こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
大ヒットワイヤレスヘッドホン「MOMENTUM」シリーズの第4弾、MOMENTUM 4 Wirelessがついに発表されました!!
先行でメーカー様よりレンタルいただいていたのですが、なんだかんだで提供を受けることに。超ありがとうございます!
ただし、レビューはいつも通り容赦なく。
目新しい機能はありませんが、音質・ノイズキャンセリング・通話性能・デザインなど、すべてがブラッシュアップされたワイヤレスヘッドホンの最新フラグシップモデルです。
ヘッドバンドはMOMENTUM True Wireless 3の充電ケースのようにファブリック素材を採用し、さらに磨きがかかった高級感の漂うデザインになっています。
気になるのはライバル機であるSONY WH-1000XM5との比較だと思います。
どちらも所持しているので、実機を使って徹底比較していきます!
ぜひ最後までご覧くださいませ。
- ノイキャンワイヤレスヘッドホン最高峰のサウンド
- 最大60時間と脅威の再生時間
- 手に取っただけで電源がON
- 直感的な操作感
- マルチポイントで2台接続可能(aptX adaptiveも併用可能)
- 強烈なノイズキャンセリング性能
- 価格が5万円オーバーと高め
- ハウジングの溝がデザイン的に気になる
- ノイズキャンセリングが耳に詰まったような感覚がある
▼動画版はこちら▼
ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless スペック比較
MOMENTUM 3 Wirelessと比較すると?
スペックは次のとおりです。前作のMOMENTUM 3 Wirelessと、SONY WH-1000XM5との比較表を出してみました。
製品名 | MOMENTUM 3 Wireless | MOMENTUM 4 Wireless |
発売日 | 2019年9月19日 | 2022年8月23日 |
Bluetooth | 5.0 | 5.2 |
コーデック | SBC,AAC,aptX aptX LL | SBC,AAC,aptX aptX Adaptive(48kHz/24bit) |
再生時間 ※ANC ON時 | 最大17時間 | 最大60時間 |
充電端子 | Type C | Type C |
充電時間 | 約3時間 | 約2時間 5分で4時間動作 |
自動装着検出 | ◯ | ◯ |
ドライバー | 42mmトランデューサー | 42mmトランデューサー 新素材振動板 |
ノイズキャンセリング | アクティブノイズキャンセリング | アダプティブノイズキャンセリング |
外音取り込み | ◯ | ◯ |
マイク | 6つ | ノイキャン用マイクを4つ 通話用マイクを4つ、計8つのマイクを搭載 MEMSマイク搭載 |
マルチポイント | ◯ | ◯ |
質量 | 305g | 293g |
価格 | 48,400円 | 54,890円 |
コーデックはaptX adaptiveに対応しました。今回は48kHz/24bitまでのようです。
再生時間の進化が凄まじく、前作が17時間に対して、今作は60時間と最大再生時間が43時間もアップしました。
しかも、ノイズキャンセリングON時の再生時間なので、他のノイズキャンセリングヘッドホンと比べてもトップクラスの実力です。
さらに、再生時間は長くなっているのに、充電時間が前作の3時間から2時間と短くなっており、5分の充電で4時間駆動と充電周りが大幅に強化されています。
ドライバーは42mmトランデューサーを採用しているとのことですが、振動板には新素材を採用しているようです。前作とは異なるドライバーを採用していると考えても良いでしょう。
ノイズキャンセリングは前作は手動で量感を切り替えるタイプでしたが、今作はアダプティブノイズキャンセリングとなり、環境に合わせて自動でノイズキャンセリング量を調整してくれるようになりました。
マイクは前作はノイズキャンセリングと通話用マイクが兼用で使われていましたが、今回はノイズキャンセリングと通話用に特化したマイクをそれぞれ4基、計8基搭載されました。
このようにスペックで見てみると、大幅にブラッシュアップされていることがわかります。
SONY WH-1000XM5と比較すると?
