こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
Amazonでもチラチラと見かけていて気になっていた「Maktar Spectra X」「Maktar Spectra X2」をレビュー用に提供いただきました。
Maktar Spectra X2の特徴は次のとおりです。
- DACチップは「ESS Sabre ES9118」を搭載
- 独自開発の「Xtra SOUND」で歪み比率を10万分の1まで引き下げる
- ペン型の手のひらサイズで携帯性抜群
- パソコンやスマートフォンの音を気軽に高音質化※Spectra Xのみ(USB-Aを採用)
- MFi認証取得済みでiPhoneとの互換性もバッチリ※Spectra X2のみ(Lightning端子を採用)
ひとことで魅力を伝えるとすれば「iPhoneを高音質にできる軽量ペン型DAC」という感じでょうか。
DACチップは少し古いものを使われていますが、「PCM 32bit 384kHz / DSD11.2MHzまで対応」と、あらゆる音源に再生できます。
「iPhoneやパソコンの音を良くしたい!」という方に気軽にアップグレードできるポータブルDACですね。
果たしてどれほどの実力なのか? 今回は実機を使って検証していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
総合評価
4.0/5
Spectra X / X2
- ニュートラルでありつつ臨場感を加えたサウンド
- ペン型でケーブルの一部のように使える
- X2はMFi認証でiPhoneの動作も安定
- 対応音源の幅が広い
- X2は出力がそこまで高くはない
- コスパはそこまで高くない
4.0
音質
4.3
携帯性
3.0
拡張性
4.0
利便性
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Spectra X / X2 外観・付属品
パッケージ
Spectra X2のパッケージは白地のシンプルなデザイン。
開封すると、それぞれ梱包のされ方が少し異なります。
- キャリングケース
- USB-A to Cアダプター(Xのみ)
- マニュアル
付属品はどちらもシンプルな構成で、必要最小限のもののみ付属しています。
SpectraXのみ、USB Type-Cへの変換コネクタが付属します。
変換コネクタを使用すればUSB-Cポート搭載のAndroidスマホ、PC、タブレットでも使用が可能になります。
持ち運び用のキャリングケースも付属しますが、個人的にはイヤホンケースに収納する派なので使うことはないかなと。
Spectra X / X2本体はペン型デザインを採用。
他のDACと比べると、iBasso DC05の2倍、KA3の3/2ほどの長さですが、ペン型のため体積はかなりコンパクトです。
iPhoneに装着するとこんな感じ。長さはありますが、イヤホンケーブルの一部のような感覚で使えて取り回しが良さそうです。
重さはSpectra Xが17.5g、Spectra X2が14,9g。
定番のDAC「FiiO KA3」が22.3gのため、比較的に軽めと言えるでしょう。
スペック
それぞれのスペックは以下のとおりです。
スペック一覧 | Spectra X | Spectra X2 |
---|---|---|
DACチップ | ESS Sabre ES9018 | ESS SABRE ES9118 |
対応ビットレート | PCM 32bit 384kHz / DSD11.2MHz | PCM 32bit 384kHz / DSD11.2MHz |
出力レベル | 49mW @ 32Ω | 15mW @ 32Ω |
ダイナミックレンジ | +121dB DNR / -110dB THD +N | +120dB DNR / -105dB THD +N, 15mW @ 32Ω |
周波数特性 | 20Hz~40kHz | 20Hz~40kHz |
重量 | 約17g | 15g |
保証期間 | 1年 | 1年 |
Spectra X / X2 レビュー
音質|臨場感のあふれるサウンド
Spectra X / X2の音質は、DACではめずらしい「臨場感」にフォーカスを当てた音作りのように感じました。
再生環境は次のとおりです。
- イヤホン:final A4000、Acoustune RS ONE、有線ピヤホン3
- スマートフォン:iPhone 13 Pro、Xiaomi Redmi Note 9s
音の特徴は次のとおりです。
4.0
音質
- 高音:刺さりが少なめでありつつも刺激感のあるサウンド。伸びやかさはそこまでありませんが、シンバルの音を歯切れ良く鳴らす爽快さがあります。
- 中音:イヤホン本来がもつ性質をニュートラルに引き出すような印象。味付けを加えすぎずに押し出し感を強くしたかのような印象です。
