こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
カスタムIEMを無線化するコンセプトのもとに開発され、音質全振りの完全ワイヤレスイヤホンとして話題になった「NOBLE AUDIO FoKus PRO」が発売して約1年。
ボクも発売当初は
「NOBLEやりすぎじゃねえの? この価格なら有線イヤホン使うよ!」
とか当初は思っていましたが、その音質の高さと完全ワイヤレスによる利便性の高さで、今でも使う機会の多いイヤホンのひとつです。
その音質最強と名高いFoKus PROに後継機が登場しました!
それが今回紹介する「FoKus Mystique」です。
前作のFoKus PROをユーザーのフィードバックを元に、Nobleでチューニングに携わる音の魔術師こと「ジョン・モールトン」氏によって、異なるチューニングが行われているモデルです。
その他の特徴として
- Knowles製 BAドライバー 2基と大口径8.2mmダイナミックドライバー1基のハイブリッド構成
- 壮麗な宇宙をモチーフにデザインされた「ギャラクシー・フェイスプレート」を採用
- 通話品質が向上、さらにヒアスルー機能も搭載
- 一人ひとりに最適なリスニング体験をもたらすパーソナルモードを搭載
とまあこんな感じです。ノイズキャンセリングや防水などの機能は当然のごとく搭載していません。
簡単にまとめると、より豊かで聴きやすくなって、外音取り込み機能も追加されたFoKus PROって感じでしょうかね。
事前にe☆イヤホンが主催する「ポタフェス」で聴いていまして、その時の感覚としては音が滑らかになって聴き心地がとても良くなっていて好みの音でしたね!
果たしてどれほどの実力なのか、今回レビュー用にメーカーから提供いただいたので、実機を使って検証していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください!
総合評価
4.5/5
- 完全ワイヤレス最高峰の音質の良さ
- 低音の迫力と深みが素晴らしい
- 小さな音量でも音圧をしっかり感じる
- 外音取り込み機能が意外と便利
- ノイズキャンセリングなしでも高い遮音性
- 見た目が美しい
- ケースから取り出しにくい
- 機能性はほぼない
4.9
高音
4.8
中音
5.0
低音
4.5
装着感
–
ノイズキャンセリング
3.0
外音取り込み
3.5
マイク性能
3.0
利便性
Bluetooth | 5.2 | 最大再生時間 | 本体7.5時間/ ケース3回〜4回分 |
コーデック | SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive(上限:48kHz/24bit) | 充電時間 | 本体1.5時間 ケース1.5時間 |
ドライバー | 2BA+1DD ハイブリッド型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | – | 質量 ※片耳/ケース込 | 情報なし |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | 1年 |
マルチポイント | – | 公式サイト | こちら |
▼動画版はこちら▼
FoKus Mystique 外観・付属品
それではFoKus Mystiqueの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
FoKus MystiqueのパッケージはNobleらしい深みのある青を基調としたデザイン。
開封するとこんな感じ。
付属品
- ポーチ
- イヤーピース ノーマル3ペア
- イヤーピース ダブルフランジ3ペア
- マニュアル
イヤーピースはノーマルタイプとダブルフランジタイプの2種類が付属していますが、これはどちらをつけていただいても大丈夫かと。
耳にしっくりくる方を選べばOKです。
充電ケース・本体
FoKus Mystiqueの充電ケースは前作のFoKus PROと全く同じものが使われていますね。
金属系の質感で、青と黒のツートンカラーとなっています。
金属系の素材はラフに扱いにくくて、思わず取り扱いが慎重になりますね。
ポケットにもすっぽりと収まる程度の大きさではありますが、他社のワイヤレスイヤホンと比べても厚みが少しありますね。
ちなみにFoKkus PROやFoKus H-ANCと比べるとこんな感じ。
充電端子はUSB Type Cに対応。
さらにワイヤレス充電にはもちろん対応していません。そんな概念など存在しません。
充電ケースを開けるとこんな感じ。
前作同様にケースが割と面一まで来ていて、皮脂がある状態だとツルツルとして取り出しにくいですね。
下側から親指で上部に倒すようにすると、取り出しやすいですよ。
イヤホン本体はギャラクシープレートを採用した神秘的なデザイン。
カスタムIEMのウィザードデザインを彷彿させますね。カスタムIEMだと、このギャラクシープレートが内側まであしらわれている感じになっていて超美しいんですよね。
FoKus PROとデザインを比較するとこんな感じ。デザインがキレイめになって万人ウケしやすくなった感じがありますね。
内側はカスタムIEMのように、耳の形状に合わせて凸凹とした造形になっています。
再生時間は本体7時間、ケースは本体を3〜4回充電できるほどのバッテリーを備えているみたいです。最大だと35時間程ですかね?なかなかタフです。
防水性能は備わっていません。何それおいしいの?
