こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回は前回紹介したAKG国内初のワイヤレスイヤホン「N5 HYBRID」に続き、同時に発売される同社のフラッグシップワイヤレスヘッドホン「N9 HYBRID」を紹介します。
主な特徴はこちら
- ハイレゾオーディオワイヤレス&LC3を採用
- AKGのリファレンスサウンドを採用
- LDAC対応、ドングル使用でLC3 Plusでハイレゾワイヤレスに対応
- ノイズキャンセリング性能
- 合計6つの通話マイク、ビームフォーミングマイクとノイズ分離用のインナーマイクを搭載
- 通話音声イコライザー&サウンドレベルオプティマイザーを採用
- アンビエントアウェアとトークスルーを採用し、
- ノイズキャンセリングONで55時間、ノイズキャンセリングOFFで最大100時間再生可能
- マルチポイントにも対応、手動での切り替えも可能
前回紹介したワイヤレスイヤホンのN5 HYBRIDは、JBL TOUR PRO 2をベースにAKGチューニングと新機能を施した兄弟機的なポジションでしたが、N9 HYBRIDは完全にオリジナルモデル!
そしてN5 HYBRIDと同じくドングル搭載で、iPhoneでもハイレゾ相当で伝送できるLC3 Plusで接続可能なマルチに使えるワイヤレスヘッドホンとなっています。
YouTube版はこちら
AKG N9 HYBRID 外観・付属品
パッケージ
パッケージはAKGらしい白地のシンプルなデザイン。
開封するとこんな感じ。
付属品
- 充電用USB Type-Cケーブル
- キャリングケース
- オーディオケーブル
- フライトアダプター
- USB-Cドングル
- USB-C → A変換アダプター
- マニュアル
ちゃんとハードタイプのキャリーケースもついてくるので、外にも持ち運びやすいですね。サイズが若干でかいですけお。
ヘッドホン本体
N9 HYBRIDの本体はこちら。
AKGのコンシューマーラインらしく、無駄な装飾がない超シンプルなデザインですね。これでいいんですよ。
ただ、ロゴの位置は個人的には真ん中に小さく「AKG」と記してくれた方が好みだったかな。
そしてドングルはどうやって携帯するのかというと、なんとハウジングの中に収納できるようになっているのですよ。
ドングルを使っていない間も無くす心配がなく、使いたい時にいつでもサッと取り出せます。
ドライバー部はスイーベル仕様で90°くるっと回るようになっています。
ただ、折りたたむことができないので、バッグに入れる時は嵩張ります。
ドライバーにはPU+LCP(液晶ポリマー)素材を採用。高強度・高硬度のLCPが振動板振動の共振と歪みを減少させることにより、深みのある/迫力のある低音と鮮やかな中音域、より詳細で高域の伸びを実現したとのこと。
また、独自の音響設計とチューニングにより、ビビッドなサウンドでAKGらしいサウンドステージを目指したようです。
ヘッドバンド部分は段階式で調整可能。質感良くカチカチと調整できます。
イヤーパッドとヘッドパッドは柔らかくてモチモチ。めちゃくちゃ装着感はよさそう。
下部にはボタン類や充電端子が備わっています。
電源ボタンはスライドスイッチになっていますね。
最後に重さは286.2g。ワイヤレスヘッドホンとしてはふつうくらいの重さ。
AKG N9 HYBRIDとTOUR ONE M2のスペックを比較
同じグループ会社のJBLのフラッグシップヘッドホン「TOUR ONE M2」と比較してみました。
製品名 | AKG N9 HYBRID | JBL TOUR ONE M2 |
ドライバー | PU(ポリウレタン)+液晶ポリマー 40㎜径ダイナミックドライバー | PU(ポリウレタン)+液晶ポリマー 40㎜径ダイナミックドライバー |
接続方式 | Bluetooth 5.3 2.4Ghz | Bluetooth 5.3 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC,LC3 Plus LC3,(対応予定) | SBC,AAC, LC3,LC3+(対応予定) |
再生時間 ※ANC ON時 | 最大55時間 | 最大30時間 |
充電端子 | Type C | Type C |
防水 | – | – |
自動装着検出 | ◯ | ◯ |
