サムネ: 3つ並べて各製品の価格をつける 「ガチすぎる」
こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
僕の大好きなディープマウントイヤーピースや、ハイレゾ再生アプリ「NePLAYER」など、オーディオサプライ系を中心に販売する「radius」より
あまりにガチすぎる有線イヤホンが突如3機種発売されました!
それが今回紹介するドブルベ シリーズ最新作「HP-W100 / W200 / W300」です!
価格はW100が38,500円、W200が71,500円、W300が93,500円。それぞれポイント10%進呈となります。
今まで高くても4万くらいの有線イヤホンくらいしか発売してなかったのに、急にトチ狂いやがった。
ラディウスってオーディオサプライメーカー的なイメージがある方が多いと思うのですが、この最新作はガチです。
radiusにはドブルベシリーズと呼ばれる音質に超こだわった有線イヤホンがあったのですが、代表作が「ドブルベヌメロキャトル」「ドブルベヌメロトロワ」「ドブルベヌメロドゥ」とかですね。
名称がヌエェっとした感じですが、音質はどれも確かに良かったんですよね。
今回のドルブべはシリーズ初の「金属筐体」を採用しました!
この金属筐体自体も音を生み出す新動体の一つとして考えられた製品とのことなので、美しい余韻感が期待できそうな感じです。
ドライバーは10mmのダイナミックドライバーにツイーターを搭載したハイブリッド構成なのですが
そのツイーターがなんと「intime」のブランドでイヤホン界隈でも人気のある「オーツェイド」が開発した「ピエゾセラミックツイーター」通称「第3世代VST2」を採用しているんですよ。
VST2の指向性を考えて、これらの機構を同軸上に配置させて構成されているようです。
さらにW300とW200のケーブルは、NOBUNAGA Labs製の錫メッキOFC導体ケーブルを採用しており、付属で3.5mmと4.4mmケーブルも付属してきます。
つまり、radiusとオーツェイド、そしてNOBUNAGA Labsによる、日本企業3社がコラボしたガチすぎる有線イヤホンというわけです!
今回はradiusさん提供のもと「W100/W200/300」をレビュー用に3つお借りしていますので、それぞれの仕様や音の違いなどを中心にレビューしていきたいと思います。
ぜひ最後までご覧くださいませ。
▼動画版はこちら▼
radius HP-W100 / W200 / W300のスペック・仕様比較
それでは、まずHP-W100 / W200 / W300のスペックから比較していきましょう。
筐体はそれぞれ異なりW100がアルミニウム、W200がステンレススチール、そしてW300がチタニウム合金となっています。
金属筐体で音を作るような設計になっているため、筐体素材によっても変化が現れると思われます。
ドライバー構成自体はどれもダイナミック型+ピエゾ型のハイブリッド構成になっていますが、W100とW200はグラフェンコート、W300のみチタニウム合金との音の親和性を高めるためにチタニウムコートが使用されています。
感度はどれも同じくらいkですが、イヤホンで100mWというのはやや低めではありますね。スペック上で見る限りは、高出力のDAPやDACを使ってあげた方が良さそうな気がします。
インピーダンスはふつうくらいですかね。
radius HP-W100 / W200 / W300 外観・付属品
それではHP-W100 / W200 / W300の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージや付属内容などはW100を除けば大体同じなので、今回はフラグシップモデルのW300を開封していきます。
パッケージ
W300のパッケージですが、価格だけはあって高級感が素晴らしいですね!
パッケージから「価格相応の良いものを買った感」が溢れ出ています。
開封するとこんな感じ!
さすが日本の企業というか、コストは関係なく開封した時のワクワク感の演出をわかっていますね!
付属品
- ディープマウントイヤーピース(クリア/ブラック)(XS,S,M,L)
- MMCX to φ3.5mmプラグ アンバランスケーブル(錫メッキOFC導体)
- MMCX to φ4.4mmプラグ バランスケーブル(錫メッキOFC導体)
- 革ケース
- 布ポーチ
- 取扱説明書(保証書)
イヤーピースは僕が特に大好きな「ディープマウントイヤーピース」が、なんとブラックとクリアの2色付きで、計8ペア付属しています。
密閉感が高くて、低音をしっかりと出してくれるイヤーピースなので、基本的には他社性には変えずにそのまま使っていただきたいですね!