製品名 | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
発売日 | 2022年5月27日 | 2022年8月23日 |
Bluetooth | 5.2 | 5.2 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | SBC,AAC,aptX aptX Adaptive(48kHz/24bit) |
再生時間 ※ANC ON時 | 最大30時間 | 最大60時間 |
充電端子 | Type C | Type C |
充電時間 | 約3.5時間 3分で3時間動作 | 約2時間 5分で4時間動作 |
自動装着検出 | ◯ | ◯ |
ドライバー | 30mm | 42mm |
ノイズキャンセリング | アダプティブノイズキャンセリング | アダプティブノイズキャンセリング |
外音取り込み | ◯ | ◯ |
マイク | 8つ | 8つ |
マルチポイント | ◯ LDACとの併用不可 | ◯ |
質量 | 250g | 293g |
価格 | 49,500円 | 54,890円 |
コーデックはMOMENTUM 4 WirelessがaptX Adaptive(48kHz/24bit)まで対応なのに対して、WH-1000XM5はLDAC(96kHz/24bit)まで対応。
コーデックのみで比較すると、LDACの方が音質がよいですが、再生時間が短くなり、遅延も少し大きくなるなど利便性に欠けます。
aptX Adaptiveは高音質かつ遅延も少ないコーデックで、利便性も両立していますが、対応機器は少なめ。ちなみにiPhoneユーザーはどちらのコーデックにも対応してません。いい加減コーデックをアップデートしなさい。
再生時間はMOMENTUM 4 Wirelessの方が圧倒的に長く、WH-1000XM5の約2倍。
満充電までの速さはMOMENTUM 4 Wirelessに軍配が上がりますが、急速充電の速さは大体同じくらい。
ドライバー口径はMOMENTUM 4 Wirelessが42mm、WH-1000XM5が30mmとなっていますが、ドライバー口径だけでは音質の良し悪しはわからないので何とも。
マイク数はどちらも8つ。
マルチポイントはどちらも対応していますが、WH-1000XM5はマルチポイントを使うと、LDACが併用できないという欠点があります。
この点はマルチポイントでもaptX Adaptiveを使えるMOMENTUM 4 Wirelessに軍配が上がりそうですね。
総じて、スペックは全体的にMOMENTUM 4 Wirelessの方が高いように感じました。
ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless 外観・付属品
それではMOMENTUM 4 Wirelessの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
MOMENTUM 4 Wirelessのパッケージは、白地にゼンハイザーのコーポレートカラーであるブルーであしらわれたデザイン。
開封してみると「INSPIRED BY MUSIC」。
付属のハードケースを開けてみると、ケース内に本体や付属品などが全て収納されています。
付属品|ハードケース、USB-Cケーブル、3.5mmケーブル、航空機アダプタ
- ハードケース
- USB Type Cケーブル
- 3.5mmオーディオケーブル
- 航空機アダプタ
- マニュアル
ハードケースはかなり堅牢な仕様で、上から強めに圧力をかけても、まったく凹みません。
バックパックの中に無造作に入れても、安心して持ち運べそうですね。
ただし、MOMENTUM 4 Wireless本体を入れるときは、アームを一番短くしないと入りません。
アームの長さは、耳にフィットさせるためにあまり調整したくないので、この仕様は少し残念でした。
充電用のケーブルは、やや長めのUSB-Cケーブルが付属します。
有線で接続できるように、3.5mmオーディオケーブルも付嘱。
飛行機内でも使えるように航空機アダプタも付いています。
ヘッドホン本体
MOMENTUM 4 Wirelessの本体はこちら。
今作はスイーベル機構というハウジング部を90度に曲げられる仕様となっており、ヘッドホン収納時や、首にかけるときにも邪魔にならず、コンパクトに運用できます。
ただし、前作のMOMENTUM 3 Wirelessと違い折りたたみはできなくなっているため注意。
イヤーパッドはモチモチ。
ヘッドパッドもかなりモチモチで、装着しても痛みや圧迫感を全然感じなさそうな包容力のある触感です。
ヘッドバンド側のデザインはファブリック素材を採用した、とても美しいデザイン。
素材感が同社の完全ワイヤレスイヤホン「MOMENTUM True Wireless 3」っぽくなりましたね。
前作のMOMENTUM 3 Wirelessはレザー調の男らしいデザインでしたが、この辺りは好みが分かれそうですね。
ヘッドバンドの美しさに対して、ハウジングはふちのミゾがなんとも言えないクソダサデザイン(個人的な意見です。)
前作が中央にゼンハイザーロゴをあしらった美しいデザインだったのですが、どうしてこうなった……。
ただ、前作のMOMENTUM 3 Wirelessはドライバー上部にケーブルが見えていましたが、今作はケーブルが見えなくなりましたので、パッと見はスマートなりましたね。
右側底面には充電用のUSB-C端子。
側面には電源兼ペアリングボタン、そして充電残量を確認するためのLEDランプが備わっています。
タッチ操作も全て右耳側だけで行うため、操作基盤は全て右側に備わっていると思っていだければ。
アームの調整はギコギコせず、無段階ですぅーっと調整できます。
SONY WH-1000XM5と外観を比較すると?