ビデオモード | ◯ | ◯ |
空間サウンド | ◯ | ◯ |
マルチポイント | ◯ (LDAC+マルチポイントも可) | ◯ |
ノイズキャンセリング | ◯ | ◯ |
外音取り込み | ◯ | ◯ |
アプリ | ◯ | ◯ |
Personi-Fi 2.0 | ◯ | ◯ |
価格 | 55,000円 | 39,600円 |
AKG N9 HYBRID レビュー
装着感|ふわふわでバランスの良い装着感
N9 HYBRIDの装着感はなかなか良好です。イヤーパッド、ヘッドパッドどちらもふわふわで、重さも頭全体に分散されていて負担がかかりにくくなっています。
実際につけてみるとこんな感じ。
ハウジングもそこまで厚みがないので、見た目も野暮ったくならないのもいいですね。
ただ、密閉感がわりと高いので、冬に使うとあったかいと思いますけど、梅雨の時期や夏場に使うと蒸れて暑くなりそうですね。
装着感 | (4.5) |
音質|クセのないバランス型
N9 HYBRIDの音質ですが、前回紹介したイヤホンのN5 HYBRIDとかなり似た傾向になっていますね。
やはり40mm口径のドライバーを搭載していることもあって、N5よりもさらにレンジが広く、迫力のあるサウンドを提供してくれます。
N9 HYBRIDの音の特長は次のとおりです。
4.8
高音
4.7
中音
4.7
低音
音の傾向的にはN5と同じく豊かでありつつもフラットに近いバランスの良い音で鳴らすような印象ですね。めちゃくちゃクセが少ないです。
ただ、Q701やK712など他のAKGのようなモニターヘッドホンのように完全にスッキリとしたサウンドというわけではなく、あくまでリスニング向けとしてバランス良くマイルドに仕上がっているような感じですね。
高域は刺さり感がなく刺激を抑えつつもクリアに伸びるマイルドさと抜け感を兼ね備えた音という印象ですね。TOUR ONE M2が硬質でカチッとした高解像度系のサウンドでしたが、アレと比べると優しくマイルドに抑えられた高音って感じですね。
中域はN5 HYBRIDと同じく、音のつながりが滑らかで、高域と低域の量感のバランスを保ちながら程よく艶やかに聴かせるような感じですね。
低域も一聴するとスッキリとして聴こえますが、量感はなかなかのもの。こちらも迫力は重視しすぎず、マイルドに抑えられたバランスの良い低音という印象ですね。
得意なジャンルですが、基本オールジャンルOKで、めっちゃ得意なジャンルもなければ、苦手なジャンルもないって感じです。
実力的にはTOUR ONE M2と大きくは変わらず、音の傾向による好みの差はともかく、コスパ面ではTOUR ONE M2の方が高いように感じましたね。
硬質で少し派手目にシャキッと聴きたい場合はTOUR ONE M2、あらゆるジャンルを伸びやかにバランス良く聴きたならN9 HYBRIDって感じですかね。
iPhone(15〜)でも高音質コーデックを使える
そしてN5と同じく一番の強みが、ドングルを使うことによってiPhoneでも96kHz / 24bitに対応した高音質コーデック「LC3 Plus」を使えるという点です。
iPhoneは仕様上、圧縮率の大きいSBC・AAC接続しかできないため、Bluetooth接続時はAndroidに比べると劣ってしまいます。
そこでドングルを使うことで、iPhone 15でもハイレゾ相当の伝送に対応したLC3 Plusで使えるようになるというわけですよ。ただ注意点として、USB-Cに対応したiPhone 15以降である必要があります。
ドングルを使って聞いてみると、AAC接続と比べて一音一音の明瞭さがアップしており、iPhoneでもしっかり高音質コーデックの恩恵を受けることができるようになりました。
ただ、剥き出しの高解像度という感覚で、AAC接続と比べると少し高域にザラつき感があるような印象。AACの方が解像度が低いけどまろやかという感じでしょうかね。
音質的には以下のようなイメージです。
LDAC(990kbps) > LC3 Plus > LDAC(330kbps) > iPhone AAC接続 > Android AAC接続 > SBC接続
一番音質が良いのはLDACの990kbpsで、LC3 Plusと比べると高域のザラつきも目立たず、音の消え入る最後まで高密度な情報量で鳴らすような印象でした。
