こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
リモートワークなど、昨今の情勢によって骨伝導イヤホンの需要が非常に高くなってきていますね。
骨伝導イヤホンの魅力は耳を塞がずに、自分だけに聴こえるスピーカーのような感覚で使えること。
イヤホンで主流のカナル型とは違い、耳が痛くなったりかゆくなったりせず、ずっと快適に使えます。
今回は骨伝導イヤホンの代表的(もはや一人勝ち)なメーカー「Shokz(ショックス)」より、定番のAeropexやエントリーモデルのOpenMoveなど、主要製品4機種を徹底比較します。
各製品の音質や装着感、マイク性能などの性能を比較していきます。ぜひ最後までご覧ください!
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Shokz(AfterShokz)とは?
Shokz(ショックス)は2011年にニューヨークで設立した会社です。
世界中で625以上の特許技術を出願し、独自の骨伝導テクノロジーで耳を塞がずに快適に音楽を楽しめる環境を提供します。
骨伝導イヤホン=Shokzといっても過言ではない、世界中で高いシェア率を誇るブランドですね。
元々はAfterShokzという名称でした。2021年12月から短く、早く、そして呼びやすく共有しやすいブランド名にするために「Shokz」というブランド名に変更されました。
より世界的なブランドにするための決断だったんでしょうね。ユニークかつ覚えやすい名称でイイですね!
Shokzの骨伝導イヤホン4製品を徹底比較
ここからはShokzでも特に代表的な「Aeropex」「OpenMove」「OpenComm」「OpenRun Pro」の4製品を徹底比較していきます。
今回はランキング形式ではなく、以下の8項目を各製品ごとに比較レビューしていきます。
- スペック
- 外観
- 装着感
- 音質
- 操作性
- 音漏れの少なさ
- マイク性能
- 音の遅延
最後に各製品はどんな人におすすめなのか、まとめていきます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
スペックを比較
スペックを比較
製品名 | Aeropex | OpenMove | OpenComm | OpenRun Pro |
発売日 | 2019年 | 2020年 | 2020年 | 2022年 |
骨伝導技術 | 第8世代骨伝導技術 | 第7世代骨伝導技術 | 第7世代骨伝導技術 | 第9世代骨伝導技術 |
Bluetooth | 5.0 | 5.1 | 5.1 | 5.1 |
コーデック | SBC | SBC | SBC | SBC |
再生時間 | 最大8時間 | 最大6時間 | 最大16時間 | 最大10時間 |
充電端子 | マグネット | USB-C | マグネット | マグネット |
充電時間 | 2時間 | 2時間 | 2時間 | 1時間 |
防水 | IP67 | IP55 | IP55 | IP55 |
マルチポイント | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
重さ | 26g | 29g | 33g | 29g |
マイク | デュアルノイズキャンセリングマイク | デュアルノイズキャンセリングマイク | ノイズキャンセリングブームマイク | デュアルノイズキャンセリングマイク |
材料 | フルチタン | ヘッドバンドチタン | フルチタン | フルチタン |
価格 ※Amazon参考価格 | 19,998円 | 9,999円 | 19,998円 | 23,880円 |
スペック上だけでまとめると以下のような感じです。
- Aeropex
→一番軽くて防水性能も完全防水レベルで高い - OpenMove
→一番安いがスペックは価格なり。充電がUSB-C端子で汎用性が高い - OpenComm
→再生時間が一番長く、マイクにもこだわりがあり。ただ、一番重い - OpenRun Pro
→フラグシップということもありスペックは高め。価格も一番高い
スペックを並べてみると各製品ごとに一長一短があって面白いですね。
OpenRun Proもフラグシップだからといって、全てにおいて優れているわけでもありません。
スペック上だけではその製品が本当に良いかは分かりませんので、他の項目もどんどんチェックしていきましょう!
