こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
2021年にコスパ最強ワイヤレスイヤホンランキングという動画を出したのですが、そこで特にコスパが良かった製品としてEdifierの「NeoBuds Pro」を紹介しました。
そのNeoBuds Proの発売から約2年、ついに新作の「NeoBuds Pro 2」が2023年10月に登場しました。
ボクも前作のNeoBuds Proを長く使っていたからこそわかるのですが、ただのマイナーチェンジモデルじゃないです。
まるで上位モデルかのようにめっちゃ進化しています。
そして勘違いしてほしくない点が、この子は「機能性重視の便利系イヤホン」ではないです。
「音質」と「ノイキャン」にステータスを極振りしたハイコスパイヤホンです。
そして2万円以下という括りで考えれば、めーっちゃくちゃ良かったです。
今回はNeoBuds Pro 2をメーカーさんより提供いただいたので、前作のNeoBuds Proとの比較をしながら紹介していきます。
EDIFIER NeoBuds Pro 2の概要
まず、このイヤホンのスゴいところがひとつが「音質の良さ」。
ドライバー構成は1ダイナミック+1BAのハイブリッド構成。
LDACや最大192kHz / 24bit LHDC 5.0に対応。LHDC 5.0対応のスマホ持ってね〜〜〜。
さらに空間オーディオにまで対応しているのも魅力のひとつ。
もう一つスゴいのが「ノイズキャンセリング」の強さ。
次世代のワイドバンドマルチチャネルANCも新たに搭載。
これはフィードフォワード/フィードバックの2方式を組み合わせたハイブリッド型ANCに、さらに独立したフィードフォワードANC機構を追加する構造で、実質ノイキャン用のマイクが3つ搭載しているような感じでしょうか。
ハイブリッドノイズキャンセリングのさらに上を行く性能という感じでしょうね。
「-〇〇dB」という謳い文句は車の燃費の公称値みたいなもんなんでアテにしていないですが、NeoBuds Pro 2の実力はホンモノですね。これはまた後半紹介します。
NeoBuds Proとスペックを比較すると?
製品名 | Edifier Neobuds Pro2 | Edifier Neobuds Pro |
---|---|---|
Bluetoothバージョン | 5.3 | 5.0 |
対応コーデック | SBC / AAC / LDAC / LHDC 5.0 / | SBC / AAC / LDAC / LHDC/ |
バッテリー(ANC OFF) | 本体5.5時間/ ケース込み22時間 | 本体6時間/ ケース込み21時間 |
バッテリー(ANC ON) | 本体4時間/ ケース込み16時間 | 本体5時間/ ケース込み20時間 |
ドライバー | 10mmドライバー Knowles製バランスド・アーマチュアドライバー | ドライバー Knowles製バランスド・アーマチュアドライバー |
充電方式 | USB-C ワイヤレス充電には非対応 | USB-C ワイヤレス充電には非対応 |
防水 | IP54 | IP54 |
装着検出機能 | 対応 | 非対応 |
ANC | 対応 ワイドバンドマルチチャネルANC(-50dB) | 対応 ハイブリッド方式(-42dB) |
外音取り込み | 対応 | 対応 |
専用アプリ | 対応 | 対応 |
マルチポイント | 非対応 | 非対応 |
重量 | イヤホン約5g / ケース込み約57g | イヤホン約5.6g / ケース込み約49.2g |
実売価格 | 19,990円 | 16,980円 |
カラーはブラックとホワイトの2色展開となっています。
スペックだけで見ると気になるのが、「再生時間の短さ」と「マルチポイント」「ワイヤレス充電非対応」という点。
再生時間はなんだったら前作より短くなっていて、本体のみで4時間しか持たないというツラさ。
またこのご時世でワイヤレス充電とマルチポイント非対応もなかなかツラいです。
冒頭で「機能性重視の便利系のイヤホンではない」と伝えたのはこのためです。
それでも良いと思ったのは、スペックで見える以外の部分がとても良かったからですね。
EDIFIER NeoBuds Pro 2 レビュー
