こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
2025年に入って、いきなり今年No.1候補になるかもしれないワイヤレスイヤホンが登場しました!
それが今回紹介する「Technics / EAH-AZ100」です。いや〜2025年に入って早くも今年の本命が登場ですよ。
- ハイエンド有線モデルにも採用した磁性流体ドライバーを
ワイヤレスイヤホン史上初搭載 - AZ80の「コンチャフィット形状」を大幅に小型化
- ノイズキャンセリングON時で連続再生10時間 / LDACとの併用でも約7時間再生可能
- LE AUDIOや空間オーディオにも対応
- 通話時の雑音を抑制する新機能「Voice Focus AI」
- ノイズキャンセリングや外音取り込み機能もさらにアップ
- 価格は36,000円(税抜)
カジェログでは前作のEAH-AZ80を2023年上半期、2024年初頭〜上半期まで、おすすめワイヤレスイヤホンランキング1位として紹介しつづけてきたのですが、1位の状態のまま後継機の登場ですよ。
つうかこの子が出るのを知ってたから、2024年決定版ワイヤレスイヤホンランキングを作っていなかったのよ。
細かな説明は後半でしていきますが、EAH-AZ100の魅力をザックリ伝えると、全体的な実力がさらに底上げされてるのに価格はほぼ据え置きの後継機って感じですよ
円安などの影響で物価が高くなっていってるなか、性能を良くして価格据え置きとかバカじゃねえの?(褒め言葉)
今回はTechnicsさんから紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力か検証していきます。
▼動画版はこちら▼
EAH-AZ100、AZ80、AZ60MK2スペック比較
製品名 | EAH-AZ100 | EAH-AZ80 | EAH-AZ60M2 |
Bluetooth | 5.3 | 5.3 | 5.3 |
ドライバー | 10mm アルミニウム振動板 | 10mm アルミニウム振動板 | 8mmバイオセルロース振動板 |
音響技術 | 磁性流体ドライバー+極薄エッジ アコースティックコントロールチャンバー + ハーモナイザー ダイレクトモード | アコースティックコントロールチャンバー + ハーモナイザー ダイレクトモード | アコースティックコントロールチャンバー + ハーモナイザー ダイレクトモード |
コーデック | SBC,AAC,LDAC,LC3 | SBC,AAC,LDAC | SBC,AAC,LDAC |
再生時間 ※ANC ON時 | 本体:10時間 ケース込:28時間 | 本体:7時間 ケース込:24時間 | 本体:7時間 ケース込:24時間 |
通話時間 | 6時間 | 4.5時間 | 4.5時間 |
充電端子 | Type C Qi(ワイヤレス充電) | Type C Qi(ワイヤレス充電) | Type C Qi(ワイヤレス充電) |
防水 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
自動装着検出 | ◯ | ◯ | ◯ |
ノイズキャンセリング | アダプティブ ノイズキャンセリング | デュアルハイブリッドノイズキャンセリング | デュアルハイブリッドノイズキャンセリング |
外音取り込み | トランスペアレント / アテンション AZ80と比べてさらにクリアに ワンタッチ会話モード | トランスペアレント / アテンション フィードフォワードマイク性脳向上 | トランスペアレント / アテンション |
空間オーディオ | ◯ | – | – |
AURACAST | ◯ | – | – |
アプリ | ◯ 新機能追加 | ◯ | ◯ |
マイク | 最新マイク×6 Voice Focus AI | MEMSマイク×8 JustMyVoice™ | MEMSマイク×8 JustMyVoice™ |
マルチポイント | 3台 先勝ち/後勝ち選択可 アナウンスバリエーション追加 | 3台 | 3台 |
