FiiO BTR13 レビュー|約1万円で4.4mm接続対応!超お手軽Bluetooth対応DAC爆誕

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

DACやDAPなどで有名なオーディオブランド「FiiO」から、新たなBluetooth対応DAC「BTR13」が登場しました。

こちらは4.4mmバランス接続にも対応しつつ、Cirrus Logic社DAC「CS43131」をデュアルで搭載、LDACやaptX Adaptiveにも対応して価格は11,990円!

4.4mmのバランス接続に対応したBluetoothDACとしては国内だと最安かと思います。

以前紹介したDAPがいらなくなる子「BTR7」が30000円ほどだったんで、同じバランス接続対応のBluetoothDACとしてBTR13がいかに安いかがわかるかと思います。

今回はレビュー用にe☆イヤホンで購入してきたので、近い価格帯のドングルDACやBTR7と比べながら、どれほどの実力か検証していきましょう。

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
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FiiO BTR13 外観・付属品

FiiO BTR13のパッケージはこちら。ミントグリーンのカジュアルなデザインですね。最近のFiiOのパッケージはかわいい。

開封するとこんな感じ。

付属品一覧
  1. スクリーンプロテクター(出荷時に貼付済み)
  2. USB Type-Cケーブル
  3. ストラップ
  4. マニュアル

本体はいつものFiiOらしい装飾感のないシンプルなデザイン。

BTR7やGo Blu、KA13と比べるとこんな感じ。Go Bluが小さすぎるだけだけど、BTR13もかなりコンパクトなほうですよ。

左からBTR13、KA13、Go Blu、BTR7

側面にはペアリングボタン、電源ボタン、音量ボタン、そしてモードの切り替えスイッチがあります。

この切り替えスイッチによって、Bluetooth接続、スマホとの有線接続、パソコンとの有線接続、それぞれワンアクションで切り替えられるようになります。

有線接続も気軽に切り替えられるのはイイですね!

そして今回は本体自体にクリップがついています!

今までのBTRシリーズは機種によって専用のケースを購入する必要があったりもしましたが、今回は本体と一体型になりましたね。

ただ折れてしまったら本体ごと修理する必要がでてきますので、取り扱いには注意。

底面には充電兼有線接続用のUSB-C端子。

天面には3.5mm / 4.4mmのイヤホンジャックが備わっています。抜き差ししてもジャックがガリガリと削れる感じもなく、わりとスルスルと挿入できます。Go Bluとかマジで4.4端子を頃しにかかってくるからな。

