こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はVGP2025 SUMMER 金賞&コスパ大賞を受賞した1万円以下で買えるイヤーカフ型ワイヤレスイヤホン「SOUNDPEATS / Clip1」を紹介します。

- Dolby Audio × DynamicEQ™ Proによるダイナミックなサウンド
- 高音質コーデックLDACに対応
- 再生時間は本体8時間、ケース込み40時間とかなり長め
- L/Rの表記なし 左右自動認識機能を搭載
- 専用アプリ対応で自分好みにカスタマイズ可能
- 定価は9,980円→クーポンでさらに安く
実際に使ってみましたが、以前紹介したCCやUUと比べると音質も操作性もスペックもかなりパワーアップしていますね。
1万円以下という括りであれば、2025年下半期のイチオシイヤーカフ型イヤホンの有力候補になりえる実力があるように感じました。
今回はSOUNDPEATSさんより紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力がお伝えしていきます。
YouTube版はこちら
SOUNDPEATS Clip1 外観・付属品
それではSOUNDPEATS Clip1の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
パッケージはCCと同様にシンプルなデザインでとてもスマート。

開封するとこんな感じ。

付属品

- TYPE-C充電ケーブル
- 取扱説明書
- アプリガイド
- PEATS君のステッカー
イヤーカフ型ということもあってイヤーピースも必要ないので、付属内容はとてもシンプルですね。
PEATS君ステッカーは好きなところに貼っておいてください。
充電ケース・本体
SOUNDPEATS Clip1の充電ケースはこちら。メタリックシルバー調の配色になっていますが、SOUNDPEATSでこの配色を使ってくるモデルはハズレがない印象。

イヤーカフ型としてはサイズ感が少し大きく感じますね。
厚みはそこまでないのでズボンにもすっぽりおさまります。

CCやUUと比べるとこんな感じ。サイズはともかく高級感はアップしましたね。


ケースのデザインだけで比較するならCCの方が好みかな〜。
充電端子はUSB Type Cに対応。

ワイヤレス充電には残念ながら対応していません。欲を言えば欲しかった。
充電ケースを開くとこんな感じ。

ブリッジ部分が本体から大きく飛び出しているので、めちゃめちゃ取り出しやすいですね。

イヤホン本体はワンポイントで彩られたメッキ加工が際立つちょっとだけ高級感のあるデザイン。

というかハウジングとメッキ部分以外はややチープ。
UU / CCと比べるとこんな感じ。

他の2機種と比べると高級感はありますね。
今回はUUのように物理ボタンは採用していませんが、その代わりブリッジ部のタップによる操作が可能になりました。

L/Rの表記はありません。

UUとCCはケースに収納した時点で左右の識別を入れ替えてましたが、Clip1は装着時に左右の識別します。ここも大きな進化ポイントとなります。
この価格で左右識別を実現したのはすごい!
デザイン的にはホワイトもふつうにアリですね。
最後に重さですが、総重量は55.6g、本体片耳の重量は5.4gです。


スペック

SOUNDPEATS Clip1 レビュー
装着感|安定かつ軽快
SOUNDPEATS Clip1の装着感はCCよりさらに軽量になっていて、ずっと付けていても耳が全然痛くなりません。
実際に装着してみるとこんな感じ。CCよりもスマートでアクセサリー感覚に近くなりましたね。

前から見たらこんな感じ。

CCは4時間くらい装着しているとさすがに痛くなってきましたが、Clip1は6時間くらい付けっぱなしでも痛くなりにくいように感じましたね。
耳かけタイプのイヤホンとは違ってマスクやメガネとも干渉しないですし、耳の付け根も痛くなりにくいのもイイですね。やはりイヤーカフ型イヤホン装着感は神。
ジョギングでも使ってみましたが、イヤーカフにしては意外と安定している印象でしたね。
装着感 | (4.9) |
音質|
Clip1の音質についてですが、1万円以下のモデルと考えればかなり良いと思います。
感覚的にはCCの低音の臨場感はそのままに、中〜高域がさらにクリアになったような感覚でしょうか。
アプリで「ダイナミックEQ」のON/OFFの設定があるのですが、基本ダイナミックEQありきの音と考えた方がいいです。OFFにすると低音はスカスカとまではいかないですが物足りなさは感じましたね。