価格(税込) ※当メディア調べ | 39,600円 | 36,630円 | 27,720円 |
スペックで見比べてみると、価格がほぼ据え置きにも関わらず大幅に進化しています。
総合力でいえばあらゆるワイヤレスイヤホンのなかでもトップクラスとも言えるスペックの高さを誇ります。
やはりマルチポイントの最大3台使い可能は強い。
再生時間も大幅に向上
特に驚くべきは再生時間の長さ。ノイズキャンセリングON/AAC接続で連続10時間再生もすごいですが、以下の図のようにLDACとノイズキャンセリングを併用しても7時間持つというタフネスさも持ち合わせています。
LDACって電力消費が激しいから他のメーカーだと再生時間を隠しがち(もしくは検証していない)ことが多いんですけど、ちゃんと表記しているのはエラいですね。
Technics EAH-AZ100 外観・付属品
ということで実際に開封していきましょう。
パッケージ
パッケージは前作と同じく小型でシンプルなデザイン。今回はシルバーをお送りいただいていますが、他にもブラックがあります。
開封してみるとこんな感じ。
付属品
- イヤーピース5ペア
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
イヤーピースは今回AZ100専用に開発されており、従来まで採用されていた2層構造のイヤーピースではなく、先端にかけて硬度が3段階にやわらかくなっていく3層構造を使ったものを採用。
低域を中心に必要な音を外に逃さず、生音質を鼓膜に届けられるようになっています。
従来のイヤーピースでもかなり質感は高かったですが、さらにパワーアップしていると考えてもよいかと。
EAH-AZ80にはコレイル – AL ALLOY-をつけて愛用していましたが、また後半でコレイルで使ってみた感想もお伝えしようと思います。
充電ケース・本体
充電ケースは、前作同様にシルバーにTechnicsのゴールドロゴが入った高級感のあるデザインになっていますね。
本体上部にはヘアライン加工が施された美しいデザイン。
EAH-AZ80と比べるとこんな感じ。
デザインはおおよそ同じだけど、EAH-AZ80と比べて少し小さく丸っこい見た目になりましたね。
充電端子はUSB-C。
もちろんワイヤレス充電にも対応。むしろ付いていないと怒る。
充電ケースを開けるとこんな感じ。
本体も充電ケースからけっこう飛び出しているので、とても取り出しやすいですね。
イヤホン本体はこちら。
前作同様に金属ハウジングを採用した筐体ですが、前作よりも本体重量は16%ダウン、本体堆積も10%ダウンとより小型になっています。
比べてみたらこんな感じです。
側面から見るとこんな感じ。
内側も耳の形に合わせた設計になっていて、前作同様に装着感もとても良さそうに見えます。
ノズルは前作とは異なり耳の穴の形に合わせた楕円形になっていますね。イヤーピース装着部にもロック機構のようなものが追加されています。
この新たなノズルによってイヤーピースも勝手にポロッと落ちにくくなったんじゃないでしょうか。
形が変わったからといって他のイヤーピースが使えないわけでもなく、EAH-AZ80でも愛用していたコレイルも問題なく装着できましたし、充電ケースにも干渉することがありませんでした。
コレイルで使ってみた感想は、また記事の後半でお伝えします。
最後に重さですが、
EAH-AZ80の総重量は60g、本体片耳の重量は6.2gだったので、大幅に軽くなっていますね。
Technics EAH-AZ100 レビュー
装着感|前作よりも圧迫感が少ない!
装着感についてですが、前作同様に耳にピッタリとフィットします。
EAH-AZ80から人間工学に基づいた「コンチャフィット形状」を採用していたおかげで装着感はとても良かったですが、EAH-AZ100は本体がさらに小ぶりになったこともあって、長時間装着していても耳が痛くなりにくくなりましたね。
実際に装着してみるとこんな感じ。見た目が高級感があって美しい!
