5万円台の新たな選択肢!LETSHUOER S15の実力はいかに?【レビュー】

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

LETSHUOERから新製品S15が日本で2023年12月に発売されました。

LETSHUOERといえば、約2万円という価格で高価格帯のイヤホンにも搭載されることの多い平面駆動型ドライバーを低価格でいち早く導入し、その音質が評価されて話題になったブランドです。

有名な機種だとS12とかS12 Proなどがありますね。以前レビューしましたけど、あれはかなり良かったです。

そのLETSHUOERが初めての5万円台クラスが登場!

今回はLETSHUOERさんから直接レビューの依頼をいただいたので実機を使って紹介していきます。

製品提供:LETSHUOER

▼動画版はこちら▼

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

LETSHUOER S15 外観・付属品

それではLETSHUOER S15の外観や付属品をチェックしていきましょう。

パッケージ

LETSHUOER S15のパッケージは紙っぽい質感でなかなか高級感があります。

開封するとこんな感じで、引き出し付きの2段構造になっています。パッケージのこだわりがすごい。

付属品

付属品一覧
  1. シリコンイヤーピース2 種(S/M/L 各2ペア)合計6ペア
  2. ケーブル 2.5mm / 3.5mm / 4.4mmプラグ
  3. キャリーケース
  4. 保証書

イヤーピースは青い方がボーカル重視型、透明な方がバランス型になっています。

ケースの質感がマットでとても良い! 色も美しい! 実用性が良いかどうかはともかく美しい!

本体・ケーブル

LETSHUOER S15のイヤホン本体はケースと同じくライトブルーっぽい配色で彩られたデザイン。

ハウジングはアルミ合金製フェイスプレートを採用しています。ぱっと見のデザインは5万クラスって感じでもないですね。

筐体は一体成型3Dプリントで製作されています。

ドライバーは第3世代の14.8mmの平面磁界駆動型ダイナミックドライバーと、LETSHUOER独自に開発した「R-Sonic」技術を搭載した6mmパッシブフィルタモジュールを搭載しています。PLANAR+PFM構成って感じですね。

この2つのドライバーを周波数ごとに分配する2つの物理的な音響管によるフィルタークロスオーバー設計を採用しています。

PLANAR+PFM、フィルタークロスオーバー、そして3Dプリント筐体によってS15の音を構成しています。

ケーブルは着脱に対応で0.78mm 2pinに対応。

ノズル部は金属管なども採用されておらず、3Dプリントの筐体のまま。やや太めのノズルではありますが、大体のイヤーピースは使えるかと。

ケーブルは216本単結晶銅銀メッキ線材を採用。やや太めのケーブルですが、取り回しは悪くないです。

コネクタ部は形状固定型の耳掛けタイプを採用。

分岐部はちゃんとアジャスターもついています。

プラグは根元で取り外し可能で、付属の2.5mm、3.5mm、4.4mmプラグを付け替えることでアンバランス接続・バランス接続を気軽に切り替えることができます。

ボクは基本4.4mmで運用することになるかと思います。

LETSHUOER S15 レビュー

装着感|S12よりも良くなってる

装着感はS12やS12Proよりも良くなっていて、特に不満なく使えますね。

本体もそこまで大きくなく、圧迫感もそこまでないので、長時間使っていても耳も痛くなりにくいですね。

あとS12やS12Proのように金属筐体ではないので、冬場に使っても耳がヒヤッとしないのもGoodポイントです。

装着感(4.4)

音質|ゆとりのある解像度と豊かな中低域

LETSHUOER S15の音質ですが、解像度感や音場にゆとりがあるような余裕のクリアサウンドという感じですね。

今回は以下の環境で検証しました。

検証環境
  • DAP:NW-WM1AM2
  • アプリ:Apple Music
  • イヤーピース:付属のバランスタイプ
  • 接続方式:4.4mmバランス接続

LETSHUOER S15の音の特長は次のとおりです。

音の特長

4.8

高音

4.8

中音

4.8

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
高域は繊細
低域は迫力
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向はなんだか不思議な感じですね。

低域はとても豊かでふわっと広がりつつも迫力も感じるような感覚。おそらく低域ラインはパッシブフィルタモジュールの影響が大きいのだと思われます。

音場もかなり広めで、余裕のあるフィールド感の中で高域はサラッと伸びやかに、低域は空気を纏いながら立体的に広がっていきます。

高域はLETSHUOERらしくカリッとした高解像度サウンドは残しつつ、S12シリーズで見せた硬質な感覚はなく、粒立ちが良いのにサラッとした音ですね。3Dプリントの筐体の影響か、金属的な響きや鋭さは控えめになりました。