SONY WH-1000XM5と外観を比較すると、個人的にはどちらにもカッコイイポイントがあり、残念なポイントもあるように感じました。
ヘッドバンド部はMOMENTUM 4 Wirelessに対して、WH-1000XM5は設置面積が細めのシュッとしたデザインを採用。
ヘッドバンド部はどちらもモチモチですが、クッション性はMOMENTUM 4 Wirelessの方が優れているように感じましたね。
ハウジングはMOMENTUM 4 Wirelessがチープなデザインに対して、WH-1000XM5は継ぎ目のない美しいフラットデザインです。
ただ、WH-1000XM5はヘッドホン単体で見れば美しいのですが、いざ装着してみるとハウジングがけっこう飛び出して見えるので、フランケンシュタイン感が出てしまうのですよ。
WH-1000XM5はハウジングをもう少しペタッとさせて欲しかったですね。
アームの調整はWH-1000XM5も同様に無段階ですぅーっと調整できます。
アーム部分は個人的にはWH-1000XM5のほうが好みかな。
イヤーパッド部はどちらもモチモチですが、こちらもMOMENTUM 4 WIrelessの方がクッション性が高いように感じました。
どちらがいいか好み次第ではあるのですが、両方所有していても「こっちの方が好き!」という明確な答えが出ていません。
どっちも良いポイントはあるし、どちらも残念なポイントがあるという感じです。
ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless 比較レビュー
装着感|ふわふわもっちり最高
MOMENTUM 4 Wirelessの装着感はかなり良好ですね。ヘッドパッド、イヤーパッド共にモチモチフワフワで耳と頭を優しく柔らかく包み込んでくれますね。
ただ「装着感が良い!」だけでは済ませたくない、「包容力」を感じる肉感のある装着感です。
ハウジングの厚みもそこまでないので、前から見た時もヘッドホンの厚みが気にならず、とてもスマートに着飾ってくれます。
実際に4時間ほど装着したまま作業をしてみましたが、耳も頭頂部も全然痛くならないですね。作業用にもバッチリです。
密閉感もかなり高いため冬場はヌクヌクだと思いますが、夏場はかなり蒸れますね。
汗がパッドに付着するのが気になる方は、以前紹介した最強のヘッドホンカバー「EarTouch」を使うのがおすすめです。サイズはm60がおすすめです。
EarTouchを使えば、汗がパッドにつかず、ずっと清潔! 表面がサラサラとしているので耳も蒸れにくく、快適に使えますよ!
EarTouch本体は水洗いもできるので、汚れが気になる方も安心して使えます。音質やノイズキャンセリングに大きくは影響しないので、MOMENTUM 4 Wirelessを買おうと考えている方はEarTouchも合わせて買うことをおすすめします。
SONY WH-1000XM5と装着感を比較すると?
SONY WH-1000XM5と比較してみましたが、どちらもイヤーパッドがモチモチで装着感は良好のように感じますね。
どちらも数あるワイヤレスヘッドホンのなかでもトップクラスの装着感の良さだと感じましたね。
重量はMOMENTUM 4 Wirelessの方が重いのですが、ヘッドバンド部の面積が広いため、頭頂部が痛くなりにくいように感じました。
対してWH-1000XM5の方が軽いので、装着時の軽快さは上のように感じますね。あと首に掛けているときも、肩が疲れにくいようにも感じます。
個人的にはどちらを選んだとしても装着感に不満を感じにくいと思いましたが、頭頂部の痛くなりにくさから、個人的にはMOMENTUM 4 Wirelessの方が装着感が上のように感じました。
装着感 | 評価 |
MOMENTUM 4 Wireless | (4.8) |
WH-1000XM5 | (4.7) |
音質|ノイキャンワイヤレスで最高峰
MOMENTUM 4 Wirelessの音質はこの手の利便性特化型ノイズキャンセリング搭載ワイヤレスヘッドホンとしては最高峰のように感じましたね。
さすがゼンハイザーというべき音作りで、低域の迫力や臨場感、ボーカルの生っぽさ、高域のキレや抜け感、どこをとっても完璧です。
今回の検証には「Xiaomi Redmi Note 9s」でaptX adaptive、iPhone 13 ProでAAC接続、どちらも検証してみました。
MOMENTUM 4 Wirelessの音の特長は次のとおりです。
4.8
高音
4.8
中音
4.9
低音
- 高音:自然に抜けていく音というより、豊かに瑞々しく、それでいてフレッシュに鳴らすようなパワフルさと繊細さ、そして美しさをどれも兼ね備えた高音。弦楽器は繊細に、管楽器は余韻たっぷりでパワフルに、楽器に合わせて最適な高音を鳴らしているかのようです。ロックでもクラシックでもなんでもいけますね!
