHD 660Sのスペックを比較するとこんな感じ。

スペック一覧HD 660S2HD 660S
形式オープン型オープン型
ドライバー42mmトランデューサー42mmトランデューサー
インピーダンス 300Ω150Ω
再生周波数帯域8Hz〜41500kHz10Hz〜41000kHz
音圧感度104dB104dB
プラグ形状6.3mmステレオ標準プラグ
4.4mmバランスプラグ
6.3mmステレオ標準プラグ
4.4mmバランスプラグ
リケーブル
ケーブル長180cm300cm
重さ260g(ケーブル除く)260g(ケーブル除く)
保証期間2年2年

大きな違いはやはりインピーダンス。これは一長一短がありまして、インピーダンスが大きいほどノイズが少なくなり、音の明瞭感が少し上がるように感じるかもしれませんが、逆に鳴らし切るためにはドライブ力が必要になります。

今回は300Ωとかなり高い数値になっているので、基本的には高出力のポータブルアンプか据え置きDACアンプレベルが必要になると考えた方が良いでしょう。

他にも再生周波数のレンジが少し広がったり、ケーブルが短くなって取り回しが良くなったりと細かな相違点があります。

ただ、スペック上では音質はわからないので、実際に聞いてみないとなんともですね。

HD 660S2 外観・付属品

それではHD 660S2の外観をチェックしていきましょう。

パッケージ

HD 660S2のパッケージいつものゼンハイザーらしい感じのデザイン。

開封するとこんな感じ。今回はハードケースとかは付属していないんですね。

付属品

付属品一覧
  1. 6.3mmケーブル
  2. 4.4mmケーブル
  3. ポーチ
  4. 3.5mm変換アダプタ

以前まで大きい箱がついていましたが、今回からえらく簡素になりましたね。

過剰なパッケージングがされていても結局使ってしまえば気にならないんで、これくらいでいいかもですね。

ケーブルは前作同様に6.3mm標準ケーブルのほかに、バランス接続用のケーブルも付属しています。

はじめからバランスケーブルが付属しているのは本当ありがたいですねー。

前作よりバランスケーブルの長さは短くなったかな?1.5mくらい?DAPに繋いで家の中で気軽に使える長さなので個人的にはありがたいです。

本体・ケーブル

HD 660S2の本体は、ぱっと見は前作のHD 660Sと変わらないですね。

ただ、細かいところは仕様変更が加えられていて、ロゴの配色がブロンズに変更されました。 

ハウジングはオープン型を採用しています。

中に見えるドライバーは自社開発の42mmトランデューサーを採用。

振動板にはラミネート加工を行ったDuo-Folテクノロジー振動板を採用。振動板に柔軟性を持たせて、可動域を上げたとのこと。

これによって、共振周波数を前作の110Hzから70Hzまで下げることを実現できたようです。

また、中のボイスコイルにも改良が加えられていて、前作より細いアルミ線を使用し、巻き数を上げることによってマグネットパフォーマンスを上げているようです。

この仕様によって300Ωという高いインピーダンスのままマグネットパフォーマンスを最大限に活かして、繊細な音を再現しているようです。

また通気性の高いマグネットホールを採用し、高い精度で設けられたベント孔によって、内部の空気の乱れを無くして歪みを抑えて、振動板をよりフレキシブルに動くようにしているようです。

まあ仕組みについて細かく伝えてきましたが、ざっくり伝えると振動板を柔軟にして、ボイスコイルもいっぱい巻いて効率も良くして、音質を良くしたよー!って感じですね。

ヘッドバンドのロゴの少しコンパクトになっています。

パッドは前作同様にベロア調の素材ですが、前作より少し柔らかくなってい流ように感じますね。経年劣化による違いだったらごめんなさい。

ヘッドパッドも少し厚みが増して柔らかくなっているように感じます。

ケーブルは着脱に対応していて、今までのHD600シリーズ同様の端子を採用していますね。

ヘッドホンの中ではわりとリケーブルの選択肢は多いですが、はじめからバランスケーブルも付属していますし、付属ケーブルで十分かと思います。

HD 660S2 レビュー

それではHD 660 Sをレビューしていきましょう。

今回の検証環境としてはエージングは約100時間ほど、再生端末はFiiO K9 Proで検証しました。

音質|600シリーズの最高峰

HD 660S2の音質ですが、これまでの600シリーズの最高峰のようなクオリティですね!確実にHD 660Sより良くなっています。価格もかなりアップしましたけどね〜。

