こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
JBLから最新フラグシップモデルワイヤレスヘッドホン「Tour One M3」が登場しました。

今年の上半期はマジで各社ワイヤレスヘッドホン祭り。どうなってんねん。
主な特徴は次の通りです。
- JBL PROサウンドを叶えるマイカドーム40mmドライバーを採用
- DAC内蔵し、USB接続で96kHz/24bitのロスレスオーディオをサポート
- ハイレゾワイヤレス「LDAC」に対応(最大990kbps)
- 8マイク搭載、新リアルタイム補正機能付きノイズキャンセリング2.0
- プロテインレザー採用の高品質イヤーパッド
- ヘッドトラッキング対応の新・空間サウンドモード
- 通話品質に優れたビームフォーミング対応4マイク搭載
- 価格:49,500円(税込)/トランスミッター同梱モデルは57,200円(税込)
ドライバーを新素材に刷新しただけでなくLDACやUSBオーディオにも対応し、ノイズキャンセリングやマイク性能向上。
さらにワイヤレスイヤホン「TOUR PRO 3」と同じ仕様のトランスミッター同梱モデルも発売します。
全てにおいてパワーアップしたJBLのニューフラッグシップモデルという感じですね。
今回はハーマンインターナショナルさんから紹介用に提供いただきました。トランスミッターモデルのサンプルは貸出いただいたものになります。
どれほどの実力か、前作のTOUR ONE M2と比較しながら検証していきましょう。
YouTube版はこちら
JBL Tour One M3 外観・付属品
それではJBL Tour One M3の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
JBL Tour One M3のパッケージはこちら。トランスミッター同梱モデルはパッケージにも画像が反映されています。

開封するとこんな感じ。

付属品

- USB-C→Cケーブル(120cm)
- USB-C→AUXケーブル(120cm)
- トランスミッター(同梱モデルのみ)
- カラビナ付キャリングケース
- マニュアルなど
フラグシップモデルということもあり、堅牢なキャリングケースが付属しています。

シュッとした感じになりましたがケースのデザインはTOUR ONE M2の方が好みだったかなー。ただカラビナまでついているのはうれしい。
ちなみに中身はこんな感じです。折りたたんで収納できるので荷物もかさばらなくて良いですね。内側にはメッシュポケットもついているので、USB-Cケーブルやオーディオケーブルも持ち運べます。
充電ケース・本体
JBL Tour One M3の本体はこちら。

素材にはメタリック塗装とセミマットなUV加工が施された筐体で、JBLのロゴは主張しすぎず、シンプルかつモダンな印象。
前作のTour One M2と比べると、側面や縁の光沢感の強い素材が抑えられ、全体的にマットな質感になっています。そうそう、こういうのでいいんだよ。

カラーはブラックとモカの2色展開となっています。

内部構造とハウジング(イヤーカップ)は新たに再設計。独立した音響チャンバーと、より少ない部品で合理的に設計されたハウジングになっています。

TOUR ONE M2と比べてサイズは同じですけど、丸みを帯びたミニマルなデザインに変更されています。
イヤーパッドには新たに高品質なプロテインレザー(人工皮革)を採用。

Tour One M2もモチモチフワフワな触感でしたが、さらに上質になっていますね。触れてすぐにわかるほど柔らかく、しっとりとした質感。になっています。
内側のクッション素材にもTOUR ONE M2よりもさらに柔軟なスポンジを採用しているようです。
またドライバーの開口部はTOUR ONE M2よりも広く面積が取られていて、より耳全体を覆いやすくなっています。

このパッドの仕様によってパッシブノイズキャンセレーション(耳栓効果による遮音)を改良、装着感や通気性の向上を計っているようです。
ヘッドバンドは12段階調整に対応。調整アームもシルバーからチャコールっぽい配色に変更されています。

ヘッドバンドの内側にもプロテインレザーがあしらわれており、こちらもイヤーパッド同様にモチモチフワフワ。
アームは90度に回転・折りたたみが可能で、コンパクトに収納可能です。