ちなみに、ただの色違いではなく、ブラックは表面がサラッとした感じで、クリアの方がペタッとした質感になっています。
個人的にはクリアの方が密着感が高くて好みでしたね。筐体の色味とも合いますしね。
ケースも革製でできていて、高級感がハンパないです。
本体・ケーブル
次に本体をチェックしていきましょう
本体は先にも伝えた通り金属筐体を採用した設計になっています。
金属の質感は高いですが、デザインはとてもシンプルというか、そこまで超高級な感じでもないですね。
最近はIEM型と呼ばれる耳の形状に合わせた筐体が多いなか、この価格帯でストレートな筐体を使っているもの珍しいですね。
VST2を同軸上に搭載する影響でこの形状になったのかと思われます。
ケーブルは着脱も可能で、コネクタはMMCXを採用しています。
ただし、エントリーモデルのW100に関しては着脱には非対応なのでご注意ください。
ノズル部も金属筐体をそのまま使用した設計になっています。W300の場合ですと筐体と同じくチタニウム製になっていますね。
W100、W200、W300を並べてみるとこんな感じです。
金属筐体が異なるので若干の違いはありますが、筐体だけ見てもパッと見どれがどれかわからなくなりますね。
一応背面に型番が小さく記載されているので、それで判断できます。まあ3つとも買うことってほぼないと思いますけどね。
ケーブルはW200とW300に関しては、リケーブルで有名な日本のメーカー「NOBUNAGA Labs」の錫メッキOFC導体ケーブルを採用しています。
コネクタ部はMMCXを採用。
耳掛け部はとくにサポーターなどはついていないですね。
分岐部はとてもシンプルでアジャスターのみついています。
プラグは4.4mmケーブルはL字、3.5mmケーブルはストレートタイプを採用しています。
本体とケーブルを装着するとこんな感じ。
しなやかではあるのですが、けっこう絡まりやすい印象ですね。基本このケーブルで音のチューニングをしているので、リケーブルはしなくてOKだと思います。
付属で4.4mmケーブルもついているので、対応のDAPやDACを持っていれば、さらに高音質・高出力で聴けますね!
こちらも着脱は不可ですが、銀メッキOFC+高純度OFCハイブリッド導体の高品質なケーブルを採用しています。
radius HP-W100 / W200 / W300 レビュー
それではHP-W100 / W200 / W300の音質レビューをしていきます。
今回の視聴環境には、SONY NW-WM1AM2を使ってアンバランス接続で試聴しました。
まずはフラグシップモデルのW300からいってみましょう!
HP-W300 音質|すべてが美しい
HP-W300の音質については、もう一聴して素晴らしいの一言ですね!
音の特徴はこちらの通りです。
※10万円以下の有線イヤホンを基準とした評価軸です
4.8
高音
4.8
中音
4.7
低音
- 高音:弦楽器もめちゃくちゃ艶やかに伸びるし、金物系の響きも美しいし、刺さりはないし、こもり感も一切なし。心地よさの境地のような高音。再現性の高さよりも「美しさ」を極限まで体現したかのような高音。
- 中音:極限までに艶やかで余韻感たっぷりの中音。厚みもたっぷりでこれだけ余韻があるのにレスポンスがとても良く、一音一音の粒立ちが良くてスピード感もある。ボーカルも一切こもらず、ポップスからバラード、男性から女性ボーカルまで全てが美しく、なんでも来いな状態。
- 低音:非常に豊かで過不足のない低音。ベースラインをゆったりと広げるような音像なのですが、なぜかこちらも粒立ちが良い。楽曲のひとつとして心地よくも聴いていられるし、一音一音も耳で追えるような感覚。
- 音場:かなり広め。抜けていくような伸びやかさではなく、金属筐体内で響くように鳴らす音場感。定位感は少し分かりにくくなりますが、分析的に聴くようなものでもないので問題なし。
- 傾向:モニターとは正反対の超リスニング向けサウンド。全部聴こえるのに全部心地よい、究極の美しさを体現したサウンドという感じでしょうか。
得意なジャンル
- ポップス
- バラード
- ジャズ
- ソウル
ふつうはこれだけ余韻たっぷりの豊かなサウンドだと、音の粒立ちやレスポンスが悪くなって、音のスピード感がなくなるような感じがあるはずなんですよ。
ただ、W300はレスポンスもめちゃくちゃ良くて、BPMの早いロックやメタルとかもいけてしまうんですよ。
苦手なジャンルはなく、得意なジャンルはめちゃくちゃ得意な個性派優等生という感じのイヤホンですね。
基本なんでもいけますが、「宇多田ヒカル」や「藤井風」、「星野源」あたりのソウルやブラックミュージックテイストのポップスはとくに相性が良い感じです。かといって「ずとまよ。」などの音数の多い最新チャートも超心地よく聴けますね。
金属筐体の響きの美しさをここまで再現できているメーカーは最近少なくなってきていますが、このようなタイプで久々に感動しました。
音の心地よさ重視でイヤホンを選びたい方や、IEM型の超高解像度系のサウンドに飽きてきたマニアの方に、ぜひW300を聴いてみてほしいですね!
