こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回は超久々のAKG(アーカーゲー)!
オーストリアの大人気オーディオブランド「AKG(アーカーゲー)」から日本国内初の完全ワイヤレスイヤホン「N5 HYBRID」を紹介します。
AKG(エーケージー)と呼ぶレビュアーがいたら偽者だ、ひっ捕えろ。
しばらく国内でコンシューマー向けのAKG製品は見ていませんでしたが、親会社のサムスンのなんやかんやがあって、製品ラインナップを整理するのに時間がかかっていたみたいですね。
でも、なんかこの形見たことない? と思うかもしれないですが、はい、JBLのフラッグシップモデル「TOUR PRO 2」と見た目一緒です……。
が、その音質や仕様はけっこう違います!
AKGは1947年創業のオーストリアで誕生したブランドで、有名なものだとクインシー・ジョーンズとのコラボであるQ701や、けいおんの澪ホンとして有名になったK701などもありますね。その他にもドイツのベルリンフィルハーモニーにもAKGシステムを採用。
AKGのサウンドといえば、高い解像度クリアなサウンド、広いサウンドステージ、原音を忠実に再現するようなサウンドバランスが特徴でJBLとは正反対の音になります。
AKGの音はめっちゃ好きなので、どんな音がするのかめっちゃ楽しみです。
YouTube版はこちら
AKG N5 HYBRID 製品概要
- ハイレゾオーディオワイヤレス&LC3 Plusを採用
- 10mmダイナミックドライバーにDLC +PEN素材を採用し、AKGのリファレンスサウンドを採用
(TOUR PRO 2とは異なる工程や配置を採用) - ノイズキャンセリング性能
- 合計6つの通話マイク、ビームフォーミングマイクとノイズ分離用のインナーマイクを搭載
- 通話音声イコライザー&サウンドレベルオプティマイザーを採用
- アンビエントアウェアとトークスルーを採用
- マルチポイントにも対応、ドングルへの手動での切り替えも可能
TOUR PRO 2と同じドライバーではありますが、そこに「真空マグネトロンスパッタリングプロセス」で高純度グラファイトを吸着させているみたいです。なんか難しい横文字が並びましたけど、この手法ってハイエンドスピーカーなどでよく使われる手法みたいですね。
それだけではなく、フロントチャンバー内を再設計し、「ニュートラルでありながらバランスの良い、クリアなサウンド」を提供できるようになったとのこと。
AKG N5 HYBRID 外観・付属品
パッケージ
今回はブラックとホワイトどちらも提供いただきましたが、こちらではブラックを開けていきます。
N5 HYBRIDのパッケージはこんな感じ。いつものJBLのパッケージにAKGらしいシンプルかつ高級感のあるデザインになったって感じ。
開封するとこんな感じ。
付属品
- イヤーピース(シリコン製)3ペア※本体装着分も含む
- USB Type Cケーブル
- USB-C ドングル
- USB-A to Cアダプター
- マニュアル
イヤーピースは、TOUR PRO 2にも付属していたオーバルシェイプ型を採用しています。
個人的には、今回はこのイヤーピースでもフィットしやすい印象でしたね。
充電ケース・本体
N5 HYBRIDの充電ケースはこんな感じ。AKGとロゴが記された超シンプルなデザイン。
かといってプラスチッキーな安物感はなく、テカリの少ないマットな質感で高級感を演出しています。
TOUR PRO 2と比べたらこんな感じ。TOUR PRO 2はスマート充電ケースに対応で、アプリを開かずとも細かな設定ができるのが強み。その分ケースも大きいですけどね。
側面から比較したらこんな感じです。
充電端子はUSB Type Cに対応。
もちろんワイヤレス充電にも対応しています。
ワイヤレス充電を一度使い出すと「充電しているつもりがないのに、いつも満充電になってる!」のような感覚で使えるので本当に便利ですよ。
ちなみに初心者の方にはAnkerのワイヤレス充電器がとりあえずおすすめです。安い割に品質も良く、問題なく充電ができますよ!
