こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
JBLからついにフラッグシップモデルの後継機「TOUR PRO 3」が登場しましたよ
今回のJBLは、確実に2024年のNO.1ワイヤレスイヤホンを狙いにきています。
各社さまざまな後継機が発売していってますけど、2024年発売した中でも成長度合いが一番高いんじゃないかな?と思うくらいの進化ですね。
あれや、SONY WF-1000XM5とTechnics EAH-AZ80が2023年に発売されて、2024年は同価格帯だとMOMENTUM True Wireless 4しかライバルがいないうちに、それらを超えるガチのイヤホンを投下してしまえという算段やな。
JBLはそういうやらしいマーケティング上手なところあるよね〜〜〜。
- JBL初BA+DDのハイブリッドドライバー構成
- LDACに対応
- トランスミッター機能付の進化したスマート充電ケース(AURACAST対応)
- ヘッドトラッキング対応の新JBL空間サウンド360
- 新リアルタイム補正機能付ハイブリッドノイズキャンセリング2.0
- 大幅に向上したマイク性能
- 装着感にさらなるフィット感をプラス
今までのJBLのフラッグシップモデルって、前作の「TOUR PRO 2」しかり、「TOUR PRO +TWS」しかり、その年度のNO.2~3あたりを狙ったコスパと機能性のバランスを重視した製品が多い印象だったんですよね。
「LDAC対応だけじゃないん?」とか思ってたら、実際に使ってみると驚くと思いますよ。 とくに音質・ノイキャン・マイク・ケース機能、このあたりは大きく進化しています。
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TOUR PRO 3 外観・付属品
それではTOUR PRO 3の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
JBL TOUR PRO 3のパッケージはこんな感じ。いつものアメリカンな感じのデザインです。
開封するととこんな感じ。
付属品
- イヤーチップ x 5サイズ
- フォームイヤーチップ x 1
- Type-C⇔AUXケーブル 長さ約80cm
- Type-C⇔Type-Cケーブル 長さ約80cm
- Type-A⇔Type-C充電ケーブル 長さ約22cm
- マニュアル
イヤーピースは前作の3ペアから、XSとXLが追加された5ペア付属。さらにJBLとしては初となる低反発素材を使ったフォームイヤーピースも付属。
こちらのフォームイヤーピースを使うことで、さらにノイズキャンセリング性能を高められるとのこと。
フォームイヤーピースは装着感は良くなるけど、高域が吸い取られすぎて音が篭ったりしがちなんですが、今回はアプリでフォームイヤーピース用に音質やノイズキャンセリングを調整することも可能です。
充電ケース・本体
ケースは前作と同じくディスプレイを搭載したスマート充電ケースを採用。これでアプリを開かずともあらゆる設定のカスタマイズが可能となります。
スクリーンサイズは前作よりも約29%大きくなり、より使いやすくなりました。
厚みを比較するとこんな感じ。ほぼ同じ。
サイズ的には前作と大体同じくらいで、携帯性は問題なし。
ちなみにミドルクラスのLIVE BEAM 3も交えて比較するとこんな感じ。デザインだけで見ればLIVE BEAM 3が一番好き。
充電端子はUSB Type Cに対応。
もちろんワイヤレス充電にも対応しています。
ワイヤレス充電を一度使い出すと「充電しているつもりがないのに、いつも満充電になってる!」のような感覚で使えるので本当に便利ですよ。
ちなみに初心者の方にはAnkerのワイヤレス充電器がとりあえずおすすめです。安い割に品質も良く、問題なく充電ができますよ!
