こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回はAVIOTより、ピエゾドライバー×ダイナミックドライバーを搭載したハイブリッドドライバー構成の最新モデル「TE-J2」を紹介します。

ピエゾドライバーは、振動板と圧電素子とが一体で形成されているため、電気信号をそのまま振動に変換できるドライバーユニット。
微弱な信号でも反映が可能な為、応答性が高く、高精度かつ繊細なドライバー駆動が可能となっています。要は超高域用ツイーターのようなドライバーです。
しかもプロモーションにはL’Arc〜en〜Cielの「HYDE」氏を起用するという本気っぷり。2025年のAVIOTの大本命モデルという感じです。
以前紹介したトライブリッド3ドライバーの変態ヘッドホン「WA-J1」のイヤホンバージョンみたいな位置付けですね。

価格は33,000円+ポイント10%と、AVIOTとしてはTE-ZX1やピヤホン7に次ぐハイエンドモデルとなります。
今回は紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力か検証していきましょう。
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AVIOT TE-J2 外観・付属品
それではAVIOT TE-J2の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
AVIOT TE-J2のパッケージはこちら。価格だけはあって高級感の漂うデザインとなっています。

付属品

- イヤーピース:SS/S-short/S-tall/M-short/M-tall/L 6サイズ各1ペア
- 充電用USB Type-C to USB Type-Cケーブル1本 30cm
- ユーザーマニュアル QRカード
- 製品保証登録カード
肌に優しい医療シリコンを採用した上質なイヤーピースが付属。軸長も長いものと短いものの2つが付属しています。

表面が少しザラザラとした質感になっている珍しい素材感で、耳垢や汚れも落としやすくなっています。
SSサイズまで付属しているので、耳の小さな方や女性の方でもフィットさせやすそうですね。
充電ケース・本体
充電ケースは人工皮革素材を採用した上質なデザインを採用。

まるでアクセサリーケースかのような佇まいですが、中身はオーディオガチ系っていうね。
サイズもコンパクトで厚みもそこまでないので、ポケットに入れても問題なし。

レザー調なので樹脂製のケースと比べて傷も目立ちにくいからいいですね。
サイズの比較としてピヤホン7と並べてみました。

厚みを比べるとこんな感じです。

充電端子はUSB Type C。

さらにワイヤレス充電にも対応しています。うれしい!

充電ケースは前面から上部にパカっと開くタイプになっています。

本体はケースから飛び出しているので、取り出しやすさはそこまで問題ないかな? 丸っこいデザインなので若干滑りやすそうで怖いですけど。

イヤホン本体は耳にすっぽり収まるバッズ型デザイン。ハウジングはブラックとゴールドのツートンカラーになっています。

素材には次世代のコポリエステル樹脂「トライタンTM リニュー」を採用。高い透明感と堅牢性を両立した素材で、中のパーツまでハッキリと見えます。

というか内部がギチギチにパーツが詰まってますね……。すごい密度感。
耳穴の下部に位置するくぼみで保持する「コンチャフィットデザイン」を採用し、耳への負担が少なく、長時間のしようでも疲れにくい装着感を実現しているようです。
スマートな見た目に対してノズルは意外と太めで、金属素材を採用したものになっています。

ただケースの収納部は狭いので、他社のイヤーピースを使う場合は軸が短めのタイプを使う必要があります。
本体のサイズ感も比較してみましたが、ピヤホン7と比べるととてもコンパクトですね。