AndroidユーザーはLDAC接続で使う方が良いかと思います。
iPhone14以前のモデルは使えなかった
ためしに付属のドングルと、Lightning to USB-C OTGアダプターを使ってiPhone SEに接続しましたが、N5 HYBRIDと同じく電力多足りずアクセサリを認識できませんでした。
iPhone 14以前のモデルをお持ちの方はドングルはどう足掻いても使えないのでご注意ください。
有線接続の音質がめっちゃキレイ
そして驚いたのが、3.5mm接続時音質の良さ。この手のワイヤレスヘッドホンはBluetooth接続を前提にチューニングをしているため、音のバランスが悪くなりがちなんですが、ちゃんとBluetooth接続時の音をバランスを保ったまま、有線による高い情報量で鳴らします。
ちなみに3.5mm接続時は中のアンプ部はスルーのか、電源OFFでも使えますし、音量操作も本体のみでできなくなります。
ただ、完全に電源がOFFになるわけではなく、有線接続時でもノイズキャンセリングや外音取り込み機能も使えます。
さすがに同価格帯の有線ヘッドホンには勝てないですが、有線接続でも2〜3万円の有線イヤホンクオリティはあると思います。
USBオーディオは使えない
USB-CのOTGケーブルを繋げて、有線でロスレスで聴けるか実験もしてみましたが、USB-Cで直差しは反応しませんでした。
基本Bluetoothorドングルでのワイヤレス接続か、オーディオケーブルでの接続がメインとなりそうです。
LC3 Plusでも接続が安定している
そしてヘッドホンモデルということもあり、N5 HYBRIDよりも接続がさらに安定していますね。
N5 HYBRIDはドングルでLC3 Plusで接続している際は、音途切れやビットレートの可変による音質の劣化が見られましたが、N9 HYBRIDではそのような現象はほとんどありませんでした。
LDACの音質優先モードでも問題なしです。
ノイズキャンセリングについて
ノイズキャンセリングは低域から高域まで満遍なくカットできていますね。最強クラスとまではいかないけど、隙のない優秀なノイズキャンセリングって感じです。
TOUR ONE M2でもなかなか優秀でしたけど、さらに上をいく遮音性能はあるように感じましたね。
また、ノイズキャンセリングのサーっとバックで鳴るホワイトノイズや風切音が少なくて、めちゃくちゃストレスが少ないですね。
ノイズキャンセリング | (4.5) |
外音取り込みについて
ヘッドホンをしている状態でも、ふつうに相手と会話ができるレベルに集音してくれます。音楽を小音量で聞いている状態でも、相手の声も聞き取れるので、BGM感覚で音楽を聴くときにも使えますね!
こちらもTOUR ONE M2よりも週音量が少し大きく、それでいてクリアに感じましたね。
イヤホンと違って食事中でもモゴモゴとした咀嚼音が脳内に響かないので、高音質で音楽を聴きながら周りの音を聴くこともできますね。(食事中くらいヘッドホン外せ)
またN5 HYBRIDやJBLと同じく2種類の外音取り込みモードの使い分けができます。
- アンビエントアウェアモード(外音ボタン1回押す)
→音楽の音量を下げずに、そのまま外音取り込みに移行するモード - トークスルーモード(外音ボタン2回押す)
→音楽の音量をグッと引き下げて、外音取り込みに移行するモード
音楽を聴きながらBGM感覚で聴きたいときはアンビエントアウェアモードを使って、コンビニやスーパーのレジとかでワンポイントで使う場合はトークスルーモードといった二通りの使い方ができます。
外音取り込み | (4.5) |
操作性について
操作性はある程度は使いやすいかな?という印象ですね。ハウジングをひねることで音量を調整できる珍しい機構を備えています。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | 再生ボタンを1回押す |
曲送り | 再生ボタンを2回押す |
曲戻し | 再生ボタンを3回押す |
音量を上げる | ハウジングを前方にひねる |
音量を下げる | ハウジングを後方にひねる |
外音モードの切り替え | 外音モードボタンを1回押す |
Bluetooth/ドングル接続切り替え | 電源スイッチを2回スライド |
トークスルーモード | 外音モードボタンを2回押す |
音声アシスタント | 再生ボタンを長押し |
