イヤホンで聴いているのにスピーカーから聴いているような「頭外定位」を得られるイヤーピースで話題になったLIZER LAB「JIJU」シリーズに新製品が発表されました!
それがこちらの2点「JIJU-JET」「JIJU-JETZEO」です!
- スピーカーで聴いているような「頭外定位」を実現するイヤーピース
- 前作よりお求めやすい価格ながら、利便性を向上
- 低域の量感を改善したことにより幅広いジャンルに対応
- 「JIJU-JET」はイヤーカップに小さな孔が空いた音場重視モデル
- 「JIJU-JETZERO」はイヤーカップの孔がない低音強化モデル
「初代JIJU」は3ペアで1万円するとんでもないイヤーピースでしたが、「JIJU-JET」「JIJU-JETZERO」は価格を抑えながらもクオリティは落とさずに仕上げたとのこと!
果たして実力はどうなのか?今回2機種ともメーカーから提供いただけたので、前回購入した初代JIJUと比べてレビューしていきましょう!
総合評価
4.5/5
JIJU-JET
- 前作と比べても十分な音の広がり
- 装着感、密閉度も改善
- 低域の量感も増加
- お買い求めやすい価格に
- コンサートホールで聴いているような感覚
- 音場の広さは初代が上
3.5
高音
4.7
中音
3.5
低音
3.0
解像度
4.5
音場
3.0
装着感
総合評価
4.0/5
JIJU-JETZERO
- ボーカルのハリや艶やかさが全イヤーピースの中でで最大級
- 装着感、密閉度も改善
- お買い求めやすい価格に
- 低域の量感は一番豊か
- 小さなジャズバーで生演奏を聴いているような感覚
- 特徴である頭外定位の効果を感じにくい
3.0
高音
5.0
中音
4.0
低音
3.0
解像度
4.0
音場
3.0
装着感
LIZER LAB JIJU-JET JIJU-JETZERO 外観・付属品・寸法
イヤーピースとは思えない高級感のあるパッケージ
JIJU-JET JIJU-JETZEROは前作同様、イヤーピースとは思えない高級感のあるパッケージです。
イヤーピースを収納するための専用ケースがついているのですが、イヤーピースだけで使うのはもったいないと思うくらい堅牢でおしゃれなデザインです。
中にはイヤーピースS/M/Lの3ペアとマニュアルが付属しています。
マニュアルはかなり長文ですが、頭外定位の効果を最大限に発揮させるためにも必ず読んでおきましょう。
必要な装着方法などは今回のブログでわかりやすく紹介します。
本体|JIJUシリーズのの違いを解説
JIJU-JETとJIJU-JETZEROの違いを初代JIJUを含め比較していきましょう。
ベント孔がそれぞれ異なる
- JIJU-JET→ベント孔あり(小さめ)
- JIJU-JETZERO → ベント孔なし
- 初代JIJU → ベント孔あり(大きめ)
JIJUシリーズは「頭外定位」を得るためにイヤーカップにひとつだけ小さな穴が空いています。
初代「JIJU」と「JIJU-JET」には、こちらの小さなベント孔が空いていますが、実は孔の大きさがそれぞれ異なります。
「初代JIJU」は孔が大きいため、より抜けの良いサウンドですが低音が少なくなりがち。今回発売された「JIJU-JET」は孔の口径が小さくなり、抜けの良さと低域の量感を両立させています。
「JIJU-JETZERO」には孔がなく、さらなる低域の量感のアップと工数削減によるコストダウンを行なっています。
フェーズプラグ(音道管)もそれぞれ異なる
- JIJU-JET(ZERO)→プラグ孔が上部に配置、口径も拡大・プラグ軸の短縮・音道部には孔1つ
- 初代JIJU → プラグ孔が音道部に4つ、イヤーカップにも4つの孔があり
※上記より、初代JIJUとのイヤーカップおよびフェーズプラグの互換性なし
JIJUの響きの良い音を担う「フェーズプラグ(音道管)」ですが、初代JIJUとJIJU-JET JIJU-JETZEROとで加工の仕方が異なります。
