こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はこちら。
小っさ。
これ、DAPです。
価格のバランスと音質の良さで定評のあるShanlingから3月24日似発売する最新エントリー向けDAP、「M0 Pro」。
これすごいんですよ。このサイズで4.4mmバランス接続を使えるんですよ。
別売りのアダプターが必要ですけど。
そして、メッチャクチャ音質良い!!
その他にも
- SDカードでの音声再生
- BluetoothでワイヤレスイヤホンとLDAC接続もできる
- Bluetoothレシーバーとして、スマートフォンの音源をワイヤレスで飛ばして有線で聴ける
- USB−DACとしても使えてパソコンやスマホの音質もよくできる
などなど、わりとなんでも屋。唯一Spotifyとかのストリーミングは単体では使えないです。
もう一つすごいのが、iPhoneでもLDACが使えるようになります!
価格は19800円と最近のDAPとしては比較的安め。
ちゃんとしたメーカーの2万円以下のDAPでバランス接続に対応しているのは初めてじゃないですかね?探せばあると思うけど。
どんなふうに音質が良かったのか、上位機種のM3XやM3Ultraと比較しながら比べていきましょう。
総合評価
5/5
M0 Pro
- 2万円以下としては音質最強クラス
- 胸ポケットサイズの超コンパクト筐体
- 別売りアダプターで4.4mmバランス接続もできる
- Bluetoothレシーバーとしても使える
- ワイヤレスイヤホンとLDAC接続ができる
- 無理やりiPhoneでLDACを使えるようになる
- ギャップレス再生が使える
- 起動時間が約5秒と超早い
- 操作性がイマイチ
- 単体ではストリーミングサービスは使えない
4.1
音質
5.0
携帯性
4.5
拡張性
4.0
利便性
Shanling M0 Pro概要・スペック
スペック項目 | M0Pro | M0 | M3X | M3 Ultra |
---|---|---|---|---|
DACチップ | ES9219C×2 | ESS Sabre ES9218P | ES9219C×2 | ES9219C×2 |
ストレージ | MicroSDカードスロット×1(最大2TB) | MicroSDカードスロット×1(最大2TB) | 32GB + MicroSDカード | 32GB + MicroSDカード |
連続再生時間 | アンバランス:14.5時間 バランス:10時間 | 最大15時間 | アンバランス:23時間 バランス:19時間 | アンバランス:20.5時間 バランス:14.5時間 |
出力系統 | 3.5mm / 別売りアダプタ使用で4.4mm | 3.5mm | 3.5mm / 4.4mm | 3.5mm / 4.4mm |
Bluetooth Ver | 5.0 | 4.1 | 5.0 | 5.0 |
Bluetooth対応コーデック(送信) | LDAC / aptX / AAC / SBC | LDAC / aptX / AAC / SBC | LDAC / LHDC / aptX HD / apt X / SBC | LHDC / aptX HD / apt X / SBC |
Bluetooth対応コーデック(受信) | LDAC / AAC / SBC | LDAC / AAC / SBC | LDAC / SBC | LDAC / SBC |
音声対応形式 | 最大384kHz / 32bitまでのPCM, DSD128(5.6MHz) | 最大384kHz / 32bitまでのPCM, DSD128(5.6MHz) | 最大384kHz / 32bitまでのPCM, DSD128(5.6MHz) | 最大384kHz / 32bitまでのPCM, DSD128(5.6MHz) |
出力レベル | 3.5mmシングル出力: 最大90mW@32Ω 4.4mmバランス出力: 最大236mW@32Ω | 3.5mmシングル出力: 最大80mW@32Ω | 3.5mmシングル出力: 最大101mW @32Ω 4.4mmバランス出力: 最大240mW @32Ω | 3.5mmシングル出力: 最大140mW @32Ω 4.4mmバランス出力: 最大260mW@32Ω |
Shanling M0 Pro外観・付属品
それでは開封していきましょう。
今回もド派手なデザイン。なんかカセットテープのパッケージみたいになってきたね。
開封するとこんな感じ。
スペックは……(スペック表を見ながら)
カラーは3色ありましたが、今回はブラックを送ってもらいました。
付属品一覧がこちら
- USB-Cケーブル
- 専用保護フィルム
- マニュアル
本体はDAPとは思えないほどの小ささです。
AirPodsくらいの大きさです。
ビスコより小さいです。
厚みはビスコより薄い。
M3XやiPhone 13 Proと比べてもこの通り。
イヤホンケースにもイヤホンと一緒に入れられますよ。
サブ機としてもめちゃくちゃ使いやすいです。
底面にはイヤホンジャック、USB-C端子、microSDカードスロット、すべて集約されています。
あれ、バランス接続対応とか言ってたのに、イヤホンジャックが3.5mmしかなくね?