前から見てもそこまで飛び出していないですね。
前作もしっかり密閉しつつも圧迫感の少ない装着感でしたが、2〜3時間ほど装着していると耳の内側に鈍痛が走ることがありました。
EAH-AZ100になってさらに圧迫感が少なくなったためか、こちらは4時間ほど装着してようやく耳が痛くなってくる程度でしたね。
前作よりも長時間装着した状態での作業や通話もしやすくなりました。
また、耳の小さな方でも、よりフィットしやすくなったかと思いますよ。
装着感の良し悪しは人それぞれだと思いますが、ボクは一切不満なしです。
装着感 | (4.9) |
音質|前作からの正当進化
Technics EAH-AZ100の音質ですが、前作の傾向はそのままに全体的にけっこうパワーアップしていますね。
EAH-AZ80が3万円クラスと価格相応の実力でしたが、EAH-AZ100は4〜5万円クラスにも対抗できるほどの実力があるように感じます。
その上で超ボク好みの音なので、そりゃもう最高 is 最高ですよ。ワイヤレスイヤホンはもうこれでいいよ。
EAH-AZ100のドライバーには冒頭で伝えた「磁性流体ドライバー」と「極薄エッジ」というものを搭載しているんですけど、これEAH-TZ700っていう15万円くらいするTechnicsの有線イヤホンと同じような素材を使われているんですよ。
かんたんに伝えると、振動版をかなり正確に動かすことができる仕組みみたいな感じですかね。10万円クラスで採用されるような機構が3万円台のワイヤレスイヤホンに搭載されています。
EAH-TZ700は2019年発売ではあるんですけど、今でもめちゃめちゃ音が良くて、純正で4.4mmバランスケーブルでもつけてくれたら買いたいくらい。
Technics EAH-AZ80の音の特長は次のとおりです。
4.9
高音
4.9
中音
4.9
低音
音の傾向
音の傾向は基本的にはEAH-AZ80と同じように感じますね。
前作のEAH-AZ80は、メディアやプロのレビューだと「原音重視」「ニュートラル」と評されることが多いんですけど、個人的にはTechnicsの音は余韻が少しあって、やや柔らかめの音のように感じるんですよね。ノイズキャンセリングONの場合ですけど。
音のバランスは低域にも高域にも偏ることもなく、バランスよく出ているように感じます。
高域
高域はEAH-AZ80と比べて伸びと粒立ちがとても良くなりましたね。細かな音まで拾い上げてくれるので、音の輪郭をより感じやすくなっています。
弦楽器が上まで伸び切らない感覚が解消され、アコースティック編成の楽曲もよりリアルに再現するようになりました。
前作から引き続き管楽器は超得意! 最近はポップスでもブラスアレンジを取り入れてくることが多いですが、EAH-AZ100で聴けばとても瑞々しい炸裂音を聴かせてくれるので最高ですよ。
ジャキジャキとした刺激感はないため、もっと激しい音をご所望の場合は他にも選択はありますが、高域の美しさを求めるならEAH-AZ100は超アリです。
中域
中域はEAH-AZ80の傾向はそのままに、全体的に解像度がアップしているように感じましたね。
EAH-AZ80だと解像度が足りずに団子になっていた音も、一音一音に分解されてより聴き分けがしやすくなりました。ボーカルの輪郭もよりクッキリとしています。
その上で分析的な音にはならず、男性女性ボーカル問わずに艶っぽくて美しい歌声を聴かせてくれます。
低域
低域はEAH-AZ80の豊かで広がりのある低音はそのままに、レスポンスがさらによくなり、スナップ感のある低音が出るようになりましたね。
EAH-AZ80では少し緩めの低域だったので、ロックやエレクトロ、ヒップホップ好きの方からするとパンチが足りないと感じていた方もいたかと思いますが、それらのジャンルにも対応できるようになりましたね。
ただ、重低音ゴリっゴリサウンドというわけでもないので、もっとノリの良い音で楽しみたい方は他にも選択肢はあると思います。
音場
音場は前作と変わらず広めな印象で、抜け感の良い広さではなくホールのように余韻感のある広さという印象。
得意なジャンル
基本どんなジャンルでもOKです。
前作以上にロックやポップスなどのノリの良いジャンルから、弦楽器を多用したアコースティック編成の楽曲までなんでもOKになったように感じましたね。
総評
総評して、価格と機能性を考えればとんでも無い音質の良さです。
ボクも音質重視で聴きたい時は5〜6万クラスのワイヤレスイヤホンを使うこともありますけど、EAH-AZ100はそのクラスと比べてもそこまで遜色のないレベルで音質が良いんですよね。
その上で音もめちゃめちゃ好みなもんだから、音質重視で使いたい時でもEAH-AZ100でいいやと思えるようなレベルです。
機能性重視だけでなく音質重視のオーディオマニアの方でも間違いなく満足できるかと思います。
ノイズキャンセリングON/OFFによる音の変化
ノイズキャンセリングON/OFFによる音質の変化は、前作同様にけっこうありますね。
OFFにした方が低域に締まりと迫力が加わり、ボーカルにも芯が加わるように聴こえますね。OFFの方がやはり音質は良く感じます。低音の量感はかなり変わりますよ。
音の傾向にも変化がありまして、たしかにOFFの状態であれば「原音重視」「ニュートラル」という印象を受けますね。
ただ、先に伝えた音質評価はノイズキャンセリングONの時のものなので、ONの状態でも気に入っているんですよね。
より純度の高い音を求める方はノイズキャンセリングOFFで運用してもイイと思います。ボクはONで使うと思いますけど、OFFも捨てがたい……。
アプリで外音モードの切り替え時の挙動も切り替えられるので、あえてOFFを挟んだり、OFF↔︎外音取り込みだけでループするように設定してもいいかもしれません。
iPhoneユーザーでもイイ音で聴ける?