パッケージ・付属品
パッケージは和紙っぽい質感で、とても高級感がありますね。
開封してみるとこんな感じ。
付属品一覧はこちら。
- イヤーピース(シリコン製)7ペア
- USB Type Cケーブル
- キャリングポーチ
- マニュアル
充電ケース・本体
本体はマット仕上げで角の取れた台形型のデザイン。
前作はシルバーのプレートが埋め込まれた近未来チックなデザインでしたが、シンプル路線に戻りましたね。
サイズ感はコンパクトで薄めの設計なので、パンツのポケットに入れても膨らみが気になったりはしないですね。
充電端子はUSB Type Cに対応。残念ながらワイヤレス充電には対応していません。
ケースを開くとこんな感じ。
指をいれるほどの空洞があるので、取り出しに苦はないですね。
イヤホン本体は角ばったナイフのようなデザイン。本体もオールブラック仕上になりましたね。
デザインは好みの差があるかもしれませんが、個人的には好き。
内側はこんな感じ。
前作と比べても、パッと見の造形は変わらないですね。
ただお互いの充電ケースとの互換性はないので、細かな寸法は違うようです。
ノズルは正円系で、イヤホン側は他社性のイヤーピースでも問題なく装着できそうです。
最後に重さですが総重量58.2g、本体5.5g
前作が総重量60.6g 本体5.5gとなっているので仕様が異なることがわかります。
装着感|収まりがよく快適
NeoBuds Pro 2は前作よりも耳の収納部の奥行きが伸びているみたいで、前作の装着感が少し浅い感じがなくなって、より高い装着感と密閉感を得られるようになりましたね。
実際に装着してみるとこんな感じ。
前から見るとこんな感じ。
ジョギング用途で使うなら本格的なスポーツ用イヤホンの方が良いと思いますが、通勤・通学くらいであれば問題なく使えるように感じましたね。
耳への負担も少なくて、ずっと装着していても耳が痛くなりにくい印象でした。
装着感 | (4.5) |
音質|2万円以下最強候補
NeoBuds Pro 2の音質ですが、2万円以下としては最強レベルのひとつになる実力を持っているように感じました。
音質は前作のNeoBuds Proと比べても、またワンランク上の実力になっています。
ただ、好みは選ぶ音なので、苦手な人は苦手かもしれません。
今回の検証で、Xperia 5ⅣでLDACで接続して検証しました。
各帯域ごとの特徴は以下のとおりです。
4.5
高音
4.4
中音
4.5
低音
音の傾向はわかりやすいドンシャリ傾向で、本体の形状通りキレッキレのサウンドです。音の傾向は前作のNeoBuds Proと変わらないですね。
2万円以下の中では解像度が非常に高く、輪郭をなぞったかのような音像の作り方で、クッキリハッキリと一音一音を表現します。
決してモニター的なアプローチではなく、低音は非常に迫力があり、 耳内に「ズンズン」と響くようなゴリゴリサウンドで楽しめます。
ベースラインでさえも空気を纏った迫力になるので、米津玄師の「KICK BACK」を聴こうものなら、脳をずっと揺らし続けるような感覚になります。
ただ、低音は抑えるところは抑えているようで、ボーカルラインには低音が被らないですね。
高域はとても鮮やかで、刺さるか刺さらないかの間くらいの刺激的な音でずっと攻めてくるような感覚です。
高域と低域がハデすぎるのでボーカルラインはあまり前には出てこない印象ですが、解像度感は高く、ボーカルソロになればしっかりと輪郭をくっきりと表現してくれます。
帯域によってはボーカルラインが刺さることがあるので、キレの良すぎる音が苦手な方は注意。
得意なジャンルはロックやメタル、アニソン、EDMという感じですね。キレが良すぎて、「結束バンド」を聴いたらギターの音がナンバーガールになります。
凛として時雨のようなスピード感のある楽曲はめちゃめちゃ相性が良いですね。「leser beamer」とか聴いたらイントロから頭ぶっ飛びます。
しっとりとした美しい音という感じではないので、宇多田ヒカルや藤井風など、R&Bやソウルテイストのポップスとの相性はイマイチですね。すっごい元気に歌ってしまいます。
このキレの良さを最大限に楽しむなら、やはりLDACで聴くことをおすすめしますが、iPhoneでAAC接続で聴いても少しまろやかな音になって悪くないです。
イコライザーは本格仕様