とか思ったかもしれませんが、冒頭でもお伝えしたとおり、バランス接続をするためには別売りアダプターが必要です。
それがこちら。
高品質そうに見えるんですけど、価格は1980円と意外と良心的。
外部にバランス端子を設けるとは考えましたね。これなら本体サイズも小さくできます。
ちなみにM0 Proのジャックが3.5mm5極という超特殊なジャックになっているからこそ、このアダプターが使えるのであって、間違ってもスマホの3.5mmに挿して、4.4mmバランス接続で使わないように。
下手したら死にます。
ぜったい使うなよ!! ぜっったい使うなよ!!!! ダチョウ倶楽部みたいなフリじゃないぞ!!!!!
ちなみにケースも提供いただいてます。こちらも1980円。良心的。
つけてみるとこんな感じ。うん、必要十分なデザインでいいんじゃないですかね。
ラフにも使えるようになるし、とりあえずケースも合わせて買っておいたほうが良いと思う。
重さは36.4g。
完全ワイヤレスイヤホンより軽いっ!
Shanling M0 Proレビュー
音質|M3Xとほぼ同レベルじゃね?
Shanling M0 Proの音質ですが、上位モデルのM3Xとほぼ同レベルで驚きました。
価格差2万くらい離れているんですよ? コスパ良すぎひん?
おそらくAndroidを搭載していない分、CPUなどに拘る必要がなく、ディスプレイも小さくすることで、コストを音質に全振りできたんだと思います。
試聴環境はM6 Pro → 純正4,4mm変換アダプター→THIE AUDIOPrestigeで接続しています。
音の特徴は次のとおりです。
4.1
音質
- 音質:価格を考えればかなり良い。スマートフォン直差しと比べても、あきらかな差を感じると思います。3,5mm接続時の音質差も十分感じられますが、4.4mm接続時のほうがよりスマホとの差を感じやすいと思います。高音は伸びやかでノイズ感がなく、もっさり感もないクリアなサウンド。ボーカルラインもハリよく鳴らしつつ、低音の深みや迫力もあり、全体的に万能感がありますね。
- 音場:音場はふつうか、やや広い印象。
- 傾向:Shalningらしい、ナチュラルかつ厚みのあるパワフルなサウンド。聴きなじみがよく、どんなジャンルでも卒なくこなしますね
得意なジャンル
- オールジャンルOK
M3XとM0 Proと聴き比べながら検証してたんですけど、目隠しをされて交互に聴かされると、多分どっちがどっちかわからなくなります。
それほどまでに実力が肉薄しているんですよね。音の傾向も似ていますし、小さくなってAndroid機能を省いたM3Xって感じです。
この小ささなのに出力もかなり高くて、バランス接続であればインピーダンス300Ωのゼンハイザー HD 660S2も鳴らし切ってますね、これ。
ストリーミングがいらない人は、むしろM0 Proを買ったほうが満足度は高いと思いますよ!
