こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回は2023年10月に発表されたBoseの最新ワイヤレスヘッドホン「QuietComfort Ultra Headphones」をレビューします。
前回レビューした「QuietComfort Ultra Earbuds」とほぼ同タイミングでBoseさんからプレゼントしてもらっていたのですが、1ヶ月近くじっくり使っていました。
今回はワイヤレスヘッドホンの中でも特に人気の高い「SONY WH-1000XM5」や「SENNHEISER MOMENTUM 4 Wireless」との比較や、同時発売された「Bose QuietComfort Headphones」との比較もしていきます。
結論から総合力で言えば、QuietComfort Ultra Headphonesが一番よかったです!
というか、2023年ワイヤレスヘッドホンのNo.1候補かも。
ただ、各製品のメリットやデメリット、音の傾向の好みなどで人によっておすすめが変わるかもしれません。
あくまでボクの一意見として参考にしていただければと思います。
動画版はこちら
Bose QuietComfort Ultra Headphones、WH-1000XM5、MOMENTUM 4 Wireless 徹底比較
外観比較
まずは外観をチェックしていきましょう。
4つ並べてみるとこんな感じ。
どれもカッコイイような、そんなにカッコよくないような……。
正直デザインだけで見れば優劣はつけ難い感じです。
QuietComfort Ultra Headphonesも悪くはないのですが、アーム部のグレーっぽい配色がそんなに好きじゃないかなー。オールブラックの方が好きでした。
QuietComfort HeadphonesはQuietComfort45からのデザインを踏襲されているような感じで、どちらかといえばこのデザインの方が好き。電源ボタンの配置は微妙だけど。
WH-1000XM5はパッと見はスマートなんですが、ハウジングの厚みがあるのが気になるんですよね。
MOMENTUM 4 Wireless、お前のハウジングの溝だけは一生許さん。
アーム部分はQuietComfort Ultra Headphones、WH-1000XM5、MOMENTUM 4 Wirelessは無段階で調整可能、QuietComfort Headphonesだけ段階式でカチカチと調整するタイプですね。
イヤーパッドはQuietComfort Ultra Headphones、QuietComfort Headphones共に違いはなく、どちらもモチモチふわふわで非常に質感が良いですね。
MOMENTUM 4 WirelessやWH-1000XM5もかなりモチモチです。価格だけはあってどの製品も質感は良いですね。
ヘッドパッドはQuietComfort Ultra Headphonesは非常に肉厚でモチモチ。QuietComfort HeadphonesはUltraと比べると少しパッドが薄い印象で、頭頂部付近しかパッドで覆われていません。
WH-1000XM5は少し硬めの素材感でややパッドもやや薄め。MOMENTUMは平均的な柔らかさといったところでしょうか。
ヘッドパッドの質感はQuietComfort Ultra Headphonesが一番良いと思います。
デザインだけでは正直優劣つけがたいというか、どれもふつうですかねー。
最後に重さですがQuietComfort Ultra Headphonesは約250g。QuietComfort Headphonesは約235g
WH-1000XM5は約248g、約MOMENTUM 4 Wirelessは292g。
MOMENTUM 4 wireless以外は重さに差はそこまでなく、ヘッドホンにしては軽量です。
キャリングケースの比較
各モデルキャリングケースも付属します。
QuietComfort Ultra HeadphonesとQuietComfort Headphonesのキャリングケースはとてもコンパクトで、バッグにも収納しやすいサイズ感です。
WH-1000XM5はでかい。とにかくでかい。そして妙に剛性が低い。
バッグによってはうまく収納できないので、携帯性はイマイチ。
MOMENTUM 4 Wirelessのケースが見つからなかったので、過去のレビューから画像を引用しましたが、WH-1000XM5と同様の大きさです。
こちらもやや大きいので、バッグによっては収納できない場合があります。
ケース込みでの携帯性はBoseが一番良いと思います。
スペックを比較
各製品のスペックも比較しました。以下の表では前作のQuietComfort 45も比較に加えています。
スペックを比較
項目 | QuietComfort Ultra Headpones | QuietComfort Headphones | QuietComfort 45 | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
---|---|---|---|---|---|
Bluetooth | 5.3 | 5.1 | 5.1 | 5.2 | 5.2 |
ドライバー | 不明 | 不明 | 不明 | 30mm | 42mm |
コーデック | SBC / AAC / aptX Adaptive (48kHz / 24bit) | SBC / AAC | SBC / AAC | SBC / AAC / LDAC | SBC,AAC,aptX aptX Adaptive(96kHz/24bit) |