- 中音:MOMENTUM True Wireless 2→3の進化に近い傾向で、前作よりボーカルが埋もれにくくなり、ハリのよい歌声を聴かせてくれるようになりました。歌モノもかなりいけますね! エレキギターも厚みも超たっぷりで、ラウド・ハードロック系の重厚なギターサウンドもダイナミックに聴かせてくれます。
- 低音:とくにスゴイのが低音。重低音がヤバい!ちょっとしたスナップ的に入れているバスドラムでも「ドゥオンッ!」という部屋を響かせるかのような重低音が鳴り響きますね!これだけ重低音をゴリゴリに鳴らしつつも、バスドラム・ベース・タム・スネア、それぞれの音を聴き分けできる解像度の高さ。EDMなど電子音系のキック音も、電子音としての良さを引き出しながら脳内に響かせてくれます
- 音場:ダイナミックな音場の広さ。横に自然に抜けていくような感覚ではなく、ライブハウスやスタジアムでハードロック系を聴いている時に体感するような臨場感のあるパワフルな音場の広さって感じですね。
- 傾向:基本パワフルだけど、繊細な音にもシフトできる弱ドンシャリサウンド。一音一音に芯と重厚さを感じるダイナミックな音作りです。
得意なジャンル
- ロック
- ラウド
- ヒップホップ
- トリップホップ
- EDM
- 大編成のオーケストラ
ポップスやアニソン・弾き語りまで、基本的にどんなジャンルでもこなせますが、得意なジャンルはやはり重厚なサウンドを活かしたロックや、低音を響かせるヒップホップ・EDMなど。
検証用に久々にONE OK ROCKの「Deeper Deeper」や「アンサイズニア」あたりで試聴したのですが、臨場感がヤバすぎて鳥肌びっしりでしたからね! 「ワンオクのライブ行きてぇっ!」てなりました。
藤井風や星野源、宇多田ヒカルなどの最近好んで聴いているソウル・R&B調のポップスも最高に心地よく聴かせてくれますが、ロックの方がさらに相性が良いようです。
ゼンハイザーといえば、ジャズやクラシックなどアコースティック編成のジャンルが得意な印象を受けますが、MOMENTUM 4 Wirelessは電子音ゴリゴリのサウンドでも超ノリ良く聴かせてくれますね!
これだけダイナミックでパワフルなサウンドでありつつも野暮ったさは全然なく、繊細で響きの良い表現もできるあたり、さすがゼンハイザーといったところです。
SONY WH-1000XM4と音質を比較すると?
僕が感じた感覚ではありますが、WH-1000XM5の音の特長を表してみたので、MOMENTUM 4 Wirelessと見比べてみてください。
4.7
高音
4.7
中音
4.7
低音
得意なジャンル
- ポップス
- 弾き語り
- 軽快なロック
- ジャズ
- クラシック
WH-1000XM5も他のワイヤレスヘッドホンと比べると、かなりの音質の良さですが、比較してみるとグレード的にはMOMENTUM 4 Wirelessの方が全体的に上のように感じました。
ただ、単純にMOMENTUM 4 Wirelessの方が音が良いというわけではなく、それぞれ傾向が異なります。
- MOMENTUM 4 Wireless
→低域の迫力や音の厚みを重視した、ダイナミックで重厚なサウンド。 - WH-1000XM5
→高域の抜け感や解像度の高さを重視した、やや繊細で柔らかなサラッとサウンド。
いつも聴いている音楽をより集中して高音質で聴きたい方にとってはMOMENTUM 4 Wirelessの方がおすすめですね。とくにロックやヒップホップ、オーケストラなど臨場感のあるジャンルとの相性が特に良いです。
対して、WH-1000XM5は長時間聴いていても聴き疲れしにくそうなサラッとした音作りであるため、BGM感覚で日常に音楽を溶け込ませるには最適です。チル系や弾き語り、アコースティック編成のシティポップなどそういった楽曲との相性が良いように感じました。
どちらも非常に高音質のため、どちらを選んだとしても満足はできると思いますが、僕はMOMENTUM 4 WIrelessの方が音質にこだわるならおすすめだと感じましたね。
操作性|超直感的!