ヘッドホンを首にかけた時もハウジング側が前を向くのもポイントが高いです。たまにドライバー側が前を向いてしまうヘッドホンもあるんですよね……。

音量調整ボタン(+/-)ANC/アンビエント切り替えボタン、USB-C端子が備わっています。

左側には音量+/-ボタンが搭載。
TOUR ONE M2は2.5mmのイヤホンジャックが備わっていましたが、TOUR ONE M3には搭載していません。
その代わりUSB-C → 3.5mmケーブルが付属するようになり、USB経由で有線接続ができるようになりました。
本体の重さはおよそ278gと、フラッグシップヘッドホンとしては標準〜やや軽めな印象です。

JBL Tour One M3 / M2 スペック比較
項目 | TOUR ONE M3 | TOUR ONE M2 |
---|---|---|
発売日 | 2025年5月29日 | 2023年9月22日 |
価格(税込) | 49,500円 / 57,200円(トランスミッター同梱) | 39,600円 |
ドライバー | 40mm マイカドームドライバー | 40mm PU+LCPドライバー |
コーデック | SBC / AAC / LDAC / LC3 | SBC / AAC / LC3 |
有線接続 | DAC内蔵アクティブデジタル接続(96kHz/24bit) | パッシブアナログ接続 |
ノイズキャンセリング | 新リアルタイム補正機能付きハイブリッドANC 2.0 | リアルタイム補正付きハイブリッドANC |
マイク数 | ノイキャンマイク:8基 合計10基 | 6基 |
空間オーディオ | 対応(ヘッドトラッキング付き) | 対応(空間サウンドのみ) |
再生時間(ANCオン時) | 最大40時間 | 最大30時間 |
再生時間(ANCオフ時) | 最大70時間 | 最大50時間 |
急速充電 | 5分充電 → 約5時間再生 | 10分充電 → 約5時間再生 |
Auracast | 受信&TX機能搭載(TX同梱モデル) | FWアップデートで対応済 |
イコライザー | 6種類(Extreme Bass追加) | 5種類 |
Personi-Fi | 3.0 | 2.0 |
リラックスサウンド | 対応 | 非対応 |
カラーバリエーション | ブラック / モカ / ブルー(限定) トランスミッター同梱モデルはブラック | ブラック / シャンパンゴールド |
JBL Tour One M3 レビュー
装着感|快適性も密閉度もアップ
JBL Tour One M3の装着感についてですが、TOUR ONE M2よりもさらに優しいタッチで痛くなりにくく、それでいて密閉感もアップしていますね。
実際に装着してみるとこんな感じ。M2のギラついた感じがなくなり、よりスマートな印象になりましたね。

前から見ると、少しハウジングの飛び出しはありますかね〜。

首にかけてみてもなかなかスマートで、前作以上にビジネスシーンで使っても悪目立ちせずオシャレに着飾れるように感じましたね。

実際に使ってみましたが、TOUR ONE M2のちょっとした”ガッシリ感”が軽減されていて、2〜3時間ほど装着していても耳と頭頂部どちらも痛くになりにくいように感じました。
また耳内をしっかり覆ってくれるおかげで音質やノイズキャンセリングにも好影響を与えているように感じました。これはまた音質とノイズキャンセリングのパートでお伝えします。
特に通勤中の移動やカフェ作業など、頭を傾けるシーンでもずれることがなく、耳への圧迫も軽減されたことで“長く使えるヘッドホン”としての実用性がさらに向上した印象を受けました。
装着感 | (4.8) |
音質|M2よりも音楽的なサウンドに変化
JBL Tour One M3の音質についてですが、TOUR ONE M2と傾向が結構変わっていますね。
従来のJBLらしさもありつつ、より滑らかになった音楽的なサウンドに変化しています。
TOUR ONE M2がけっこうカチッとしたモニター的なチューニングだったんで、JBLとしては異質な感じだったんですけどね。
M2とグラフで比較するとこんな感じの特性になっているみたいです。簡易的なものですけど。