充電ケースを開けるとこんな感じ。ちなみに開いたら充電ケースの液晶も点灯します。
本体は取り出しやすいこともなく、特別取り出しにくいこともなく、まあ不満はないかな?という程度。
本体は前作と同じくビーンズ型とショートスティック型を掛け合わせたハイブリッドデザインになっています。
スティック部分は平べったくてきしめん状で、ロゴも主張しすぎない程度に入っています。
TOUR PRO 2と比較したらこんな感じ。マイクの位置などは微妙に違いますが、パッと見だとどっちがどっちかわからない。
上部から見ると、TOUR PRO 3の方がわずかに厚みが増していることがわかります。
内側には薄くL/Rの表記があるくらいで、シンプルなデザインになっています。
ノズルもイヤーピースの形に合わせて楕円形状になっていますね。
他社のイヤーピースを使う場合、充電ケースの収納部がかなりギリギリなので、軸が短めの完全ワイヤレス向けのイヤーピースを選ぶ必要がありますね。
最後に重さですが、本体5.5g、総重量は82.9gです。
ちなみにTOUR PRO 2が本体6.2g、ケース込みで84.9gでした。
BAが追加されて筐体も大きくなっているのに、なぜか重量は軽くなっている……。不思議。
TOUR PRO 3 / TOUR PRO 2 / LIVE BEAM 3でスペックを比較
製品名 | JBL TOUR PRO 3 | JBL TOUR PRO 2 | JBL LIVE BEAM 3 |
ドライバー | カーボン紙+TPU 10mmダイナミックドライバー バランスドアーマチュア | PEN+DLC 10mmドライバー | PU+PEEK 10mmドライバー |
Bluetooth | 5.3 | 5.3 | 5.3 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC LEオーディオ対応予定 | SBC,AAC LEオーディオ対応予定 | SBC,AAC,LDAC LEオーディオ対応予定 |
再生時間 ※ANC ON時 | 本体:8時間 ケース込:32時間 LDAC時 本体:7時間 LDAC時 ケース込:21時間 | 本体:8時間 ケース込:32時間 | 本体:10時間 ケース込:40時間 |
充電端子 | Type C ワイヤレス充電 | Type C ワイヤレス充電 | Type C ワイヤレス充電 |
急速充電 | 10分で約3時間再生 | 10分で約2時間再生 | 10分で約4時間再生 |
防水 | IP55 | IPX5 | IP55 |
自動装着検出 | ◯ | ◯ | ◯ |
ビデオモード | ◯ | ◯ | ◯ |
空間サウンド | ◎ ヘッドトラッキング | ◯ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | ◯ | ◯ |
スマート充電ケース | ◯ さらに機能追加 ディスプレイも大型に | ◯ | ◯ |
Auracast | ◯ | – | – |
トランスミッター機能 | ◯(LC3 Plus) | – | – |
ノイズキャンセリング | 新リアルタイム補正機能付き ハイブリッドANC | リアルタイム補正機能付き ハイブリッドANC | ◯ |
外音取り込み | ◯ | ◯ | ◯ |
アプリ | ◯ | ◯ | ◯ |
Personi-Fi | 3.0 | 2.0 | 3.0 |
このようにドライバーやコーデックだけでなく、それ以外の機能性も大幅にパワーアップしていることがわかります。
何気にLDAC+ノイズキャンセリングでも、本体再生が7時間持つという点も評価しています。
TOUR PRO 3 レビュー
装着感|前作と変わらずとても良好
まず装着感についてですが、とても良好です。
前作のTOUR PRO 2からハイブリッドデザインを採用するようになってから、装着感がめちゃめちゃ良くなったんですよね。
実際に装着してみるとこんな感じ。本体部が耳の形に沿った形状になっているので、耳内も圧迫感をほとんど感じない状態。それでいてしっかりと密閉できているような感覚ですね。
前作より形状が少し変わっているのと、本体も軽くなっている影響か、さらに装着感が良くなっている感覚がありましたね。
前から見るとこんな感じ。
耳の外側から内側まで、重さが見事に分散されているような感覚で耳への負担がめちゃくちゃ少ないんですよね。この装着感は素晴らしいです。
イヤーピースは今回は変えずに使っていますが、純正イヤーピースでも個人的には問題なさそうです。
わりとホールド力も高いので、軽いジョギングくらいであれば、耳から落ちる心配もなく使えそうですね。
装着感 | (5.0) |
音質|BAの恩恵がスゴイ
本題のTOUR PRO 3の音質についてですが、前作よりかなりパワーアップしています。ハイブリッドドライバーの恩恵がめちゃめちゃあります。
前々作の「TOUR PRO +TWS」→「TOUR PRO 2」からの進化以上に音質が大幅にパワーアップしたように感じましたね。さらにLDACにも対応しましたし、JBL超本気よ?
