評価:4.5
こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
1万円台で買えるBluetooth対応DAC・アンプ FiiO「BTR5 2021」が2021年11月に発売されました。
元から販売していた「BTR5」が人気で、前職でも使っているスタッフがめっちゃ多かったんですよね。
なんでそんなに人気なんだろう?って気になっていましたが、イヤホンジャック直差しには敵わないだろうと思っていました。
実際に使ってみると、その感覚はくつがえされましたね。
「ワイヤレスでもスマートフォン直差しより普通に音ええやん!」ってなりました。
今回はこちらのBTR5を購入してきましたので、前作との違いやライバル機との比較を含めたレビューをしていきます。
ぜひ最後までご覧ください。
総合評価
4.5/5
BTR5 2021
- 味付け少なめのニュートラルなサウンド
- ノイズ感がとにかく少ない
- 有線接続で据え置き環境でも使える
- 付属のクリップが便利
- 4.4mmバランス端子がついていない
4.2
音質
4.0
操作性
3.5
バッテリー
4.8
利便性
動画はこちら!
FiiO BTR5 2021 概要・スペック
BTR5 2021 の特徴はこちら。
- DACチップ「ES9219C」を2基搭載
- 32bit/384kHz DSD256、MQAに対応
- AAC/apt X/apt X HD/LDACなど主要コーデックに対応
- 3.5mmの他、2.5mmバランス接続にも対応
- アプリで好みのサウンドにカスタマイズ
BTR5はDACチップを2基搭載し、本格的なDACアンプとしても運用可能な音質特化型のBluetooth対応DACアンプです。
主要のBluetoothコーデックにもほとんど対応しており、音源もハイレゾだけではなく、DSDやMQAといったフォーマットにも対応しています。
スペックはこちら!
スペック一覧 | BTR5 2021 |
---|---|
DACチップ | ES9219C x2(前作はES9218P) |
対応ビットレート | PCM:384kHz/32bit DSD256 MQA対応 |
Bluetoothチップ | CSR 8675 |
再生時間 | 2.5mm:9時間 3.5mm:7時間 |
コーデック | LDAC, LHDC, aptX HD, aptX LL,aptX, AAC ,SBC |
出力レベル | 2.5mm:240 mW @ 32Ω 3,5mm(シングルDAC):80 mW @32Ω |
S/N比 | 2.5mm -122dB 3.5mm -118dB |
THD+N | 2.5mm 0.002%未満(LDAC使用時1kHz/32Ω負荷時) 3.5mm 0.003%未満(LDAC使用時1kHz/32Ω負荷時) |
本体サイズ(mm) | 72 x 32 x 11.1mm(バッククリップを除く) |
重量 | 43.7g |
保証期間 | 1年 |
前作のBTR5と比較すると
前作の「BTR5」との違いは、まとめると以下の通りです。
- DACチップを「ES9219C」に変更
- MQAをサポート
- 「USBオーディオアダプターモード」へ1ボタンで切り替えることが可能に
- USB-C to USB-Cケーブルが付属品に追加
- 外観デザインを変更
- ソフトウェアフィルターが6→2に変更
MQAに対応だったり、USBモードの変更可能による他の機器との接続、付属品の追加など、他の機器や音源との連携が向上したような感じですね。
マイナーチェンジという感じなので、前機種をお持ちの方は買い換える必要まではありませんが、これから購入される人はBTR5 2021のほうがおすすめです。
概要はこれくらいにして、実機をチェックしていきましょう。
FiiO BTR5 2021 外観・付属品
BTR5 2021 のパッケージはこちら。遊戯王のスーパーレアカードのような光沢感があります。今回は初回限定のパッケージなので、Lightningケーブル付きです。
開けてみるとこんな感じ。本体パッケージと、初回限定版のLightning to USB-Cケーブルのパッケージの2つが同封されています。
- USB-C to A ケーブル
- USB-C to C ケーブル
- Lightning to USB-Cケーブル(初回限定)
- クリップ
- マニュアル
USB-C to Cケーブルなど他の機器に接続するのに必要なものは付属していますね。
現行だとLightning to USB-Cケーブルは同梱されていないので、iPhoneと有線接続したい場合は別途購入する必要があります。
別途購入するなら、同メーカーというのもありFiiOのLT-LT1がおすすめですよ!