- 低音:重低音を出しすぎずに躍動感だけを加えるような低音。臨場感の高さを謳いつつ重低音をゴリゴリにしないチューニングがGood
- 音場:DACのなかではかなり広めで、ライブ感を感じ取れるような音作り。この音場の広さと臨場感の高さがSpectra Xの一番の強みのように感じました。
- 傾向:イヤホンの特性をニュートラルに引き出しつつ音を整え、躍動感を加えるような印象です。
得意なジャンル
- ロック
- ポップス
他のDACと比べると、音の解像度や分離感、情報量の多さだけを聴くと、正直コスパ面で見れば普通です。
ただ、音質をニュートラルにグレードアップしつつも、臨場感も自然に加えるチューニングはDACのなかでも珍しいですね。
臨場感を加えるのでロックやポップスとの相性が良いように感じましたが、基本の性質はニュートラル。イヤホンに合わせてどんなジャンルでも対応できるような印象でした。
ちなみにXとX2は異なるDACチップが使われていますが、基本的な音作りは同じですね。
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ただ、次に解説する「出力面」で異なります。
ドライブ力|XとX2で異なる
Spectra X / X2は同じ筐体に見えて、出力の高さが異なります。
- Spectra X
→49mW(32Ω) - Spectra X2
→15mW@32Ω
この出力の違いにより、使用するイヤホンによる音の違いを感じます。
たとえば、Acoustune RS ONEの場合。こちらのイヤホンは比較的鳴らしやすいので、Spectra X2だとちょうど良い音量に調整しやすい印象でした。
逆にSpectra Xだと、細かな音量調整が難しく、ドライブ力が高すぎてうるさく感じてしまうこともありました。
次に有線ピヤホン3の場合。こちらはやや鳴らしにくく、ある程度出力が必要なイヤホンです。
Spectra X2で聴くと少しドライブ力が足りず、臨場感を発揮しきれていないように感じました。
Spectra Xだと、その出力の高さから有線ピヤホン3をしっかりドライブできていました。Spectra Xと有線ピヤホン3の臨場感の高さが掛け合わさり、最高にライブ感のあるサウンドになりましたね!
final A4000の場合、有線ピヤホン3ほどではないですが、やや鳴らしにくいイヤホンです。
こちらはSpectra X / X2ともにちょうど良い音量で聴けました。出力の違いから、Spectra Xのほうが音の押し出し感や臨場感は高く感じましたね。
このように合わせるイヤホンによって、Spectra X / X2どちらが良いか異なります。
といってもUSB-A(Spectra X)、Lightning(Spectra X2)でそれぞれ端子が異なるため、出力の高さで選ぶより、スマートフォンなどの視聴デバイスに合わせて選ぶでOKだと思います。
ちなみに、Spectra Xのほうが出力が高いので、本体が熱くなりやすいです。
携帯性|ケーブルの一部のように使える
Spectra X / X2を使ってみて、意外と本体の大きさは気にならないように感じましたね。
それどころか、この筐体がペン型のように細くなっているおかげで、本体がケーブルの一部かのように馴染んでくれます。
外出先でも「ぶっといアダプターがついている!」という感覚にはならず、人目を気にせずに有線イヤホンを楽しめましたね。
ただ本体が縦に長い影響か、イヤホンケースに収納するのが難しく、普段愛用しているFitEarのイヤホンケースでも収納はギリギリでしたね。
ポケットに入れてもかさばる印象なので、取り回しは良くても収納面では不便には感じました。
Spectra X / X2 まとめ
総合評価
4.0/5
Spectra X / X2
- ニュートラルでありつつ臨場感を加えたサウンド
- ペン型でケーブルの一部のように使える
- X2はMFi認証でiPhoneの動作も安定
- 対応音源の幅が広い
- X2は出力がそこまで高くはない
- コスパはそこまで高くない
4.0
音質
4.3
携帯性
3.0
拡張性
4.0
利便性
- パソコンやスマートフォンの音を手軽に高音質化したい人(X)
- iPhoneの音を手軽に高音質化したい人(X2)
- イヤホンの音に臨場感を加えたい人
- DACをケーブルの一部かのように取り回しよく使いたい人
Spectra X / X2は手軽にiPhoneやスマートフォンの音を高音質化したい方におすすめのDACのように感じました。
コスパだけで言えば他にもいろんな選択肢が出てきているので、あまり高くないかもしれません。ただ、ニュートラルでありつつも臨場感を加えるサウンドはなかなかにユニークですね。
取り回しも良いのでイヤホンケーブルの一部のような感覚で、手持ちのイヤホンを高音質化したい方におすすめです!
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