充電ケースを開けるとこんな感じ。
ドングルを別途携帯しなくともケース内に一緒に収納できるのがいいですね。aptX Adaptuve対応のドングルとかもあるけど、いつも使っていない間どこに収納しようか迷うんですよね。
本体は取り出しにについては特に問題はないですが、取り出す時にドングルが邪魔。
イヤホン本体はTOUR PRO 2と同様にビーンズタイプとショートスティック型をかけ合わせた「ハイブリッドデザイン」を採用しています。この形状、装着感いいんですよね。
TOUR PRO 2と比べるとわかるんですけど、微妙にデザインが違うんですよね。ロゴが記載されているスティック部に段差がなかったり。
ロゴの位置が内側にも記されていたり、マグネットの位置が違うかったり。
そしてL/Rの表記が背面にあるんですけど、その隣に点字によるL/Rの表記もあるんですよね。
ノズルもイヤーピースの形に合わせて楕円形状になっていますね。こちらはTOUR PRO 2と変わらず。
ノズルの収納部はTOUR PRO 2よりも少し深くなっているおかげで、他社製のイヤーピースの選択肢は増えてそうです。ただディープマウントイヤーピースなど軸が長めのタイプはアウトでした。
最後に重さですが、総重量は62.9g、本体片耳の重量は6.1gです。
TOUR PRO 2が総重量は85.0g、本体片耳の重量は6.2g。
本体の重さは同じですが、ケースはスマートケースではない分軽量設計になっていますね。
N5 HYBRIDとTOUR PRO 2のスペックを比較
製品名 | AKG N5 HYBRID | JBL TOUR PRO 2 |
ドライバー | PEN+DLC10mmドライバー グラファイト吸着+アコースティックチャンバー再設計 | PEN+DLC10mmドライバー |
接続方式 | Bluetooth 5.3 2.4Ghz | Bluetooth 5.3 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC,LC3 Plus LEオーディオ対応予定 | SBC,AAC LEオーディオ対応予定 |
再生時間 ※ANC ON時 | 本体:8時間 ケース込:32時間 | 本体:8時間 ケース込:32時間 |
充電端子 | Type C ワイヤレス充電 | Type C ワイヤレス充電 |
防水 | IP54 | IPX5 |
自動装着検出 | ◯ | ◯ |
ビデオモード | ◯ | ◯ |
空間サウンド | ◯ | ◯ |
マルチポイント | ◯ (LDAC+マルチポイントも可) | ◯ |
スマート充電ケース | – | ◯ |
ノイズキャンセリング | ◯ | ◯ |
外音取り込み | ◯ | ◯ |
アプリ | ◯ | ◯ |
Personi-Fi 2.0 | ◯ | ◯ |
価格 | 38,500円 | 33,000円 |
主な違いとしては、ドライバー設計、コーデック、あとは防水性能、スマート充電ケースの有無といったところでしょうか。
それ以外のスペックはほぼ同じですね。ただ、音質やノイズキャンセリング性能などはスペック上ではわからないため、実機を使ってどれほどの実力差があるか検証していきます。
N5 HYBRID レビュー
装着感|TOUR PRO 2同様に良好
N5 HYBRIDの装着感はTOUR PRO 2と同様にとても良好です。実際につけてみるとこんな感じ。
前から見てもそこまで飛び出しもありません。
ちなみにブラックを装着するとこんな感じです。
耳の外側から内側まで、重さが見事に分散されているような感覚で、耳への負担がめちゃくちゃ少ないんですよね。この装着感は素晴らしいです。
わりとホールド力も高いので、軽いジョギングくらいであれば、耳から落ちる心配もなく使えそうですね。
装着感 | (4.5) |
音質|LDAC+AKGチューニングでTOUR PRO 2以上のサウンドに
N5 HYBRIDの音質ですが、やはりTOUR PRO 2とは別物ですね。
あと、LDACやLC3 Plusの影響も強いですね。コーデックとAKGチューニングのおかげでTOUR PRO 2よりもさらに音質は上のように感じました。
N5 HYBRIDの音の特長は次のとおりです。
4.8
高音
4.8
中音
4.8
低音
音の傾向的にはTOUR PRO 2に近い豊かでバランスの良いサウンドではありますが、JBLのように弱ドンシャリでノリのよい音ではなく、フラットな傾向に近づいていますね。
ただ、AKGのモニターヘッドホンのように完全にスッキリとしたサウンドというわけではなく、あくまでTOUR PRO 2をベースにAKGのチューニングを加えたって感じの音ですね。フラットだけど豊かでバランスの良い音って感じです。