この価格帯になるとコスパとか関係なく、「良いと感じる音かどうか」が重要だと思いますが、僕は10万クラスのイヤホンと比べても全然引けを取らない個性を持ったイヤホンだと思いましたね。
HP-W200 音質|W300より少し硬質なサウンド
次にW200を聴いてみましょう。
こちらはW300とまた性格が少し異なりますね。
音の特徴はこちらの通りです。
※10万円以下の有線イヤホンを基準とした評価軸です
4.7
高音
4.5
中音
4.5
低音
- 高音:W300と比べると少し硬質な高音で、キラキラとした煌びやかさを強調させたような感覚。刺さりはないですが、刺さるギリギリ一歩手前まで伸ばすような感覚です。エレクトロニカ系や鉄琴系の音はW200の方が得意ですね。
- 中音:W300と同じく艶やかで豊かなボーカルラインですが、W300と比べると少し音の厚みや余韻感が薄れたような感覚がありますね。それでも同価格帯の中ではボーカルの美しさは一級品
- 低音:W300と比べると広がりが抑えられて、少し締まりのある低音になったような印象。低域帯の一音一音の追いやすいさはW200の方が追いやすい感覚。広がりや心地よさは圧倒的にW300
- 音場:十分広めではありますが、W300と比べると少し余韻感が薄れたような感覚。
- 傾向:同じく金属筐体を最大限まで生かした余韻感たっぷりのサウンドですが、W300と比べると硬質な印象
得意なジャンル
- ジャズ
- クラシック
- エレクトロニカ
- ロック
- ポップス
W300よりも全体的に硬質で、レスポンスを早くしたような感じなので、ロックやエレクトロニカといったキラキラ系のサウンドも合う感じですね!
ここで、ふつうなら「性格の違いがあるのでW200もおすすめですよね!」伝えるところ……ダメでした。
体がW300の音を求めてしまいます。勘違いしないでほしいのですが、W200もめちゃくちゃ良いのですよ?