MOMENTUM 4 Wirelessの操作性は指のスライド操作のみで、超直感的に操作を行えます。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | R側を1回タップ |
曲送り | R側を前にスライド |
曲戻し | R側を後ろにスライド |
音量を上げる | R側を上にスライド |
音量を下げる | R側を下にスライド |
電話を受ける | 着信中にR側を前にスライド |
着信拒否 | 着信中にR側を長押し |
通話終了 | 通話中にR側を後ろにスライド |
外音モードの切り替え | R側を2回タップ |
音声アシスタント | 電源ボタンを1回押す |
ペアリングモードへの移行 | 電源ボタンを長押し |
スライド操作系は誤動作がすることが多かったり、思い通りの操作ができない製品も多い中、MOMENTUM 4 Wirelessは誤動作が少なく、思い通りの操作ができますね。
さらに驚いたのが電源の入り方。なんと手に取っただけで自動でONになるではありませんか。
電源を入れるという動作が意外とめんどくさいと感じる中、その動作さえを省いたゼンハイザーの技術力には驚かされました。
AirPods MAXも常時電源ONのような仕様ではありますが、バッテリー面で少し不安がありました。
しかし、MOMENTUM 4 WirelessはノイズキャンセリングONでも60時間再生ができるので、自動で電源がONになったとしてもバッテリーが切れる心配喪なく安心です。
動作がなければ15分後に自動で電源もOFFにしてくれるので、放って置いても安心してです。
SONY WH-1000XM5と操作性を比較すると?
WH-1000XM5と操作性を比較すると、こちらも同じくハウジングをスライドすることで操作ができるタイプで、おおよその操作感はだいたい同じくらいですね。
ただWH-1000XM5の場合は、底面のボタンをワンタッチするだけで外音モードの切り替えができるので簡単ですね。
スライド操作時も「ポンッ、パンッ」と2回通知音が鳴って、スライドが認識されたかわかりやすいので、WH-1000XM5の方が直感的には操作しやすいように感じました。
ただ、MOMENTUM 4 Wirelessは自動電源ONが快適なので、電源のON/OFF周りに関してはWH-1000XM5より優秀なように感じました。
バッテリーも長持ちしますしね。
アプリについて
MOMENTUM 4 Wirelessは専用アプリでイコライザー設定やカスタマイズを行えます。
アプリでできることは次のとおりです。
- イコライザー
- Sound Check
- アクティブノイズキャンセリング設定
- Tileの設定
- ファームウェアアップデート
- そのほか細かな設定
イコライザー
イコライザー設定では「バス」「中」「トレブル」の3バンドから、±6dBの音質の調整ができます。
下にスクロールすると重低音を強調する「バスブースト」や、話し声のみを強調する「ポッドキャスト」の設定ができます。
個人的にはなにも調整しなくても十分に音質が良いので、特になにも調整していません。
サウンドチェック
サウンドチェックは、かんたんに伝えると「半自動で好みのイコライザーに自動で設定」するための機能です。
サウンドチェックをすると「A」「B」「C」の音源のうち、どれが一番よく聴こえたかを3回選択肢。
最終的に「あなたにおすすめイコライザー設定はこれ!」という感じで、半自動的にイコライザーを決めてくれます。
実際に使ってみましたが、思ったより好みの音にならなくて、結局デフォルトのまま使っていますね。
サウンドゾーン
サウンドゾーンは「ジム」や「駅」など、自分がよく訪れる場所をあらかじめ登録し、その場所に行くと自動的に「ノイズキャンセリング」や「外音取り込みモード」がONになる機能です。
実際に使ってみると、地図が表示され、「特定の場所の半径何m以内に入ったらノイズキャンセリングをONにする」といった設定ができます。
個人的には手動でON・OFFしたい派なので使うことはありませんでしたが、人によっては便利かも。
アダプティブノイズキャンセレーション
アダプティブノイズキャンセレーションの設定では、周りのノイズレベルに合わせてノイズキャンセリング量を調整する「アダプティブ」のON・OFFや、外音レベルの調整ができます。