初代JIJUはイヤーピース装着部(中央部)の4方向に孔が空いていましたが、JIJU-JET JIJU-JETZEROは天面側部に孔が4つ空くようになりました。
同じ素材を使いながらも、加工作業を減らすことによってコストの削減を行なっているようです。
いや、それでもコストはだいぶ掛かってる気がするんだがっ。
フェーズプラグは取り外しもできます。
それぞれのシリーズに合ったイヤーカップさえあれば取り替えが可能ですね。
ちなみに初代のJIJUとは、フェーズプラグとイヤーピースの加工が異なりますので、同じパーツの流用はできません。
イヤホンに装着するとこんな感じ。
・・・え?イヤーピースを逆につけてないかって?JIJU-JET JIJU-JETZEROの装着方法は「頭外定位」の効果を発揮させるため、これが正常な装着方法なのです。驚きますよね。
JIJU-JET JIJU-JETZEROはこの設計でチューニングしているからこそ、広い音場でバランスを崩さずに出力できるのであって、他社のイヤーピースでこの装着方法をしてもなんの意味もありません。
まあ、一般人に見られたら「なんでイヤホンのゴムを逆につけてるん?」ってコイツ頭大丈夫かな?みたいな目で見られるのは不可避なので、この製品の魅力を伝えてあげましょう!さらにドン引きです!
ステムにも干渉しにくくなった
ちなみに「JIJU-JET/JIJU-JETZERO」はフェーズプラグが短くなり、ステムに干渉しにくくなりました。
初代JIJUだとイヤーピースがステムの奥まで挿入できませんでしたが、改善されステムの奥までしっかりとJIJUを挿入することができ、装着感や見た目の良さも解消されました。
JIJU-JET JIJU-JETZEROの寸法
JIJU-JET/JIJU-JETZERO | Sサイズ | Mサイズ | Lサイズ |
---|---|---|---|
傘径(mm) (左上写真) | 10.5 | 12.0 | 13.0 |
軸長(mm) (右上写真) | 10.6 | 10.6 | 10.6 |
ノズル径(mm) (左下写真) | 約4.0 | 約4.0 | 約4.0 |
JIJU-JET JIJU-JETZEROの傘の広さや長さ、ノズル口径は上の表をご覧ください。
傘径については一般的に出回っているイヤーピースとほぼ同口径なので、普段使っているイヤーピースがMサイズであれば、JIJUに関してもMサイズで運用ができると思います。
また、軸長が長いため完全ワイヤレスイヤホンではほとんど使えません。基本は有線イヤホンで運用することをおすすめします。
LIZER LAB JIJU-JET JIJU-JETZERO(耳珠ジジュ)|特徴
頭外定位を実現
JIJU-JET JIJU-JETZEROの最大の特徴は頭の外から聴こえるような感覚「頭外定位」を実現できること。JIJUを使えばまるでホール会場の特等席いるかのような自然で広がる定位を、イヤホンとイヤーピースだけで聴くことができます。
この「頭外定位」を実現するために、イヤーピースを裏返しで使ったり、中に「フェーズプラグ」という金属の音道管が入っていたり、そのプラグが穴ボコだったりするわけなのですよ。
特許も取得している唯一無二のド変態イヤーピースです。
詳しくはこちらをご覧ください。
イヤホンのノズル径は5.5mm以上を推奨
JIJU-JET JIJU-JETZEROに対応するイヤホンのノズル口径5.5mm以上です。
finalやSONYのイヤホンが大体5.5mm付近のものが多いように感じます。
ちなみにfinal E4000(ノズル径5.2mm)に装着してみましたが、スカスカになったりイヤーピースが回転することもなく固定されています。
より詳細な対応表についてはこちらをご覧くださいませ。
LIZER LAB JIJUシリーズ|装着方法
メーカー公式よりノズル径が5.5mm以上のイヤホンを推奨しています。5.5mm以下のイヤホンはイヤーピースが外れたり、回転する可能性があります。
JIJU-JETには頭外定位の効果を得るために、イヤーピースに小さな穴があいています。