ちなみにYouTubeのコメントで「iPhoneユーザーでもいい音で聴けますか?」というコメントをよく頂くのですが、iPhoneのAAC接続の音の良さをナメちゃいかんですよ。
個人的なコーデックの音の評価は、好みはあるかもしれませんけど↓のような感じです。
Android AAC接続 <<< iPhone AAC接続 ≦ LDAC(330kbps)<< LDAC(990kbps)
ちなみにLDACで聴くと、少し輪郭が甘めの柔らかな音の輪郭がさらにビシッと定まるようになり、クッキリハッキリとした音になります。
LDACの音質重視(990kbps)の方が間違いなく音質は良いですけど、iPhoneユーザーでも全然問題ないですよ。
空間オーディオが新たに搭載
さらにEAH-AZ100から新たに空間オーディオが追加されました。
音を広げて擬似的にサラウンドのような音にしてくれる機能ですが、これで映画やライブ映像を見ると臨場感がマシマシになるんですよ。
ただ、少し不自然な残響感があるような印象ではありますね。
元の音質が良いので活用はできると思いますけど、他社であればさらにリアルなライブ感のある音にできるイヤホンやヘッドホンもありますね。
ノイズキャンセリング|低域〜中域側の遮音性がパワーアップ
ノイズキャンセリングについては、電車の走行ノイズや、人の話し声など中低域帯に対する遮音性がアップしているようです。
実際に試してみてもグラフの通りの変化で、電車の走行ノイズもEAH-AZ80よりもしっかりカットできていて、カフェでの人の会話もより聞こえにくくなりましたね。
アプリではノイズキャンセリングの調整も可能で、1~100の間でレベルを手動調整ができます。
また、今作からアダプティブノイズキャンセリングにも対応し、環境に応じてノイズキャンセリングレベルを自動で調整してくれるようにもなりました。
また、フィードバックマイクの性能もアップしたことにより、ノイズキャンセリングによる耳が詰まったような閉塞感もさらに少なくもなっています。
あと風切音がびっくりするくらい少ないです。かなり風が強いところで使っても「びゅおおお」という音が気になりません。どうなってんの。
ただ、高域側に対する遮音性はグラフの通りEAH-AZ80との差異がない印象で、検証する環境次第では「あれ?そこまで進化してる?」と感じることもあるかもしれません。
EAH-AZ80のころから高域側に対する遮音性はめっちゃ強いってほどでもないから、オフィスで耳栓がわりに使う場合は他にも選択肢があるかもですね。
NO.1クラスとまではいきませんが、2025年1月時点で個人的にTOP5に入るノイズキャンセリング性能を持っているようには感じましたね。
これほどまでに音質が良いのにノイズキャンセリング性能も高くてストレスもないとか最高じゃないですか。
ノイズキャンセリング | (4.8) |
外音取り込み|さらに自然になっている
EAH-AZ100の外音取り込み性能ですが、AZ80でもあれだけ優秀だったのに、さらにパワーアップしているじゃないですか。
デフォルトだと外音取り込みレベルが「80」になっているのですが、アプリで「100」にしてあげると、さらに周りの音が聞こえやすくなります。
また、以下の2種類から挙動を選択できます。
- トランスペアレント
→外音取り込み時に音楽の音量を変えずにそのまま外音を取り込む - アテンション
→外音取り込み時に音楽を一時停止して、声の帯域だけを強調させるようにする
ボクはBGM感覚で聴きたいですし、周りの音は自然に聞こえる方が好きなのでトランスペアレントモードで使います。
いや〜この子やべぇよ、ふだん耳で聞いている感覚までかなり近づいてきましたよ。今まで使ってきたカナル型イヤホンの中ではおおよそNo.2くらいのレベル。No.1は某林檎ちゃんのとこのやつ。
音楽を止めていれば、イヤホンをつけっぱなしでも普段通りに生活を送れますよ。
ただ、某林檎ちゃんと比べると、中低域がしっかりと出ているので、同じ音量でBGM感覚で聴いていてもEAH-AZ100の方が相手の声を聞き取りにくかったりしますね。
小音量でインスト系を聴いていれば、自分だけに聞こえるBGMのような感覚で日常生活も送れますよ。
林檎ちゃんを除けば、外音取り込み機能は最強クラスです。