さらに設定の中に入ると、「ウィンドノイズリダクション」という風切り音を低減できるモードも備わっています。こちらは「オフ」「自動」「最大」の3つから選べますが、基本は自動でもOKかと。
「フルトランスペアリントで一時停止」は外音取り込みモードをONにした際に、音楽を止めるか・止めないかの設定ができます。
これは利用シーンや好み次第だとは思いますが、個人的にはONにしています。
MOMENTUM 4 Wirelessの場合、外音取り込み状態で音楽を流すと、相手の声が聞こえにくいんですよね。
側音
側音は通話時に自分の声をどれだけフィードバックさせるかを設定する機能です。
これは通話しながら好みの良に設定すればいいと思いますが、そもそも通話する機会が全然なかった。
その他設定
そのほかにも以下のような機能が備わっています。
- 快適な通話
- オンヘッド検出(装着時に自動で電源をONにする)
- スマートポーズ(耳につけたときに自動で音楽を再生する)
- 自動電源オフ
- コーデックの確認
- リセット
- Tile
- ファームウェアアップデートなど
自動電源オフについては「なし」「15分」「30分」「60分」と電源オフまでの時間を自分で選べます。
個人的には15分にしていますね。
自動電源オフで電源が切れると、次回起動時は手に取るだけで自動で電源がオンになるので、電源オン・オフを気にしなくて良いのが本当に楽です。
アプリは以下よりダウンロードできます。
Sennheiser Smart Control
posted withアプリーチ
WH-1000XM5とアプリを比較すると?
アプリをそれぞれ比較してみましたが、できることは大体同じですね。
- イコライザーの設定
- アダプティブノイズキャンセリングの設定
- SOUND ZONE
- などなど
細かな設定などを含めれば違いはありますが、主にカスタマイズを行う機能としてはおおよそ同じように感じました。
イコライザー設定はMOMENTUM 4 WIrelessが3バンド+BASS、ポッドキャストに対して、WH-1000XM5は6バンド+Clear Baseという重低音のみを細かく設定できる機能があるため、WH-1000XM5の方が優秀ですね。
さらにもうひとつ、WH-1000XM5には「クイックアクセス」という超スバラシイ機能が備わっています。
この機能は「外音切り替えボタン」を2回押すことで、あらかじめ設定したアプリを瞬時に連携して呼び起こせる機能なのですが、その連携アプリに「Spotify」があるのですよ。
クイックアクセスを使ってSpotifyを呼び起こすことで、スマートフォンの操作なしでSpotifyでプレイリストをランダム再生できるのです。
選曲はしたくないけど、店内で流れるBGMかのように「とりあえず何か音楽を流したい」というときに最適な機能なのですよ!
このクイックアクセス機能が個人的にとても気に入ってまして、音楽を流しながら仕事や作業に集中したい時に最適なんですよね。
この機能が神すぎて、MOMENTUM 4 WIrelessとどっちが良いか迷っているのですよねー。逆にこの機能を使わない方はMOMENTUM 4 WIrelessでいいかなと思っています。
ノイズキャンセリング|かなり強烈
MOMENTUM 4 Wirelessのノイズキャンセリング性能はかなり強烈で、つけた瞬間に周りの雑音が本当にスッと掻き消えてくれます。
音楽を流してしまえば、電車の走行音でさえも消えてしまいますね。
アダプティブノイズキャンセリング機能を備えているため、周りの環境に応じて強くしたり弱くしたりと最適なノイズキャンセリング効果を提供してくれます。
風切り音対策もアプリで「OFF」「Auto」「MAX」の3つから選べます。
Autoだとやや風切り音が入りやすい印象でしたが、MAXだと風切り音がかなり抑えられますね。
ノイズキャンセリング効果の強烈さがゆえに、耳がやや詰まった感覚があるため、ノイズキャンセリングが強すぎて気持ち悪くなってしまう方には同様の症状が出てしまうかもしれません。
周りの音を自然にかき消すナチュラル型ではなく、力技でかき消すパワー型のノイズキャンセリングのように感じました。
通勤・通学や、オフィスやカフェでの作業集中用として申し分ない遮音性を誇ります!
WH-1000XM5とノイズキャンセリングを比較すると?