ただ、「W200で7万払うんだったら、もうW300までいっとけよ…….っ!」と思ってしまいますね。
それほどまでにW300の音が心地よくて、凄みや深みがあるんですよね。ドライバーや筐体が異なるだけのはずなんですけどね。チューニングも細かいところで変えているでしょうけど。
HP-W1000 音質|低域重視のサウンド
商品名の音の特長は次のとおりです。
4.4
高音
4.4
中音
4.5
低音
- 高音:こもり感は一切なく、金属筐体を活かした響きの良いサウンドという感じ。ただ、W300やW200と比べるとキラキラさや余韻感が抑えられたような感覚で、2機種を聴き比べた後だと簡素に感じてしまいますね。
- 中音:W200と同等クラスの実力で、艶やかで美しい鳴らし方。3万クラスでもボーカル帯に絞ってみればかなりの実力。
- 低音:W300やW200と比べると高音の量感が少ない分、相対的にW200の低音が多く感じる。豊かで広がりのある音でありつつも、やや低音が支配的なようにも感じます。
- 音場:W200と同等クラスに広いですが、金属筐体の違いのせいか、W300やW200と比べると余韻がやや簡素に感じる。
- 傾向:他社のイヤホンと比べると余韻感たっぷりの超リスニング向けサウンドですが、W300やW200と比べると、余韻が抑えられていて、少し低域よりの音作りといった印象。
得意なジャンル
- ポップス
- R&B
- ソウル
- ヒップホップ
- ジャズ
一言で言うなら、W200の高域のきらびやかさと余韻を少し抑えたような鳴らし方ですね。
価格はW200の約1/2くらいですが、中域から低域にかけての表現力には大きな差はないので、わりとW100でもアリかなと思えます。
ただ、リケーブルができないのは個人的に残念ですね。3万円台であればやはりケーブル着脱には対応してほしいところ。
その点を気にしなければ、個人的には良い音だと思います!
バランス接続よりアンバランス派
W300とW200は3.5mmプラグのケーブルの他に、バランス接続用の4.4mmケーブルもついてくるのですが、個人的には3.5mmで接続した方が好みの音でしたね。
4.4mmで接続すると、定位が良くなって粒立ちも良くなるのですが、金属筐体特有の音の美しさや余韻などが薄れるような感覚があって、3.5mm接続時と比べると心地よくなくなったように感じたんですよね。
これは好みの差だとは思いますが、個人的にはW300とW200についてはアンバランス派です。
出力が足りないと感じる時はバランス接続でも良いと思いますが、出力が低めのSONY NW-WM1AM2で3.5mm接続でも鳴らし切れるほどなので、そこまで気になくても大丈夫そうです。
装着感|イヤーピースが神
商品名の装着感はこの筐体からは想像できないくらい良好ですね。
というかイヤーピースがやはり神。
付属のディープマウントイヤーピースのおかげで、しっかりと密閉しつつも安定した装着感を得られます。
イヤモニ型ではないですが、個人的には耳に一度ループしてから装着する「シュア掛け」で使っています。
この装着方法の方がタッチノイズが入りにくく、装着位置もブレずに安定しやすいです。
気になるのはやはりケーブルの絡まりやすさですね。
ポーチの中にくるくるとまとめるだけでも結構絡まってしまって、聴こうとしたときに解くのに時間がかかると言うことが何度もありました。
しなやかなケーブルではありますが、もう少し絡まりにくくしてほしいですね。
あと、遮音性はそこまで高いというわけではないので、電車の中で聴くと走行音などが少し入ってきやすいように感じましたね。
装着感 | (4.3) |
radius HP-W100 / W200 / W300 まとめ
radius HP-W100 / W200 / W300の評価をまとめると以下のとおりです。
製品名 | HP-W300 | HP-W200 | HP-W100 |
総合評価 | (4.7) | (4.4) | (4.0) |
高音 | (4.8) | (4.7) | (4.4) |
中音 | (4.8) | (4.5) | (4.4) |
低音 | (4.7) | (4.5) | (4.5) |
特徴 | 美しさの化身 W200とW100の良いところを合わせて余韻を加えたようなサウンド | W300より少し硬質なキラキラとしたサウンド | W200より少し簡素で高域の伸びが少なめで低域重視のサウンド |
個人的にはW300を聴いてしまったら、W200やW100が選択肢に入りにくくなってしまうのではと感じるほどでした。それほどまでにW300の凄みがあります。
価格も9万円台と非常に高価なイヤホンではありますが、他社の同価格帯のイヤホンと比べても圧倒的に違う「余韻の美しさ」を持ち合わせているんですよね。
解像度の高さや臨場感にこだわるイヤモニタイプが多くなってきているなか、ここまでリスニングに振り切ったイヤホンも最近では珍しいですね!
価格はとにかく高っいので、すぐに買ってとはとても言えませんが、eイヤホンやヨドバシカメラなどでは試聴できると思いますので、ぜひ一度3機種を聴いてみてほしいと思います。
以上! radius HP-W100 / W200 / W300のレビューをお送りしました。
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