ノズルは前作同様にかなり太めなので、他社のイヤーピースだとノズルにハマらないものが結構あります。
最後に重さですが、総重量は78.1g、本体片耳の重量は7.4gです。
最近の完全ワイヤレスイヤホンとしては若干重ためです。
Noble Audio FoKus Mystique レビュー
音質|さすがの実力
FoKus Mystiqueの音質ですが、今回はXperia 5Ⅳで接続してaptX Adaptiveで試聴しました。
箱出しで聴いた感想としては、音は良いのは良いのですが、なんか中低域の量感が多すぎてボーカルが伸びきらず、でも高域はクリアみたいな感じだったんですよね。
いやいや、お前の実力ってこんなもんじゃないやろ? と思って試行錯誤してみたんですが、あれですね、原因はイヤーピースでしたね。
デフォルトで装着されているイヤーピースだと、ボクの耳には中低域が多すぎました。付属のダブルフランジのイヤーピースの一番小さいXSサイズを装着して聴いたら、かなり中高域が伸びてバランスがめちゃくちゃ良くなりましたね!
おそらく耳内が密閉されすぎて抜け感が悪くなって中低域寄りになりすぎていたのだと思います。小さめのイヤーピースを使うことで耳内に空間の余裕が生まれて高域もある程度抜けるようになってちょうど良いバランスになったんだと思います。
そこからエージングを50時間ほどしてみたら、最高の音質になりました!
これらを踏まえて、FoKus Mystiqueの音の特長は次のとおりです。
4.8
高音
4.9
中音
5.0
低音
- 高音:どれだけ中低域の音圧が高くても、当たり前にクリアに鳴らす圧倒的に余裕のある解像度の高い高域が特徴。抜けていくような伸びの良い高域ではなく、カリッと鳴らすスナップ感がよく瑞々しいほんの少し角の取れた高解像度系の高音という印象。
- 中音:厚みたっぷりの豊かで情報量の多いサウンド。ただボーカルは楽器隊とフラットな立ち位置で艶感は少なめ、どちらかというとギターやシンセサイザーなどの同帯域の楽器隊や、楽曲の雰囲気を際立たせるような鳴らし方ですね。ただコーラスは一人一人の歌声が把握できそうなレベルで生々しく奏でますね。
- 低音:かなり深いところまで沈み込みつつ、迫力や量感もたっぷりの低音。バスドラムの空気を揺らすような感覚まで再現するかのような感覚。これだけ量感が多いのに解像度もとても高くて、ベースラインも音圧たっぷりに鳴らしつつ輪郭もクッキリと追える。まるで大口径のドライバーを搭載した低域重視のヘッドホンで聴いているような感覚を味わえる。この低音の質の高さがFoKus Mystiqueの一番の強みのように感じる。
- 音場:この価格帯のTWSにしてはわりと狭めで、抜け感や広大さのようなものはなく、わりと一般的なカナル型イヤホン程度のニアフィールド系の鳴らし方
- 傾向:少し中低域寄りでボーカルより楽器隊を際立たせるような鳴らし方。迫力重視で、それでいて少し余韻感を加えられたような印象で、公式が謳う通り、高解像度でありつつ音の繋がりや滑らかさも重視したリスニングライクな音作り。
得意なジャンル
- シティポップ
- ヒップホップ
- エレクトロ
- ポップス
- EDM
深く沈み込む低域と、とにかく解像度の高いサウンドが特徴ですが、ややボーカルは遠めで、アコギやジャズ系の生音系より、エレクトロやヒップホップ系の電子音を多用したトラックのほうが良く感じますね。
エレキベースやバスドラムのゴリゴリとした音すべてにライブ感があって超楽しいです。
DE DE MOUSEやPerfumeやYOASOBIのエレクトロのトラック部分とかはかなり得意な感じです。トラックを中心にYOASOBIの「祝福」を聴いたらブチアガりますね!