ペアリングモードへの移行 | 電源スイッチを1回スライド |
マルチポイントも備わっているので、ペアリングモードを本体操作のみで移行できるのは便利ですね! 2台目のデバイスとも接続しやすいです。
ちなみにアプリで操作のカスタマイズっぽい画面はありますが、外音モード切り替え時に「オフ」を挟むかどうかの設定くらいしかできません。
まあ、初期設定でも操作は網羅できているので、カスタマイズをする必要はないかと。
アプリについて
アプリでできることは、前回紹介したN5 HYBRIDと同じですね。ただ、マイクを近づけて小声で通話ができるようになるプライベート通話モードは搭載していません。
- ノイズキャンセリングや外音取り込み機能の各設定
- Personi-Fi(サウンドの最適化)
- ハイレゾオーディオ
→LDAC接続をONにする ※Personi-Fi、空間サウンド、低音量ダイナミックEQが使えなくなる - イコライザー設定
- Spatial Sound
→空間サウンド - タッチ操作の変更
- ボイスアウェア
→通話時の自分の声の音量調整 - SilentNow
→接続オフでノイズキャンセリングのみ使用 - 装着時の自動再生&一時停止
- スマートトーク
→会話を認識すると、自動的に音楽の再生を止めて外音取り込み機能になる機能 - パーソナルサウンドアンプリフィケーション
→音声の集音量を大きくして、補聴器的に使う機能 - ボイスアシスタント設定
→スマホデフォルトのものか、Alexaの設定に変更可能 - スマートオーディオモード
→オーディオモードか、ビデオモードの2つから選択可能。ビデオモードだと遅延が少なくなる。 - サウンドレベルオプティマイザー
→通話時の音量レベルを自動で調節する機能 - 通話イコライザー(相手と自分それぞれ設定可能)
- 音声プロンプト
→音声通知の言語設定が可能 - フィット感のチェック
- 最大音量のリミッター
→85dB以上の音量を出ないようにして耳を保護する機能 - イヤホン本体を見つける
- バッテリーの節約
- ファームウェアアップデート
ハイレゾオーディオ
Androidでアプリに接続すると、ハイレゾオーディという項目が表示されています。こちらをONにするとLDACで接続できるようになります。
ただし、こちらをONにすると後ほど紹介する「Personi-Fi」「空間サウンド」「低音量ダイナミックEQ」の3つの機能が使えなくなります。
ただ、ボクはこれらの機能が使えなくなったとしても、LDACで接続できることの方が重要でした。
Personi-Fi
Personi-Fiは年齢や聴力情報を送り、その後に聴力テストを行うことで、個人の耳に対して最適な音響設定を自動で作ってくれる機能です。
設定項目としては、まず「性別」「生まれた年」そして「リスニング経験」を入力します。
リスニング経験では「ビギナー」「アベレージ」「アドバンスド」「プロフェッショナル」の4つから選べるのですが、プロフェッショナルは「ハーマン公式のリスニングトレーニングを受けた」とか、マジのプロレベルなんで、僕は「アドバンスド」でテストしました。
テスト中は左右の耳ごとに、周波数ごとに聴力検査のようなものを行います。音が鳴っている間は長押しし続けるようなテスト方法ですね。
今回はボクは使っていないのですが、TOUR PRO 2で設定した時はこんな感じの設定になりました。
ちなみに音質が大きく変わる感じではなかったですが、ほんの少し好きな傾向に補正してくれたような感じですね。ただLDACを使った方が音質は良いです。
イコライザー設定
イコライザー設定では、プリセットイコライザーと、マイEQというカスタムイコライザーの設定ができます。
JBLのイコライザーって、とても優秀で、どの設定にしてもいい感じに音を補正してくれるんですよ。
マイEQでは、10バンドに対して±7dBのイコライザー設定を細かく設定できるので、自分好みの音に仕上げやすいです。
空間サウンド
空間サウンドは「ムービー」「ミュージック」「ゲーミング」の3つから選べます。
「ムービー」は、低音の迫力や臨場感を加えて、映画館で見ているかのような3D感のあるサラウンド音声を、擬似的に再現してくれます。
実際にこれでニーアオートマタのアニメを見ていましたが、戦闘機のエンジン音とか銃撃シーンも映画館っぽく鳴らしてくれていい感じでしたね!