ノイズキャンセリング | 対応 レベル調整対応 | 対応 レベル調整対応 | 対応 | 対応 レベル調整対応 | 対応 |
外音取り込み | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
自動装着検出 | 対応 | 非対応 | 非対応 | 対応 | 対応 |
音楽再生時間 | 最大24時間 (NC ON時) (イマーシブオーディオでは最大18時間) | 最大24時間 (NC ON時) | 最大22時間再生 (NC ON時) | 最大30時間 (NC ON時) | 最大60時間 (NC ON時) |
イマーシブオーディオ (3Dオーディオ) | 対応 | 非対応 | 非対応 | 360 Reality Audio対応 | 非対応 |
充電時間 | 約3時間 | 約2.5時間 | 約2.5時間 | 約3.5時間 | 約2時間 |
急速充電 | 15分充電 で約3時間の再生 | 15分充電 で約3時間の再生 | 15分充電 で約3時間の再生 | 3分の充電で約3時間の再生 | 5分で4時間動作 |
充電端子 | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
アプリ | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
マルチポイント | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
Google Fast Pair | 対応 | 非対応 | 非対応 | 対応 | 非対応 |
価格(税込) | 59,400円 | 46,200円 | 39,600円 | 59,400円 | 54,890円 |
QuietComfort Headphones以外はLDACとaptXコーデックという違いはあれど、どれも高音質コーデックに対応。
Boseの弱点は、他のモデルと比べて再生時間が短いという点でしょうか。
24時間でも不便はないですが、MOMENTUM 4 Wirelessは充電を気にしなくてもしばらく使えるので、充電の頻度が少なくなるのが強みですねー。
Androidユーザーの場合「Google Fast Pair」に対応している機種であれば、ペアリングやデバイスの切り替えも簡単にできます。
スペックはQuietComfort Headphones以外は大きな違いはなし。
というかノーマルのQuietComfort Headphonesのコスパ悪くね?
装着感|僅差だがBoseがよかった
個人的に装着感が一番良いと感じたのは「QuietComfort Ultra Headpones」でした。
ただ、どの製品も優秀ではあります。
QuietComfort Ultra Headponesの装着感について
QuietComfort Ultra Headponesは耳周り・頭頂部どちらにも負荷がかかりにくくて、ずっと装着していても耳が痛くなりにくいですね。
ただQuietComfort Ultra Headponesはハウジング90度にしか回すことができないため、首にかけてハウジングを回転させるとドライバー部分が前を向いてしまうんですよね。
ファッション的にもダサい感じになるのでこの仕様がイマイチ。なんか理由があったような気がしますが忘れました。
また、装着するだけで自動で電源がONになるのも嬉しいポイントです。24時間以内なら装着するだけでスリープモードを解除できるみたいですね。
QuietComfort Headphonesの装着感について
QuietComfort Headphonesもかなり良好ではありますが、頭頂部への負担はUltraの方が少ないように感じました。
WH-1000XM5の装着感について
WH-1000XM5も軽快な装着感ではありますが、QuietComfort Ultra Headponesと比べると頭頂部への痛みが早く発生しやすい印象です。
あと、やっぱり前から見た時のハウジングの出っ張りが気になる。
MOMENTUM 4 Wireless
MOMENTUM 4 Wirelessも装着感は良いですが、この4つの中で比べるとガッツリ目の装着感。
MOMENTUM 4 Wirelessも自動で電源がONになる機能があるのですが、こちらは手で持ったり、少しでも動かしたりするだけで電源がONになって自動で接続されてしまいます。
MOMENTUM 4 Wirelessしか使っていないなら便利ですけど、他の製品と併用している場合は勝手にMOMENTUM 4 Wirelessに繋がってしまってメンドイことがあります。
総合的にみて、QuietComfort Ultra Headponesの装着感が一番よく感じました!
というか、ワイヤレスヘッドホンの中ではおそらくトップクラスの装着感の良さかと。
装着感を比較
製品名 | QuietComfort Ultra Headpones | QuietComfort Headphones | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
装着感 | (4.9) | (4.8) | (4.7) | (4.8) |
音質で選ぶならMOMENTUM 4 Wireless!
次に音質の比較ですが、どれが一番良いかと言われたらMOMENTUM 4 Wirelessですね!