WH-1000XM5とノイズキャンセリング機能を比較すると、遮音性自体は大体同じくらいではありますが、それぞれ性質が異なるように感じます。
- MOMENTUM 4 Wireless
→強烈な遮音効果で周りの音をシャットアウト。耳が詰まったような感覚がある。 - WH-1000XM5
→自然な遮音効果で周りの音をシャットアウト。耳の圧迫感がかなり少ない。
ノイズキャンセリングの圧迫感の強さから、装着した瞬間はMOMENTUM 4 Wirelessの方が遮音性が高く感じますが、この耳の詰まった感覚が気持ち悪く感じることもたまにあります。
対して、WH-1000XM5は自然にスッと遮音するスタイリッシュなノイズキャンセリングで、耳が詰まった感覚が全然ないんですよね。
どちらも作業用としては申し分ない遮音性の高さを誇りますが、個人的にはWH-1000XM5の自然なノイズキャンセリングの方が好みでしたね。
ノイズキャンセリング | 評価 |
MOMENTUM 4 Wireless | (4.7) |
WH-1000XM5 | (4.8) |
外音取り込み|無音であればふつうに会話ができる
MOMENTUM 4 Wirelessの外音取り込みはなかなかに優秀といったところ。
AirPods MAXのように「耳になにも装着されていないかのような外音取り込み」ではありませんが、音楽を流していなければふつうに会話ができるレベルです。
電車に乗っている時もアナウンスを聴き逃すこともなく、コンビニでもヘッドホンをしたままふつうに会話ができますね。
ただ、BGM感覚音楽を聴きながら会話をすると、相手が喋っているけどなにを言っているか分かりにくい感覚になりますね。
最強クラスの外音取り込み性能ではありませんが、実用十分といったところです。
WH-1000XM5と外音取り込みを比較すると?
外音取り込み性能に関しては、WH-1000XM5の方が優秀ですね。
- MOMENTUM 4 Wireless
→BGM感覚で音楽を流すと、相手の声が聞き取りにくく、会話がしにくい。 - WH-1000XM5
→小音量で音楽を流していても相手が何を言っているか把握しやすく、会話がしやすい。
WH-1000XM5と比べると、MOMENTUM 4 Wirelessは少しこもった感覚があるため、音楽を止めないと相手が何を言っているのかを把握しにくいですね。
コンビニでのお会計時など、ワンポイントで使うのみであればMOMENTUM 4 Wirelessでも十分ですが、オフィスや家でBGM感覚で音楽を聴きながら作業したい場合はWH-1000XM5を使う方がおすすめです。
外音取り込み | 評価 |
MOMENTUM 4 Wireless | (4.3) |
WH-1000XM5 | (4.5) |
通話品質|声も聞きやすくノイズ対策もバッチリ
MOMENTUM 4 Wirelessのマイク性能ですが、かなり優秀ですね!
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
MOMENTUM 4 Wirelessのマイク性能
無音状態だと声にフォーカスが合っており、とても聞き取りやすい音声で相手に伝えてくれます。
雑音を流すと周りの音が静まり返るので、騒がしい環境でも通話がしやすそうです。
屋外やオフィスで通話するのにも最適ですね!
また、マルチポイント機能もついているので、着信があれば通話用の端末に自動で切り替えてくれたりもするので超便利ですよ!
総評してしてマイク性能は、あらゆるワイヤレスヘッドホンのなかでもかなり優秀な方だと思います。
WH-1000XM5と通話品質を比較すると?
マイク性能に関しては、個人的にはWH-1000XM5の方が優秀に感じました。
こちらも音声を録音してみましたので聞いてみてください。
WH-1000XM5のマイク性能
どちらのヘッドホンも声が聞き取りやすく、マイク性能は非常に優秀です。
ノイズを流した際の音の消え方がそれぞれ異なる印象でした。
- MOMENTUM 4 Wireless
→ノイズ対策はされつつも、バックのノイズはやや残る、声はクリアに伝える - WH-1000XM5
→ノイズを完全にカットするが、声も少し加工されてしまう
WH-1000XM5の方がノイズが完全にかき消せているため、マイク性能はWH-1000XM5の方が優秀なように感じました。
静かな環境であれば、どちらを使っても同じくらいの実力といったところですかね。
どちらも非常に優秀なマイク性能を持ち合わせています。
通話性能 | 評価 |
MOMENTUM 4 Wireless | (4.7) |
WH-1000XM5 | (4.9) |
音の遅延|違和感なし
MOMENTUM 4 Wirelessの映像と音声のズレですが、非常に少ないですね。
映画やアニメなど映像作品を見る分には、ほぼ違和感なく試聴できます。
ライブ映像やPVを見ても、演奏と音がしっかりマッチしていますね!
臨場感も非常に高い音作りなので、ライブ映像との相性はとても良いです。
WH-1000XM5と比べると?