「ミュージック」はステレオ音源をより広げて臨場感を上げるような音に変化させるのですが、こちらで普通に音源を聞いてみたのですが、ややイマイチな印象でしたね。なんかステレオ音源を無理やり広げているような感じで、ただ不自然な印象が残るだけでした。
「ゲーム」は低域の臨場感と、高域の明瞭度を上げて、FPSでも迫力のある音で楽しみつつ、銃声や足音などの音を強調させるような音作りですね。
SilentNow
SilentNowはかんたんに伝えると、N9 HYBRIDをデジタル耳栓代わりに使う機能です。
設定は「スタートイン」「デュレーション」「アラーム音」の3つから選べるのですが
まずスタートインは、SilentNowが始まるまでのタイマー設定のようなものです。このタイマーが終わると、Bluetooth接続が解除されて、ノイズキャンセリングモードになって、ボタン操作が効かなくなります。
「デュレーション」は就寝時間のことを指します。設定されたタイマーが終了すると、SilentNowが解除されて、任意でアラーム音が鳴るようになっています。
夜に寝付けないときに、耳栓代わりに使ったり、休憩時間に仮眠したいときに使える地味に便利な機能です。
通話イコライザー(相手と自分それぞれ設定可能)
こちらはTOUR PRO 2にも搭載されていなかった機能で、相手の声質と自分の声質を調整することが可能です。
- 相手の音声設定
→ナチュラル、高音の増強、低音の増強 - 自分の音声設定
→ナチュラル、パワフル、ブライト
音声の違いは、次の通話品質の項目で実際に録音しています。
通話品質|ドングル接続で超絶良くなる
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてください!
N9 HYBRID イコライザー:ナチュラル
N9 HYBRID イコライザー:パワフル
N9 HYBRID イコライザー:ブライト
N9 HYBRID ドングル接続 イコライザー:ブライト
Bluetooth接続時はTOUR ONE M2と同様に、ワイヤレスヘッドホンとしてはかなり優秀なマイク性能。
さらに驚いたのはドングル接続時のマイク性能。Bluetooth接続時と比べてノイズが格段に減っており、さらに別売りのワイヤレスマイクを使っているかのように音声がクリアになっています。
ドングル接続時はワイヤレスヘッドホン最強クラスのマイク性能になっているので、オンラインMTGなどでは積極的にドングル接続で使っていくべきかと思います。
通話品質 | (4.7) |
ドングル接続時 | (5.0) |
LDAC+マルチポイントで2台同時接続+ドングルで3台接続も可能
マルチポイントも対応で、LDAC+マルチポイントによる2台接続にもちゃんと対応しています。
それだけではなくドングルを使うことで、実質3台接続も可能! 2台接続されている状態でドングルを別のデバイスに接続し、電源スイッチのスライドを下方向に2秒間倒すとドングル側に接続されます。
うまく使えば、スマホ、タブレット、パソコンの3台使いも可能なので超便利です!
音の遅延|ドングルならゲームもほぼ遅延なし
映像と音声のズレですが、Bluetooth接続の場合はYouTubeなどストリーミングくらいであれば気にならないレベルで遅延がありません。
ただ、音ゲーやFPSをするとズレが超気になります。
次にドングル接続で検証すると、まるで有線接続並みにズレがなくなります。他のメーカーでよく採用されている「低遅延モード」よりも遅延が少ないですね!