外音取り込み | (4.9) |
操作性|カスタマイズ性がアップ
操作性も前作同様に良好です。
タッチセンサーではありますが、誤反応がしにくく、物理ボタンかのように自然に操作ができます。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を1回タップ |
曲送り | R側を3回タップ |
曲戻し | R側を2回タップ |
音量を上げる | L側を3回タップ |
音量を下げる | L側を2回タップ |
電話を受ける | 着信中にL or R側を1回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 通話中にL or R側を長押し |
通話音量を下げる | 通話中にL側を2回タップ |
通話音量を上げる | 通話中にL側を3回タップ |
相手からのノイズレベル切り替え | 通話中にR側を3回タップ |
外音取り込みモードの切り替え | R側を長押し |
音声アシスタント | L側を長押し |
ペアリングモードへの移行 | イヤホンL or R側を長押し |
アプリで各操作ボタンごとに自由に割り振りもできますし、操作時にノイズキャンセリングモードのオフをカットする機能もあります。
あと伝え忘れてましたけど、外音モードOFFという項目もあるので、これで外音モードとは独立してノイズキャンセリングOFF状態にさせることもできます。地味に便利!
さらに前作ではできなかった断続的な音量調整もできるようになりました。
たとえば長押しに音量調整を割り振った場合、押し続けている間は音量が上がり続けたり下がり続けたりするようになりました。
前作が音量を1ずつ刻むことしかできなくて不満だったんですけど、Technicsにフィードバックが届いたようです!
ボクは左1タップを外音モードの切り替え、長押しで音量アップ/ダウン、左の3回タップでノイズキャンセリングOFFが動作するように割り振りました。
操作のしやすさ、カスタマイズのしやすさともに一切不満なしですね。最高です。
アプリについて
続いてアプリについてですが、めちゃくちゃ色々な設定ができます。
できることは大きく分けると次の4つです。
- ホーム画面の確認
- 外音コントロール
→ノイズキャンセリング設定 - サウンドモードの設定
→イコライザー設定 - その他設定
→マルチポイントや接続コーデックの設定など
ホーム画面
ホーム画面では「バッテリー残量の確認」や、「外音モードの確認」「イコライザー」「Voice Focus AIの確認」に直接アクセスできるようになっています。
Voice Focusの効果については通話性能の項目でお伝えします。
サウンドモード
サウンドモードでは、次の7つの項目から設定ができます。
- ダイレクト
→EQを通さずに伝えるフラットモード - バスエンハンサー
→低音をやや強調 - バスエンハンサー+
→低音をかなり強調 - クリアボイス
→ボーカルを強調 - トレブル+
→高音を強調 - ダイナミック
→低音と高音を強調 - カスタム
→5バンドに対して±10dBの独自設定が可能
僕は元のチューニングでも気に入っているので、基本ダイレクトモードで使っています。
ただ、どのイコライザー設定にしても、音が破綻せずに自然に傾向を変えてくれるので、あえて変えるもありだと思います。
ヒップホップを聴いているときに「バスエンハンサー+」にしたら、中高域をマスクせずに低域の迫力がめっちゃ増えたので、良い感じでしたよ。
音の好みが合わない場合でもイコライザーを使えばなんとでもなりますね。
またカスタムイコライザーも前作は1種類のみでしたが、今作は3種類用意できるようになりました。
カスタムイコライザーで調整できるバンド数も5→8に変更され、より細かな調整ができるようになりました。
それ以外にできることは、他の見出しで紹介しています。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動についてですが、まずEAH-AZ80時代から最大3台接続可能という他者の追従を許さないユニークな機能があるのですが、EAH-AZ100からはさらにパワーアップしています。