さらに今作から高音質コーデック「LDAC」に対応したことで、Androidなど対応スマホをお持ちの方であれば、さらに解像度の高いサウンドで楽しめるようになりました。
今回の検証ではXperia 1Ⅵを使ってLDAC(990kbps)接続で検証しています。

JBL Tour One M3の音の特長は次のとおりです。
4.7
高音
4.7
中音
4.7
低音
音の傾向
音の傾向は上質さと迫力を両立した上品なJBLサウンドのように感じましたね。
低域・中域・高域がそれぞれ主張しあうW字型のメリハリ感の効いたチューニングのように感じます。
ここまではJBLらしい感じなのですが、TOUR ONE M3はそこから各帯域の繋がりが滑らかでナチュラルさがあり、メリハリ感がありつつも聴き疲れを感じにくい仕上がりになっています。
M2と比べて音の角が取れ、より上品な音作りに感じましたね。
音場
音場はM2と同等かやや広がりを感じさせる印象で、特に奥行き方向に自然な空間が広がっていく感じがありますね。
音の定位はM2の方がビシッと定まっていた感覚はありましたが、M3になってスピーカーライクで自然な広がりを持つようになりました。
高音
高域はJBLらしい鋭さやタイトさを持ちつつも、繊細さもプラスされて耳に刺さらず滑らかに抜けていくような印象。
M2は高域がけっこうキツめで、シンバルやハイハットなどの金物系の音がリアルな刺激感(悪く言えば耳が痛い)がありましたが、M3は刺激が抑えられてタイトでありつつもナチュラルな音の傾向になっています。
かといって刺激がなくて眠たい音になっているわけでもなく、音量をあげれば聴き疲れがしにくい程度に刺激感のある高音を鳴らせています。
M2よりも滑らかになっているのにM2よりもギターやスネア、ハイハットの音の粒立ちが良くなっていて、高音の音作りがより上質になっているように感じますね。
個人的にはスネアの音にもう少し躍動感が欲しいところ。
中音
中域はいつものJBLらしくボーカルがしっかりと前に出てきて、そこに厚みと滑らかさが両立された音のように感じます。
男性・女性ボーカル問わずにハリ良くフレッシュに鳴らせていますが、いつものJBLのように勢いを重視して粗が目立つ感じではなく、勢いがありつつも細部まで輪郭を保ったままです。
それでいてM2のように音の分離感もよく、コーラスやエレキギターなどボーカルと同帯域の音もしっかりと耳で追えます。またM2と比べてハイトーンボイスの刺さり感もなくなりました。
またM2と比べてエレキギターのジャキジャキとした音よりも、ボーカルの方が一歩前に来るような距離感になっていますね。
低音
低域はいつものJBLらしくタイトで迫力もしっかり感じられますが、音の広がりや余韻がとても丁寧になっていますね。
M2はタイトさに極振りしたかのような締まりのある低音でしたが、その低音の解像度はそのままに自然な広がりや奥行きを持つようになりました。
ボヤッとしがちなベースラインやバスドラムの音像もクッキリとしていますし、それでいて低音の迫力や臨場感もかなりのものです。
特にベースやバスドラムの奥行きに対する立体的な迫力がうまく再現できています。
おすすめのジャンル
おすすめのジャンルはロックやポップス、EDMやヒップホップなどいつものJBLらしい感じですが、音に上質さが加わることでジャズやクラシックなども行ける口になりました。
基本はノリ重視ではありますが、わりとどんなジャンルでも卒なくこなせます。
総評
TOUR ONE M2と比べて、JBL Tour One M3は全体的に「音の質感」が滑らかに、そしてより音楽的に変化していました。
ただ、コーデック以外は「進化」ではなく個人的には「変化」に近い感じでしたかね、やや進化くらい。
TOUR ONE M2のカチッとしたタイトなモニターサウンドも好きなんですよね。
総じてクセも少なくジャンルも選ばないため、万人におすすめしやすいハイエンドヘッドホンという印象を受けました。
USBオーディオも使えるように
Tour One M3は前作には対応していなかったUSBオーディオが使えるようになりました。
USBオーディオとはパソコンやスマホとUSBケーブルで接続することで、音の劣化がなく、遅延も少なく音楽を聴くことができる機能のこと。
つまりTour One M3の音質を最大限まで発揮できるということですよ。
実際にUSBオーディオで聴いてみると、音の傾向はそのままに中高域のちょっとした荒さがなくなり、とても情報量の多い緻密な音になりますね。
音の遅延も少なくなるのでそのまま動画編集とかもできますし、自宅で音質重視で聴くなら、ぜひUSBオーディオを使っていただきたいところ。
空間サウンドも超優秀
TOUR PRO 3と同じく空間サウンドも超優秀です。
Tour One M2と比べて、より性計算能力の高いチップセットでアルゴリズムを最適化し、計算量が多くなることでリアルな空間表現ができるようになったとのことです。