それにしても、約1万円のBluetooth対応DACで4.4mm端子を備えているのはスゴイ。

海外まで探せば他にも選択肢はあるかもしれませんが、技適が付いていない可能性もあるので怖いんですよね〜。

BTR13はちゃんと国内代理店を通しているので、技適周りは安心です。ただ、海外から直輸入する場合は技適がついていないこともあるので注意。

重さは29.0。BTR7が60gほどなんで1/2くらいの軽さです。

FiiO BTR13 概要・スペック

FiiO BTR13の特徴はこちら。

SpecBTR13BTR15BTR7
BluetoothチップQCC5125QCC5125QCC5124
DACチップCS43131 x2ES9219MQ x2ES9219C x2
Bluetoothバージョン5.15.15.1
対応BluetoothコーデックAAC/SBC/aptX/aptX LL/aptX Adaptive(48kHz / 24bit)/aptX HD/LDACSBC/AAC/aptX/aptX LL/aptX Adaptive/aptX HD/LDACSBC, AAC, aptX, aptX LL, aptX HD, aptX Adaptive, LDAC
USB DAC対応サンプリングレートPCM 96KHz/16bitPCM 384KHz/32bit,
DSD256(Native)
PCM 384KHz/32bit,
DSD256(Native)
ディスプレイ0.96インチ カラーIPS液晶0.96インチOLED1.3インチIPSカラースクリーン
ヘッドホン出力3.5mmシングルエンド + 4.4mmバランス3.5mmシングルエンド +
4.4mmバランス
3.5mmシングルエンド + 4.4mmバランス
サイズ63.2 x 30 x 18.8mm72.2 x 32 x 12.5 mm83.6 x 39.6 x 14.6 mm
重量28.6g37.3g68g
連続再生時間約8時間最大約8時間3.5mm:約9時間,
4.4mm: 約8時間
出力 (32Ω)3.5mm:100mW + 100mW,
4.4mm:220mW + 220mW
3.5mm:125mW + 125mW,
4.4mm: 340mW + 340mW
3.5mm:160mW+ 160mW,
4.4mm: 320mW+ 320mW,
S/N比≥128dB(A特性)3.5mm: -120dB,
4.4mm:122dB
3.5mm:118dB,
4.4mm:115dB
ノイズフロア3.5mm:<1μV(A特性),
4.4mm:<1μV(A特性)
3.5mm:2μV以下,
4.4mm:2.7μV以下
3.5mm: 3μV以下
4.4mm:5.5μV以下
THD+N<0.0018%(1kHz/-4dB@32Ω)3.5mm:0.0008%未満,
4.4mm:バランス: 0.0008%未満
3.5mm: 0.00055%未満,
4.4mm: 0.00048%未満
付属品スクリーンプロテクター、USB Type-Cケーブル
ストラップ
USB Cケーブル、A to Cアダプター、バッククリップ、クイックスタートガイド保護ケース、USB Type-C to Aケーブル、USB Type-C to Cケーブル、クイックスタートガイド
価格11,990円19,800円32,200円ほど

FiiO BTR13 レビュー

音質|スマホ直差しよりも確実にパワーアップ

FiiO BTR13の音質ですが、スマホや変換アダプター直差しよりは確実に良いと思えるほどの実力はあるかと感じました。

検証環境
  • スマホ:Xperia1Ⅵ
  • 接続方式:Bluetooth LDAC(990kbps)
  • アプリ:Apple Music
  • イヤホン:Sivga Que(3.5mm)、AZLA HORIZON II(4.4mm)、DUNU Davinci(4.4mm)

音の特徴は次のとおりです。

音の特長

3.8

音質

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

音の傾向はFiiOらしいTHE・ニュートラルなサウンドという感じでしょうか。

最近のFiiOらしく音も硬くなりすぎずに味付けは少なめでありつつも味気のなさはなく、楽曲が意図する雰囲気を自然に伝えるような音作りです。

イヤホンの特性を崩しすぎず、FiiOらしいニュートラルな音をイヤホンに乗せて伝えてくれます。

ただ、ニュートラルなはずなんですけど、パッと聴きで「FiiOらしい!」と感じるような謎のクセみたいなものもありますね。なんでしょうねコレ。

Bluetooth接続特有の音の輪郭の荒さも感じにくく、ホントにワイヤレスなの?と思うくらいの緻密で繊細な音を描いていくれます。

Xpeira1Ⅵもスマホとして音質は相当良い方ではあるのですが、BTR13をBluetooth経由で聴いた方が一音一音に芯とメリハリ感のあるサウンドで楽しませてくれるようになります。

Xperia1Ⅵ直差しの場合は有線接続ならではの緻密な音にはなりますが、BTR13と比較すると音が緩く感じてしまいますかね。多少音が荒くなってもBTR13経由で聴いた音の方が好みでしたね。

iPhone 15 ProでもAAC接続で聴いてみましたが、やはりLDAC接続時と比べると音の緻密さ歯切れの良さ、解像度感には劣るような印象です。

ただ、Bluetooth特有の音の雑味のようなものは感じにくく、それでいてXperia1Ⅵの比較時と同様に変換アダプターを介して聴いた時よりもメリハリ感のある音に仕上げてくれます。

簡素な変換アダプターよりも音質は全然良く感じるかと思います。

出力はどう?