Bluetoothレシーバーとして使った場合
ただ、弱点はやはり単体ではAppleMusicなどのストリーミングが使えないという点でしょうか。個人的にも音楽を聴く際はストリーミングがメインなので、ここは気になりますね。
しかし、M0 ProはBluetoothレシーバーとしても使えるので、スマートフォンの音源をM0 Pro側に飛ばして、Apple Musicを楽しむこともできます。
この場合、Bluetooth接続になるので音質の劣化はあります。
ただ、高音質コーデックのLDACでのBluetooth受信に対応しているので、たとえばLDACに対応しているXperia 5Ⅳと接続した場合は、音質の劣化を極力なくした状態で聴くことができます。
実際に聴いてみましたが、少し劣化はあるものの、バランス接続であればなかなか高音質で聴けますね。
ただ、M0 Proの音質の良さをフルで楽しみたいなら、やはり直接音源を入れて聴くのが一番良いですね。
ワイヤレスイヤホンと接続した場合
また、M0 ProはLDACによる送信も可能なので、ワイヤレスイヤホンも高音質で聴くことができます。
この手のDAPって通信性能が悪くて、ワイヤレスイヤホンを使っても割と途切れやすい物が多いんですけど、ピヤホン6とLDACで接続しても、自宅ではほとんど途切れませんでしたね。
なかなかに安定していると思います。
たとえば、iPhoneユーザーの場合だとLDACは使えないので、LDAC送信用のDAPとして使うのもありだと思います。
USB-DACとしても使える
USB-DACとしても使えるので、そのままパソコンに繋げて、有線イヤホンやヘッドホンを使って高音質で音楽を聴くことも可能です。
Shanling L3を使えば、iPhoneでも使えるドングル型DACとしても使えるので超便利。
音質は同社のUA3と比べると、ほんの少しUA3の方が良い気がする。ほんの少しの差ですけど。
裏ワザ iPhoneでLDACが聴ける!
で、一番驚いたのがこれ、このUSB-DAC機能を使いながら、Bluetoothの送信機としても使えるんですよ。
つまり何ができるかというと、iPhoneでLDACが使えるようになるんです。超無理やりだけど。
iPhoneってAAC接続っていう音質の劣化が激しいコーデックまでしか対応していないので、一部のワイヤレスイヤホンだと実力を発揮し切れないんですよ。
この状態でLDACに対応しているピヤホン6と接続しているんですけど、iPhoneの音源を使いながらM0 ProでBluetooth接続して、LDACで聞いているんですよ。
流れとしてはこんな感じ
iPhone→Shaling L3→M0 Pro→ピヤホン6(LDAC接続)
あらかじめM0 Proと、LDAC対応のワイヤレスイヤホンを接続しておく必要がありますが、これでiPhoneでLDACが使えるようになります。
実は前作のM0からあった機能みたいですけど、前作はBluetooth4.1までですし、割と安定しにくいんじゃないかな?と思います。
注意点としては、iPhoneとM0 Pro側、どちらも音量調整ができなくなります。
なので、M0Pro側のBluetooth音量を小さくしておくか、ワイヤレスイヤホンが本体の音量調整に対応している必要があります。
かなり無理やりなやり方ではありますが、今までiPhoneでLDACを使いたいと思っていた人にはめちゃくちゃ良い方法だと思うんですよ!