JBLはダイナミックドライバー一発のイメージだったんで、初のハイブリッド型ということもあって心配でしたけど、めちゃめちゃいい感じに調和していますよ。
そもそもJBLもハーマングループだから、同じグループのAKGの「K3003」や「K5005」などのハイブリッドドライバー構成の技術は持っているんですよね。(ってメーカーさんが言ってた)
そのため、LDACに対応していないiPhoneユーザーの方がTOUR PRO 3を聴いても、前作との音質差を明確に感じられるような製品となっています。
TOUR PRO 3の音の特長は次のとおりです。
4.8
高音
4.8
中音
4.8
低音
- 得意なジャンルを追記
音の傾向
音の傾向はいつものJBLらしい低域と高域が強調された弱ドンシャリ型でパワフルかつフレッシュな音作り。
ひとつひとつの音に厚みがありながらも重厚になりすぎず、スナップ感の効いたレスポンスの良い音になっています。
全体的なバランスはTOUR PRO 2と変わらずといった印象。
高域
前作と一番大きな変化を感じたのは高域。BA(バランスドアーマチュアドライバー)を搭載したことにより、高域側が良く伸びるようになり、解像度やレスポンスも向上しています。
聴いて3秒くらいで「高域がめっちゃクリアになってる!」とハッキリとわかるようなレベルです。
前作では苦手だったブラス・ストリングスの音も自然に表現できるようになり、ジャズやクラシックなど苦手ではなくなりました。
相変わらずギターやシンセサイザーなど電子音系の煌びやかに鳴らすのは得意ですが、さらにスピーディーでキレの良い音になっています。
苦手を克服しつつ、得意な部分もさらに伸ばしたような感じですね。
BAの搭載だけでなくLDAC対応により990kbps接続時はさらに高域側の解像度もアップしてますね。
中域
前作と傾向は変わらず厚みたっぷりで、ギターやシンセサイザーの音も重厚に鳴らすパワフルな音作りですね。
男性、女性ボーカル問わずにフレッシュな歌声を聴かせてくれます。サビで音圧が高まっても埋もれることが一切ありません。
BAドライバーのおかげで中高域のレスポンスが良くなったことにより、前作より声の輪郭が浮き彫りにされたかのように感じ取れます。
低域
低域も前作同様に、フロアを揺らすような迫力と躍動感を感じるサウンド。
解像度も高く、ベースラインからバスドラムも厚みたっぷりの音でありつつも、その輪郭をしっかりと追えますね。
前作よりも低域がタイトになっていて中低域ラインで膨れすぎず、スナップ感のよい低音だけをノリ良く楽しめるようにも感じました。
おすすめのジャンル
おすすめのジャンルはロック・ポップス全般。あとはEDMやヒップホップなどもおすすめです。
さらに高域のレスポンスが良くなったので、メタルもいける口になりましたね。
ジャズやクラシックは苦手から克服はしたけど、得意ではないって感じ。
なんでもいけるけど、やはりロック・ポップスが一番おすすめですね。
空間サウンドも進化
前作から搭載していた空間サウンドですが、正直は音を広げただけのような感じで微妙でした。
今回の空間サウンドは、より性計算能力の高いチップセットでアルゴリズムを最適化し、計算量が多くなることでリアルな空間表現ができるようになったとのことです。
空間サウンドは「ムービー」「ミュージック」「ゲーミング」の3つから選択可能。コンテンツに合わせて最適な空間サウンドを選べます。
実際に使ってみましたが、「ミュージック」については前作よりもボーカルがシャリつくような不自然さがなくなり、めちゃ自然に音を広げてくれるようになりました。
ずっと真夜中でいいのに。のライブ音源で試しましたけど、むしろ空間サウンドのほうがホールで鳴らすリアルな表現をしてくれます。空間サウンドONじゃないと物足りなく感じるほどでした。
「ムービー」は、低音の迫力や臨場感を加えて、映画館で観ているかのような3D感のあるサラウンド音声を、擬似的に再現してくれます。こちらは前作とそこまで変わらずといった印象でしたね。
「ゲーム」は低域の臨場感と、高域の明瞭度を上げて、FPSでも迫力のある音で楽しみつつ、銃声や足音などの音を強調させるような音作りですね。
またヘッドトラッキング機能も今回追加されましたが、BoseやAIrPods Proのように向いている方向に対して自動でキャリブレーションを行なってくれないため、正直使いにくい印象でした。
イマイチなポイントは高音質コーデックのLDACとの併用ができない点……。空間サウンドかLDACの2択だと、LDACが優先かな……iPhoneユーザーはAACまでなので気にしなくていいけど。