そして個人的に一番よく感じたのは、動画編集時にも使えるという点。
ドングル接続時であれば、遅延がほぼなくなるので、ワイヤレスにも関わらず有線接続時と変わらない感覚で動画編集が行えます。
以前紹介したN5 HYBRIDだと再生した瞬間に頭が途切れてしまって動画編集をまともにできなかったのですが、N9 HYBRIDだとその現象が起きないんですよね。
なんで通勤や外出用のワイヤレスヘッドホンとして使いつつt、自宅ではワイヤレスモニターヘッドホンとして使えるなど、二刀流で使えるようになります。
なんだったら、通話性能も非常に高いので、ヘッドセット利用で三刀流としても使えますね。
気になるところ
最後に気になるところですが、ドングル接続時に色々と弊害が起こることですね。
ドングル接続時は本体操作がほぼできない
ドングル側に接続すると、本体操作による再生・停止、曲送りができません。ノイズキャンセリングのON・OFFと音量調整などはOKです。
ただ、メーカーさんに確認したところ、こちらはアップデートで後々修正予定とのこと!
ドングル接続時に音楽を止めていると接続先が切り替わる
ドングル接続時に音楽を止めていると、勝手に接続先が切り替わったりします。
「ドングルコネクティド」「Bluetoothコネクティド」と繰り返しアナウンスされたり、状況によってはBluetooth側の音声が勝手に再生されたり、けっこう鬱陶しいです
ドングル接続時だと自動装着検出が効かない
一番気になったのは、ドングル接続時は自動装着検出が効かないこと。
ドングル接続時は、ヘッドホンを外すと自動で音楽が止まったり、着けると再び再生が始まるといった動作が行われません。この点は不便だった。
装着してから音楽が再生されるまでのテンポが悪い
もう一つ気になったのが、自動装着検出のテンポの悪さ。
Bluetooth接続時は自動装着検出が問題なく動作するのですが、
「Bluetooth connected」→「パラポーン(通知音)→「3秒ほど無音」→「音楽再生」
というふうに、装着してから音楽が流れるまでに6〜7秒ほど掛かってしまうのが気になります。かなりストレスなので、ファームウェアアップデートで解消されることを期待したいところ。
AKG N9 HYBRID まとめ
N5 HYBRIDをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
N9 HYBRID
- 音質と機能性をハイレベルで兼ね備えている
- AKGチューニングでさまざまなジャンルに合う
- ドングルを使えばiPhone(15〜)でもLC3 Plusが使える
- 良好な装着感
- ノイズキャンセリングや外音取り込み機能も優秀
- アプリの設定項目が非常に多い
- マルチポイントとドングルで実質3台同時接続可能
- ドングル接続時野マイク音声がめっちゃキレイ
- ドングル接続時の遅延が動画編集やゲームができるほど少ない
- ドングル接続時は外音モードと音量調整以外の操作は行えない
※アップデートで解消予定 - ドングル接続時は自動装着検出が働かない
- ドングル接続に音楽を停止していると、勝手に接続先が切り替わる
- 装着してから音楽が再生されるまでのテンポが悪い
4.8
高音
4.7
中音
4.7
低音
4.5
装着感
4.5
ノイズキャンセリング
4.5
外音取り込み
4.9
マイク性能
4.8
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 最大55時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC,LC3 Plus | 充電時間 | 約3時間 |
ドライバー | 40mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 | 286.2g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
AKG N9 HYBRIDはこんな人におすすめ
- 音質を重視しつつ利便性も高いワイヤレスヘッドホンが欲しい
- 様々なジャンルを好んで聴く
- 音楽・ゲーム・編集・通話を一つのヘッドホンで完結させたい
- iPhone15ユーザーで高音質で音楽を聴きたい
前回紹介したN5 HYBRIDのヘッドホンバージョンという感じですが、N5 HYBRIDと比べても接続も安定しますし、動画編集でも安定して使えますので、さらに超マルチに使えるようになりましたね。
まさにあらゆる用途をこなす完璧超人という感じ。個人的な満足度で言えばN5 HYBRIDより高いかも。やはり動画編集でも使えるというのはYouTuber的には魅力的ですね。
ドングルでゲームやパソコンなどさまざまな機種にペアリングなしで接続できるので、家の中から外出先までマルチに使いたいという方にはピッタリだと思います。
外出先メインでコンパクトに使いたい場合はN5 HYBRID、屋内メインで使うことが多い方やヘッドホン派という方はN9 HYBRIDをおすすめします。
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