まず穴の位置を確認しましょう。
※JIJU-JETZEROにはイヤーカップに孔が空いていませんので、フェーズプラグの孔の口径が大きい方を顔の前方に位置するように装着してください。LIZER LAB様より直接アドバイスをいただきました。
ベント穴が顔と同じ方向に向いていないと、頭外定位の効果を正確に得られない可能性があります
奥に入れすぎて耳内でベント穴を閉じないように注意しましょう。LIZER LAB様から直接お伺いできたのですが、少しひねる様にすると挿入しやすいとのこと。また、イヤホン本体を後方に少し倒し、小さな穴をオープンにすることがポイントです。
耳で孔を塞いでしまうと、音が抜けなくなってしまいます。
特殊なイヤーピースのため装着時の条件が多いのですが、頭外定位の効果を最大限に発揮させるためにも、正しい手順で装着しましょう。
LIZER LAB JIJU-JET JIJU-JETZERO(耳珠ジジュ)|装着感・遮音性
JIJU-JET JIJU-JETZEROの装着感と遮音性についてチェックします。今回はFinal E4000にJIJU-JET JIJU-JETZEROを装着し検証しました。
改善された装着感
JIJU-JET JIJU-JETZEROは初代のJIJUよりも装着感が安定するようになりした。
初代と比較して密閉される位置が見つけやすく、通勤中でも装着位置を調整することもありませんでした。
しかし、決して装着感の良さをもとめて購入するようなイヤーピースではありませんので、期待はしないようにしておきましょう。
遮音性は少し改善されたけど良くはない
JIJU-JET JIJU-JETZEROの遮音性は少し改善されましたが、まだまだ悪いです。
初代JIJUよりは遮音性が向上しましたが、通勤中に使うと音量を上げればギリギリポータブルで使えるかな?といったくらいの遮音性です。
この遮音性の悪さは音場の広さとトレードオフなので、自宅やカフェなど静かな環境で聴く「据え置きイヤーピース」と割り切って使うことをおすすめします。
LIZER LAB JIJU-JET JIJU-JETZERO 音質|前作との比較も
製品名 | JIJU-JET | JIJU-JETZERO | 初代JIJU |
高音 | (3.5) | (3.0) | (4.0) |
中音 | (4.7) | (5.0) | (4.5) |
低音 | (3.5) | (4.0) | (3.0) |
解像度 | (3.0) | (3.0) | (3.0) |
音場 | (4.5) | (4.0) | (5.0) |
価格 | 1ペア:4,280円 3ペア:10,500円 | 1ペア:3,680円 3ペア:8,500円 | 1ペア:3,380円 3ペア:8,000円 |
JIJU-JETとJIJU-JETZEROを初代JIJUと比較しながらレビューしていきます!
ざっくりとした比較は上の表をご覧ください。
JIJU-JETはドライバーから前方方向に音場が広がっていく
JIJU-JETの音質は初代JIJUと同様「頭外定位」を感じられるような、スピーカーやヘッドホンで聴いている感覚を得られます。
初代JIJUは上にも横にも全方向に広がり抜けていくような自然な鳴り方でしたが、JIJU-JETは全方向に伸びていく音を前方向に集約させ、響きを持たせながら伸びやかに鳴らしてくれます。
初代JIJUがクラシックホールの特等席で聴いているような感覚だとすると、JIJU-JETはコンサートホールの1階席で生演奏を聴いているような感覚ですね。
初代と同様、ロックやメタル、EDMなどのBPMが早く音数の多い楽曲は苦手で、全部の音が団子状になって綺麗に聴かせようとするので全く合いません。
しかし、宇多田ヒカルの「First Love」のようなゆったりとした女性ポップバラードは艶やかに鳴らしてくれます。、
前作の弱点であった「低域の量感」もかなり増えていますので、ジャズ・クラシックだけでなくポップスも優美に聴かせてくれますね!