最後に重さですが、総重量は約66.2g、本体片耳の重量は約5.2gです。


充電ケース込みだとけっこう軽めですが、本体自体は平均的な重さですね。
AVIOT TE-J2スペック比較
| 製品名 | TE-J2![]() | TE-ZX1-PNK(ピヤホン7)![]() |
| ドライバー | ”ハイプレシジョン2wayドライバー”システム (11mmピエゾ+10mmダイナミックドライバー) | ”トライブリッド5ドライバー”システム 10mmダイナミック+平面磁気駆動型+BA×3 |
| Bluetooth | 5.3 | 5.3 |
| コーデック | AAC,SBC,LDAC | AAC,SBC,LDAC |
| 再生時間 | 本体:約12時間 ケース込 約52時間 | 本体:約8時間 ケース込 約20時間 |
| 充電端子 | Type C ワイヤレス充電 | Type C |
| 防水 | IPX4相当 ※イヤホン本体のみ | IPX4相当 ※イヤホン本体のみ |
| 自動装着検出 | – | – |
| 低遅延モード | ◯ | ◯ |
| ノイズキャンセリング | ◯ | ◯ |
| 外音取り込み | ◯ | ◯ |
| マルチポイント | ◯ | ◯ |
| 価格 | 33,000円 | 49,500円 |
AVIOT TE-J2 レビュー
装着感|軽快かつ見た目以上に安定する
TE-J2はの装着感は軽快かつ見た目以上に安定する印象でした。
実際に装着してみるとこんな感じ。ほどよくおしゃれ。

前から見た時の飛び出し感も意外と少なめですね。

コンチャフィットデザインを採用しているだけはあり、ちゃんと耳の内側の凹んだ部分で本体を支えて、イヤーピースで固定するような装着感になっていますね。
耳内もしっかり密閉できていますし、イヤーピースの吸着性もなかなか高いですし、装着感はとても安定します。
屋外で歩いたくらいでは落ちる気はしませんし、激しく頭を振っても落ちる気がしません。
ただ装着感の良し悪しは人それぞれなので、あくまで参考程度にしていただければと思います。
| 装着感 | (4.8) |
音質|ボーカルが超キレイ
AVIOT TE-J2の音質ですが、同価格帯のワイヤレスイヤホンと比べてボーカルが特にキレイに聴こえるイヤホンのように感じました。
ピエゾドライバーのおかげで中高域がとてもクリアに感じます。

AVIOT TE-J2の音の特長は次のとおりです。
4.7
高音
4.9
中音
4.5
低音
音の傾向
音の傾向はやや中高域寄りのバランスになっていて、
TE-ZX1ほどメリハリは効かせず、ボーカルを中心に聴かせるチューニングに仕上がっていますね。
音色も少し余韻が乗るような感覚で、レスポンス良くキラキラと聴かせるようなフレッシュ系美音サウンドという印象でした。
音場
音場はふつう〜やや近めといったところでしょうか。
ニアフィールドで音が迫ってくるように鳴らす直線的な音場のように感じました。
高音
ピエゾドライバーの影響が顕著に現れているのか、高域は特にキレイに感じますね。
高音はカチッとした煌びやかな音作りでありつつ、伸びやかさも持ち合わせています。
音の粒立ちもよく、ハイハットやアコギの細かな音も大味にならずに一つ一つの細かな音までしっかり拾い上げます。
シンバルやハイハットにもっと刺激的な高音が欲しい場合はピヤホン7の方が良いかと思いますが、自然で綺麗めな高音がほしい場合はTE-J2でもいいかなという感じですね。
中音
TE-J2の一番の強みは中域のボーカルライン。3万円台のワイヤレスイヤホンの中では、ボーカルの表現だけにフォーカスすれば一番好みでした。
耳元で歌っているかのような声の近さがあり、とてもフレッシュに聴かせます。
ボーカルはピークにチューニングを合わせているのか、男性ボーカルのサビや高めの女性ボーカルが際立つように感じますね。
とくに女性ボーカルのピークの表現が絶妙で、刺さりのない気持ちが良いと感じるギリギリラインまで煌びやかに歌声を伸ばしていきます。
ボーカルだけでなく、同じ帯域で鳴るピアノやギターも輪郭をクッキリと感じられる解像度の高さがあり、レスポンスも良くジャキッとした刺激感も感じられます。
ボーカルの表現力だけならピヤホン7以上かも。
低音
クリアで歯切れの良い中高域に対して、低域は主張は控えめ。
わりと深いところから出ていますし、タイトな迫力や立体感もほどよくありますが、目立たないように主役は中域・高域に譲っているように感じますね。
低域の迫力や躍動感を重視するならTE-ZX1やピヤホン7を選んだ方が良いかと思います。
おすすめジャンル
おすすめジャンルは女性ボーカルものやキラキラとしたエレクトロサウンドがおすすめ。
中高域を中心にレスポンスの良い音で鳴らすため、ボカロ出身のキラキラとしたガチャポップ系全般はとても合いますよ。
3Dスペーシアルオーディオモードも対応
TE-J2はAVIOTお得意の3Dスペーシアルオーディオモードも対応しています。
音を無理やり広げる擬似的な3Dサラウンド効果を得るものかと思いきや、音圧を上げて少し残響感と臨場感を少しだけプラスするような自然な変化ですね。
元の音のバランスを壊さずに、ライブさながらの臨場感を体感できます。ライブ音源じゃなくても臨場感のある音を楽しめるので、常時ONでもいいくらいですね。
またアプリを使わずとも右耳を1.5秒長押しするだけでON/OFFを切り替えられるのもイイですね。
イコライザーも豊富
イコライザーも豊富に用意されています。