高域はTOUR PRO 2と比べると繊細で伸びやかさが増しています。AAC接続時はTOUR PRO 2と実力はそこまで変わらない印象でしたが、LDAC接続時はN5の方が明らかに伸びやかになっていることがわかります。
中域はTOUR PRO 2だと少し団子になっていた音が、AKGチューニングによって整列させた感じになりましたね。同帯域の音を一音一音しっかり分離して聴けるようになっていて、ボーカルラインもさらに伸びやかで明瞭になっています。
TOUR PRO 2と比べてフラット寄りになっているとは伝えましたが、低域の量感もかなりのもので、かなり低いところから迫力良くならしてくれますね。
ただ、JBLの方が低域の勢いはあるので、もう少しノリ良く雑に重低音を体感したい場合はTOUR PRO 2の方がいいかも。N5 HYBRIDはキレイにまとめられている感じがありますね。
音場も広く、TOUR PRO 2のように広がりのあるサウンドを提供してくれます。
得意なジャンルですが、JBLのようにノリ重視ではなくなりましたし、高域も繊細で良く伸びるようになったので、わりとなんでもいけるようになりましたね。ロック・ポップスはもちろん、ジャズ、クラシック、EDM、ヒップホップまで苦手なジャンルはないですね。
iPhone(15〜)でも高音質コーデックを使える
そして、一番の強みがドングルを使うことによってiPhoneでも96kHz / 24bitに対応した高音質コーデック「LC3 Plus」を使えるという点です。
iPhoneは仕様上、圧縮率の大きいSBC・AAC接続しかできないため、Bluetooth接続時はAndroidに比べると劣ってしまいます。
そこでドングルを使うことで、iPhone 15でもハイレゾ相当の伝送に対応したLC3 Plusで使えるようになるというわけですよ。ただ注意点として、USB-Cに対応したiPhone 15以降である必要があります。
ドングルを使って聞いてみると、AAC接続と比べて一音一音の明瞭さがアップしており、iPhoneでもしっかり高音質コーデックの恩恵を受けることができるようになりました。
ただ、剥き出しの高解像度という感覚で、AAC接続と比べると少し高域にザラつき感があるような印象。AACの方が解像度が低いけどまろやかという感じでしょうかね。
音質的には以下のようなイメージです。
LDAC(990kbps) > LC3 Plus > LDAC(330kbps) > iPhone AAC接続 > Android AAC接続 > SBC接続
一番音質が良いのはLDACの990kbpsで、LC3 Plusと比べると高域のザラつきも目立たず、音の消え入る最後まで高密度な情報量で鳴らすような印象でした。
AndroidユーザーはLDAC接続で使う方が良いかと思います。
iPhone14以前のモデルは使えなかった
ためしに付属のドングルと、Lightning to USB-C OTGアダプターを使ってiPhone SEに接続しましたが、電力多足りずアクセサリを認識できませんでした。
iPhone 14以前のモデルをお持ちの方はドングルはどう足掻いても使えないのでご注意ください。
LDACの接続も安定している
そしてもう一点良かったのが接続の安定性。LDACで990kbps +マルチポイント接続という接続安定性が最悪になる状況で使っていたのですが、音途切れがあまりないんですよ。
さすがに音途切れがゼロというわけではないですけど、他のワイヤレスイヤホンと比べるとかなり安定しているように感じました。
ノイズキャンセリング|TOUR PRO 2より遮音性がやや上
N5 HYBRIDのノイズキャンセリング性能についてですが、TOUR PRO 2と同じくらい優秀なのかと思いきや、TOUR PRO 2よりも若干遮音性が高いんですよね。
低音に対する遮音性が向上しているような印象で、TOUR PRO 2よりも電車の「ゴゴゴゴ」という音がより遮音できているのですよ。これは驚いた。高域側もキツい音が若干入りにくくなっていますね。
また、JBLと同じくノイズキャンセリングのサーっとバックで鳴るホワイトノイズや風切音が少なくて、めちゃくちゃストレスが少ないですね。
低域から高域まで満遍なくカットできており、全イヤホン中最強ってまではいかないけど、隙のない優秀なノイズキャンセリングって感じです。
ノイズキャンセリング | (4.5) |
外音取り込み|TOUR PRO 2よりも僅かにクリア
外音取り込みも優秀で、TOUR PRO 2よりも若干ですけど高域側が少しクリアになっていて、自然に集音できているように感じますね。
イヤホンをしている状態でも、ふつうに相手と会話ができるレベルに集音してくれます。
音楽を小音量で聞いている状態でも、相手の声も聞き取れるので、BGM感覚で音楽を聴くときにも使えますね!
