こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回は有線イヤホンブランドでも人気の高いqdcより、ブランド10周年を記念して誕生したトライブリッド15ドライバー搭載のハイエンドIEM「qdc CRAVE」を紹介します。

お値段はなんと約50万! 高すぎて感覚がよくわからん。
ドライバー構成がとにかく豪華で、超低域にカスタム複合材振動板の10mm径ダイナミックドライバー×1、低域にカスタムBA×4、中域にCRAVE専用の新カスタムBA×2、高域にカスタムBA×4、超高域にEST(静電型)ドライバー×4。
帯域ごとに専用ドライバーを割り当てた5wayクロスオーバーという、かなり贅沢な構成。
qdcの最上位ラインにはEMPERORやEMPRESSがすでにありますが、CRAVEはそれらとはまた違う「リスニングモニター」というコンセプトで作られたモデルのようです。
今回は代理店のアユートさんから紹介用に一時的にお借りできたので、同時にお借りしたEMPERORとA&K STELLAと比較しながら紹介していきましょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
qdc CRAVE 外観・付属品
それではqdc CRAVEの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
qdc CRAVEのパッケージはこちら。価格だけはあって威圧感がすごい

開封するとこんな感じ。めちゃめちゃラグジュアリー。

付属品
- 3in1マルチプラグ搭載プレミアムケーブル(約120cm)
- Soft-fitシリコンイヤーピース(S/M/L)
- ダブルフランジイヤーピース(S/M/L)
- フライトアダプター
- クリーニングツール
- 新開発キャリングケース
55万円クラスだけあって付属品はかなり充実。フライトアダプターまで入っているのは地味にありがたい。
イヤーピースはSoft-fitシリコンとダブルフランジの2種類が付属。

キャリングケースはもはやブランドもののアクセサリー入れ。

本体・ケーブル
qdc CRAVEのイヤホン本体はこちら。左右で異なるカラーリングでCRAVEのオリジナルロゴ、シルバーのインナーフレームとエッジがあしらわれていてギラギラとしています。Foilデザインは1台1台異なるようです。

内側はこんな感じ。15ドライバー搭載なのでシェルはそこそこ大きめ。

コネクタ部はカスタムIEM 2pin(0.78mm)のフラットタイプ。

ノズルは金属製で、口径は一般的なサイズ。他社のイヤーピースでも問題なく使えるかと。

ケーブルはブラックのプレミアムケーブルで、長さは約120cm。

コネクタ部は形状固定型の耳掛けタイプ。

分岐部はこんな感じ。スライダー付きです。

プラグ部分はL字型の3in1マルチプラグ。変換プラグをカチッと差し替えるだけで3.5mm / 2.5mm / 4.4mmに切り替えられます。

本体とケーブルを装着するとこんな感じ。

qdc CRAVEの概要・スペック
スペックはこちら!
| 比較項目 | qdc CRAVE | qdc EMPEROR | A&K STELLA |
|---|---|---|---|
| 価格(税込) | 約50万 | 約50万 | 約60万 |
| ドライバー構成 | 15基 1DD+10BA+4EST (トライブリッド) | 15基 1DD+10BA+4EST (トライブリッド) | 12基 1DD+5BA+2Planar+4EST (クアッドブリッド) |
| クロスオーバー | 5way | 5way | 6way |
| 周波数帯域 | 5Hz〜70kHz | 5Hz〜70kHz | 〜45kHz |
| インピーダンス | 15Ω | 15Ω | 7.17Ω @ 1KHz |
| 感度 | 105dB SPL/mW | 106dB SPL/mW | 103.8dB @ 1KHz |
qdc CRAVE レビュー
装着感|さすがqdc
qdc CRAVEの装着感ですが、15ドライバー搭載のハイエンドIEMとしてはかなり良好。ボクは耳のサイズが普通くらいなんですけど、しっかりフィットしてくれました。
実際に装着するとこんな感じ。