WH-1000XM5がほんの少し遅延を感じるモデルのため、遅延の少なさはMOMENTUM 4 Wirelessの方が優秀です。
といっても、どちらもほぼ違和感がないレベルで映像作品の試聴ができるレベルではあります。
比べてみると「MOMENTUM 4 Wireless」の方が遅延が少ないかなー?くらいのレベルですね。
どちらの機種もFPSや音ゲーをすると、遅延が少し気になるため、本格的なゲームプレイ用途には向いていない感じですね。
音の遅延 | 評価 |
MOMENTUM 4 Wireless | (4.5) |
WH-1000XM5 | (4.3) |
ゼンハイザー MOMENTUM 4 Wireless まとめ
MOMENTUM 4 Wirelessをまとめると以下のとおりです。
総合評価
5/5
MOMENTUM 4 Wireless
- ノイキャンワイヤレスヘッドホン最高峰のサウンド
- 最大60時間と脅威の再生時間
- 手に取っただけで電源がON
- 直感的な操作感
- マルチポイントで2台接続可能(aptX adaptiveも併用可能)
- 強烈なノイズキャンセリング性脳
- ハウジングの溝がデザイン的に気になる
- 価格が5万円オーバーと高め
4.8
高音
4.8
中音
4.9
低音
4.8
装着感
4,7
ノイズキャンセリング
4.3
外音取り込み
4.7
マイク性能
4.8
利便性
Bluetooth | 5.2 + Class 1(最大10mW) | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体60時間 |
コーデック | SBC,AAC,aptX aptX Adaptive | 充電時間 | 約2時間 5分で4時間動作 |
ドライバー | 42mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 293g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 2年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
MOMENTUM 4 Wirelessは音質・利便性、どちらも妥協せずに使えるのノイズキャンセリング対応のワイヤレスヘッドホンを探している方にとってはベストな選択肢だと思います。
ゼンハイザーということもあり音質は一切妥協なし! それだけでなく高いノイズキャンセリング性能や、手に取るだけで自動電源ON、マルチポイントにも対応、バッテリーは最大60時間と利便性も申し分ない実力です。
デザインもカッコよく、首に身につけていてもスマートな印象を与えます。個人的にはヘッドバンドのファブリック素材が特に気に入っています
価格は54000円とかなり根を貼りますが
MOMENTUM 4 Wireless、WH-1000XM5 どっちがおすすめ?
製品名 | WH-1000XM5 | MOMENTUM 4 Wireless |
音質 | (4.7) | (4.8) |
装着感 | (4.7) | (4.8) |
ノイズ キャンセリング | (4.8) | (4.7) |
外音取り込み | (4.5) | (4.3) |
マイク性能 | (4.9) | (4.7) |
利便性 | (5.0) | (4.8) |
総合評価 | (4.8) | (5.0) |
よかった点 | 聴き馴染みの良い高音質サウンド 自然で遮音性の高いノイズキャンセリング 外音取り込み機能もかなり聞き取りやすい 最強クラスのマイク性能 操作が直感的で使いやすい クイックアクセスとSpotifyの連携が神 | ワイヤレスヘッドホン最高峰のサウンド 最大60時間と脅威の再生時間 手に取っただけで電源がON 直感的な操作感 マルチポイントで2台接続可能 強烈なノイズキャンセリング性能 |
イマイチな点 | マルチポイントとLDACが併用不可 | ハウジングの溝がデザイン的に気になる 外音取り込み機能はふつう ノイキャンがに詰まったような感覚がある |
- 音質にとにかくこだわりがあり、臨場感の高いサウンドが好み
- ロックやEDM、クラシックなどが好き
- 定期的に充電するのがわずらわしい
- ゼンハイザーファン
※タブで切り替えができます
僕も最終結論が出ていないんですよね。
どっちも良いですし、どっちも使い道が異なります。
- MOMENTUM 4 Wireless
→音楽をとにかく高音質でガッツリと聴きたいとき - WH-1000XM5
→利便性重視でスタイリッシュにBGM感覚で音楽を聴きたいとき
ただ、どちらかひとつしか選べないと言われたら、MOMENTUM 4 Wirelessを選ぶと思います。
いろんな製品を使っているからこそ迷うのであって、ひとつしかメイン機を持てない状況であれば、自分なら音質やバッテリー周りを優先してMOMENTUM 4 Wirelessを選ぶかなと思いました。
どちらを選んでも、まず後悔はないと思います!
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