空間サウンドは「ムービー」「ミュージック」「ゲーミング」の3つから選択可能。コンテンツに合わせて最適な空間サウンドを選べます。
実際に使ってみましたが、「ミュージック」については前作よりもボーカルがシャリつくような不自然さがなくなり、めちゃ自然に音を広げてくれるようになりました。
ライブ音源で試しましたけど、むしろ空間サウンドのほうがホールで鳴らすリアルな表現をしてくれます。空間サウンドONじゃないと物足りなく感じるほどでした。
「ムービー」は、低音の迫力や臨場感を加えて、映画館で観ているかのような3D感のあるサラウンド音声を、擬似的に再現してくれます。
「ゲーム」は低域の臨場感と、高域の明瞭度を上げて、FPSでも迫力のある音で楽しみつつ、銃声や足音などの音を強調させるような音作りですね。
またヘッドトラッキング機能も今回追加されましたが、通常のモードよりも高域に不自然なシャリ付きがあったり、首の方向を少しでも曲げると音が偏ったりするので使いにくい印象でした。
イマイチなポイントは高音質コーデックのLDACとの併用ができない点……。空間サウンドかLDACの2択だと、LDACが優先かな……iPhoneユーザーはAACまでなので気にしなくていいけど。
ノイズキャンセリング|けっこうパワーアップしてる
JBL Tour One M3のノイズキャンセリング性能もM2と比べて結構パワーアップしています。
M2と比べてマイク数が6つ→8つに変更。また新リアルタイム補正機能も追加されたことでノイズキャンセリングがより最適化されました。

またイヤーパッドの密閉性が向上したことによる影響も大きそうです。
実際にM2と遮音レベルを比べてみたらこんな感じになるらしいです。周波数の記載がないからわかりにくいけどザックリとこんな感じです。