ただ、ダイナミックEQをONにするとLDACが使えなくなります。なんでやっ!
個人的には ダイナミックEQ > LDACという印象だったので、LDAC対応でありつつも有効的に使えないように感じましたね。この点だけが残念。

SOUNDPEATS Clip1の音の特長は次のとおりです。ダイナミックEQ前提の評価となります。
3.9
高音
3.9
中音
4.0
低音
音の傾向はやや低域寄りで、SOUNDPEATSらしいメリハリを効かせたサウンドという印象でしょうか。
音場は全体的に近めで、カナル型イヤホンのように音が迫ってきます。
低域の量感はイヤーカフ型としてはとても多めで、ズンッとした迫力と広がりを持った低音で表現します。CCと同様の量感を持ちつつもCCほどドスを効かせすぎず、滑らかな低音になっていますね。
中域〜高域もイヤーカフ型でありつつも音の破綻がなく、こもり感もそこまで感じさせずクリアな印象です。CCよりも低域の支配的な感覚がなくなり、中高域がクリアに聴こえてきますね。
アコースティック編成の楽器を自然に鳴らすような感じではないですけど、ロックやポップスなど電子音を中心とした最新チャート曲であれば全然問題なし。
最近は低価格帯でも音質の良いイヤーカフ型が増えてきていますけど、その中でもSOUNDPEATSは音質面だと半歩ほどリードしているような印象を受けますね。
さすがに2〜3万円クラスの音質には勝てないですけど、よほど音質にこだわりがない限りは「これで十分すぎるやろ」と思える音の良さはあるかと思います。
Dolby Audioにも対応
そしてDolby Audioという3Dサウンドのような機能も追加されました。こちらはアプリから設定可能です。

変にデジタル加工で拡げたような不自然な音ではなく、音声はそのままに低域の迫力や音の広がりだけを加えた自然な3Dサウンドでなかなか好印象でした。
Clip1が元々近めの音場感なので、スピーカーっぽく聴きたいときにはONにしてあげるといいかも。
ライブ音源を聴くときや、映画鑑賞をするときはONにしてあげる幸せになれます。
イコライザーにも対応
さらにアプリ「PeatsAudio」のイコライザーを使って、自分好みの音にカスタマイズもできます。

Clip1のイコライザーには以下の3つがあります。
- アダプティブイコライザー
→聴覚テストを行いながら自動でイコライザーを設定 - プリセットイコライザー
→低音を強く、高音域の強調、ロック、ポップスなどあらかじめ設定されたイコライザーを選択できる - カスタムイコライザー
→10バンドに対して±6dBで手動で調整
音漏れ|意外に少ない
音漏れについても検証しましたが、そこまで漏れないですね。
iPhoneの音量20%くらいで本格的に音楽を聴くくらいの音量になるのですが、静かな環境で真隣くらいでようやくシャカシャカと漏れているかな〜?と感じる程度。
音漏れ対策については公式では表記はなかったので期待はしていなかったのですが、想像以上に音漏れは少なかったです。
外音の聞こえやすさ
周りの音の聞こえやすさについてですが、ダイナミックEQをONにしていると低音の量感が多すぎて、相手が何を喋っているかわからないことが多いですね。
iPhoneの音量20%ほどで音楽を聴きながらうちの妻と会話してみましたけど、なに言ってるか全然わからなかったですもん。
耳を塞がずに音楽に集中していたい時はダイナミックEQをONにしておいても良いとは思いますが、いつでも会話をできる状態にしておきたい場合はOFFでもいいかもしれません。
操作性|ブリッジ部のタッチ操作で快適……だがっ!
Clip1の操作性についてですが、今回からブリッジ部をタップするだけで操作ができるようになったので、めっちゃ快適になりました。

けっこう高めのモデルや一部のメーカーにしか採用されていないような操作方法ですが、Clip1は1万円以下で採用してきましたよ。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を2回タップ |
曲送り | R側を3回タップ |
曲戻し | L側を3回タップ |
音量を上げる | アプリで反映 |
音量を下げる | アプリで反映 |
外音モードの切り替え | L側を長押し |
音声アシスタント | アプリで反映 |
低遅延モード | アプリで反映 |
ペアリングモードへの移行 | 充電ケース裏側のボタンを3秒間長押し |
問題は操作の割り振りボタンの少なさ!

