【日本に本格参入!】QuestyleドングルDAC「M12i / M15i / M15C」3製品を徹底比較!

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はQuestyleより、ドングルDACの新製品「M12i」「M15i」「M15C」の3製品をまとめて紹介します。

Questyleといえばオーディオ界隈でも密かに人気のあるDAC/DAPを中心に開発・販売を行うメーカーで、最近だとiPhoneでもLDACが使えるようになるトランスミッター「QCC Dongle Pro」が非常に話題になりました。ずっと品切れだもんね。

3機種ともQuestyleが特許を取得した独自技術「SiPカレントモードアンプモジュール」を搭載する点が特徴。

従来のオペアンプチップとは異なる設計により電力制限を克服した技術とのことで、超低歪み率と高い電流出力能力を実現したようです。

また、TOREX社製の高効率電源管理システムを組み合わせることで低消費電力を実現。長時間使用時の過熱やシステム中断リスクを大幅に低減しているようです。

この3製品がどれほどの実力か、それぞれどのような違いがあるのか検証していきましょう。

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


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M12i/M15i/M15C 概要・スペック

M12i/M15i/M15Cのスペックはそれぞれこちら!

項目M12iM15iM15C
DACチップESS ES9281ACESS ES9281ACCirrus Logic CS43198
アンプ構成SiPカレントモードアンプ ×1SiPカレントモードアンプ ×4SiPカレントモードアンプ ×4
出力端子3.5mm3.5mm / 4.4mm3.5mm / 4.4mm (Pentaconn)
ゲイン設定自動 (インピーダンス検出対応)手動スイッチ切替手動スイッチ切替
最大出力3.5mm:21mW @32Ω3.5mm: 11.97mW @300Ω
4.4mm: 22.60mW @300Ω
3.5mm: 10.72mW @300Ω
4.4mm: 42.79mW @300Ω
対応フォーマットPCM: 44.1~768kHz (16/24/32bit)DSD64~DSD512PCM: 44.1~768kHz (16/24/32bit)DSD64~DSD512PCM: 44.1~384kHz (16/24/32bit)DSD64~DSD256
THD+N0.0003%0.0003%0.00028%
周波数特性±0.1dB(20Hz~20kHz)±2dB(20Hz~80kHz)±0.1dB(20Hz~20kHz)±2dB(20Hz~80kHz)±0.1dB(20Hz~20kHz)±1dB(20Hz~80kHz)
サイズ56.8 × 20.2 × 9.5 mm61.8 × 27.2 × 12 mm61.8 × 27.2 × 12 mm
素材アルミニウム合金アルミニウム合金アルミニウム合金
独自機能– 自動電源ON- インピーダンス自動検出- サンプリングレート表示LED– ゲインスイッチ搭載– Pentaconn 4.4mm端子
対応機器Android 5.1以降/iOS/Windows 10以降/macOS18.3以降
Apple MFi認証
Android 5.1以降/iOS/Windows 10以降/macOS18.3以降
Apple MFi認証
Android 5.1以降/iOS/Windows 10以降/macOS18.3以降
Apple MFi認証
主な特徴Apple MFi認証取得で安心・安全な使用
自動インピーダンス検出(8Ω~600Ω対応)
ESS社DACチップ ES9281AC搭載
SiPカレントモードアンプモジュール採用
ESS社DACチップ ES9281AC搭載
3.5mm/4.4mmデュアル出力端子搭載
手動ゲイン調整スイッチで自由な設定
4基のSiPカレントモードアンプモジュール搭載
Cirrus Logic社DACチップ CS43198搭載
3.5mm/4.4mmデュアル出力端子搭載
4基のSiPカレントモードアンプモジュール搭載
Pentaconn 4.4mm端子採用
専門店参考価格¥11,000- (税込)¥31,900 – (税込)¥16,500- (税込)

M12iは3.5mm接続を備えた自動インピーダンス検出機能を備えるエントリーモデル。

M15CはCirrus Logic社DACチップ CS43198と3.5mm / 4.4mmデュアル出力、そして4基のSiPカレントモードアンプモジュールを搭載したミドルモデル。

M15iは基本的にM15Cと同じ性能ですが、DACチップをES9281ACに変更したハイエンドモデルという感じですね。

出力がM15iとM15Cが300Ω負荷時の表記なのでわかりにくいですが、M15iは4.4mm接続時で32Ω負荷だと約210mW、M15Cは約400mWとなっています。出力は下位モデルのM15Cの方が高いんですね。

M12i/M15i/M15C 外観・付属品

それでは外観をそれぞれチェックしていきましょう。

今回は3製品まとめて紹介のため、パッケージからの紹介はカットさせていただきます。

付属品一覧
  1. USB-C to Cケーブル
  2. USB-C to Aアダプター
  3. マニュアル

M12i/M15i/M15Cの付属品は3つとも同じで、USB-C to CケーブルとUSB-C to Aアダプターが付属しています。

本体

M12i/M15i/M15Cそれぞれ並べてみるとこんな感じ。一番小さいのがM12i、M12iの大きいバージョンみたいなものがM15i、シルバー筐体のものがM15cです。

裏側をみると、こんな感じで中の基盤まで透けて見える透明の筐体になっています。素材はおそらくポリカーボネートかな?