M2と比べましたけど、電車内やカフェの空調音などの低~中音域ノイズに対する遮音性が向上していて、ガタンゴトンと下から響く音がかなり軽減されるように感じました。
反面、高域側に対する遮音性はグラフの結果と同様にそこまで変わりないように感じましたね。
ホワイトノイズも少なく、風が強い場所で使っても風切音がほとんど入ってきません。耳がツンとするような圧迫感もほとんど感じませんし、ストレスをほとんど感じさせないノイズキャンセリングのように感じました。
他社のフラッグシップと比べても「最強」とまではいきませんが、価格相応の遮音性の高さを備えているように感じました。
ノイズキャンセリング | (4.8) |
外音取り込み|前作よりも大幅に向上
外音取り込み性能はM2よりもかなりよくなっていますね。音楽を止めている状態であれば、普段耳で聴いている状態に近いレベルで自然に集音してくれます。
最近のワイヤレスヘッドホンは外音取り込み機能が優秀になっているものが多いですね。
ポップスを聴くと低域やボーカルに他の人の声が被ってしまうので会話をしにくいように感じましたが、ジャズなどインスト系であれば小音量で音楽を流しておけば普通に会話ができるレベルになります。
仕事中にBGMを聴きながら、声かけや内線の音も逃さず対応できますよ。
また、トランスミッターを使えば遅延もかなり少なくできるから、外音取り込みモードをONにした状態で家族の声を気にしながらゲームをするのにも最適です。
ただ、すごく細かいところなんですけど、外音取り込みONの状態で電源をOFFにすると、再度電源ONにしたときにノイズキャンセリングに戻っているのは気になりましたかね。外音取り込みモードのまま電源ONにしてほしいのよ。
2種類の外音取り込みが便利
JBLの製品は「アンビエントアウェア」と「トークスルー」の2種類を使えるのが便利なんですよね。
- アンビエントアウェアモード(アクションボタンを1回押す)
→音楽の音量を下げずに、そのまま外音取り込みに移行するモード - トークスルーモード(アクションボタンを2回押す)
→音楽の音量をグッと引き下げて、外音取り込みに移行するモード
アンビエントアウェアとは異なり、声にフォーカスを当てた集音方法になる
音楽を聴きながらBGM感覚で聴きたいときはアンビエントアウェアモードを使って、コンビニやスーパーのレジとかでワンポイントで使う場合はトークスルーモードといった二通りの使い方ができます。
JBLのこの仕様はけっこう便利で好きです。
外音取り込み | (4.8) |
操作性|スライド操作がほしかった
JBL Tour One M3の操作性ですが、M2と同じ評価なんですけど操作が少しとっ散らかるように感じましたね。

操作は右側のタッチパネルと、本体下部の物理ボタンで操作を行います。
ハウジングをタップして操作ができる点と、物理ボタン操作ができる項目が半々くらいで、どちらで操作をすればいいかわからなくことが少しありました。
慣れの問題だとは思いますけどね。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | R側のハウジングを1回タップ |
曲送り | R側のハウジングを2回タップ |
曲戻し | R側のハウジングを3回タップ |
音量を上げる | +ボタンを押す |
音量を下げる | -ボタンを押す |
電話を受ける | 着信中にL or R側を1回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 通話中にL or R側を長押し |
外音モードの切り替え | L側のアクションボタンを1タップ |
トークスルーモード | L側のアクションボタンを2タップ |
音声アシスタント | R側のハウジングを長押し |
サイレントナウ | 電源OFF時にアクションボタンを長押し |
ペアリングモードへの移行 | 電源ボタンを下にスライド |
こちらは他のフラグシップモデルのように音量操作を指でスライドするだけで上げたり下げたりできれば、もっとスマートでしたね。
音量操作をボタンでするとボタンの場所がわかりにくくて、音量を下げたいのに上げてしまったりすることとか多いんですよね。大きな不満はないけど、できればスライド操作を用意して欲しいです。
アプリについて
Tour One M3はアプリに対応しています。

アプリでできることは次のとおりです。できることはイヤホンモデルのTOUR PRO 3とほぼ同じですね。
- ノイズキャンセリングや外音取り込み機能の各設定Personi-Fi(サウンドの最適化)
- イコライザー設定
- Spatial Sound
→空間サウンド - タッチ操作の変更
- ボイスアウェア
→通話時の自分の声の音量調整 - 装着時の自動再生&一時停止
- パーソナルサウンドアンプリフィケーション
→音声の集音量を大きくして、補聴器的に使う機能 - ボイスアシスタント設定
→スマホデフォルトのものか、Alexaの設定に変更可能 - スマートオーディオモード
→オーディオモードか、ビデオモードの2つから選択可能。ビデオモードだと遅延が少なくなる。 - サウンドレベルオプティマイザー
→通話時の音量レベルを自動で調節する機能 - リラックスサウンド
- 通話イコライザー(相手と自分それぞれ設定可能)
- 音声プロンプト
→音声通知の言語設定が可能 - フィット感のチェック
- 最大音量のリミッター
→85dB以上の音量を出ないようにして耳を保護する機能 - イヤホン本体を見つける
- バッテリーの節約
- ファームウェアアップデート
- スマートケースの設定
- etc……
Personi-Fi 3.0
年齢や聴力情報を送り、その後に聴力テストを行うことで、個人の耳に対して最適な音響設定を自動で作ってくれる機能です。