ノイズキャンセリング|一番の進化ポイントはこれ
音質以上に驚くほど進化していたのがノイズキャンセリング。全ワイヤレスイヤホンで比較してもTOP5に入るくらいに遮音性が高くなっています。
装着した瞬間から、「あっこの子めっちゃノイキャン強いやつや」って瞬時にわかるくらいスッと雑音が消えます。
TOUR PRO 2より電車や飛行の振動音が伴う50〜200Hzで平均約10dB、カフェやショッピンモールなどの雑踏音が伴う200Hz〜3kHzでは平均約5dB雑音を軽減できているようです。
さらに「リアルタイム補正機能」もついており、周りの雑音状況にあわせてノイズキャンセリングの量感を最適化してくれます。
アプリではアダプティブをOFFにしておけば、常時MAXでノイズキャンセリングを効かせることも可能です。
人の声や空調音などの高域側は、他のノイズキャンセリング最強系のイヤホンと比べると少し残るような感覚はありますが、低域〜中域側は負けずとも劣らない実力があります。
ちなみに付属のフォームイヤーチップを使うと、さらに高域側の遮音性をアップさせることも可能。
アプリの設定で「フォームイヤーチップ」に切り替えることで、フォームイヤーチップに適したノイズキャンセリング設定にしてくれます。
それだけではなく音質もシリコンタイプを使っている時と同じように高域側をしっかり伸ばしてくれるので、フォームイヤーチップを使ったことによる音質差がほとんどないんですよ。
ノイズキャンセリング性能は超良くなっているので、ふつうにノイズキャンセリング性能重視でTOUR PRO 3を選ぶのもおすすめですよ。
ノイズキャンセリング | (4.6) |
外音取り込み|こちらは前作と変わらず?
JBL TOUR PRO 3の外音取り込みですが、こちらは前作とは変わらずといった印象でしたね。前作と変わらず実用的って感じ。
イヤホンをしている状態でも、ふつうに相手と会話ができるレベルに集音してくれます。
音楽を小音量で聞いている状態でも、相手の声も聞き取れるので、BGM感覚で音楽を聴くときにも使えますね!
ちなみにJBLの外音取り込みモードはJ2種類あります。
- アンビエントアウェアモード(L側を1回タップ)
→音楽の音量を下げずに、そのまま外音取り込みに移行するモード - トークスルーモード
→音楽の音量をグッと引き下げて、外音取り込みに移行するモード
音楽を聴きながらBGM感覚で聴きたいときはアンビエントアウェアモードを使って、コンビニやスーパーのレジとかでワンポイントで使う場合はトークスルーモードといった二通りの使い方ができます。
JBLのこの仕様はけっこう便利で好きです。
欲を言えば、もう少し耳で聞いているかのような超自然な外音取り込み機能がよかった。ワタシ ガイオントリコミ メチャコダワル。
外音取り込み | (4.4) |
操作性|操作はしやすいがカスタマイズ性が残念
LIVE BEAM 3の操作性はいつものJBLらしい感じですよ。操作のしやすさ自体には不満はないですよ。
ただ、毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回言ってますけど、本体で実質「音量調整」ができないのヤメテ。
操作はタッチパネルで行います。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | R側を1回タップ |
曲送り | R側を2回タップ |
曲戻し | R側を3回タップ |
音量を上げる | アプリで対応可能 |
音量を下げる | アプリで対応可能 |
外音モードの切り替え | L側を1回タップ |
トークスルーモード | L側を2回タップ |
音声アシスタント | L or R側を長押し |
ペアリングモードへの移行 | R側を1回タップしたあとに、2回めを長押し |
マルチポイントも備わっているので、ペアリングモードを本体操作のみで移行できるのは便利ですね! 2台目のデバイスとも接続しやすいです。
アプリで操作方法の変更ができるのですが、これJBLのイヤホンのレビューのたびに毎回言っているんですけど、操作のカスタマイズが一括で変更されてしまうんですよ。
操作のカスタマイズですが、次の4つからL/Rに対して2つを選択できます。
- アンビエントサウンドの操作
→1回タップで外音モードの切替、2回タップでトークスルーモード - 音量の操作