「Bass Boost」「Mid Boost」「Treble Boost」だけではなく「Voice」「MOVIE」「LIVE」など豊富に取り揃えています。
LIVEは臨場感たっぷりのドンシャリサウンドになるので、ロックなど激しめの楽曲を好んで聴く方にはなかなかおすすめのプリセットですよ。
3Dスペーシアルオーディオを重ねがけすると、一気にライブ感が増しますよ。
元がバランスの良い音だけに、イコライザーで自分好みの音にも仕上げやすいですね。
WA-J1をレビューした時点ではカスタムイコライザーで1バンド調整するたびに読み込みが入ってしまい、ストレスを超溜めながら調整しないといけなかったですが、TE-J2の最新ファームウェアでは改善されているようでした。
ノイズキャンセリング|思ったよりは強い
ノイズキャンセリング性能についてですが、思った以上には効いていますね。
ハイエンドモデルのTE-ZX1や、ミドルクラスのTE-W1よりは遮音性は上のように感じました。
ただ、同価格帯のノイキャン重視のイヤホンと比べると弱めといったところ。
低音側の遮音性はなかなか高く、音楽を聴いていれば電車や車の走行音はあまり気にならないですね。
高域側も変に目立つ感じもなく、食器が当たる音などもほどよくカットしてくれます。
AVIOTのイヤホンはノイズキャンセリングがそこまで強いものがなかったイメージでしたが、TE-J2は思ったより実用的なように感じましたね。
| ノイズキャンセリング | (4.3) |
外音取り込み|ふつう
外音取り込みは完全に耳で聞いているような自然さはないものの、音楽を止めていれば会話ができる程度には取り込んでくれます。
BGMを聴きながら会話をするような”ながら聴き”用途には向いていないように感じました。
TE-W1やTE-ZX1よりは周りの音は聞こえやすく感じましたね。
| 外音取り込み | (4.0) |
操作性|誤動作は少なめ
AVIOT TE-J2の操作性についてですが、タッチセンサーの感度が少し高めなように感じましたね。

操作方法一覧は次のとおりです。

そしてTE-W1から引き続き、モードの切り替えが以下から設定ができます。
- OFF→外音取込→ANC→OFF→……
- OFF↔︎ANC
- ANC↔︎外音取込
- OFF↔︎外音取込
ちなみにアプリでL/Rに対して「シングルタップ」「ダブルタップ」「トリプルタップ」の3項目に対して操作の割り振りができます。

ただ、割り振れる項目は「なし」「音量上げる/下げる」「曲戻し/送り」「再生・停止」のみなので、そこまで自由に割り振れるわけでもないですね〜。
低遅延モードを手動操作でON/OFFできるようにしてほしかったなー。今のAVIOTならできるはず! 頑張ってください!
あと、操作項目には不満はないですが、操作のSEがニブイ音なのと、タッチ操作をしてから反映されるまでのレスポンスがやや遅めなのが気になりましたかね。操作時のキレの良さのようものがほしい。
アプリでできること
AVIOT TE-J2はアプリに対応しています。