今までは設定項目に「性別」「生まれた年」そして「リスニング経験」を入力する必要がありましたが、今回はカットされてシンプルになりました。
それ以外の項目は今までのPersoni-Fi2.0と同じっぽいですね。
テスト中は左右の耳ごとに、周波数ごとに聴力検査のようなものを行います。音が鳴っている間は長押しし続けるようなテスト方法ですね。
実際に製作した波形がこちら。

音質が大きく変わる感じではなかったですが、ほんの少し好きな傾向に補正してくれたような感じですね。
こちらはとりあえずやっておいても良いかと思いますが、LDACとの併用ができないのが残念。
イコライザー設定
イコライザー設定では、プリセットイコライザーと、マイEQというカスタムイコライザーの設定ができます。

JBLのイコライザーって、とても優秀で、どの設定にしてもいい感じに音を補正してくれるんですよ。
マイEQでは、10バンドに対して±7dBのイコライザー設定を細かく設定できるので、自分好みの音に仕上げやすいです。
通話イコライザー(相手と自分それぞれ設定可能)
こちらはTOUR PRO 2にも搭載されていなかった機能で、相手の声質と自分の声質を調整することが可能です。

- 相手の音声設定
→ナチュラル、高音の増強、低音の増強 - 自分の音声設定
→ナチュラル、パワフル、ブライト
その他にも「プライベート通話モード」があります。こちらはイヤホンを口元に近づけて小さな声で喋っても、相手にお大きな音量で音声を伝えることができるようになる機能です。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動もチェックしてみましたが、問題なさそうです。
iPhoneとiPadに2台同時接続して検証しましたが、電源OFF後も2台のデバイスに自動で接続されたので問題なし。
今回、LDACに対応しましたが、LDACとマルチポイントの併用も可能です。
ちなみにマルチポイントの挙動としては、はじめに再生されているデバイスが優先され、2台目のデバイスを再生しようとしても再生されない仕様です。
通話品質|M2と変わらず優秀
実際に音声を録音して見ましたので聴いてみてください。
Tour One M3
Tour One M2
JBL Tour One M3の通話品質は、Tour One M2とほぼ同じに感じましたが、とても実用的。そもそもM2の時点でマイク性能がとても良いのですよ
ノイズはほとんど取り入れないし、音声もクリアに録れていますし、マイク性能はかなりのもの。
M2と比べてマイク性能よりも外音取り込み性能が優秀になっているから、自分が声を発した時にモゴモゴとする感覚がなくなって、開放型ヘッドホンで通話しているような感覚になるのが良かったですね。
音の遅延|ビデオモードなら違和感なし
映像と音声のズレですが、まずビデオモードをOFFの状態だと、ほんの少しずれを感じる程度ですかね?
ビデオモードをONにすると、アニメやライブ映像とか映画を見る分には違和感が完全になくなって、リズムに合わせて映像作品を見れるようになりました。
ただ、ゲームに対する遅延は対応できていないようで、音ゲーをすると全然タイミングが合いませんでしたね。
ゲーム用途で使うなら後述するトランスミッターを使うのがおすすめです。
トランスミッター機能が超便利
ここまでは基本性能が高いフラッグシップモデルという感じですが、TOUR ONE M3の一番の強みはやはりこのトランスミッター!