→1回タップで音量アップ、2回タップで音量ダウン - 再生&音声アシスタントの操作
→1回タップで再生&一時停止、2回タップで次のトラック、3回タップで前のトラック - なし
個人的には再生停止は絶対必要ですし、ノイズキャンセリングの切り替えも絶対に必要なので、実質本体のみで音量操作ができないようなものなんですよね。
操作ボタンごとに変更ができれば、長押しに音量のアップ・ダウンの割り振りができるのに、この操作カスタマイズの不自由さがいつも残念です。
最近は本体をスライド操作するだけで音量操作ができるものも増えてきているので、JBLも改善して欲しいところです。音量操作は、わりと使うことが多いんですよね。
アプリについて
TOUR PRO 3はアプリに対応しています。
アプリでできることは次のとおりです。
- ノイズキャンセリングや外音取り込み機能の各設定Personi-Fi(サウンドの最適化)
- イコライザー設定
- Spatial Sound
→空間サウンド - タッチ操作の変更
- ボイスアウェア
→通話時の自分の声の音量調整 - 装着時の自動再生&一時停止
- パーソナルサウンドアンプリフィケーション
→音声の集音量を大きくして、補聴器的に使う機能 - ボイスアシスタント設定
→スマホデフォルトのものか、Alexaの設定に変更可能 - スマートオーディオモード
→オーディオモードか、ビデオモードの2つから選択可能。ビデオモードだと遅延が少なくなる。 - サウンドレベルオプティマイザー
→通話時の音量レベルを自動で調節する機能 - リラックスサウンド
- 通話イコライザー(相手と自分それぞれ設定可能)
- 音声プロンプト
→音声通知の言語設定が可能 - フィット感のチェック
- 最大音量のリミッター
→85dB以上の音量を出ないようにして耳を保護する機能 - イヤホン本体を見つける
- バッテリーの節約
- ファームウェアアップデート
- スマートケースの設定
- etc……
Personi-Fi 3.0
年齢や聴力情報を送り、その後に聴力テストを行うことで、個人の耳に対して最適な音響設定を自動で作ってくれる機能です。
今までは設定項目に「性別」「生まれた年」そして「リスニング経験」を入力する必要がありましたが、今回はカットされてシンプルになりました。
それ以外の項目は今までのPersoni-Fi2.0と同じっぽいですね。
テスト中は左右の耳ごとに、周波数ごとに聴力検査のようなものを行います。音が鳴っている間は長押しし続けるようなテスト方法ですね。
実際に製作した波形がこちら。
音質が大きく変わる感じではなかったですが、ほんの少し好きな傾向に補正してくれたような感じですね。
こちらはとりあえずやっておいても良いかと思いますが、LDACとの併用ができないのが残念。
イコライザー設定
イコライザー設定では、プリセットイコライザーと、マイEQというカスタムイコライザーの設定ができます。
JBLのイコライザーって、とても優秀で、どの設定にしてもいい感じに音を補正してくれるんですよ。
マイEQでは、10バンドに対して±7dBのイコライザー設定を細かく設定できるので、自分好みの音に仕上げやすいです。
通話イコライザー(相手と自分それぞれ設定可能)
こちらはTOUR PRO 2にも搭載されていなかった機能で、相手の声質と自分の声質を調整することが可能です。
- 相手の音声設定
→ナチュラル、高音の増強、低音の増強 - 自分の音声設定
→ナチュラル、パワフル、ブライト
その他にも「プライベート通話モード」があります。こちらはイヤホンを口元に近づけて小さな声で喋っても、相手にお大きな音量で音声を伝えることができるようになる機能です。
アプリの設定はほとんどがスマート充電ケースでできる
ここまで紹介してきたアプリで紹介した機能は、スマート充電ケース機能で設定の切り替えが可能です。
アプリをわざわざ立ち上げなくてもいいのがラクですね〜。ここがスマート充電ケースの良いところ。
項目が多すぎて不必要な項目もありますが、アプリでは不必要な項目を削除することもできます。
できないのは、主要どころだと「Personi-Fi」「通話イコライザー」「LDACの切り替え」「ビデオモードの切り替え」くらいでしょうか。他にもあるけど。
LDACの切り替えのは残念……。ここが切り替えられないと空間サウンドをONにできないのよ。
「ケースを探す機能はうれしい!」と思っていた俺がバカだった
今回うれしいのが充電ケースごと探せるようになったことですね!