まず、マルチポイントで2台同時に接続した際、1台目のデバイスを再生中に2台目のデバイスから音声を流したときに、「先に再生していた方を優先させる」「後から再生した方を優先させる」を選べるようになりました。
ボクは初めに再生していたデバイスを優先させたほうが通知音などで勝手に接続先が切り替わったりしないので好きなのですが、その挙動もユーザーが選べるイヤホンは初めて見ました。
また通話中に関しては、2台目の機器にも着信があったときに「着信音を鳴らす」か「鳴らさない」かの選択も可能です。
ちなみにLDACを使用しているときは最大2台接続まで、LE AUDIO使用時はマルチポイントは使用不可となります。これは仕様的に仕方ないですね。
Technicsマルチポイント極めすぎやろ。
接続の安定性は?
大阪でもっとも音途切れの多い「大阪駅〜梅田駅」周辺で、マルチポイントでiPhone 15 ProとXperia1Ⅵにした状態で検証してみました。
まずXperia 1ⅥのLDAC(330kbps ベストエフォート)で検証しましたが、ほぼ途切れがありませんでしたね。かなりの安定性の高さ。
次にマルチポイント+LDAC(990bp)で検証しましたが、さすがに途切れが発生しますね。家の中でもアウトでした。これはどのイヤホンでも途切れるので仕方ないかな。
音質優先(990kbps)で使う場合は、マルチポイントを1台にすることをおすすめします。
ちなみにiPhone側で検証したときは音途切れは一切なしでした。
前作同様に接続はかなり安定している方だと思います。
通話品質|背景ノイズは超取れる
Technics EAH-AZ100のマイク音声ですが、
マイク音声も実際に録音してみました。Voice Focus AIも「ON」「OFF」でそれぞれ録音してみましたので、EAH-AZ60と聴き比べてみてください。
EAH-AZ100 Voice Focus AI OFF
EAH-AZ100 Voice Focus AI ON
EAH-AZ80 JustMyVoice ON
EAH-AZ80に比べて背景ノイズがゼロレベルで少なくなっていますね。ただ声は加工されている感は強くなります。声をの質よりも声の聞こえやすさを重視した音声になっていますね
また通話時に相手にノイズを伝えないだけでなく、相手の声から入る背景ノイズもEAH-AZ100側でカットしてくれるという機能もあります。
相手だけでなく自分も快適に通話しやすいような工夫が施されているわけですよ。
連続通話時間も長いし、マルチポイントもついているし、本体が小さくなったから耳も痛くなりにくいですし、長時間の通話用途にもめちゃめちゃ向いているワイヤレスイヤホンです。
通話品質 | (4.8) |
音の遅延|低遅延モード&LE AUDIOで超低遅延
Technics EAH-AZ100の映像と音声のズレですが、LDACでもほとんど気にならないですね。
マルチポイント接続でiPadでYouTubeやアニメを見ることも多いのですが、そこでは違和感は全くなかったです。
またアプリで音途切れや遅延の抑制という項目で、さらに遅延を少なくすることもできます。
→自動・・・音途切れを抑制するように自動で調整
→音の途切れをより抑える・・・音途切れを減らしますが、映像と音声のズレは大きくなる
→音の遅延をより抑える・・・映像と音声のズレを減らすが、音途切れが発生しやすくなることがある
音の遅延をより抑えるにすると、ゲームもカジュアルにはできるくらいに遅延が少なくなりますね。
さらにLE AUDIO(LC3)で接続すると、有線イヤホン並みに遅延が少なくなるので音ゲーやFPSも余裕でできるようになります。楽曲や動画編集もできますよ。
遅延の少なさ | (4.3) |
気になった点
気になった点はほっとんどないですね。
ホントに欲を言えばくらいですけど、ケースにトランスミッター機能が欲しかったくらいでしょうかね。
この機能があれば飛行機の中でも映像コンテンツをワイヤレスイヤホンで楽しめたり、iPhoneでも高音質コーデックを使えたり、パソコンと接続して動画編集も低遅延でできたりと超便利なんですよ。
ただ、これ以上価格が高くなっても本末転倒だと思いますので、欲を言えばくらいですかねー。
おすすめのイヤーピース
最後におすすめのイヤーピースですが、EAH-AZ80と同じくコレイル Al Alloyですね!