外音取り込みモードはJBLの場合2種類あります。
- アンビエントアウェアモード(L側を1回タップ)
→音楽の音量を下げずに、そのまま外音取り込みに移行するモード - トークスルーモード
→音楽の音量をグッと引き下げて、外音取り込みに移行するモード
音楽を聴きながらBGM感覚で聴きたいときはアンビエントアウェアモードを使って、コンビニやスーパーのレジとかでワンポイントで使う場合はトークスルーモードといった二通りの使い方ができます。
JBLのこの仕様はけっこう便利で好きです。
外音取り込み | (4.4) |
操作性|カスタマイズの幅がせまい
操作性は悪くはないです。というか操作感はJBLと同じです。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | R側を1回タップ |
曲送り | R側を2回タップ |
曲戻し | R側を3回タップ |
音量を上げる | アプリで対応可能 |
音量を下げる | アプリで対応可能 |
外音モードの切り替え | L側を1回タップ |
Bluetooth/ドングル接続切り替え | L側を2回タップ |
トークスルーモード | L側を3回タップ |
音声アシスタント | L or R側を長押し |
ペアリングモードへの移行 | R側を1回タップしたあとに、2回めを長押し |
マルチポイントも備わっているので、ペアリングモードを本体操作のみで移行できるのは便利ですね! 2台目のデバイスとも接続しやすいです。
操作自体に不満はないのですが、いつものことながら操作のカスタマイズ性には不満があります。
アプリで操作方法の変更ができるのですが、JBLのイヤホンを紹介するたびに言っているんですけど、操作のカスタマイズが一括で変更されてしまうんですよ。
操作のカスタマイズですが、次の4つからL/Rに対して2つを選択できます。
- アンビエントサウンドの操作
→1回タップで外音モードの切替、2回タップでドングル/Bluetoothの切り替え3回タップでトークスルーモード - 音量の操作
→1回タップで音量アップ、2回タップで音量ダウン - 再生&音声アシスタントの操作
→1回タップで再生&一時停止、2回タップで次のトラック、3回タップで前のトラック - なし
個人的には再生停止は絶対必要ですし、ノイズキャンセリングの切り替えも絶対に必要なので、実質本体のみで音量操作ができないようなものなんですよね。
操作ボタンごとに変更ができれば、長押しに音量のアップ・ダウンの割り振りができるのに、この操作カスタマイズの不自由さがいつも残念です。
JBLと同じく早く本体のみで音量調整を実質的にできるようにしてほしいですね
アプリについて
アプリでできることは次のとおりです。
- ノイズキャンセリングや外音取り込み機能の各設定
- Personi-Fi(サウンドの最適化)
- ハイレゾオーディオ
→LDAC接続をONにする ※Personi-Fi、空間サウンド、低音量ダイナミックEQが使えなくなる - イコライザー設定
- Spatial Sound
→空間サウンド - タッチ操作の変更
- ボイスアウェア
→通話時の自分の声の音量調整 - SilentNow
→接続オフでノイズキャンセリングのみ使用 - 装着時の自動再生&一時停止
- スマートトーク
→会話を認識すると、自動的に音楽の再生を止めて外音取り込み機能になる機能 - パーソナルサウンドアンプリフィケーション
→音声の集音量を大きくして、補聴器的に使う機能 - ボイスアシスタント設定
→スマホデフォルトのものか、Alexaの設定に変更可能 - スマートオーディオモード
→オーディオモードか、ビデオモードの2つから選択可能。ビデオモードだと遅延が少なくなる。 - サウンドレベルオプティマイザー
→通話時の音量レベルを自動で調節する機能 - 通話イコライザー(相手と自分それぞれ設定可能)
- プライベート通話モード
→小声で話をしている時でも大きな音で集音するモード - 音声プロンプト
→音声通知の言語設定が可能 - フィット感のチェック
- 最大音量のリミッター
→85dB以上の音量を出ないようにして耳を保護する機能 - イヤホン本体を見つける
- バッテリーの節約
- ファームウェアアップデート
ハイレゾオーディオ
Androidでアプリに接続すると、ハイレゾオーディという項目が表示されています。こちらをONにするとLDACで接続できるようになります。
ただし、こちらをONにすると後ほど紹介する「Personi-Fi」「空間サウンド」「低音量ダイナミックEQ」の3つの機能が使えなくなります。
ただ、ボクはこれらの機能が使えなくなったとしても、LDACで接続できることの方が重要でした。
Personi-Fi