外観を比較
それでは「Aeropex」「OpenMove」「OpenComm」「OpenRun Pro」の4機種の外観をチェックしていきましょう。
耳掛け部分はAeropex、OpenComm、OpenRun Proに関してはループ状になっています。
意識せずに装着しても、こめかみ部のベストな位置にフィットしますね。
対してエントリーモデルのOpenMoveはループ状ではなくL字型の設計になっています。
Aeropexなどと比べるとジャストな位置でフィットしにくく、ある程度自分で装着位置を調整する必要がありますね。
右耳フレームの下部には、各製品とも操作ボタンが備わっています。
各製品、ボタンの大きさや押し心地が微妙に異なりますね。
AeropexとOpenRun Proはボタンの面積が広く、ボタンの押し心地もちょうど良い感じでした。
OpenCommは価格なりの安っぽさを感じる質感。OpenCommはボタンの面積がせまく、押しにくく感じましたね。
左耳のドライバーには再生/停止などを行う「マルチファンクションボタン」が備わっています。
通話特化モデルのOpenComm(黒)のみ左ドライバー部はブームマイクが搭載し、ボタンは右耳側に備わっています。
バンド部分はどの製品もチタンで作られており、大きく曲げても折れる心配がありません。
Aeropex、OpenComm、OpenRunProの3機種の素材はフルチタン構成。OpenMoveはヘッドバンド部分のみがチタンを採用しており、コストを抑えた仕様になっています。
側面のロゴ部は最新フラグシップモデルのOpenRun Proのみ「Shokz」表記に変更されています。
そのうち全モデルの印字も変更されるでしょうね。
最後に重さを計測してみました。それぞれ重さは以下のとおりです。
一番軽いのはAeropexで約25gと超軽いですね!単3電池1個分くらいです。
OpenCommはマイクがついていることもあり、Aeropexより10gほど重くなっていますね。
重さが装着感にどのように影響するのか、次の項目で解説していきます。
装着感を比較
装着感を比較
製品名 | Aeropex | OpenMove | OpenComm | OpenRun Pro |
装着感 | (5.0) | (4.5) | (4.5) | (5.0) |
ひとこと | 何もつけていないかのような快適さ | 快適ではあるが、装着位置が安定しにくい | Aeropexと比べて少し重みを感じる | Aeropexと変わらない |
装着感を比較すると、一番良かったのは「Aeropex」「OpenRun Pro」の2つ。
装着していても耳が痛くなったり異物感を感じることが少ない印象。こめかみ部もジャストな位置で安定し続け、ストレスなく音楽を楽しめます。
OpenRun ProはAeropexより3g重いのに、その差を感じさせないですね!
OpenMoveの装着感も悪くはありません。しかし、L字型の形状により、Aeropexと比べてこめかみの装着位置が安定しにくい印象がありますね。
Aeropexの何も着けていないかのような装着感はさすがに再現できていないように感じました。
OpenCommはマイクが付いているため、少し重みを感じるガッシリ系の装着感のように感じましたね。
OpenMoveよりは安定しますが、ジョギングやスポーツ用途で使うならAeropexやOpenRun Proの方が軽快ですね。
ということで、装着感を重視するなら「Aeropex」か「OpenRun Pro」の2つがおすすめです。
音質を比較
音質を比較
製品名 | Aeropex | OpenMove | OpenComm | OpenRun Pro |
高音 | (3.7) | (3.7) | (3.7) | (3.8) |
中音 | (3.6) | (3.5) | (3.5) | (3.8) |
低音 | (3.3) | (3.2) | (3.3) | (3.6) |
ひとこと | 耳を塞がないのに普通に高音質と感じる | Aeropexとほぼ同等だが、少し音がぼやけた感時がある | Aeroepexより少し高域寄り? | Aeropexと比べ臨場感のレベルが違う |
音質を聴き比べてみると「Aeropex」「OpenMove」「OpenComm」の3機種は、ほぼ違いはないように感じました。
音質自体は大きな違いはありませんが、Aeropexはこめかみの装着位置が安定しやすく、その影響で音質が良く感じますね。
どの機種も骨伝導イヤホンとしては上質で、耳を塞がないのに音楽をしっかりと楽しませてくれますね!
別格で音質が良いイヤホンが最新機種の「OpenRun Pro」。
他の機種は「骨伝導イヤホンにしては音質が良いな!」と感じる程度でした。
しかし、OpenRun Proは「骨伝導の域を超えて自分だけに聴こえるスピーカーみたい!」と感じるほど臨場感のあるサウンドを提供してくれます。
他の機種でも十分音質は良いですが、予算を気にせず音質に一切妥協したくない方はOpenRun Pro一択でしょう!
操作性を比較
操作を比較
製品名 | Aeropex | OpenMove | OpenComm | OpenRun Pro |
ひとことレビュー | ボタン面積が広く押しやすい | ボタン部が少し安っぽく、押し心地も少し硬め | ボタンの面積が小さくて押しにくい | ボタン面積が広くて押しやすい |
Shokzのイヤホンは「マルチファンクションボタン(再生・停止)」「+ボタン」「ーボタン」と各ボタンが独立しているため、操作性はかなり良いですね。
4機種で比較してみると、こちらも良かったのは「Aeropex」と「OpenRun Pro」の2つ。
ボタン部の面積が広く、押し損ねることがありません。ボタンの押し心地もちょうど良くて、直感的に操作がしやすい印象でした。
OpenMoveはAeropexと比べるとボタン部が安っぽく感じ、押し心地も少し硬めに感じました。
それでも十分操作はしやすいとは感じましたけどね。
OpenCommは丸型のボタンになっていて一見スマートではありますが、面積が小さく押し損ねることが難度もありました。
こちらはAeropexやOpenRun Proの方が操作しやすいと感じましたね。
音漏れの少なさを比較
製品名 | Aeropex | OpenMove | OpenComm | OpenRun Pro |
音漏れ | 比較するとやや少なめ | Aeropexより多め | Aeropexより多め | Aeropexより多め |
音漏れは骨伝導方式ということもあり、どのイヤホンもある程度は漏れますね。
しかし、比較してみるとAeroepexが一番音漏れが少ないように感じました。微々たる差ですが…….。
Aeropexは第8世代の骨伝導技術を採用しており、OpenMove、OpenCommに採用された第7世代と比べて音漏れがさらに抑えられた仕様になっているようです。
OpenMoveやOpenCommも検証してみましたが、Aeropexと比べて高域のシャカシャカとした音の漏れが激しいように感じましたね。
OpenRun Proも改めて音漏れを入念に検証してみましたが、Aeropexと比べると少し音漏れが多くなったかな? という印象でした。
いずれの機種も静かになった電車内や図書館での使用だと「シャカシャカ」という音が漏れてしまいます。少しガヤガヤとしたカフェやオフィスでの使用であれば問題ないかと思います。
マイク性能を比較
マイク性能を比較
製品名 | Aeropex | OpenMove | OpenComm | OpenRun Pro |
マイク性能 | (1.5) | (4.0) | (4.8) | (4.5) |
ひとこと | ひどい | WEB会議で十分使える | ブームマイクの実力はさすが | ブームマイクなしでも非常にクリア |
マイク性能をそれぞれ録音してみましたので良かったら聴いてみてください!