この4つの中では一つ上のレベルにあると思います。
QuietComfort HeadponesとQuietComfort Ultra Headponesの音質について
各音のイメージとしては次のとおりです。
4.4
高音
4.4
中音
4.5
低音
4.6
高音
4.5
中音
4.6
低音
QuietComfort Ultra Headponesの音質も今回かなり気に入ってます。
QuietComfort Headphonesは従来のBoseらしい柔らかくて聴き馴染みの良いウォームな音で、ボーカルラインは少し遠めに感じます。
というかQuietComfort Headponesは価格に対して音質のコスパが悪いような……。
QuietComfort Ultra Headponesに変えると良い意味でBoseらしくない歯切れが良くクリアな音になりました。
また、aptX Adaptiveに対応したので対応スマホで聴けば、より解像度感を緻密に感じられますね。
この解像度感の高さもいい意味でBoseらしくないです。
今までBoseの音が苦手だった人にも聞いて欲しい音のバランスに変化していますね。
基本どんなジャンルでもいけますが、ボーカルが前に出やすなった分、ポップスを楽しみやすくなりましたね。
またBoseのどの製品にも言えることなのですが、小音量時でも音痩せせず、豊かな音で楽しめる点も評価しています。
BGM感覚で音楽を聴きたい時に、Boseが一番スピーカーで聴いているかのようにしっとりと聴かせてくれるんですよね。
WH-1000XM5の音質は?
4.5
高音
4.5
中音
4.5
低音
QuietComfort Ultra Headponesと比べると、ほぼ同等クラスかやや下くらいのような印象ですね。
QuietComfort Ultra Headponesの方が高域がもう少し華や伸びがあり、低域の解像度感も高めで、音場も広めに感じます。
低域の迫力はWH-1000XM5の方があるように感じますが、立体感はQuietComfort Ultra Headponesの方が上です。
WH-1000XM5は発売当初こそ高音質に感じましたが、それ以降WH-1000XM5よりもさらに音質の良いモデルが多く発売されてきた印象を受けますね。
といっても、よっぽど音質にこだわりがあったり、今回のレビューのように細かく比較したりしなければ、ふつうに良い音と感じるとは思います。
ただ、ボクは間違いないレベルでQuietComfort Ultra Headponesの方が好みです。
MOMENTUM 4 Wirelessの音質
4.8
高音
4.8
中音
4.9
低音
MOMENTUM 4 Wirelessはこの中でまた1ランク上の実力と感じましたね。
QuietComfort Ultra HeadponesやWH-1000XM5と比べても解像度感が1ランク高く、楽器のディテールも緻密に再現しますね。
また、ゼンハイザーにしては迫力たっぷりで、重厚な低音を脳内に響かせてくれます
これだけダイナミックでパワフルなサウンドでありつつも野暮ったさは全然なく、繊細で響きの良い表現もできるあたり、さすがゼンハイザーといったところです。
大編成のオーケストラからジャズ、ハードロック、ヒップホップまで、あらゆるジャンルをこなせます。
MOMENTUM 4 Wirelessはハイレゾオーディオモードという96kHz / 24bitの再生が可能になるモードも搭載しているのですが、なぜかイコライザーとの併用ができません。
このイコライザー機能も素晴らしいのですが、併用できないのが残念。
ちなみにイヤホンのMOMENTUM True Wireless 3では併用できます。意味不。
音質を比較
製品名 | QuietComfort Ultra Headpones | QuietComfort Headphones | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
高音 | (4.6) | (4.4) | (4.5) | (4.8) |
中音 | (4.5) | (4.4) | (4.5) | (4.8) |
低音 | (4.6) | (4.5) | (4.5) | (4.9) |
音質だけで選ぶならMOMENTUM 4 Wireless、音の好みだけで選ぶとしてもMOMENTUM 4 Wirelessですかね。さすがゼンハイザー。
QuietComfort Ultra HeadponesとWH-1000XM5と音質だけで選ぶならどっちがおすすめ?と言われたら、音質でも音の好みでも間違いなくQuietComfort Ultra Headponesを選ぶと思います。
今までのQuietComfortシリーズのような輪郭が柔らかめで少しボーカルが遠めの音が、ここまでクリアで歯切れの良い音を出すようになるのは意外でしたね。
一聴して、今までとは違うBoseの音を楽しめると思いますよ。
有線接続で比較すると?