イコライザーの調整も可能で、プリセットで用意されている「クラシック」「ダイナミック」と「カスタマイズ」の3つから選べます。
クラシックは低域と高域がやや強調された感覚で、ダイナミックはその傾向が一番強く出るような感覚ですね。
カスタマイズの精度はかなり詳細に設定できます。
4バンドに対してゲインの調整やファクターの調整、周波数帯域の設定などかなり細かく設定ができます。
空間オーディオについて
NeoBuds Pro 2はなんとヘッドトラッキング対応の空間オーディオに対応しています。
2万円以下で空間オーディオに対応しているのは珍しいですね。
試してみましたが、アプリ画面ではヘッドトラッキングをリアルタイムでしてる感があって面白いですね。
ただ、空間オーディオをONにすると、音が全体的に薄くなるような感覚です。その薄い音がNeoBuds Pro 2の高域の刺さる部分だけ抽出したような感覚で、めっちゃ苦手です。
ヘッドトラッキングだけ精度が高い感じで、空間オーディオとしての臨場感はイマイチ。むしろノーマルモードの方が臨場感があります。
さらにダメな点として、LDACやLHDCと併用できずOFFにしないと空間オーディオは使えません。
アプリで毎回切り替えれば?と思うかもしれませんが、その度に再接続や設定の変更が入るので、けっこうめんどくさいですよ?
どちらかしか選べないなら、間違いなくLDACを使います。
ノイズキャンセリングも2万以下最強クラスでは?
ノイズキャンセリングも2万円以下ではNo.1なのでは?と思うくらい遮音性が高かったです。
最近発売されたウルトラノイズキャンセリングイヤホンよりも遮音性は上でしたね。
「ワイドバンドマルチチャネルANC」と謳っているだけはあって、さすがの実力。
2万〜3万クラスの機能性重視のワイヤレスイヤホンとも対抗できるほどの実力で、機種によってはNeoBuds Pro 2の方が遮音性は上ですよこれ。
傾向としては、低音に対する遮音性はかなり強めで、高域は少し残るような感覚。
電車の振動音は抑えられますが、高音のガタンゴトンという音は少し耳に入ってくる印象があります。
キーボードの音も少し耳入る感覚はありますね。
「サー」と鳴るようなホワイトノイズも少なく、とにかく不快感の少ないノイズキャンセリングのように感じましたね。
アプリでは「高」「中」「低」「風切り音抑制」の4つのノイズキャンセリングモードを選べます。
そのままだと風切り音が気になる場合は、風切り音抑制モードにしておくことをおすすめします。遮音性は落ちるけどね。
ノイズキャンセリング | (4.6) |
外音取り込みもなかなか
ノイズキャンセリングだけでなく、外音取り込みもなかなかに自然です。
小音量で音楽を流していても会話ができるレベルでなかなかかと。
ただ、前作との差異はこちらは感じにくかったですね。前作も優秀でしたし。
ホワイトノイズや高音の刺さりは少なくなっている気はしますね。
前作で可能だった外音取り込みレベルの調整はなくなっていますね。
代わりに「ボーカルエンハンスメント」「バランス」「バッググランド」の3つから外音取り込みモードを選べます。
- ボーカルエンハンスメント
→声だけを浮き彫りにして、周りの音は極力カットする - バランス
→外部の音と声が混じり合った一番自然な外音取り込みモード - バックグラウンドサウンド
→周りの環境音を大きく取り込むモード、ややホワイトノイズが大きめ
とりあえずバランスでの運用で問題ないかと思います。
外音取り込み | (4.3) |
操作項目の割り振りが少ない
操作はタッチパネルで行います。
操作方法はこちら。
- 再生/停止 → R側を2回タップ
- 曲送り → R側を3回タップ
- 曲戻し → カスタマイズで対応
- 音量を上げる → カスタマイズで対応
- 音量を下げる → カスタマイズで対応
- 外音モードの切り替え → L側を2回タップ
- ゲームモード → L側を3回タップ
また、アプリ内で感度を変更することもできるので、タッチが過反応しすぎると感じたら、感度を下げると操作をしやすくなりますよ。
また、アプリで自分の好きな操作方法にカスタマイズもできます。
ただし、変更できるのはL/Rどちらも含め、2タップ・3タップの4項目までと割り当てが少なめ。