出力面でもある程度は確保できるようで、バランス接続であれば大体のイヤホンであれば鳴らし切れると思います。

3.5mm接続だとやや出力が足りないと感じることが多く、final A5000だと躍動感を出すためにもう少し出力が欲しいと感じましたね。Sivga Queくらいならちょうど良かったです。

ヘッドホンだとTAGO STUDIO T3-01のバランス接続くらいであれば鳴らしきれそうですね。

有線接続すると?

USB-Cで有線接続でも聴いてみましたが、やはり比べると有線接続の方が音質が良いと感じますね

有線・Bluetoothで交互に聴き比べると、有線接続の方が細部にかけて音情報がミチっと詰まっているような感覚があります。

ただ、スマホに繋がった状態になってしまうので、スマホ自体の利便性が悪くなってしまうのが欠点。

屋外でスマホをフリーにしつつ、気軽に有線イヤホンを聴きたい時はBluetooth接続。

自宅やカフェなどゆったりできるところでは、有線接続で聴くといった二刀流で使える点がBTR13の魅力の一つかと思います。

パソコンに接続すれば、据え置きのDACアンプとしても役に立ってくれますよ!

他のDACと比べると?

他のBluetooth対応DACやドングルDACとも比較してみました。BTR15は所持していないです、すみません。

FiiO BTR7と比べた場合

BTR7とも比べてみましたが、さすがに音の深みやレンジの広さ、情報量の多さなど全体的に敵わない面もありますね。

BTR7を一言で表現するなら「DAPいらん」でしたが、BTR13は「これでええやん」って感じの実力ですね。約1万円のBluetoothDACとしては十分すぎる音質の良さです。

FiiO KA13と比べた場合

まず、FiiOの12000円ほどで買えるドングルDAC「KA13」と比べた場合ですが、USB-Cの有線接続で比較してもやはりKA13の方が良いですけど、そこまで大きな違いはないようにも感じましたね。

出力はKA13の方がバランス接続時で最大550mW@32Ωまで出せるので、ヘッドホンをしっかり駆動したい場合はKA13の方がよいかもしれませんが、イヤホンを出力するくらいならBTR13でも十分です。

音の傾向はどちらもFIiOらしさがありつつも、KA13の方が濃密、BTR13の方が軽快という印象ですかね。

その他のドングルDACと比べると

その他にも水月雨の9900円で買えるドングルDAC Dawn Proとも有線接続同士で比べてみましたが、音の傾向の違いはあれど音質に大きな違いはないように感じましたね。

iBassoのDC04Proと比べると、さすがに解像度など全体的に負けてしまうような感覚がありました。

BTR13はBluetooth機能はついているとはいえ、ドングルDACとしても価格相応の実力があるように感じましたね。

操作性は

操作性も特に問題なく、再生停止・音量調整・曲送りなど網羅的に操作を行えます。

音量調整もスマホ側と独立して行えるので、感度の高いイヤホンと組み合わせても細かな音量調整もしやすいです。

操作性周りは不満なしですね。

アプリや設定でできること

アプリでできること
  • アイドルパワーオフ
    →未接続状態から自動でパワーオフにする時間の設定
  • Bluetoothコーデックを選択
    →aptX-HD、aptX-LL、aptX、LDAC、AAC、aptX Adaptiveから選択可能
  • ボタン設定
    →音量ボタン長押し、または音量ボタン2回押しで曲切替えの設定ができる
  • メニュー操作
    →電源ボタンの1秒長押し、電源ボタンの2回押しから選択可能
  • 画面点灯
    →いずれかのボタン、電源ボタンのみから選択可能
  • イコライザー設定
  • Audio設定
    →音量制限、ボリューム、トーン音量、通話音量、左右のバランスの設定が可能
  • 説明
    →各ボタンや端子の説明、全部英語だけど
本体設定でできること
  • CHGPR
    →充電を最大80%で止めてバッテリーを保護する設定
  • Gain
    →HighとLowから選択可能
  • EQ
    →OFF、JAZZ、POP、ROCK、DANCE、R&B、CLASS、HIP-HOP、USER1/2/3から選択可能
  • CARMODE
  • DIMMER
    →画面の明るさ
  • OFF-DIS
    →ディスプレイが消灯するまでの時間設定
  • PAIR2D
    →マルチポイントのON/OFF設定
  • LANGUAG
    →言語設定「英語」「中国語」から選択可能
  • RESET
    →リセット
  • VER
    →バージョンの確認