EAH-AZ100に高域の華やかさや煌びやかさを加えて、低域の量感もアップして、さらに美しくハデ目な音に仕上げてくれます。前作からこの組み合わせで作る音が超好みなんですよね。
ただ、耳への圧迫感の少なさやフィット感の良さは純正イヤーピースの方が良かったですね。コレイルを使うと耳内が痛くなるまで早く感じました。
純正イヤーピースもかなり質感が高く、EAH-AZ100の音をニュートラルに感じられるので無理にイヤーピースを変える必要もないと思いますよ。
Technics EAH-AZ100 まとめ
総合評価
5/5
EAH-AZ100
- 機能性重視としてはトップクラスのサウンド
- 高解像度かつ豊潤な音作り
- ストレスのたまらない強烈なノイキャン
- 耳に何もつけていないかのような外音取り込み性能
- ホールド力が高く自然で圧迫感のない装着感
- ノイズを取り入れないマイク性能
- ワイヤレス充電に対応
- マルチポイントに最大3台対応
- LE AUDIOや低遅延モードでゲームも快適にプレイ
- 前作から実力が底上げされているのに
価格はほぼ据え置き
- ノイズキャンセリングON/OFFの音の変化が大きめ
- 欲を言えばケースのトランスミッター機能が欲しい
4.9
高音
4.9
中音
4.9
低音
4.9
装着感
4.8
ノイズキャンセリング
4.9
外音取り込み
4.8
マイク性能
4.9
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体10時間/ ケース込み28時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC,LC3 | 充電時間 | 本体;2時間 ケース:2.5時間 |
ドライバー | 10mm アルミニウム振動板 磁性流体ドライバー 極薄エッジ | 充電端子 | Type C Qi |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 5.9g/53.8g |
外音取り込み | ◯ | 低遅延モード | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ 3台 | 公式サイト | こちら |
Technics EAH-AZ100はこんな人におすすめ
- 予算3万までいけるなら全員
EAH-AZ80はオールAクラスのイヤホンと評価しましたが、EAH-AZ100はオールSクラスのイヤホンですよ。
すべてにおいて完璧レベル! 2025年になったばかりですけど、もうこれが年間1位でいいんじゃないですか?
価格面も含めて、EAH-AZ100の総合力を超えるイヤホンが登場することが想像できないです。
今年発売するとすればもSさんのところですかね。どんなイヤホンが出たとしても、多分ボクはEAH-AZ100を選ぶと思うんですけどね。
こればっかりは2025年12月まで待ってみないとわからないですけどね。
現時点ではイチオシのワイヤレスイヤホンです。
コメント
コメント一覧 (4件)
DENON PerL Proが高音4.9中音4.9低音5.0ですが、音質だけですとこちらの商品よりDENONのほうが上って認識であってますか?
すみません、評価軸が更新できていないですね。
PerL Proは今の評価だと
4.8
4.8
4.9
くらいの印象です!
Technicsの有線イヤホンに搭載されていた磁性流体を搭載と聞きましたが、実際有線イヤホンに匹敵するクラスですかね?匹敵するとしたらどのクラスに匹敵するのでしょうか?
3万クラスの有線イヤホンと比べると、やはり有線の方が明らかに良く感じたので、実力的には有線の20000円前後クラスだと思うのですが
あくまで上流が10万クラスのDAPを使っていた時の評価なのです。
検証はできていませんが、たとえばBTR11のような安めのBluetoothレシーバーを使って、LDAC接続同士で比べると、もう少し音質差は少なくなるかもしれません。
そのあたりも一度詳細に検証してみたいですねー。