さらにクリップも付属しており、服やパンツに引っかけて使えたりします。側面はガラ空き仕様なので本体の保護目的ではそこまで使えなさそうです。
本体は縦長の筐体で、いかにもオーディオガジェットという感じの無骨なデザイン。
厚みもなく胸ポケットにもすっぽりと収まってくれますね。
側面には電源・再生/停止・音量ボタンがそれぞれ備わっています。
逆側には技適マークがしっかりと入っています。安い並行輸入品を買うと、この技適マークがついていない可能性もあるので注意ですよ。
国内でも安心して使える国内正規品を購入しましょう。
底面には充電および、データ転送用のUSB-C端子が備わっています。
表面にはNFCタグも備わっており、対応スマートフォンだとここにタッチするだけでペアリングができます。iPhoneは対応していないけどね!
背面にはハイレゾロゴとMQAのロゴマークが記されています。
ちなみにBTR5 2021とライバル機であるiFi GO Blu、Shanling UP5と大きさを比べてみました。GO Bluがいかに小さいかわかりますね。
BTR5 2021はGO BluとUP5のちょうど間くらいの大きさです。十分コンパクトですよ。
最後に重さですが、総重量43.7g
GO Bluが27.1g、UP5が50.7gなので、BTR5 2021は重さもちょうど間くらいですね。
外観や付属品のチェックはこれくらいにして、実際にBTR5 2021を使っていきましょう。
FiiO BTR5 2021 レビュー
音質|味付けの少ないニュートラルサウンド
今回はXiaomiのredme note 9sとLDACで接続して検証しました。
BTR5 2021 の音質は味付けが少なくニュートラルな印象ですね。
音の特徴は次のとおりです。
- 音質:高音・中音・低音、それぞれの帯域が主張しすぎず、フラットな傾向。
- 音場:広すぎず狭すぎず、ふつうな印象。
- 傾向:とにかく味付けが少なくニュートラルなサウンド。
- 解像度:同価格帯のBluetoothアンプのなかでトップクラスに高め
得意なジャンル
- オールジャンル
良くも悪くも味付けが少なめなので、イヤホンの特性をそのままに引き出してくれます。
ワイヤレスとは思えない音の損失やノイズの少なさで、スマートフォン直結よりも普通に音が良いですね!
2.5mmバランス接続で音が良くなるのはもちろんのこと、3.5mmアンバランス接続でも音質はかなり良いですよ。
価格とワイヤレス接続ということを考えれば、コストパフォーマンスは非常に高く感じました。
有線接続でさらに高音質に
FiiO BTR5は付属のケーブルを使って有線DACアンプとしても使用できます。iPhoneとの接続も可能で、ハイレゾ音源も問題なく再生できています。
ワイヤレス接続時と比べると音の密度感や滑らかさがアップし、音の損失が少ない高純度のサウンドを体感できますね。
外ではワイヤレスで使って利便性重視、屋内ではパソコンと有線接続して据え置き環境でさらに高品質で視聴、なんてこともできますね。
iPhoneと有線接続する場合は、別途Lightning to USB-Cケーブルをご用意ください。FiiOのLT-LT1というケーブルがおすすめです!
UP5やGo Bluと音質を比べると?
ライバル機である「Shanling UP5」や「Go Blu」と比べると音質は一歩劣りますが、味付けが特に少なく、トゲのない音作りでニュートラルにイヤホンの特性を引き出してくれるように感じましたね。
他の2機種と比べると躍動感や華やかさに欠けるため、聴いていて「心地よい!」「楽しい!」という感覚は少なく感じるかもしれません。
ただ、BTR5 2021の価格はGo Bluと比べると1万円ほど安いため、コスパは非常に高いようには感じますね。
「一度Bluetoothアンプを試してみたい!」というDACアンプ初心者の方にはお勧めできるように感じました。
携帯性|クリップが便利
BTR5 2021の本体サイズは小ぶりで、スマートフォンと一緒に持ち運んだとしてもポケットの中が渋滞になりにくいですね。
携帯性はかなり良い方かと思います。
また、付属でクリップが付属しているため、バッグやシャツ、ズボンに挟み込んで運用することも可能。
ポケットに入れておくと座るときに下敷きにしてしまったり、そもそも重みを感じることもあって、意外と気になるんですよね。
クリップを使って服のボタンとボタンの間くらいに挟んでおくと、BTR5の存在を忘れた状態で音楽に没頭できますね!