全体的に音の重心が低めなので、後期の星野源の「Weekend」や「異世界混合大舞踏会」ようなブラックミュージックテイストの楽曲や、キリンジやCero、Luck Tapesなどのシティポップ系のジャンルはかなり得意なように感じました。
あと、米津玄師の楽曲は全体的に相性が良いですね!KickBackのイントロの深いベースサウンドをゴリゴリと鳴らしてくれますね。
ちなみに一番相性が最高だったのはサカナクションでした。あのエモいギターとシンセサイザーのサウンドと、クラブサウンドさながらのフロアを揺らすキック音やベース音がFoKus Mystiqueと超マッチしていて、もはやサカナクションホンですよ!サカナホン!
サカナクション好きはぜひ聴いてほしい!
FoKus PROと比較すると?
次にFoKus PROと比較した場合ですが、これは一概にどちらの方が良いとは言えないですね。音質レベルは全く同じで、傾向がけっこう異なります。
FoKus PROの方が好きだったという方も少なくないと思いますね。
FoKus PROの音の特徴はこんなイメージです。
4.9
高音
4.8
中音
5.0
低音
FoKus PROのほうが音が分析的で、一音一音が分離したクッキリ系の歯切れの良いサウンドなんですよね。
バンドサウンドの場合だと、ギター、ベース、ドラム、ボーカルと各楽器隊がしっかり分離して聴こえるような感覚で、それぞれの音が重なり合った結果、ひとつの楽曲がハーモニーとして完成するような感覚。
対して、FoKus Mystiqueの場合は少し余韻が加えられていて、高解像度系のサウンドの中でも音のつながりや一体感を重視したような感覚なんですよ。「ひとつの楽曲」というフォーマットがあらかじめ用意されていて、その楽曲のハーモニーを奏でるためにギター、ベース、ドラム、ボーカルがそれぞれ折り重なって聴こえるような感覚なんですよね。
個を活かすか、チームを活かすか、そんなイメージに近い音の傾向の違いがあります。
ボクは音の好みだけで言えば、FoKus Mystiqueの一体感のあるサウンドが好きですが、疾走感のある邦楽ロックを聴くときはFoKus PROの方が間違いなく良いですね。
こればっかりは好みの問題です。
なので、FoKus PROが超気に入っている方にとってはFoKus Mystiqueは「好みに合わない」と感じる場合もあると思います。
逆にFoKus PROがしっくりきていないという方はFoKus Mystiqueの音が超好み!となる場合もあると思います。
どちらにしても完全ワイヤレスのなかでも最高峰のサウンドであることは間違いないので、音質にこだわりたい方には自信をもっておすすめします!クソ高いけどねっ!
こちらも参考にしてくださいね
装着感|安定したフィット感と高い遮音性
FoKus Mystiqueの装着感はFoKus PRO同様にとても良好ですね。
イヤモニ型のイヤホンのように耳の形状に合わせてなかなかピッタリとフィットしてくれます。
実際に装着してみるとこんな感じ。前作と違って落ち着いたデザインになったので、オシャレに着飾れるようになりましたね。
前から見てもそこまで飛び出しはありません。
筐体は少し大きめなので、耳が小さい人だとフィットしにくいかもしれません。
あと、FoKus PROの時も感じましたが、遮音性がめちゃくちゃ高いですね!ノイズキャンセリングなしでも音楽を流していれば電車の走行音が全然耳に入ってきません。
これはノイズキャンセリングなしでも全然いけますね!