いや〜この機能はうれしいですよ〜うれしかったですよ〜。
ボク”ケースごと”イヤホンを家のどこかに無くしてしまうことが多くて、いっつも探してばっかりなんですよね。
AirPods Pro 2はこのケースごと探す機能がついていて、一瞬で見つけられるから大変便利だったんでね〜、それがTOUR PRO 3にもついてくれたのはとてもありがたいんですよ〜。
っと思ってたら、これアレじゃねえか、“ケースしか探せない”機能じゃねえか。
アプリから「ケースを探す」をタップすることでケースから音が鳴るようになっています。ただ、アプリに接続するためにはケースからイヤホンが取り出された状態になっている必要があります。
バカヤロウ!!
ちゃうねん、”ケースだけ”探したいんじゃないねん。“イヤホンが収納されたケースごと”を探したいねん。AirPods Pro 2的なことでけへんやつやん。
ケースだけ探したい人っている? いねぇよなぁ!!!!!
これをメーカーさんから説明されてめっちゃ喜んでいた俺がバカだった。 この仕様、なにを見てヨシ!って言ったんですか?
JBLさん、これフィードバックです。なんとかして。
通話品質|
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
TOUR PRO 3
TOUR PRO 2
前作でもマイク性能は大概よかったですが、前作にあったほんのり残る背景ノイズがほとんど消えていて、それでいて音声は同じくらいクリアに届けられるようになりました。
ノイズ対策力と音声のクリアさのバランスを考えると、ワイヤレスイヤホンの中で一番良いんじゃ無いかな?と思うほどのマイク性能の高さです。
ちなみに通話中は充電ケース自体側で「ミュート」「通話終了」の2ボタンが表示されるようになります。これも便利。
通話用途メインで買うのもおすすめなほどマイク性能は高いですね。
通話品質 | (5.0) |
音の遅延|ビデオモードなら違和感なし
映像と音声のズレについては、ビデオモードをOFFの状態でもYouTubeで動画を見るくらいであればほとんど気にならない遅延の少なさです。
次にビデオモードをONの状態でゲームをしてみましたが、FPSや音ゲーなどタイミングがシビアなゲームじゃない限りは遊べるくらいに遅延は少なくなります。なかなかマルチな用途で使いやすそうですね。
LDACとマルチポイントの併用も可能
今回、LDACに対応しましたが、LDACとマルチポイントの併用も可能です。
ちなみにマルチポイントの挙動としては、はじめに再生されているデバイスが優先され、2台目のデバイスを再生しようとしても再生されない仕様です。
ただ、LDAC 990kbps+マルチポイントだと途切れやすい
接続安定性についてですが、iPhoneのAAC接続は一度も途切れなし。
iPhoneとマルチポイント接続した状態でXperia 1ⅥのLDACの接続優先(330kbps)で使うと、たまに途切れが発生する程度ですかね。
最後にLDAC(990kbps)でマルチポイント接続した場合ですが、かなりブチブチ途切れます。JBL初のLDAC搭載機ですが、さすがに990kbpsだと安定しないようです。
990kbps接続時でもマルチポイントをOFFにすればまだマシにはなりますが、それでも屋外だと割とぶちぶちいきますね。
トランスミッター機能が超便利
音質・ノイズキャンセリングの進化以外でとくに気に入ったポイントが、ケースのトランスミッター機能ですね。
この機能を使えば、Bluetooth機能が備わっていないパソコンでも、ケースと付属のケーブルをつなげることでBluetooth接続ができるようになります。
ちなみに接続方式LC3 Plusになるのでめちゃめちゃ遅延が少なく、それでいて高音質なのですよ。
USB-C端子が備わっているデバイスであれば付属のUSB-Cケーブルで。備わっていないデバイスにはUSB-C to 3.5mmケーブルを使うことでワイヤレスで接続できます。
このトランスミッター機能マジで便利で、めちゃめちゃいろんな用途に使えるのよ。
- 動画編集
- ゲーム
- 飛行機コンテンツ
- iPhone 15の高音質コーデックでの電装
- ペアリングがめんどくさい時の簡易利用
どれもめちゃめちゃ実用的でしたね。遅延めっちゃ少ないから動画編集もワイヤレスでふつうにできるし、ゲームもほぼ遅延なくできるのよ。SwitchとかASUS ROG Allyとかで軽くゲームしたい時に超便利なのよ。