前から見るとこんな感じです。

シェルは15ドライバーを収めているだけあってそこそこ大きめなんですけど、qdcって世界中のカスタムIEM制作で蓄積した耳型データがかなり豊富なので、そのデータをベースに設計されたユニバーサルシェルのフィット感はかなり優秀。カスタムIEMに近い安定感で耳穴にピタッと収まる感覚。
遮音性も高いので、外でも問題なく使えます。長時間つけていても疲れにくいのはさすがqdcといった感じです。
ただ、でかいことには変わりはないので、耳が小さな方は要試着。というかこの価格のものを無試聴特攻すな。
| 装着感 | (4.6) |
音質|圧巻の解像度とボーカルの生々しさ
qdc CRAVEの音質ですが、そら価格だけはあってめちゃめちゃいいですよ。価格さえ気にしなければめちゃめちゃ楽しいですよ。このまま自分のものにしたいくらい。
EMPERORと同じ構成ですけど、音は似てるようで結構違いますね。ボクはCRAVEの方が断然好きだった。
- スマホ:iPhone 17 Pro
- DAC:AK HC5
- アプリ:Apple Music
- 接続方式:4.4mmバランス接続
- イヤーピース:付属Soft-fitシリコン(Mサイズ)
- エージング:借り物のため不明
qdc CRAVEの音の特長は次のとおりです。
5.0
高音
5.0
中音
5.0
低音
音の傾向
CRAVEの音の傾向としては、ニュートラルベースなんだけどボーカル帯域にほんのり色気を乗せてきている感じ。
低音寄りでも高音寄りでもない、けど若干だけ低音寄りかな?という印象。
情報量がとにかく多いのに、それが全然うるさく感じない。ひとつひとつの音にちゃんと居場所がある感覚というか。すべてが整理されて自然に収まっている感じ。
音場
音場はかなり広め。横方向の広がりもしっかりあるんですけど、それ以上に前後の奥行き感が印象的。
正確な定位感のなかでボーカルの距離は近く、実際にそこで歌っている感覚に近いですね。
高音
高音域はカリッとした質感で、輪郭をクッキリと超高解像度で描き出すサウンド。粒立ちが良すぎて一音足りとも逃さん!と言わんばかりの顕微鏡のような解像度っぷり。
自然にスゥーっと伸びるようなナチュラルな表現ではなく、少し硬質でキレ良くスピーディーに鳴らすようなタイプ。
ただ、高音は煌びやかなんだけどギリギリ刺さらない適度な刺激感があります。クラッシュシンバルの「シャーン」とした炸裂音も、「シャーン」の「ン」の部分まで他の音に埋もれる事なく最後まで描いてくれます。
奥行きの表現が素晴らしいおかげで、金物系の残響音の再現力が凄まじいです。鈴の音聴いているだけで感動するもん。
スネアドラムのスナップ感もかなりキレがありますし、ドラムの躍動感が全体的に素晴らしいですね。このおかげでライブ感が出ているのかしら。
また解像度が高すぎて、アコギは弦を弾く音と、弾いた後に残る高周波の響きまで分離して聴こえてきます。
超高域の伸びもかなりのもので、詰まり感もまったくなく、上方向に伸びるだけ伸ばしていきます。
中音
CRAVEの一番の強みは中音域。特にボーカルの質感がすごく良いです。「録音された声」って感じではなく「目の前で歌っている」という感覚に近いです。
モニター的に声の芯をしっかり捉えつつ、アクセント的に声の滑らかさや艶っぽさも加えてきます。
奥行きの表現の高さのおかげか、一言ごとの吐息まで丁寧に描いてくれます。この細かな吐息まですごく丁寧に再現するおかげでボーカルの生感が出るのかも。
しかもハイトーン系の女性ボーカルから、低い男性ボーカルまで苦手な帯域がなく、どちらも完璧といってもいいほど。
ピアノやエレキギターの響きもかなりリアル。しかも音量を上げても下げてもバランスは変わらず、安定した解像度感を保ってきます。
ただピアノやギターなど同帯域の楽器隊が並んだときに、ボーカルが一歩前にいるような距離感にはなりますね。ボーカルよりもオケを中心に聴きたい方はしっくりこないかも。
いや〜ホント声の質感が高すぎて、いろんな声を聴きたくなります。朗読劇を聴きたくなるくらい。これでドスケベASMR聴こうぜ。
低音
ボーカルだけでなく低音の表現力も凄まじいです。
バスドラムの深みや立体感がすごすぎて、普通の音源でもライブ盤だっけ?って思うくらいすっごいリアルな振動音を再現してきます。
ミッドベースのパンチ力もしっかりあって、サブベースはズンと深く沈み込む。かといって中高域を覆うような重さはなく、キレよくタイトな鳴り方なんですよね。
ベースラインの一音一音がくっきり見えるのに、弾力と圧もちゃんと感じられる絶妙なバランスになっています。。
これで低音過多にならず、ミッドベースもサブベースもタムもそれぞれ独立して聴こえてくるんですよね。自然な広がりがあるのにタイトに解像度高くもならせる低音という感じです。