前作のHD 660Sと比較した周波数特性が公式で表記されているのですが、特性がかなり変わっているのがわかります。

最低域の音圧が倍になっていて、コイルの重量を軽量化して振動板の素材の柔軟性を高めることによって音の繊細さもアップ! 5kHz以上の周波数帯もスムースなまとまりになっています。

と、ここまでは公式の謳っている通りではありますが、実際に僕が聴いた感想こちらの通りです。

HD 660S2の音の特長は次のとおりです。

音の特長

※10万円以下の有線ヘッドホンの評価軸です

4.7

高音

4.6

中音

4.7

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
高域寄り
  • 高音:今までの600シリーズ同様、抜け感が良く繊細さを持ち合わせたサウンド。前作よりも音像のぶれが少なくなり、ウォームでありつつも音の輪郭がよりクッキリとした印象。ストリングスを弦が震える様や、ブラス系の炸裂音など、中高域の再現度が高く、それでいて柔らかな音で聴き心地の良い高音。
  • 中音:前作よりも音圧が高まっていて、よりボーカルに力強さが増した印象。やや楽器隊を際立たせるようなポジショニングですが、艶っぽさたっぷりのボーカルで今までのHD600シリーズ同様にとてもしっとりと聴かせますね。
  • 低音:前作の豊かで広がりのある低音はそのままに、量感と音の締まりが向上して、少し平面的だった低音に立体感と躍動感が増したような印象。音圧が2倍になったからといって低音をゴリゴリに鳴らす感じや、中低域に寄りすぎたモッサリ系のサウンドというわけでもありません。
  • 音場:開放型らしさのあるで、抜け感がとても良く自然な音場感。
  • 傾向今までの600シリーズと性格は大きくは変わらず、ウォームかつ繊細で、ダークトーン系の音作り。ただ、音圧が増したことによって音に躍動感が生まれ、少し暗めの音だった600シリーズに感情が足されて少し明るく壮大になったような印象を受けます。

得意なジャンル

  • ジャズ
  • クラシック
  • 弾き語り
  • バラード

アコースティック編成の楽曲は特に得意で、モニター系のように超リアルな音というわけではないのですが、今までの600シリーズ同様に柔らかさと聴き心地を重視した音作りという感じですね。

宇多田ヒカルだと、「真夏の通り雨」とか「桜流し」、「あなた」あたりのアルバムで言うとFontome〜初恋あたりの曲調が一番マッチしているように感じましたね。

ストリングスやピアノアレンジの心地良さは同価格帯のヘッドホンの中でもトップクラスで、その中でもボーカルも色艶良く、その吐息までしっとりと聴かせる超リスニングライクな音作りです。

ただ、低域の音圧が上がったおかげで、ポップスやエレクトロ、ロックのような最近のチャート曲も合うようになって、ジャンルの万能性も高まりましたね!

最新アルバムのBADモードのクラブミュージック系のアレンジでも、決して苦手というわけではなく、しっかりとキック音のアタック感も躍動感のある音で鳴らしつつ、エレクトロサウンドも 600シリーズらしい暖かみを保ったままキラキラと奏でてくれますね。

HD 660Sと比較すると?

HD 660Sとの比較をまとめると、音質という意味でも全体的に向上している印象を受けましたね。

インピーダンスが上がったおかげか、ノイズ感が少なくなり、HD 660Sのモヤっと感が少なくなったように感じました。

前作まで全体的に少し暗めだった傾向が、もう少し明るく感情が芽生えたような感覚です。

今までのHD 660Sが陰キャだとしたら、HD 660S2は陽キャまではいかなくても、リア充寄りになったような感じです。

また、インピーダンスが上がったからといって特別鳴らしにくくなった感じもなく、HD 660と同じ構成で接続しても、少し音量を上げる必要があるかな?という程度です。

今回はFiiO K9 Proで検証しましたが、意外とドングル型DACのAK HC2でも十分駆動できるほどだったので、スペック以上に鳴らしやすい感覚はありますね。

ただ、駆動力が必要なことには変わりないので、できれば4.4mmバランスケーブルを使ってDACを用意して使った方が良いですね。

今まで聴いてきたHD 600シリーズの中ではダントツで一番良い音のように感じましたね! お値段もダントツですけどね!!!