アプリで全ての設定ができるというわけではなく、アプリ・本体それぞれでしか設定できない項目もいくつかあります。

イコライザーは10バンドに対して±12dBを0.1刻みで超細かく設定できます。

自分好みの音に仕上げるために追い込みたい方には、とても使いやすいイコライザーになっているかと思います。

マルチポイントは使えるが

マルチポイントにも対応していまして、LDACとの併用も可能になっています。

ただ、LDACとの組み合わせは相性が悪いみたいで音が途切れ途切れになってしまうことが多いです。LDACの990kbpsで安定した音で聴きたい場合はマルチポイントをOFFにすることをおすすめします。

コーデックは「LDAC」「aptX Adaptive」どっちがいい?

アプリで「LDAC」「aptX Adaptive」のどちらのコーデックで接続するかの設定もあったので聴き比べてみましたが、BTR13についてはLDACの方が個人的には良かったですかね。

aptX Adaptiveは48kHzまでしか対応していないのか、スマホで96kHzの設定に変えても音の変化がありませんでした。

LDACの990kbpsでも音途切れはほとんどないですし、こちらの方が音も良く感じましたね。

ただ、合わせるスマホやDAP次第だと思いますので、接続が途切れにくくて音質が良いコーデックはどれなのか自身でいろいろ試してみてください。

気になる点は?

最後に気になる点やイマイチな点ですが、とくにないんですよね〜。

強いていうなら、再生を止めていれば自動で電源OFFになってくれたら嬉しいくらいですかね? といっても待機中はバッテリーがそこまで減らないので、こちらもあまり気にならなかったり。

う〜ん、気になる点ないかも。ないです。

FiiO BTR13 まとめ

総合評価

5/5

BTR13

  • スマホやPCの音を気軽に高音質化できる
  • 約1万でBluetoothと4.4mmバランスが使える
  • 有線・無線・据置、あらゆるシーンで使える
  • LDAC/aptX Adaptive両対応
  • 本体のみでゲインやEQなど細かな設定が可能
  • 本体がとても小さくて携帯性が高い
  • クリップ付き
  • とくになし

3.8

音質

4.5

携帯性

4.0

拡張性

4.5

利便性

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り
こんな人におすすめ
  • 初めてスマホ向けのDACを購入するのを検討している
  • 有線イヤホンをもっと高音質で聴きたい
  • 4.4mmバランス接続を試してみたい
  • ドングルDACだとスマホの利便性が悪くなるのが気になる
  • 予算は1万円ほど

もう少し予算をあげてでも音質や出力を高めたい方はBTR15

Bluetoothで妥協のない音質を手に入れたい方は、中古のBTR7や海外のオーディオイベントでも展示されていたBTR17の発売を待っても良いと思います。

ただ、できる限り予算を抑えて音質の良いBluetoothDACが欲しい方や、初めてだからどれを買えばわからないという方はBTR13を選んでおいてOKだと思います。

かなり完成度の高い製品だと思いますので、有線イヤホンを気軽に高音質で聴きたい方はぜひ検討してみてください。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 本体設定のCHGPRは充電時の最大充電容量を80%までに制限してバッテリーを保護する設定ですよ〜

  • EQがプリセット以外にも、ダウンロード出来るのもなかなか良いとこだと思います。
    自分は「g」をダウンロードして少し自分好みに設定しました。

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