EDMのような四つ打ちでも、変に生っぽく聴かせずに、打ち込みらしさを再現しながらノリ良くも鳴らします。
おすすめのジャンル
CRAVEは基本的にはジャンルを選ばないオールラウンダーなんですけど、特にボーカルものとの相性が抜群。
キレのあるスピーディーな音なので、最新チャートのJ-POPやアニソンあたりは聴き惚れるかと思います。
クラシックも音場の広さと楽器の分離感で申し分ないですし、ロックやEDMもタイトな低音で気持ちよく楽しめます。
EMPERORと違って楽曲の粗まで容赦なく描き出すタイプではなく、粗めの音源でもその空気感やグルーヴ感まで描き出してくれるので、少し古めの音源でも楽しく聴けます。
なにより声の質感がとんでもなく高いので、超豪華な環境で聴くボイスドラマやASMR音源にもふつうにおすすめです。
qdc CRAVE と他モデルの比較
qdc EMPEROR との比較
EMPERORとCRAVEは同じ15ドライバー・トライブリッド構成で、価格も同じ550,000円。ドライバーの数は一緒なんですけど、CRAVEは中域用のBAドライバーを専用に新しくカスタマイズしているのが一番の違い。
EMPERORを聞いてみましたけど、こっちはガッツリモニターですね。
正確さと超高解像度を追求した分析的なサウンドで、楽曲の粗まで見えてしまうような情報量を持っています。
全てがフラットな立ち位置で、全てが聴こえてくるような感覚。
対してCRAVEはリスニングモニターというコンセプトどおり、EMPERORと同様に高い解像度はキープしつつもボーカルの生々しさや低域のライブ感を前面に出してくるチューニング。
楽曲を完全に分析的に聴きたい方はEMPEROR、もう少し音楽的にボーカルや低音の臨場感を味わいたい方はCRAVEが向いているかと思います。
この2つで比較するなら、ボクはCRAVEの方が断然好きかなー。ドモニターよりも味付けがある程度ある方が好きなんで。
どちらもqdcの技術の粋を集めたフラッグシップなので、好みの方向性で選ぶのが正解かと。
Astell&Kern STELLA との比較
STELLAとも比較してみましたが、CRAVEと比べるとウォームで各帯域のつながりが滑らかで一体感のある音ですね。なんというかヘッドホンっぽい感じ?STELLAの方が明らかにリスニング向けのチューニングになっています。
2planar+4EST構成のおかげか、高域がCRAVEよりも滑らかで自然な伸びがある印象。低域にもより自然な膨らみと臨場感があって、こちらの方がダイナミックという印象を受けます。音場の広さや奥行き感もCRAVEよりもやや上。
CRAVEの方がもう少しカリッとした音像で、一音一音をクッキリと描写するようなイメージです。音のクリアさという意味ではCRAVEの方が上に感じるかも。
ボクの感想としては、STELLAの方が全体的な音の深みやレンジの広さ、楽曲としての一体感のある音作りという印象。ただ、ボーカルの生々しさや解像度感はCRAVEの方が上のように感じましたね。ボーカルの再現力高すぎ。
またCRAVEと比べるとSTELLAの方が約10万円高いですが、実力差はそこまで感じませんでしたかね。好みの問題って感じです。
ロックやポップスを聴くならCRAVEの方が楽しいですし、ジャズ・オーケストラ・バラードを聴くならSTELLAの方が楽しいですね。
qdc CRAVE まとめ
qdc CRAVEをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
qdc CRAVE

- ボーカル表現の生々しさが圧巻
- 音場が広大で楽器の立体感がリアル
- 解像度が超高い
- モニターに寄りすぎない程よい味付け
- 大きめのシェルしては安定した装着感
- 付属品が豪華
- 価格が約500,000円とかなり高額
- シェルが大きめで耳の小さい方には注意
5.0
高音
5.0
中音
5.0
低音
5.0
解像度
5.0
迫力
4.6
装着感
- ガチで予算問わずに最強の有線イヤホンがほしい
- ボーカルの質感や生々しさを最重視する人
- モニターらしい解像度感と音楽的な楽しさを両立したい人
- EMPERORだとフラットすぎるかな?と感じていた人
価格だけはあって流石の実力。特にボーカルなどの声の質感はヤバいですね。いろんな声を聴きたくなる。
高いのでコスパとかよくわからんし、おすすめなので買いましょう!とも気軽には言えないですけど、とりあえずイベントとかe☆イヤホンで聴いてみてください。
EMPERORとかSTELLAと聴き比べをすると、ハッキリとキャラの違いがあって単純に面白いですよ。聴くだけならタダっす。
以上!qdc CRAVEのレビューをお送りしました。
おすすめ記事




コメント