HD800Sと比べると?

じゃあ、フラグシップモデルのHD 800Sと比べるとどうなるのかというと、もちろんHD 800Sの方が音質は良いです。

音場はもはやヘッドホン史上最高峰の広さで、抜け感が良すぎてヘッドホンが無くなるような感覚ですし、解像度も高すぎてもはや全部の音が見えるような感覚なんですよ。

ただ、HD 800Sの方が絶対に良いかと言われるとそうではなく、かなり性格が違うんですよ。わりと正反対です。

HD 800Sはモニターサウンドを究極まで突き詰めたかのような音作りで、めちゃくちゃ硬質でクール系の音作りなんですよ。

音の再現性はとても高いけど、音の美しさや心地良さという意味では「無」に等しいんですよね。

HD 660S2は一音一音に柔らかさや余韻があって、とてもウォームで聴き心地が良いんですよ。

これだけ価格差はありつつも、「どっちが良い」というわけではなく「どっちが好みか」の違いになると思います。

ゼンハイザーの音が好きだから「HD600のステップアップとしてHD 800Sを買おう!」という感じではなく、

「今までのHD 600シリーズの音が好きだから、ステップアップとしてHD 660S2を買おう!」

という選び方をした方がしっくりくると思います。HD 600シリーズのフラグシップモデルと考えてみるのが良いと思います。

ということでそれぞれバーチャル試聴で録音してみましたので、聴いてみてください。

装着感|前作よりも装着感アップしたかな?

HD 660S2の装着感ですが、前作よりアップしているように感じますね。

イヤーパッドとヘッドパッドがより柔らかく肉厚になったことによって、ぱっと装着したときの耳あたりの良さや密閉感が前作よりも良くなっているように感じますね。

ただパッドの経年劣化によるちがいだったらごめんなさい。

実際に装着してみるとこんな感じ。

まああくまで屋内で使う用なので、特別デザインがオシャレというわけでもないです。

前作より耳の痛みは発生にしにくくなりましたが、前作同様に2-3時間装着していると、耳周りが少し痛くなってくる感じはありますね。

HD 600シリーズって今まで使ってきたシリーズもそうなんですけど、そこまで側圧は強くはないはずなのに、なぜか耳が痛くなりやすいんですよね。

装着感は悪くはないですが、完璧でもないという感じですかね。

装着感(4.0)

HD 660S2 まとめ

HD 660S2をまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.5/5

HD 660S2

  • HD 600シリーズ最高峰のクオリティ
  • 柔らかく聴き心地の良いサウンド
  • 前作よりあらゆるジャンルに対応できる
  • ケーブルが短くなって使いやすくなった
  • スペック以上に鳴らしやすい
  • 価格もシリーズ史上最高峰

4.8

高音

4.7

中音

4.8

低音

4.6

解像度

4.4

迫力

4.0

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

HD 660S2はこんな人におすすめ

こんな人におすすめ
  • 10万円以下の聴き心地の良さを重視したヘッドホンが欲しい
  • ジャズやバラード、弾き語りなどを好みつつも、あらゆるジャンルを聴く
  • HD 600シリーズの音が好み

価格は円安や物価高騰の影響でなかなかのお値段になってしまいましたが、HD 600シリーズの最新作としては素晴らしい完成度だと思います。

価格はゼンハイザーが悪いというより、もう世間的な問題なんですよね……。完全ワイヤレスの価格も全体的に上がってますし、オーディオ界隈的にはホント辛い状況です。

HD 600シリーズの音が好きでステップアップしたいけど、HD 800Sだと性格が違いすぎて好みじゃないんだよなーという人は、HD 660S2にステップアップしてもOKだと思いますよ。

また概要欄にリンクを貼っています。こちらから詳細をチェックしてみてください。

おそらくe⭐︎イヤホンや家電量販店でも試聴はできるようになると思いますので、HD 660Sとぜひ聴き比べてみてくださいね!

以上! HD 660S2のレビューをお送りしました。

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