L/Rの「ダブルタップ」「トリプルタップ」のみになるため、合計4つしか割り振れません。おそらく「1タップ」と「長押し」は誤操作を起こすことが多かったんでしょう。
再生/停止は必須だとして……あとは音量操作か曲送り/戻しかのどちらかの設定になるのですよ……。
必要な操作を網羅できないんですよね。
操作のカスタマイズ性の高さがSOUNDPEATSの強みなのに、好きな操作を割り振りにくいのは欠点のように感じましたね。
それだったらUUみたいに物理ボタンにしてほしかった。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動についても問題なさそうです。
電源をONにした瞬間にあらかじめ接続しておいたXperia 1ⅥとiPhone 15 Proに繋がりました。2台目への接続がめちゃめちゃ早いです。
挙動としては、先に再生したデバイスが優先される「先勝ち設定」になっていますね。
ただ、マルチポイントとLDACの併用ができないのは相変わらず残念。
通話品質|声は混じりやすい
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
Clip1
CC
バックのノイズは取れていますが、周りの声は少し入ってきやすい印象がありますね。
静かな環境や街中であれば問題なく通話ができそうですが、人の声が飛び交うオフィスだと気になるかもしれません。
通話品質 | (4.0) |
ゲームも普通にプレイできる
低遅延モードを搭載しており、こちらをONにすればゲームをする時も遅延を少なくしてプレイできます。
音ゲーをしてみましたが意外とタップのタイミングが合う印象で、高スコアを狙わなければ十分なほど。FPSも問題なくプレイできますね。
また、低遅延モードにしなくても動画鑑賞であればほぼ遅延がないため、YouTubeやアニメを見ても違和感なく見ることができますね。
SOUNDPEATS Clip1 まとめ
SOUNDPEATS Clip1をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.9/5
SOUNDPEATS Clip1

- イヤーカフ型でありつつ臨場感の溢れるサウンド
- 本体が軽く長時間装着していても痛くなりにくい
- ブリッジ部のタッチ操作で快適に使える
- 再生時間が本体8時間 / ケース込み40時間と長い
- ゲームモードでカジュアルにゲームができる
- マルチポイント対応
- L/Rの識別を自動で行ってくれる
- LDACをONにするとダイナミックEQ / ドルビーオーディオ / マルチポイントなどが使えない
- 操作が4項目しか割り振れない
- 欲を言えばワイヤレス充電がほしい
3.9
高音
3.9
中音
4.0
低音
4.9
装着感
3.8
音漏れ
–
外音取り込み
4.0
マイク性能
4.8
利便性
Bluetooth | 5.4 | 最大再生時間 | 本体8時間/ ケース込み30時間 |
コーデック | SBC,AAC | 充電時間 | 10分充電で2時間再生 |
ドライバー | 10.8mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX5 |
ノイズキャンセリング | – | 質量 ※片耳/ケース込 | 4.75g/46.73g |
外音取り込み | – | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | – | 空間オーディオ | ◯ ムービーモード |
マルチポイント | ◯ | 保証 | 1年 |
SOUNDPEATS Clip1はこんな人におすすめ
- 〜10000円で耳を塞がない音質の良いイヤホンを探している
- イヤーカフ型でありつつ低音の臨場感にこだわりたい
- マスクやメガネをかけていることが多い
- ゲームをすることが多い
- ライブ映像の鑑賞や映画鑑賞などをすることが多い
LDACとダイナミックEQの併用ができなかったり、操作の割り振りが少なかったりと気になる点もチラホラありますが、総合的には高く評価しています。
音質や低音の臨場感に優れたイヤーカフ型イヤホンを探している方には良い選択肢になるかと思いますよ。
今だったらCCを買うよりClip1を買った方が幸せになれるかと思います。

コメント