こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
ボクも何度か紹介してきた中華イヤホン界でも人気の高いブランド「LETSHUOER」より、平面駆動型ドライバーの大定番「S12シリーズ」の最新モデル「S12 Ultra」を紹介します。

S12シリーズといえばイヤホンマニアの方達がこぞって高評価をつけるイヤホンで、ボクも使ってみてかなり好印象だったんですよね。
音が良いからはもちろんですが、発売当初としては珍しく約2万という価格で平面駆動型ドライバーを搭載しているというのもあるからでしょうね。そのS12シリーズの最新モデルです。
筐体にはアルミ合金を採用し、従来の14.8mm平面駆動型ドライバーをカスタマイズして内部構造を大幅に改良。それにより音の密度、音場、高域の伸びや低域のダイナミクスを向上したモデルのようです。
価格は26500円と、S12 Proの定価より少し上がった程度ですね。
▼動画版はこちら▼
LETSHUOER / S12 Ultra 外観・付属品
それではLETSHUOER / S12 Ultraの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
LETSHUOER / S12 Ultraのパッケージはこちら。

開封するとこんな感じ。

付属品

- イヤーピースハードタイプ3ペア
- イヤーピースソフトタイプ3ペア
- イヤーピースフォームタイプ3ペア
- 3.5mm、4.4mmプラグ
- DT01 Pro 3.5mm – Type-C DAC アンプ ケーブル
- キャリングケース
- マニュアル
今までのS12シリーズとは異なり、DT01 Pro 3.5mm – Type-C DAC アンプ ケーブルが付属するようになりました。

これでスマホでも直結で使えるようになりますね。ただ、出力は正直なところもう少しほしいところ。
S12シリーズはけっこう鳴らしにくいのよ……。
本体・ケーブル
S12シリーズと同じ外観を踏襲しています。カラーはモカとガンメタルグレーの2色が用意されていますが、今回はモカでレビューしていきます。

パッと見は以前紹介したS12 Ultraとに近いデザインになりましたが、あちらは筐体がチタン、S12 Ultraはアルミ合金になります。
内側はこんな感じ。

着脱端子はフラットタイプの0.78mm2pinに対応しています。

ノズル部は本体と同じ素材ですね。正面からみると金属のメッシュのようになっています。

ドライバーにはS12シリーズ同様に14.8mm平面駆動型ドライバーを採用。ただ、S12シリーズとはチューニングにさらに改善が加えられているようです。
スペックは音圧感度が101dB、インピーダンスは16Ωなので、今までのS12シリーズとおおよそ同じですね。
ケーブルには392コアの銀メッキ銅ケーブルを採用。今までのS12シリーズのケーブルよりもさらにグレードの高いものになっているみたいですね。

コネクタ部はフラットタイプの2pinを採用。耳掛け部は皮膜でおおわれています。

分岐部は透明のアジャスターを搭載。

プラグはマルチプラグに対応し、通常の3.5mmプラグだけでなく、付属品のみで4.4mmバランスプラグへの交換にも対応しています。

本体とケーブルを装着するとこんな感じ。

S12 Ultra レビュー
装着感について
装着感はまあS12シリーズ同様にふつうですかね?
特別装着感が良いと感じることもなく、かといって悪いとも思わず、ふつうです。
装着してみるとこんな感じです。金属筐体だから、冬場とかはヒヤッとしそうです。

前から見るとこんな感じ。

筐体全体で密閉している感じではなく、イヤーピースで密閉・固定して、筐体は耳の中に収まっているだけって感じですね。
遮音性も特別高いというわけではないですかね。
| 装着感 | (4.0) |
音質について
S12 Ultraの音質ですが、S12やS12 Proとけっこう性格が違います。
まず、低音めっちゃ出るようになってる! その上でS12シリーズらしい伸びやかな高域も再現できている感じですね。
- DAP:SONY NW-WM1AM2
- アプリ:Apple Music
- 接続方式:4.4mmバランス接続
- イヤーピース:付属シリコンイヤーピース
- エージング:50時間ほど