『ノイズキャンリングモードの切り替え』『再生/停止』はマストで割り当てたいので、実質カスタマイズができるのは2項目だけ……。
長押しとか1タップも割り当てがほしかったな〜。
ここの弱点は前作のNeoBuds Proから変わっていなかったので残念。
通話品質|わりとクリア
NeoBuds Proでマイクテストをしてみましたが、テレワークでも使える程度にはクリアな音声で集音してくれます。
音声も録音してみました。
Neobuds Pro 2
Neobuds Pro
やや周りの音は入りやすいように感じますが、十分実用的なレベルですね。
特に不満は感じないマイク品質です。
通話品質 | (4.0) |
音の遅延|ゲームモード搭載で低遅延を実現
NeoBuds Proはゲームモードを搭載しているため、音声と映像をズレが少なく、映画やアニメ、スマホゲームを自然に楽しむことができます。
音ゲーをしてみたのですが、やはりタイミングがシビアなゲームだと高スコアを取ることができず、数コンマタップがズレてしまいますね。
音ゲーやFPS以外であればストレスなく楽しめると思います。
また、ゲームモードを本体操作だけでONにもできるのがいいですね。
ゲームモードをONにしなくても遅延は少ないので、YouTubeを見る分には問題なしです。
EDIFIER NeoBuds Pro 2 まとめ
総合評価
4.8/5
NeoBuds Pro 2
- 2万円以下最強クラスの音質
- 2万円以下最強クラスのノイズキャンセリング
- アプリによるカスタマイズが豊富
- LDAC、LHDCに対応
- ゲームモードも搭載
- マイク性能も優秀
- 再生時間が短い
- マルチポイント非対応
- ワイヤレス充電非対応
- 操作が4項目しか割り振れない
- aptXコーデックには非対応
- 空間オーディオとLDAC(LHDC)との併用ができない
4.5
高音
4.4
中音
4.5
低音
4.5
装着感
4.6
ノイズキャンセリング
4.3
外音取り込み
4.5
マイク性能
3.8
利便性
Bluetooth/ チップ | 5.3 | 最大再生時間 (NC ON時) | 本体4時間/ ケース込み16時間 |
コーデック | SBC / AAC / LDAC / LHDC 5.0 | 充電時間 | 本体:約1時間 ケース:約1時間 |
ドライバー | ダイナミック×1 BA×1 ハイブリッド型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IP54 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 5g/57g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | – | 公式サイト | こちら |
EDIFIER NeoBuds Pro 2 はこんな人におすすめ
- 予算2万円以下でワイヤレスイヤホンを探している
- とにかく音質とノイキャン性能にこだわりたい
- ドンシャリ傾向のキレの良い音が好き
冒頭でもお伝えしたとおり、この子は機能性重視の便利系のイヤホンじゃないです。
「ワイヤレス充電非対応」「マルチポイント非対応」「再生時間が短い」など弱点も結構あります。
それを差し引いても「音質」と「ノイズキャンセリング」は同価格帯でも頭一つ抜けた実力です。
刺さる人には刺さると思いますし、ボクも多くのデメリットを差し引いてもとても良い製品だと思いましたし、ピッタリと合うと思った方はぜひ検討してみてください。
コメント
コメント一覧 (1件)
いつも動画拝見しています。
本記事のカテゴリが有線イヤホンになっているようです。
ついでに一つリクエストなのですが、この手のレビュワーには割と禁断の内容かもしれませんが、無線イヤホン・有線イヤホン・ヘッドホンの比較というか、この無線イヤホンの音質は有線で言うならこのあたり、というのを動画や記事にしてほしいです。
例えば直近だとEarfunのDAPと有線イヤホンが合計2万円弱だと思いますが、それと本品でどのような違いがあるかなどです。もしくはピヤホンピッドホン各種を同一評価軸でランク付けなどです。
有線はDACやアンプの影響が大きいので環境設定が難しいことはわかりますが、見たい人は多いはずです。よろしくお願いします。