以前紹介したWA-J1よりもアプリの挙動はまだ安定しやすくはなっていましたね。
- バッテリー残量の確認
- ノイズキャンセリング、ノーマル、外音取込の切り替え
- イコライザー設定
- 3DスペーシアルオーディオのON/OFF レベル調整
- ゲーミングモードのON/OFF
- ファームウェアアップデート
- 操作ボタン設定
- etc
マルチポイントの挙動について
2台同時接続を行うマルチポイントにも対応しています。
挙動としては電源OFF→ON後もあらかじめ繋いでおいたデバイスとも自動で接続されるようになっています。
iPhoneで音楽を再生中に2台目として接続したXperia 1Ⅵで後から再生してみましたが、割り込みはできない「先勝ち」設定になっていました。
LDACとマルチポイントの併用も問題なくできていますね。接続安定性もLDACの330kbpsであれば問題ありませんでした。
マルチポイント+990kbpsで接続すると途切れやすかったですね。
音の遅延|ゲームモードでかなり少なめ
映像と音声のズレですが、LDACでもYouTubeやプライムビデオで映画やアニメを見る分には問題なし。
ゲーミングモードをONにして音ゲーをしてみましたが、さすがに音ゲーのタップのタイミングの合わせるのは難しいですが、遅延はかなり少なくなりますね。
カジュアルにアクションゲームをする程度であれば問題なさそうなレベルです。
AVIOT TE-J2 まとめ
AVIOT TE-J2をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
AVIOT TE-J2

- ボーカルが非常にクリアで美しい
- 合皮素材によるおしゃれなデザイン
- バッテリー持ちが長い
- ワイヤレス充電・マルチポイント対応
- 3Dオーディオが優秀
- 低遅延モード時の遅延が少ない
- 外音取り込み機能は価格を考えるとイマイチ
- LDAC 990kbps時やマルチポイント併用時は
接続が安定しにくい - 操作のレスポンスが遅め
4.7
高音
4.9
中音
4.5
低音
4.5
装着感
4.3
ノイズキャンセリング
4.0
外音取り込み
4.0
マイク性能
4.5
利便性
| Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC OFF時 | 本体:約12時間 ケース込み:約52時間 |
| コーデック | AAC、SBC、LDAC | 充電時間 | 本体:約1.5時間 ケース:約1.5時間 |
| ドライバー | 11mmピエゾ+ 10mmダイナミック | 充電端子 | Type C ワイヤレス充電対応 |
| 専用アプリ | ◯(AVIOT Connect) | 防水 | IPX4(本体のみ) |
| ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 不明 |
| 外音取り込み | ◯ | 低遅延モード | ◯ |
| 自動装着検出 | – | 3Dスペーシャルオーディオ | ◯(ON/OFF切替対応) |
| マルチポイント | ◯ | 保証 | 1年 |
AVIOT TE-J2はこんな人におすすめ
- 予算3万円ほどで音質重視のワイヤレスイヤホンを探している
- 機能性よりも音質を重視したい
- 女性ボーカルものを好んで聴く
TE-J2は3万円ほどで女性ボーカルを中心に聴かれる方には特におすすめしたいイヤホンのように感じました。
マジでボーカルキレイ。距離は近いし、ピークの作り方が気持ちいいし、レスポンスが良くもほどよく艶感かあって美しい歌声を聴かせてくれますし、ボーカルに関してはボクの理想に近いチューニングです。
同価格帯の定番イヤホンと比べると、ノイキャンや外音取り込みなどの機能性はそこまで強くはないですが、機能性よりも音質を優先したい!という方にはとてもおすすめできるイヤホンのように感じました。
L’Arc〜en〜Cielのボーカリスト「HYDE」氏とのコラボモデルの「TE-J2-666」や、以前紹介したヘッドホンモデルの「AVIOT WA-J1-666」も発売しているので、ラルクファンの方もぜひチェックしてみてください。
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