S12 Ultraの音の特長は次のとおりです。
4.5
高音
4.5
中音
4.5
低音
音の傾向
S12は硬質な弱ドンシャリ型、S12 Proはフラットという印象でしたが、S12 Ultraは低域・中域・高域、それぞれが主張してくるW字型という印象です。
S12シリーズといえば、一聴して”スッキリ!”と感じる爽やかな音でしたが、S12 Ultraは一聴して”中低音が豊か!”と感じるくらいに量感のある低音が出るようになりました。
音の性質は高域は少し硬質に感じますが、低域は柔らかめで広がるようなサウンドになっています。そのため、S12 / S12 Proと比べるとレスポンスが少し悪めになったようにも感じますね。
S12 / S12 Proの音で慣れている方だと「低音多っ!」って思うかも。ボクはこれくらいがちょうどイイです。
高域
高域はS12シリーズらしい、とても伸びの良いクリアなサウンド。相変わらずキレよく伸びるのに刺さり感は抑えられた絶妙なチューニングになっています。
従来のS12シリーズのようなソリッドさはありますが、S12 / S12 Proと比べると硬質になりすぎず、どこか滑らかな音のようにも感じますね。
アルミ筐体の影響か、樹脂筐体モデルのように音が簡素になりすぎず、金属筐体ならではのカチッとさと、ほどよい余韻が乗ったリスニングライクな高域のように感じました。
低域
S12 / S12 Proの低域はかなりスッキリ目でしたが、S12 UltraはS15やS08のような粘りのある低音も出せるようになり、中低域ラインに豊かさや広がりを持つようになりましたね。
S08よりもブーミーになりすぎず、あくまでS12としての軸を保ちながら量感のある低音を出せるようになった感覚。
キックやサブベースの音もとても深く沈み込みながら、圧のある音を出せるようになったので、エレクトロなどのダンスミュージックにも合わせやすくなりましたね。
ただ、タイトな低音というよりは、豊かに広がるしっとり系の低音という印象を受けるので、ドラムンベースのようなBPMが早めの楽曲だとモタつきを感じるかも。ミドルテンポのダンスミュージックくらいがちょうどイイです。
中域
中域はS12シリーズ特有のソリッドな音に、低域と同様に厚みが増すことで、より深みと芯のあるボーカルが出せるようになった感覚です。
S12 / S12 Proよりもボーカルの上擦り感やシャリ付きが抑えられ、男性ボーカルの表現力もアップしています。
ボーカルも距離は近く、高域はS12特有の煌びやかな音に乗るため、女性ボーカルはとてもクリアに聴こえます。
S12特有の分離感の高さは健在で、余韻や厚みだけで誤魔化さず、各楽器隊の輪郭をクッキリと描写します。
おすすめのジャンル
S12 / S12 Proと比べて低音の量感が増えた影響で、従来とはまた違ったジャンルとの相性がよくなりました。
ポップスはもちろん、ジャズやエレクトロ、R&B系との相性がよくなっていますね。
藤井風や星野源などのブラックミュージックテイストのPOPSを聴いても、とてもしっとりとした低音を土台に解像度高く鳴らせますからね。
ただ、低音のレスポンスがそこまで早くないため、「YOASOBI」や「ずっと真夜中でいいのに。」の一部の楽曲のようにBPMが早くて音数の多いガチャポップ系はモタつく感覚がありますね。4つ打ちのダンスミュージックであればちょうどいいんですけどね。
S12 Ultra まとめ
総合評価
4.7/5
S12 Ultra

- S12 / S12 Proと同等のクリアな高域
- S12 / S12 Proとは異なる粘り気のある低音
- 男性・女性問わずボーカルが近く表現力が高い
- 高級感のあるデザイン
- 充実した付属品
- マルチプラグに対応
- 低音のレスポンスはそこまで早くはない
4.6
高音
4.6
中音
4.6
低音
4.6
解像度
4.6
迫力
4.0
装着感
スッキリとしたソリッドな高音を楽しみたいならS12 /S12 Pro、1万円台で中低域をもっと豊かに聴きたいならS08、5万円台で高域は柔らかく伸びやかに低域は臨場感のあるサウンドを楽しみたいならS15。
そして、S12のような高域の硬質なクリアさと、S08/S15の豊かな中低域を両立したい方にはS12 Ultraががおすすめですね。
S12 / S12Proの低音の量感がもう少し多ければな〜と考えていた人にはピッタリのイヤホンだと思いますよ。
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