ちなみに有線接続で比較してもMOMENTUM 4 Wirelessが一番よかったですね。
というかUSB接続で使えば、MOMENTUM 4 WIrelessの解像度感が向上して、さらに音質に磨きがかかります。
BoseはUSB接続だと電源が自動でOFFになるため、付属のヘッドホンケーブルでしか接続できません。
音も基本Boseのチップ内で作られているみたいで、ワイヤレス接続時とそこまで音質は変わらないように感じますね。
WH-1000XM5はUSB接続には対応しておらず、ヘッドホンケーブルでの接続のみとなります。音質も電源ONにした状態のほうが音質は良いですが、ワイヤレスとの差異はそこまで感じないという印象です。
有線で比較したら、MOMENTUM 4 Wirelessが追従を許さない感じになりました。
イコライザー機能は?
イコライザー機能の優秀さで比較すると、
MOMENTUM 4 Wireless > WH-1000XM5 > Bose2機種
という感じでしょうか。
MOMENTUM 4 Wirelessにはサウンドパーソナライゼーションモードという機能が備わっていて、自分の好みの音を聞きながらイコライザー設定ができます。
この機能はSONYよりも精度が高く、自分好みの音にドンピシャで当てられるような感覚はありましたね。
ただ、MOMENTUM 4 Wirelessの場合は、96kHz / 24bitに対応したハイレゾオーディオモードとの併用がなぜかできないので、ここが残園。
WH-1000XM5は2023年7月のアップデートでファインド・ユア・イコライザーという機能が追加されました。
こちらもゼンハイザーと同様にサウンドテストをしながら、自分にぴったりのイコライザー設定を見つける機能です。
個人的にはゼンハイザーの方が精度が高いように感じましたかねー。ただ、この機能もいい感じに自分好みの設定に合わせてくれます。
対してBoseは3バンドのカスタムイコライザーのみ。
やる気無し。
期待のイマーシブオーディオは?
音質だけで比較するならMOMENTUM 4 Wirelessですが、Boseにしかない強みとしてイマーシブオーディオが使えます。
これはAirPods Maxの空間オーディオのような機能を、どんな音源でも擬似的に使うような機能です。
レビューによっては「音を広げただけで不自然な音」と伝えている方もいますが、ふつうのステレオ音源ではそんな感じに聴こえます。
ライブ音源や映画・アニメなどを見る時はリアルな立体感や臨場感になりますね。
イマーシブオーディオで「ずっと真夜中でいいのに。」のライブ音源をYouTubeで見ていましたが、ノーマルモードで聴くよりもホール会場にいるかのようなリアルな残響感を引き出してくれますね。
アニメを見れば全てが劇場版のような臨場感になるので楽しいですよ。進撃の巨人とかイマーシブオーディオでぜひ見てほしいですね。
むしろイマーシブオーディオの方がリアル。アーティストのライブ配信を見る時なんかにも役に立つと思いますよ。
イマーシブオーディオは「静止」と「移動」の2つから選べます。
- 静止→現在自分が向いている方向を正面としてヘッドトラッキングを行う。3秒間くらい違う方向を向くと、その方向を正面とするように補正する。
- 移動→常時自分が向いている方向を正面としてヘッドトラッキングを行う。違う方向を向くと少しだけヘッドトラッキングが効いた後に、すぐにその方向を正面として補正する。
長年音響に携わってきたBoseということもあり、擬似的とはいえさすがの音響技術です。
ただ、イマーシブオーディオはQuietComfort Ultra Headponesの強みの”ひとつ”であって、”一番の強み”ではありません。
イマーシブオーディオ先ほど伝えた音質や装着感の良さ、そしてこの後紹介するノイズキャンセリングや外音取り込みなどの総合力がQuietComfort Ultra Headponesの強みです。
操作性比較|WH-1000XM5が一番直感的
操作性については、このなかではWH-1000XM5が一番よかったように感じました。
WH-1000XM5はスライド操作で直感的に操作可能
ソニーは再生停止・音量調整・曲送り・戻しまでタッチセンサーを指でスライドするだけで行えるので、一番直感的に操作ができます。
ノイズキャンセリングの切り替えボタンも左側に独立してボタンが配置されているので、間違えることもありません。
スライド操作時も「ポンッ、パンッ」と2回通知音が鳴って、スライドが認識されたかわかりやすいですね。
またマルチファンクションボタンを2回タップすることで、クイックアクション機能を使うことも可能。
ここでSpotify Tapを割り当てたら、2回押すだけでプレイリストを流してくれるので、適当に音楽を流したい時なんかにも使えます。この機能が結構好きです。
この3つの中ではWH-1000XM5が一番直感的に操作をしやすかったです。
QuietComfort Ultra Headponesはタッチセンサーが優秀
QuietComfort Ultra Headponesは再生停止・曲送り・曲戻し、ノイズキャンセリングの切り替えまで一つのボタンで行います。
ソニーより直感的には操作がしにくいような感覚で「どうやって操作するんだっけ?」と少し悩むことがありました。
ただ、音量調整は右ハウジングの側面にあるタッチセンサーをスライド操作するだけで一気に音量を上げたり下げたりできるので、ここは良いポイントだと思います。