Aeropexの音声をチェック
OpenMoveの音声をチェック
OpemCommの音声をチェック
OpemRun Proの音声をチェック
この中でヒドいと感じたのはAeropex。ノイズがひどく音量もかなり小さいためWEB会議用途には向いていないように感じます。
ただ、YouTubeのコメントでいただいたのですが、そのユーザー様はそこまでヒドくないとのこと。
もしかしたら僕の持っている機種が不良か、生産ロットごとの仕様、録音アプリとの相性などがあるかもしれません……。
やはり一番音声がクリアでノイズが少ない機種はOpenComm。
ブームマイクのおかげでマイクと口元との距離が近いため、ノイズが少なく肉声に近い音声を相手に伝えられますね。
WEB会議用途ならOpenCommが一番おすすめです。
OpenMoveやOpenRun Proも十分実用的なレベルです。
音の遅延を比較
音の遅延を比較
製品名 | Aeropex | OpenMove | OpenComm | OpenRun Pro |
音の遅延 | (4.3) | (4.5) | (4.5) | (4.5) |
音の遅延はどの機種も少なく、動画鑑賞くらいであれば違和感なく視聴できるように感じました。
ただ、比較してみると「Aeropex」だけ少し遅延を感じましたかね。他の機種と比べると、ほんの数コンマだけズレているように感じますね。
2019年発売でやや古いということもあり、遅延が少し多めなんだと思います。
いずれの機種であってもYouTubeやプライムビデオを見るくらいであれば問題ないですね!
Shokzの骨伝導イヤホン比較まとめ
製品名 | Aeropex | OpenMove | OpenComm | OpenRun Pro |
音質 | (3.5) | (3.4) | (3.4) | (3.7) |
装着感 | (5.0) | (4.5) | (4.5) | (5.0) |
マイク性能 | (1.5) | (4.0) | (4.8) | (4.5) |
Bluetooth | 5.0 | 5.1 | 5.1 | 5.1 |
コーデック | SBC | SBC | SBC | SBC |
再生時間 | 最大8時間 | 最大6時間 | 最大16時間 | 最大10時間 |
充電端子 | マグネット | USB-C | マグネット | マグネット |
充電時間 | 2時間 | 2時間 | 2時間 | 1時間 |
防水 | IP67 | IP55 | IP55 | IP55 |
重さ | 26g | 29g | 33g | 29g |
材料 | フルチタン | ヘッドバンドチタン | フルチタン | フルチタン |
価格 ※Amazon参考価格 | 19,998円 | 9,999円 | 19,998円 | 23,880円 |
総合評価 | (4.5) | (4.7) | (4.5) | (5.0) |
総合評価だけで言えばOpenRun Proが一番高いですが、その分価格もかなり高額に。
コスパで言えば1万円以下で買えるOpenMoveが最強ですね。音質もAeropexとの差はそこまでなく、品質やスペックにこだわりがなければ十分な実力を備えています。
AeropexやOpenCommも約2万円とそれなりにするため、定価で買う場合はOpenRun Proをオススメしたいところ。
ただ、Amazonセールなどで安くなることが多く、Aeropexに関しては14,000円くらいで買えることもあるのですよ。そのタイミングで買うならアリだと思います!
それぞれこんな人におすすめ
- Aeropex
→ジョギング・スポーツ用に最適な超定番の骨伝導イヤホンが欲しい - OpenMove
→1万円以下でしっかり音楽を楽しめるコスパ最強の骨伝導イヤホンが欲しい - OpenComm
→オフィスで長時間BGMを聴いたり、WEB会議にも使える骨伝導イヤホンが欲しい - OpenRun Pro
→予算度外視で一番良い骨伝導イヤホンが欲しい
どの機種も性質がそれぞれ異なるため、予算やシチュエーションに合わせて選ぶことをオススメします。
どれを選んでもハズレはなく、骨伝導イヤホンとしては非常に質が高いため、後悔することはないと思いますよ!
「電車内で使いたい」「もっと音質にこだわりたい」という方はカナル型のワイヤレスイヤホンの方がオススメなので、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
以上、Shokzの骨伝導イヤホン4機種の徹底比較をお送りしました。
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