低域と高域でキャラが違うというか、なんかソフトなドンシャリって感じでしょうかね。平面ドライバーとパッシブフィルタモジュールがうまく調和していますね。

ボーカルラインはS12のように質素になりすぎず、ほどよく艶感もあり、低域や高域に埋もれずになかなかに主張してくれますね。

同じくパッシブフィルタモジュールを搭載しているDZ4と比べても、全体的に2レベルほど上で、解像度感・低域の臨場感や豊かさ、ボーカルの伸びなども明らかに実力が違います。低域の傾向はやや似てるかな?

平面ドライバー+パッシブフィルタモジュールというシンプルな構成だからこそ音がほどよくまとまっていて、高解像度だけど情報過多になりすぎない感覚があります。

同価格帯だと去年話題になった複数BA機のイヤホンや、低域に定評があるドンシャリのイヤホンなどがありますが、それらとはまた傾向は異なり、優しく・広く・そして高解像度という感じの音作りです。

どれが良いかは好み次第って感じですね。どれもレベルが高い。

おすすめのジャンルは?

おすすめのジャンルは基本何でもOKですが、メタルやEDMなど激しすぎる楽曲は苦手かもしれません。

King GnuのSPECIALZを聴くと、「カンッ」と鳴るパーカッションの金属音が抑えられてサラッとした質感になりますね。

それこそBUMP OF CHICKENやスピッツのようなソフトなロックや、星野源や藤井風、Official髭男dismのようなバラード・ミドルテンポのポップスと相性が良さそうです。

女性ボーカルもピーキーな表現は苦手ですが、ほどよく艶やかな表現もできるため、宇多田ヒカルなどのしっとり系ボーカルとの相性は良いように感じました。

BUMPのダンジョン飯の主題歌の「Sleep Walking Orchestra」との相性は特に素晴らしいですよ。

アニソンなど、女性ボーカルをメインで聴くなら他にも選択肢はあるかな〜?とは思いました。もう少しハリ良く元気なボーカルで聴かせて欲しい。

高域の刺さりはないけどカリッとした抜け感と、豊かに広がるベースラインが特徴なので、アコースティックギターを多用したロックやポップスがとても相性が良く感じましたね。

バランス駆動をおすすめする

特に鳴らしにくいわけでもないのですが、パッシブフィルタモジュールをより豊かに駆動させるためにもバランス接続で出力を確保した方が良いように感じました。

出力が高いほど低域に広がりや臨場感が増して、跳ねるようなベースラインを心地よく楽しめるようになります。

4.4mm接続でも音が分離しすぎたり、硬くなりすぎたりもしないので、普段3.5mmをメインで使う方でも、S15に関しては4,4mm接続で使ってみてほしいですね。

逆にスマホ直差しだと実力は発揮しにくいので、ある程度のDAPやDACなどは用意してあげた方が良いと思います。

気になるところは?

音質や装着感で気になるところはないですが、価格に対して本体の高級感がそこまでない点くらいでしょうかね。

音作りに影響する箇所なのかもしれませんが、プレートのデザインがイケてないように感じました。

もう少しIEMっぽさというか、プレミアム感がほしいな〜とは思いました。

LETSHUOER S15 まとめ

LETSHUOER S15をまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.5/5

S15

  • 刺さりが少なく粒立ちの良い高音
  • 広いフィールドで鳴らす立体的な低音
  • ゆとりのある解像度感と音場
  • プラグの付けかえで気軽にバランス化可能
  • 本体デザインにプレミアム感がない

4.8

高音

4.8

中音

4.8

低音

4.8

解像度

4.8

迫力

4.4

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

S15は他の5万円台のイヤホンとは異なる音の傾向で、高音はサラッと高解像度かつ、低音は豊かで立体感のある音が特徴のように感じました。

BUMP OF CHICKENや星野源など男性ポップスやソフトなロック、アコースティックギターを多用した楽曲との相性は特によく感じましたよ。

ただ、キンっとした金属的な鋭さや響きや、シンセサイザーのキラキラさを求めるなら、他にも選択肢はあるかな〜とは思いますね。元気ハツラツ系ではないです。

5万円台も最近は良い製品ばかり出てきていますが、そのなかで候補に間違いなく入れても良い製品の一つのようにも思いましたね。

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