また、このタッチセンサーを長押しすることでショートカット機能としても使うことができます。
設定できる項目は次のとおりです。
- バッテリー残量を音声で確認
- イマーシブオーディオを変更
- 音声アシスタント
- Spotifyの起動
イマーシブオーディオをアプリ経由ではなく、本体のみで切り替えられる点は一番高く評価しています。
空間オーディオ機能があっても、切り替えまでのアクセスが悪いと結局使わなくなってしまいますしね〜。
QuietComfort Headponesは良くも悪くもシンプル
QuietComfort Headponesは良くも悪くも物理ボタンオンリーなので、シンプルな操作性になっています。
再生停止・選曲まで基本操作はすべて行えます。
タッチセンサーの誤反応が嫌で物理ボタンの方が好きという方もいるかもしれませんが、ボクはヘッドホンに関してはタッチセンサー派ですね。
MOMENTUM 4 Wirelessもなかなか直感的
MOMENTUM 4 Wirelessの操作もソニーと同様にタッチセンサーをスライドするだけで操作ができます。
基本操作はSONYと変わらないのですが、ノイズキャンセリングの切り替えが「右側のハウジングを2回タップ」するというのだけ少し慣れない感じがありますね。
ノイズキャンセリングの切り替えといえば長押しか1タップみたいなイメージがあるので。
また、WH-10000XM5のようにスライド操作時に通知音が2回鳴ったりもしないので、同じ操作感とはいえWH-1000XM5の方が操作画しやすいように感じましたね。
操作性まとめ
操作のしやすさで順位をつけると以下の通りです。
- WH-1000XM5
- MOMENTUM 4 Wireless
- QuietComfort Ultra Headpones
- QuietComfort Headpones
ノイズキャンセリング|やはりBoseが一番
ノイズキャンセリング性能が一番高いのは、やはりQuietComfort Ultra Headponesでした。
間違いなくWH-1000XM5よりも遮音性は上でしたね。
装着した瞬間から周りの雑音がスッと消える感覚がWH-1000XM5よりも強く、高域から低域まで雑音を抑えられています。
ただ、意外とQuietComfort Headphonesとそこまで大きな差はないように感じました。あと、遮音性はイヤホンモデルの「QuietComfort Ultra EarBuds」の方が上です。
MOMENTUM 4 WirelessはWH-1000XM5よりやや下くらいの感覚ですかね。
ノイズキャンセリングが強すぎると感じた場合は、アプリでノイズキャンセリングを好みの強さに設定したオリジナルの設定も追加できます。
個人的にはノイズキャンセリングは常にMAXで問題ないかなと思いました。
ノイズキャンセリングを比較
製品名 | QuietComfort Ultra Headpones | QuietComfort Headphones | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
ノイズキャンセリング | (4.9) | (4.8) | (4.8) | (4.7) |
どの製品もノイズキャンセリング性能は高いですが、ヘッドホンで一番ノイズキャンセリングが強いものが欲しい方は、Boseを選んでおけば間違いないかと思います。
外音取り込み|Boseの自然さにビックリ
ノイズキャンセリング性能以上に驚いたのは、QuietComfort Ultra Headponesの外音取り込み性能。
耳に何もつけていないレベルにかなり近いくらい自然で、おそらくワイヤレスヘッドホンの中ではAirPods Maxに次ぐ2番目の実力。
QuietComfort Ultra Headponesを高く評価している理由はイマーシブオーディオでもノイズキャンセリングでもなく、総合力の高さと外音取り込みの自然さです。
音楽を止めていれば普段と同じような感覚で会話もできますし、ホワイトノイズも少なくて不快感も全然ありません。
小音量で音楽を流しておけば周りの音も自然に聴きつつ、自分だけに聴こえるBGMのような感覚で音楽にも浸れます。
この外音取り込みとイマーシブオーディオを組み合わせたら、まじで店内BGMのような感覚ですよ。
他の製品の評価は以下のとおりです。
外音取り込みを比較
製品名 | QuietComfort Ultra Headpones | QuietComfort Headphones | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
外音取り込み | (4.8) | (4.5) | (4.5) | (4.3) |
ノイズキャンセリングの比較ではQuietComfort Headphonesとの差異はそこまで大きくありませんでしたが、外音取り込みはQuietComfort Ultra Headponesの方が圧倒的に優秀です。
QuietComfort HeadphonesとWH-1000XM5の外音取り込みが大体同じくらいで、一番聞こえにくいのはMOMENTUM 4 Wirelessという感じでしょうか。
この中でボクが満足できるレベルの外音取り込み性能を持っているのは、QuietComfort Ultra Headponesだけでしたね。
接続安定性は?