Go Bluにもこんなクリップが欲しかった。
操作について
BTR5 2021は本体のみで「再生・停止」「音量調整」「曲送り」などあらゆる操作が可能です。
操作方法一覧は以下の通り。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | 再生ボタンを1回クリック |
曲送り | 音量+ボタンを2秒間長押し |
曲戻し | 音量-ボタンを2秒間長押し |
ボリューム調整 | 音量ボタンをクリック |
音声アシスタント | マルチファンクションノブ(2)を長押し |
サウンドエフェクト設定 | サウンドエフェクトボタン(3)をクリックごとに切り替わる |
ペアリング | 再生ボタンを5秒間長押し |
メニュー(ゲイン調整など) | 電源ボタンを2秒間長押し |
電源ON/OFF | 電源ボタンを5秒間長押し |
ボリューム部がダイヤル式ではなくボタン式なので、1レベルずつの確実な音量調整が可能です。個人的にはダイヤル式の方が好きですけどね。
一つ一つのボタンも出っ張っているので、操作がしにくいということも感じませんでしたね。
操作性に関しては特に不満なしといったところです。
本体のみでゲイン調整やEQ設定も可能
BTR5 2021は本体のみでゲイン調整やEQ設定も可能です。
電源ボタンを「電源が切れない程度に2秒間長押し」をすることによってカスタムメニューを開くことができます。
本体のみでできる設定は以下のとおりです。
- デジタルフィルター→「Hybrid fast roll-off」「Fast roll-off」の2種類。Hybridのほうが音が華やかになる気がする
- EQ→「JAZZ」や「POP」などあらゆるイコライザー設定が可能
- 充電→USB接続時に充電するかしないかを選べる
- 車載モード→車のアクセサリー電源と連動する
- ディマー調整→画面の明るさを6段階で調整できる
- USB-AUDIOモード→「1.0」「2.0」から選べる。1.0であればSwitchなど他の機器との接続が可能。
- ゲイン→「ローゲイン」と「ハイゲイン」の2種類から選べる。ヘッドホンを鳴らす場合はハイゲインがおすすめ。
色々触ってみたのですが、デジタルフィルターの変化が顕著にあらわれますね。
Hybrid fast roll-offにすると、物足りなかった音の味付けが少し加えられたように感じ、華やかさが表現されるようになったように感じましたね。
それ以外はゲイン設定くらいしか使わないかな? とは感じましたね。
アプリ|かなり細かい設定が可能
BTR5 2021は「FiiO Control」というアプリに対応しており、アプリ内でかなり細かいカスタマイズが可能です。
上記のトピックでお伝えした「ゲイン設定」「フィルター設定」はもちろんのこと、Bluetoothコーデックの設定そしてヘッドホンに合わせた「負荷設定」や「歪み最適化」などの設定が可能です。
歪み最適化の項目は色々いじってみたけど音の変化は感じず……。まだ調整中の部分が多いのかしら?
使いこなせない機能が多かったので、試聴会とかでメーカーさんに詳しく話を聞いた方がよさそうですね……。
FiiO BTR5 2021 まとめ
総合評価
4.5/5
BTR5 2021
- 味付け少なめのニュートラルなサウンド
- ノイズ感がとにかく少ない
- 有線接続で据え置き環境でも使える
- 付属のクリップが便利
- 4.4mmバランス端子がついていない
4.2
音質
4.0
操作性
3.5
バッテリー
4.8
利便性
- ワイヤレスで使える高音質DACアンプを探している
- 据え置き環境でも使いたい
- できるだけコストパフォーマンスが高いモデルがほしい
BTR5 2021 はBluetooth対応DACアンプとしてはかなりの実力で、ワイヤレス環境下であってもスマートフォン直差しよりもさらに高音質で聴けるように感じました。
ライバル機である「iFi Go Blu」や「Shanling UP5」と比べても価格差のわりに実力はそれほど離れておらず、ほぼ同レベルのサウンドクオリティをのようにも感じましたね。
4.4mmバランス端子がついていないのは残念ですけどね。
ただ、これだけの機能性や音質の良さを備えつつ17,000円で買えるのだから、コストパフォーマンスは非常に高いと思いますよ。
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