さすがにジョギング用途とかで使うのはおすすめしません。防水もついていないですし、耳から落ちて壊れたら約6万がパーですからね。
装着感 | (4.5) |
外音取り込み|質は良くないが意外と便利
FoKus Mystiqueの外音取り込みはあんまり良くないです。とりあえず付いているって感じです。
とりあえず相手の声を質の悪いマイクで拾っているって感じです。
まあ、音楽を止めていれば相手の声を聞き取れるレベルではあるので、ないよりはマシです。
もう一点気になるのが、切り替わりの遅さ。
左を長押しすれば外音取り込みモードに切り替わるのですが、3秒間くらい長押ししないと切り替わらないんですよね。
感覚的にかなり長く感じてしまうので、わりとストレスですね。
まあFoKus PROは搭載さえしていなかったので、ついているだけマシと思いましょう。ただ、使ってみると意外と便利です。
外音取り込み | (3.0) |
こちらも参考にしてくださいね
操作性|普通
FoKus Mystiqueの操作性は、まあ普通ですね。
操作はタッチパネルで行いますが、感度は良すぎず悪すぎずちょうど良い感じです。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を1回タップ |
曲送り | R側を3回タップ |
曲戻し | R側を2回タップ |
音量を上げる | L側を3回タップ |
音量を下げる | L側を2回タップ |
電話を受ける | 着信中にL or R側を1回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 通話中にL or R側を長押し |
外音モードの切り替え | L側を長押し |
音声アシスタント | R側を長押し |
ダブルクリックの反応も良すぎず、たまに反応しないこともあったりと、全体に渡って「普通」って感じですね。
特に外音取り込みモードの切り替え以外は大きなストレスは抱えることはないですかね。
操作はアプリでもカスタマイズ可能で、ダブルクリックとトリプルクリックのみ変更可能です。
長押しやシングルタップなどの変更はできないので、カスタマイズ性は少なめですね。
アプリについて
FoKus Mystiqueはアプリに対応しています。
アプリでできることは次のとおりです。
- イコライザ設定
- カスタムUi(操作方法の変更)
- 通知オンや操作音、表示言語の設定など
- ファームウェアアップデート
主な機能としてはイコライザーと操作方法の変更といったところでしょうか。
イコライザーはプリセットが6種類と、個人の耳に対して最適化を行うパーソナルモードがあります。
通話品質|前作よりは良くなっている
FoKus Mystiqueのマイク性能ですが、そこまで高くはないですね。
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
まあ前作より良くはなっていて、普通に通話ができるレベルではあるかな?って感じです。
通話品質 | (3.5) |
こちらも参考にしてくださいね
音の遅延|映像ならほぼ遅延がない
FoKus Mystiqueの映像と音声のズレですが、こちらも動画を見る分には問題なしですね。
PVやライブ映像を見ても、ほとんどズレが気にならず楽しめます。
低音の迫力がすごいので、ライブ映像も現場さながらの臨場感をイヤホン越しに味わえますね。
遅延の少なさ | (4.0) |
FoKus Mystique まとめ
FoKus Mystiqueをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
- 完全ワイヤレス最高峰の音質の良さ
- 低音の迫力と深みが素晴らしい
- 小さな音量でも音圧をしっかり感じる
- 外音取り込み機能が意外と便利
- ノイズキャンセリングなしでも高い遮音性
- 見た目が美しい
- ケースから取り出しにくい
- 機能性はほぼない
4.9
高音
4.8
中音
5.0
低音
4.5
装着感
–
ノイズキャンセリング
3.0
外音取り込み
3.5
マイク性能
3.0
利便性
Bluetooth | 5.2 | 最大再生時間 | 本体7.5時間/ ケース3回〜4回分 |
コーデック | SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive(上限:48kHz/24bit) | 充電時間 | 本体1.5時間 ケース1.5時間 |
ドライバー | 2BA+1DD ハイブリッド型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | – | 質量 ※片耳/ケース込 | 情報なし |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | – | 保証 | 1年 |
マルチポイント | – | 公式サイト | こちら |
FoKus Mystiqueはこんな人におすすめ
- 予算度外視で一番音質の良い完全ワイヤレスイヤホンを探している
- 低音がゴリゴリに鳴りつつも高解像度なイヤホンを探している
- エレクトロ、ヒップホップ、シティポップなどを好んで聴く
- FoKus PROの音がしっくりこなかった
いや〜さすがの完成度の高さでしたね。
はじめ聴いた時は「ん?」ってなりましたが、イヤーピースを自分に最適化してエージングも進めたら最高の音質になりました。
前作同様に音質最強の座は譲らせない王者の風格はありますね。あと、外音取り込み機能が意外と便利でした。
FoKus PROとは得意とするジャンルは異なりますが、最新のチャート曲やエレクトロ系のジャンルはFoKus Mystiqueの方が合いそうですね。
ロックやメタルとかバンドサウンド系はFoKus PROの方が合うと思います。
FoKus PROの音が気に入っている方は買い替える必要まではないと思いますが、前作がしっくりこなかった人はFoKus Mystiqueをぜひ聴いてみてほしいですね。
おすすめ記事
コメント