QuietComfort Ultra Headponesの接続安定性もチェックしましたが、aptX Adaptiveでマルチポイントで接続しても安定している印象でしたね。
Boseのイヤホンだと接続が安定していなくて不安だったという方も、QuietComfort Ultra Headponesは僕が検証した限りでは安定していましたよ。
LDACの音質特化(96kHz / 24bit)で接続したWH-1000XM5や、MOMENTUM 4 Wirelessのハイレゾモード(96kHz / 24bit)の方が音途切れが多かった印象。
屋外で安定した接続性で使うなら48kHz / 24bitの可変モードが限界なんでしょうね。
ちなみにiPhoneでAAC接続であれば、どの製品も問題なしです。
マイク性能|WH-1000XM5が一番優秀
マイク性能も比較してみました。
それぞれの製品で録音してみましたので以下の音声を聞いてみてください。
QuietComfort Ultra Headpones
の音声をチェック
QuietComfort Headphones
の音声をチェック
WH-1000XM5
の音声をチェック
MOMENTUM 4 Wireless
の音声をチェック
マイク性能を比較
製品名 | QuietComfort Ultra Headpones | QuietComfort Headphones | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
マイク性能 | (4.5) | (4.0) | (4.9) | (4.7) |
マイク音声が一番優秀だと感じたのはWH-1000XM5でしたね。
バックのノイズキャンセリングを拾わずに、音声だけを浮き彫りにして、とても聞き取りやすい声を伝えてくれます。
次点としてはMOMENTUM 4 Wireless。声はWH-1000XM5よりもクリアに感じますが、風ノイズや雑音がWH-1000XM5と比べて少し入りやすい気がしました。
QuietComfort Ultra Headponesもマイク性能は決して悪くはないのですが、他の2機種と比べてマイクの音量が小さめなのが気になります。
QuietComfort Headphonesはマイクも小さめでノイズも少し入りやすいので、この中ではビリという感じでしょうか。
マイク性能で選ぶならWH-1000XM5ですねー。
音の遅延|接続コーデックによって変わる
音の遅延ですが、iPhoneでAAC接続だとどのモデルの違和感がないレベルでした。
ただ、QuietComfort Ultra HeadponesはXperia 5ⅣでaptX Adaptiveで接続すると、明らかなレベルでズレが発生することがあります。(しないこともあります)
WH-1000XM5のLDACやMOMENTUM 4 WirelessのaptX AdaptiveではYouTubeでは違和感がないレベルの遅延なのに、QuietComfort Ultra Headponesだけ遅延がやけに大きいです。
aptX Adaptiveで動画鑑賞をしようとしている方は要注意です。ただデバイスによる差もあるかもしれません。
それぞれ気になるところは?