JIJU-JETZEROはジャズボーカル最強
JIJU-JETZEROの音質は、他のJIJUに比べると低音の量感が多く重心を支え、中高域が瑞々しくエネルギッシュな音で鳴らしてくれます。
特にウッドベースのフロアを揺らしながら包み込むような音や、トランペットなどのブラス系楽器の張り上げるような高音は、かなり高い領域で再現しますね。
ただし、低域の量感が増えたからといって、ロックやポップスをノリ良く聴けるわけではありません。音数が多いと団子状の音になるので、音数の少ないジャンルか、生演奏系がおすすめです。
そして、音の広がりはJIJUやJIJU-JETと比べると少なく、特徴である「頭外定位」を感じにくいですね。
JIJUがクラシックホール、JIJU-JETがコンサートホールだとすれば、JIJU-JETZEROはおしゃれなジャズバーでニアフィールドで聴いているような感覚です。
女性ボーカルも「フェーズプラグ」を介して鳴らしていることもあり、より艶やかで響きの良いサウンドですね。
ボーカルやブラス系楽器ののハリや響きの良さや余韻感は全イヤーピース中最強クラスです。再現性が高すぎて、思わず高揚しますよ!
初代JIJUのレビューは下記ブログをご覧ください。
LIZER LAB JIJU-JET JIJU-JETZERO(耳珠ジジュ)レビューまとめ
総合評価
4.5/5
JIJU-JET
- 前作と比べても十分な音の広がり
- 装着感、密閉度も改善
- 低域の量感も増加
- お買い求めやすい価格に
- コンサートホールで聴いているような感覚
- 音場の広さは初代が上
- クラシック・ジャズ・バラードが好き
- 閉塞的な装着感が苦手
- JIJUが気になってたけど、今まで価格が高すぎて手が出なかった人
- 初代JIJUは好きだけど、低音の少なさや装着間の悪さが気になる
3.5
高音
4.7
中音
3.5
低音
3.0
解像度
4.5
音場
3.0
装着感
総合評価
4.0/5
JIJU-JETZERO
- ボーカルのハリや艶やかさが全イヤーピースの中でで最大級
- 装着感、密閉度も改善
- お買い求めやすい価格に
- 低域の量感は一番豊か
- 小さなジャズバーで生演奏を聴いているような感覚
- 特徴である頭外定位の効果を感じにくい
- ジャズボーカル・バラード・管楽器系が好き
- 閉塞的な装着感が苦手
- JIJUシリーズが大好きで、別のチューニングで聴いてみたい方
3.0
高音
5.0
中音
4.0
低音
3.0
解像度
4.0
音場
3.0
装着感
JIJU-JET JIJU-JETZEROは初心者にはおすすめできませんが、ポータブルオーディオ中級者~上級者には一度体感して欲しいイヤーピースです。初めてのJIJUシリーズには「JIJU-JET」がおすすめです!
ジャンルも選びますし、装着感もなかなか難がありますが、イヤホンと好きなジャンルがピタっと合ったときの圧倒的な臨場は感動します。
個人的には「JIJU-JETZERO」はボーカルの艶やかさが全イヤーピース中トップクラスに良かったですが、最大の特徴である「頭外定位」を感じにくかったので、初めてのJIJUシリーズにはおすすめしにくいかな?とは感じました。
初代のJIJUは価格が高く、装着感も悪くて低音も少なく、人を選ぶイヤーピースでしたが、「JIJU-JET」は価格を抑えながらも「頭外定位」を感じられ、装着感も低域の量感も良くなっています。
ちなみに全JIJUシリーズを持っていると、付け替えることによって「音楽を聴いている会場」を気軽に変えて聴いているような感覚で面白いですよ!
ポータブル用途では絶対にオススメしませんが、イヤホンを「据え置き機」として使われている方はぜひ。
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