Personi-Fiは年齢や聴力情報を送り、その後に聴力テストを行うことで、個人の耳に対して最適な音響設定を自動で作ってくれる機能です。
設定項目としては、まず「性別」「生まれた年」そして「リスニング経験」を入力します。
リスニング経験では「ビギナー」「アベレージ」「アドバンスド」「プロフェッショナル」の4つから選べるのですが、プロフェッショナルは「ハーマン公式のリスニングトレーニングを受けた」とか、マジのプロレベルなんで、僕は「アドバンスド」でテストしました。
テスト中は左右の耳ごとに、周波数ごとに聴力検査のようなものを行います。音が鳴っている間は長押しし続けるようなテスト方法ですね。
今回はボクは使っていないのですが、TOUR PRO 2で設定した時はこんな感じの設定になりました。
ちなみに音質が大きく変わる感じではなかったですが、ほんの少し好きな傾向に補正してくれたような感じですね。ただLDACを使った方が音質は良いです。
イコライザー設定
イコライザー設定では、プリセットイコライザーと、マイEQというカスタムイコライザーの設定ができます。
JBLのイコライザーって、とても優秀で、どの設定にしてもいい感じに音を補正してくれるんですよ。
マイEQでは、10バンドに対して±7dBのイコライザー設定を細かく設定できるので、自分好みの音に仕上げやすいです。
空間サウンド
空間サウンドは「ムービー」「ミュージック」「ゲーミング」の3つから選べます。
「ムービー」は、低音の迫力や臨場感を加えて、映画館で見ているかのような3D感のあるサラウンド音声を、擬似的に再現してくれます。
実際にこれでニーアオートマタのアニメを見ていましたが、戦闘機のエンジン音とか銃撃シーンも映画館っぽく鳴らしてくれていい感じでしたね!
「ミュージック」はステレオ音源をより広げて臨場感を上げるような音に変化させるのですが、こちらで普通に音源を聞いてみたのですが、ややイマイチな印象でしたね。なんかステレオ音源を無理やり広げているような感じで、ただ不自然な印象が残るだけでした。
「ゲーム」は低域の臨場感と、高域の明瞭度を上げて、FPSでも迫力のある音で楽しみつつ、銃声や足音などの音を強調させるような音作りですね。
SilentNow
SilentNowはかんたんに伝えると、N5 HYBRIDを就寝用のデジタル耳栓代わりに使う機能です。
設定は「スタートイン」「デュレーション」「アラーム音」の3つから選べるのですが
まずスタートインは、SilentNowが始まるまでのタイマー設定のようなものです。このタイマーが終わると、Bluetooth接続が解除されて、ノイズキャンセリングモードになって、ボタン操作が効かなくなります。
「デュレーション」は就寝時間のことを指します。設定されたタイマーが終了すると、SilentNowが解除されて、任意でアラーム音が鳴るようになっています。
夜に寝付けないときに、耳栓代わりに使ったり、休憩時間に仮眠したいときに使える地味に便利な機能です。
通話イコライザー(相手と自分それぞれ設定可能)
こちらはTOUR PRO 2にも搭載されていなかった機能で、相手の声質と自分の声質を調整することが可能です。
- 相手の音声設定
→ナチュラル、高音の増強、低音の増強 - 自分の音声設定
→ナチュラル、パワフル、ブライト
音声の違いは、次の通話品質の項目で実際に録音しています。
通話品質|ドングル接続で超絶良くなる
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてください!
N5 HYBRID イコライザー:ナチュラル
N5 HYBRID イコライザー:パワフル
N5 HYBRID イコライザー:ブライト
N5 HYBRID ドングル接続 イコライザー:ブライト
Bluetooth接続時はTOUR PRO 2と同様に、ワイヤレスイヤホンとしてはなかなか優秀なマイク性能。
さらに驚いたのはドングル接続時のマイク性能。Bluetooth接続時と比べてノイズが格段に減っており、さらに別売りのワイヤレスマイクを使っているかのように音声がクリアになっています。
ドングル接続時はワイヤレスイヤホン最強クラスのマイク性能になっているので、オンラインMTGなどでは積極的にドングル接続で使っていくべきかと思います。
通話品質 | (4.7) |
ドングル接続時 | (5.0) |
LDAC+マルチポイントで2台同時接続+ドングルで3台接続も可能
マルチポイントも対応で、メーカーによってはできないLDAC+マルチポイントによる2台接続も可能です。
それだけではなくドングルを使うことで、実質3台接続も可能! 2台接続されている状態でドングルを別のデバイスに接続し、L側をダブルタップするだけでドングル側に接続先が切り替わります。
うまく使えば、スマホ、タブレット、パソコンの3台使いも可能なので超便利です!