それぞれ気になる点をまとめてみました。
製品名 | QuietComfort Ultra Headpones | QuietComfort Headphones | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
気になるところ | 再生時間が他モデルと比べて短い 操作時のクリック音が響く | 価格に対してノイズキャンセリング以外の性能は低め | 音質面はもう少し頑張ってほしい 前からみた時のハウジングの飛び出しが目立つ | 価格に対して外音取り込み機能はふつう ハウジングの溝が気になる |
QuietComfort Ultra Headponesは再生時間の短さと、操作ボタンの静音性が低くてクリック音が耳に響いてしまうのが苦手でしたね。
QuietComfort Headphonesは46000円という価格を考えるとノイズキャンセリング以外のコスパは低めです。セール時のQuietCofort 45を買った方が絶対いいです。
WH-1000XM5はコレ!といった弱点のようなものは少ないのですが、優等生すぎるような感覚で「良いけど愛機にはしないかな」という感じです。
ただ、1年半前の製品ではあるので比較すると他の製品の方が優れているのは仕方がないですね。
MOMENTUM 4 Wirelessも気に入っているのですが、外音取り込み機能が他の製品と比べて聞き取りにくいのが気になりましたかね。
あとはハウジングの溝は許さん。
比較まとめ
製品名 | QuietComfort Ultra Headpones | QuietComfort Headphones | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
総合評価 | (5.0) | (4.0) | (4.5) | (4.8) |
音質 | (4.6) | (4.4) | (4.5) | (4.8) |
装着感 | (4.8) | (4.7) | (4.7) | (4.7) |
ノイズキャンセリング | (4.9) | (4.9) | (4.8) | (4.7) |
外音取り込み | (4.8) | (4.3) | (4.5) | (4.3) |
マイク性能 | (4.5) | (4.0) | (4.8) | (4.7) |
利便性 | (4.7) | (4.5) | (4.8) | (4.7) |
良かった点 | ヘッドホン最強クラスのノイキャン性能 音質面も妥協なし イマーシブオーディオで臨場感のある音を体感できる 外音取り込み機能がかなり優秀 マルチポイント対応 コンパクトに折りたたみできる 装着したら自動で電源がONになる | ノイキャン性能は上位クラス マルチポイント対応 コンパクトに折りたたみできる | 聴き馴染みの良い高音質サウンド 自然で遮音性の高いノイズキャンセリング 外音取り込み機能もかなり聞き取りやすい 最強クラスのマイク性能 操作が直感的で使いやすい クイックアクセスとSpotifyの連携が神 | ワイヤレスヘッドホン最高峰のサウンド 最大60時間と脅威の再生時間 手に取っただけで電源がON 直感的な操作感 マルチポイントで2台接続可能 強烈なノイズキャンセリング性能 |
イマイチな点 | 再生時間が他モデルと比べて短い 操作時のクリック音が響く aptX Adaptiveだと遅延が大きい | 価格に対してノイズキャンセリング以外の性能は低め | 音質面はもう少し頑張ってほしい 前からみた時のハウジングの飛び出しが目立つ | ハウジングの溝がデザイン的に気になる 外音取り込み機能はふつう ノイキャンがに詰まったような感覚がある |
それぞれこんな人におすすめ
- ノイズキャンセリング性能が一番高いヘッドホンが欲しい
- とにかく作業に集中したい
- BGM感覚で音楽を聴きたい
- アニメや映画、ライブ音源などを聴くことが多い
※タブで切り替えができます
QuietComfort Ultra Headponesは求めていた理想のヘッドホンでしたね!
音質はMOMENTUM 4 Wirelessの方が良いですけど、それでもBoseを評価したのはノイズキャンセリング性能の高さもそうですが、一番は外音取り込み性能の自然さでしたね。
ヘッドホンを外すことなくとも、周りの音が耳で普段聴いているかのように自然に聞こえるものってヘッドホンではAirPods Maxくらいしかないんですよね。
その上でノイズキャンセリングは最強クラスですし、音質も今までのBoseと比べたらクリアで歯切れの良い音になりましたし、イマーシブオーディオも臨場感があって楽しいですし、求めていた理想のヘッドホンに近いんですよね。
WH−1000XM5と比べても操作性と再生時間以外は全て上回っているように感じましたし、QuietComfort Ultra Headponesはこのままいけば2023年No.1候補のワイヤレスヘッドホンになるかと思います。
コメント
コメント一覧 (5件)
動画拝聴いたしました。
ノイキャン性能を求めているのですが、飛行機や新幹線利用で考えると。
Bose のultra ヘッドホンとイヤホンでは、どちらが優れている印象でしょうか?
ご意見を参照できればと存じます。
イヤホンの方が優れているように感じました!
いつもYouTube共に楽しく拝見させてもらってます。
価格帯的にもJBL TOUR ONE M2も比較に入れてほしかったです。混ぜるとしたらどの辺りの立ち位置になりそうですか??
コスパを考えるとMOMENTUM 4の上をいくかもって感じですね!
「Bose QuietComforv Headphones」がコストコで28,800円で5月12日まで販売されていますが、買いでしょうか?