側面にはM15iとM15Cのみゲインの切り替えスイッチが搭載。「STANDARD」「HIGH」の2種類のモードから選べます。

底面にはデータ転送用のUSB-C端子。

天面には3.5mm / 4.4mm(M12iは3.5mmのみ)端子が備わっています。

重さはそれぞれ、M12iは約15g、M15iは約28g、M15Cは約27gです。

M12i/M15i/M15C レビュー

M12iの音質について

M12iの音質についてですが、3.5mm接続前提になるのは残念ですが、11,000円という価格を考えれば音質は良い方だと思います。

音の特徴は次のとおりです。

音の特長

4.2

音質

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

音の傾向は基本的にはニュートラルだとは思いますが、同価格帯のDACと比べて音が少し濃密で、それでいて滑らかな音です。

奥行きにも音が広がるような印象で、一言で伝えるなら「豊かな音」という印象ですね。

解像度だけを高くしたカチッとした音ではなく高域は自然に伸びていき、低域は自然に沈んでいくような感覚。

変なトゲや脚色したような迫力もなく、ホント聴いていて心地よく感じるちょうどいい塩梅のアナログライクなサウンドという印象ですね。

Questyleのこの音作りが昔から良いんですよね〜〜〜。日本市場に本格的に帰ってきてくれたことが本当に嬉しい。

ただ、やっぱり3.5mmしか使えないのは残念……。高価格帯のイヤホンだと4.4mm接続を前提にしていることが多いので、使うためにはわざわざ3.5mmに変換しないといけないのがめんどくさいんですよね。

「3.5mmでしか使わんぞ!」という方にはおすすめできそうです。

あとスペック値通り出力は低めなので、ヘッドホンでの利用はあまりおすすめできません。

M15Cの音質について

M15Cの音質についてですが、M12iと比べて音がさらに華やかになるような感覚がありますね。

音の特徴は次のとおりです。

音の特長

4.4

音質

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

音の傾向はM12iと比べると全体的に硬質でハキハキとした音になります。おそらくDACチップをCS43198にした影響でしょうかね。

IE 900で聴くと、M12iでは感じなかった「高域のキツさ」を感じるようになりましたね。ただ、キツイだけではなく高域の伸び切る最後のあたりにジャブ的に余韻が乗るような感覚があります。

低域はよりタイトになり、広がりよりも音の輪郭を描くことを重視したかのような音になりますね。迫力でゴリゴリとくるようなタイプではないです。

中域にもほんの少し艶やかさがプラスされるような印象で、自然に響く余韻が心地よいですね。

カチッとしつつもモニターっぽくはならず、少しウェットさを加えたリスニングサウンドという印象ですね。

同価格帯の定番とお伝えしていたものよりもM15iの方が音質は個人的に良く感じたので、音質面に関してはコスパはかなり高いと思いますよ。

また出力も高いので、HD 620Sクラスのインピーダンスが高めのヘッドホンでもしっかり駆動できます。

M15iの音質について

M15iの音質についてですが、やはり価格だけはあって3製品の中では一番良かったですね。

音の特徴は次のとおりです。

音の特長

4.5

音質

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

音の傾向は同じDACチップを使っているM12iとよく似ていますね。音のバランスはニュートラルでありつつも少し濃密で、それでいて滑らかな音なように感じます。

M12iと同じく奥行きにも音が広がるようなアナログさも感じる音ですが、M12iと比べると少しハキハキとした音のようにも感じますね。

M15Cと比べるとディテールが少し細かく、音の消え入る部分まで丁寧に描いている感覚。ボーカルにも雑味がなく、よりクリーンで滑らかな音のように感じます。さすがにM15iの方が実力は上だと思います。

ただ、約15,000円という価格差ほどの大きな音質差を感じなかったので、M15Cがいかにコスパが高いことがわかります。

シャキッとした音が好みで刺激感や勢い重視で聴きたいならM15C、滑らかな音が好みでボーカルの質感を重視するならM15iなど、音の好みで選んでもいいかな〜と思ったくらいですね。

携帯性について

携帯性についてはM12iは小型で軽量なこともあり、ブラブラすること以外は特に邪魔にはならない印象。

M15i / M15Cはやや大型のため、そのまま使うと邪魔に感じてしまいます。

以前紹介したDAC収納用のMagSafeアクセサリ「DAC Pocket」を使えばブラブラすることもなく、スマホをDAPのような感覚で使えるようになるのでおすすめです。

ノーマルサイズだとM15シリーズはキツキツになるので、できれえばLARGEを買った方がいいと思います。

その他機能性について

3製品とも機能性はめっちゃシンプルです。

M12iは合わせるイヤホンに合わせて自動で出力を調整してくれるという素敵機能が搭載。

M15i / M15Cについてもゲインスイッチの切り替えのみなので、フィルターやイコライザーの変更などは備わっていません。

まあドングルDACで使う機能ってぶっちゃけゲインの切り替えくらいなので、それを手動でパパッと切り替えられたらそれでいいかな〜って感じはしますね。シンプルイズベスト。

あと機能ではないですけど3製品とも本体が全然熱くならない点がよかったですね。

M12i/M15i/M15C まとめ

項目M12iM15iM15C
総合評価(4.0)(4.3)(4.5)
音質(4.2)(4.5)(4.4)
携帯性(4.0)(3.8)(3.8)
拡張性(2.0)(3.0)(3.0)
利便性(4.0)(4.0)(4.0)
専門店参考価格¥11,000- (税込)¥31,900 – (税込)¥16,500- (税込)

今回の3製品を試してみて、個人的に一番評価が高かったのは「M15C」ですかね。

16,000円で3.5mm / 4.4mmを備えつつ、出力も高く、カチッとした解像度の高さがありつつもQuestyleらしい滑らかさもあって、いろいろちょうど良いDACのように感じました。

そりゃM15iの方が音質はいいですけど、その価格差に対して大きな違いはそこまでないんですよね〜。

M12iの音の傾向は今回の3製品の中では一番好みだったんですけど、4.4mmバランスは欲しかったな〜というのが正直なところです。

今回のレビューを参考に試聴や購入の参考にしてみてください。

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