ただ、ドングル側にうまく接続されないこともあるので、そこまでスムーズに切り替えられるわけでもありません。
音の遅延|ドングルならゲームもほぼ遅延なし
N5 HYBRIDの映像と音声のズレですが、Bluetooth接続の場合はYouTubeなどストリーミングくらいであれば気にならないレベルで遅延がありません。
ただ、音ゲーやFPSをするとズレが超気になります。
次にドングル接続で検証すると、まるで有線接続並みにズレがなくなります。他のメーカーでよく採用されている「低遅延モード」よりも遅延が少ないですね! ただ、接続状況によっては遅延レベルが安定しないこともあります。
また、ドングルで接続した場合は再生した音源の頭だけ若干切れてしまうようで、ゲームだと気にならないのですが、動画編集の場合だと、再生/停止をするたびに頭切れが発生してしまいました。
遅延がほぼないとはいえ動画編集では使えませんでしたのでご注意ください。ゲーム用途ならほぼ完璧レベルの遅延の少なさでした。
気になるところ
最後に気になるところですが、ドングル接続時に色々と弊害が起こることですね。
ドングル接続時は本体操作がほぼできない
ドングル側に接続すると、本体操作による再生・停止、曲送りができません。ノイズキャンセリングのON・OFFなどはOKです。
ただ、メーカーさんに確認したところ、こちらはアップデートで後々修正予定とのこと!
ドングル接続時に音楽を止めていると接続先が切り替わる
ドングル接続時に音楽を止めていると、勝手に接続先が切り替わったりします。
「ドングルコネクティド」「Bluetoothコネクティド」と繰り返しアナウンスされたり、状況によってはBluetooth側の音声が勝手に再生されたり、けっこう鬱陶しいです
ドングル側の接続が安定しないことがチョイチョイある
LC3 Plusはビットレートが高いため、最新規格とはいえ接続が安定しないことがあります。
LDAC接続時のように音がぷっつりと途切れたりするわけではなく、たまにノイズが入りながら再生されるような感じですね。
また音質も接続状況によってビットレートが可変されるのか、たまに音がガサガサになってAAC接続時よりも音質がわるくこともあります。
一番ストレスなく使えるのはAAC接続時ですが、接続が安定した環境でiPhoneやパソコンで高音質で遅延なくN5を聴きたい時にはドングルを使うのがおすすめですね。
N5 HYBRID まとめ
N5 HYBRIDをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
- 音質と機能性をハイレベルで兼ね備えている
- AKGチューニングでさまざまなジャンルに合う
- ドングルを使えばiPhone(15〜)でも+C3 Plusが使える
- 良好な装着感
- ノイズキャンセリングや外音取り込み機能も優秀
- アプリの設定項目が非常に多い
- マルチポイントとドングルで実質3台同時接続可能
- ドングル接続時野マイク音声がめっちゃキレイ
- ドングル接続時の遅延がゲームができるほど少ない
- 音量操作を実質割り振れない
- ドングル接続時は再生初めの頭が途切れる
- ドングル接続時は外音モード以外の操作は行えない
※アップデートで解消予定 - ドングル接続に音楽を停止していると、勝手に接続先が切り替わる
4.8
高音
4.8
中音
4.8
低音
4.8
装着感
4.5
ノイズキャンセリング
4.5
外音取り込み
4.7
マイク性能
4.9
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体8時間/ ケース込み32時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC,LC3 Plus | 充電時間 | 約2時間 15分充電で4時間駆動 |
ドライバー | 10mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C Qi |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX5 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 6.1g/84.9g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
N5 HYBRIDはこんな人におすすめ
- 音質を重視しつつ利便性も高いワイヤレスイヤホンが欲しい
- 様々なジャンルを好んで聴く
- 音楽だけでなく映画やゲーム、通話用途まで幅広く使いたい
- iPhone15ユーザーで高音質で音楽を聴きたい
感覚的にはLDACが使えるようになって、AKGチューニングによってよりフラットな音になり、性能も全体的に底上げされたTOUR PRO 2って感じでしょうか。
TOUR PRO 2の完成度が元々高いので、そこからLDACが使えるようになっただけでも好印象。さらに付属ドングルを使うことでiPhone(15〜)でも高音質コーデックを使えるようになるのも強みですね。
ドングル使用時は少し不便なこともありますが、うまく使えばゲームも低遅延でできますし、実質的に3台同時接続もできますし、マルチにも使いやすいのもポイントが高いですね。
久々のAKGでしたが、かなり完成度は高いと思いますので、用途に合いそうな方は是非検討してみてください。
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