iPhoneでLDACを使う方法って、据え置きのレシーバーであればあったんですけど、こんなふうにポータブルで使える方法があったのは知りませんでした。
意外と実用的な感じなので、ワイヤレスでも音質にこだわりたい人とか、LDACを使いたい人は、M0 Proを使ってみてください。
ギャップレス再生対応
その他の特徴として、ギャップレス再生に対応しています。
M3XやM3 Ultraでは、純正プレイヤーだとギャップレス再生はできないのですが、なぜかM0シリーズはギャップレス再生に対応しているみたいです。
M0シリーズの設定のみできるのは、ホント謎仕様です。
この仕様もあって、普段純正プレイヤーを使っていて、ストリーミングを使うことがなく、リッピング音源やハイレゾのダウンロード音源のみを聴くという方はM3XよりM0 Proのほうがおすすめです。
起動時間がめちゃくちゃ早い
M3Xより優れているのはギャップレス再生だけではありません。
起動時間もめちゃくちゃ早いです。
M3Xの場合、Androidを搭載しているので起動時間が長く、電源を入れはじめてから20〜30秒ほど掛かってしまいます。Android搭載DAPはどれもそうなんですけど、結構ストレスなんですよね。
対して、M0 Proは約5秒くらいで起動します。
カメラで例えるなら、めちゃくちゃ画質の良いコンデジみたいな感じですね!リコーのGR3Xみたいな感じですよ。
サッと取り出して、サッと聴きたいときに、めちゃくちゃ便利というかストレスなく聴けます。
設定項目も多数
細かな設定も本体でできます。例えば以下のような設定項目があります。
- 最大音量の制限
- 起動時の音量設定
- ギャップレス再生のON・OFF
- イコライザー設定
- ゲインの「LOW」と「HIGH」の切り替え
- ゲインリプレイ
- フィルター設定
- 音量の左右バランスの設定
- リピートやシャッフルなどの再生設定
- etc……
- Bluetooth設定
- SyncLink
- バックライトの明るさ
- バックライトのオフ
- オートスタンバイ、オートシャットダウンまでの時間設定
- スリープタイマー設定
- USBモードの設定
- ボリュームロック
- ダブルクリック、トリプルクリック時の操作割り振り
- DSDの出力設定
- USBオーディオ接続時の音量調整を「固定」か「可変」家の設定
- ラインアウトのON・OFF
- 車載モードのON・OFF
- etc
イコライザー設定も10バンド±6dBと、かなり細かく設定できますし、フィルター設定やゲイン設定まで完備。
自動電源OFFまでの時間も細かく設定できるので、バッテリーの節約にも繋がります。
利便性|操作性に難あり
ここまで一見、安くて完璧超人にも見えますが、気になる点としては操作性ですね。
選曲のときに画面をスクロールすると、ちょっと下に行きたいだけなのに、最下部までビャーンと行ってしまって、細かな挙動ができないんですよね。
あと、ホームに戻るボタンのようなものもないので、毎回左にスワイプしながらホーム画面まで戻らないといけないのもストレスです。
一応以下のように使うことはできるようです。
もう少し直感的で細かな動作までできたら、良かったですね。
Shanling M0 Proまとめ
総合評価
5/5
M0 Pro
- 2万円以下としては音質最強クラス
- 胸ポケットサイズの超コンパクト筐体
- 別売りアダプターで4.4mmバランス接続もできる
- Bluetoothレシーバーとしても使える
- ワイヤレスイヤホンとLDAC接続ができる
- 無理やりiPhoneでLDACを使えるようになる
- ギャップレス再生が使える
- 起動時間が約5秒と超早い
- 操作性がイマイチ
- 単体ではストリーミングサービスは使えない
4.1
音質
5.0
携帯性
4.5
拡張性
4.0
利便性
- はじめてDAPを買おうとしているオーディオ初心者
- 4,4mmバランス接続メインで使っている
- ストリーミングサービスは使わず、リッピングやダウンロード音源のみを使う
- サブ機として手軽にサクッと使いたいオーディオマニア
- iPhoneでワイヤレスでも有線でも高音質で聴きたい
小さくて音質が良くて、バランス接続ができるお手頃DAPなだけでもすごいのに、USB-DACやトランスポート代わりに使ったりとか、LDACが使えるBluetooth送受信機として使えたりと、めちゃくちゃ使い道が多くて驚きました。
僕もコレサブ機として使おうかなと思います。
めちゃくちゃ小さいし、手軽に聴けるし、お気に入りの音源だけ入れておいて、普段使っている有線イヤホンとイヤホンケースに一緒に忍ばせて置こうと思います。
iPhoneユーザーもワイヤレスでLDACが使えたり、USB-DACとして高音質で聴けたりとめちゃくちゃ便利ですよ!
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