これ、TOUR PRO 3のケースの中に収納されていた部分をそのまま取り出したものらしいです。
※補足 バッテリーはUSB-C to 3.5mm接続時で最大18時間もちます。
このトランスミッターがマジで便利で、アプリを使わず本体の設定をできるのもそうなんですけど、それ以外にもめちゃめちゃいろんな用途に使えるのですよ。
- 動画編集
- ゲーム
- 飛行機コンテンツ
- ペアリングがめんどくさい時の簡易利用
遅延めっちゃ少ないから動画編集もワイヤレスでふつうにできるし、ゲームもほぼ有線並みに遅延なくできるですよ。
SwitchとかASUS ROG Allyなどを使ってワイヤレスでゲームしたい時に超便利なんですよね。
しかもイヤホンモデルのTOUR PRO 3よりも外音取り込み機能が自然だから、家族の声にも注視しつつ気楽にゲームもできるのですよ。
ゲーム用途にもおすすめですが、ボクの場合だと動画編集時も遅延なくカット作業ができるから使いやすいです。音質も良いからバーチャル試聴の収録もしやすいですし、アレ……このヘッドホン完璧じゃね?
ただ、動画編集中は再生・停止を繰り返していると若干の頭切れが発生するので、有線と比べるとやりにくいと感じることもあります。
USB-C端子が備わっているデバイスであれば付属のUSB-Cケーブルで。備わっていないデバイスにはUSB-C to 3.5mmケーブルを使うことでワイヤレスで接続できます。

この仕様のおかげで、ネットが使えない飛行機内でもワイヤレスで機内動画コンテンツを楽しめるというわけですよ。
これだけの高い音質・機能性を持ちつつ、+αでトランスミッター機能を使える点がTOUR ONE M3の一番の強みかなと思います。
ちなみにデバイストランスミッターに刺すだけで、イヤホン本体がケース側とペアリングするようになるので、接続の切り替えも超簡単です。
この機能を使って普段はiPhoneとXperia 1Ⅵで2台接続しつつ、パソコンやゲーム機などにはトランスミッター機能で繋げて複数のデバイスで使い回しています。
このトランスミッターがホント便利で他社の追従を許さないユニークな機能だと思いますので、TOUR ONE M3を購入する際はぜひトランスミッター付きのモデルをおすすめしたいところです。
ちなみに音質重視で使いたい時はトランスミッターよりもLDACやUSBオーディオで使った方がいいです。
JBL Tour One M3 まとめ
JBL Tour One M3をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.9/5
Tour One M3

- JBLらしい明るいサウンドに上品さが加わった
- 臨場感と高解像度を両立した音作り
- LDACに対応
- 前作よりノイキャンと外音取り込みが大幅進化
- マイク性能がかなり高い
- マルチポイント対応
- 装着感が良好で耳が痛くなりにくく密閉度も高い
- トランスミッターを使えばゲームや編集作業も有線並みの遅延の少なさ
- 音量操作をスワイプ操作で行いたい
- 空間サウンドとLDACの併用ができない
4.7
高音
4.7
中音
4.7
低音
4.7
装着感
4.8
ノイズキャンセリング
4.8
外音取り込み
4.9
マイク性能
4.9
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 最大40時間 |
コーデック | SBC,AAC,LC3,LDAC | 充電時間 | 5分で5時間駆動 |
ドライバー | 40mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 | 272g |
外音取り込み | ◯ | 低遅延モード | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | 空間オーディオ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | 保証 | 1年 |
JBL Tour One M3はこんな人におすすめ
- 音質と機能性どちらにも優れたワイヤレスヘッドホンを探している
- ロックやポップスを好んで聴く
- 出張やWeb会議などビジネス用途で使うことが多い
- ゲームや動画編集、映画鑑賞などさまざまな用途で使うことが多い
今年はワイヤレスヘッドホンランキングを作ろうと思いますが、NO.1候補にもなり得る実力はあると思いますよ。音質とノイキャン、外音取り込みが優秀なだけでなく、トランスミッターがマジで便利なのよ……。
イヤホンのTOUR PRO 3だとカナル型がゆえに閉塞感が強いのが気になってしましたが、Tour One M3なら外音取り込みが優秀で開放的に使えるので、1階書斎用の動画編集兼ゲーミングヘッドホンとしてメインで使おうと思います。
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