以前紹介したAKG N5 HYBRIDもUSBドングルがケースに付属していて、それをデバイスに刺すことでLC3 Plusで聴ける仕様でした。
スマートさや携帯性の高さはこちらの方が有利なのですが、TOUR PRO 3のメリットはUSB-C to 3.5mmケーブルも使えるという点ですね。
この仕様のおかげで、ネットが使えない飛行機内で、ディスプレイに備わっている3.5mmジャックにTOUR PRO 3のケースを差して、TOUR PRO 3を使ってワイヤレスで機内動画コンテンツを楽しめるというわけですよ。
これだけの高い音質・機能性を持ちつつ、+αでトランスミッター機能を使える点が、他の3〜4万円クラスのイヤホンと差別化できているポイントだと思います。
ちなみに付属のケーブルをケースに刺すだけで、イヤホン本体がケース側とペアリングするようになるので、接続の切り替えも超簡単です。
この機能を使って普段はiPhoneとXperia 1Ⅵで2台接続しつつ、パソコンやゲーム機などにはトランスミッター機能で繋げて複数のデバイスで使い回しています。これが超便利。
TOUR PRO 3 まとめ
TOUR PRO 3をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.9/5
TOUR PRO 3
- 前作より歯切れが良くクリアになった音質
- 万能型としてはノイズキャンセリングがかなり強い
- LDAC+ノイキャン時でも再生時間が長い
- 高すぎるマイク性能
- ケースをトランスミッターとして使えるのが便利すぎる
- マルチポイントやワイヤレス充電にも対応
- ケースからアプリの設定ができる
- 実施音量調整が本体のみでできない
- LDAC(990kbps)+マルチポイントは音途切れが多め
- 外音取り込み機能がもっと自然になってほしい(欲を言えば程度)
- せっかくのケースを探す機能が役に立たない
4.8
高音
4.8
中音
4.8
低音
5.0
装着感
4.6
ノイズキャンセリング
4.4
外音取り込み
5.0
マイク性能
4.9
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体8時間/ ケース込み32時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC LEオーディオ対応予定 | 充電時間 | 10分で3時間再生 |
ドライバー | 10mmダイナミックドライバー +BA | 充電端子 | Type C ワイヤレス充電 |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IP55 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 5.5g/82.9g |
外音取り込み | ◯ | 低遅延モード | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
TOUR PRO 3はこんな人におすすめ
- 予算3〜4万円ほどでワイヤレスイヤホンが欲しい
- ロックやポップスを好んで聴く
- 優先したいポイントは音質とノイズキャンセリング
- 飛行機・動画鑑賞・編集・ゲームなどマルチな用途で使うことが多い
価格はついに4万円台の大台に乗りましたけど、いや〜ちゃんと価格に見合った実力のある製品のように感じました。
TOUR PRO 2が発売された時は33,000円は正直「JBLなのにちょっと高いな〜……」って感覚だったんですよ。
ただ、今回のTOUR PRO 3に関しては、4万円でも妥当とふつうに感じたほどの完成度のように感じたんですよ。そりゃ安くなってくれたら嬉しいですけど、それはそれでコスパがめちゃ高くなる一方だと思いますしね。
JBLサウンドにさらに歯切れが良くなった高音、強力になったノイズキャンセリング性能、そして圧倒的な利便性、それを妥協することなく手に入れたい方は、TOUR PRO 3をぜひ手に入れてみてください。
この実力は間違いなく2024年おすすめワイヤレスイヤホンTOP3には入ると思います。LDACにも対応したので、前作のようにiPhoneユーザーだけでなくGalaxyやPixelユーザーにもおすすめですよ。
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