こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回は中華イヤホンの定番ブランド「KZ」より、3つのダイナミックドライバー(以下3DD)を搭載した有線イヤホン「DQ6」を紹介します。
4桁台のイヤホンで3DDを搭載したイヤホンはめったにないですね…。
最近発売されたUnique Melodyの3DD搭載したイヤホン「3D Terminator」でも5万ほどするのに3000円台で買えるとは、相変わらずコスパぶっ壊れてますね。
ただ、中華イヤホンはスペックや搭載ドライバーだけで良く見せておいて音質は微妙ということはザラにあります。
果たして実力はいかがなものなのか?購入してきましたので実機を使ってレビューしていきましょう!
総合評価
4.8/5
- ロックサウンドと抜群の相性
- 広い音場と臨場感のあるサウンド
- 取り回しの良いケーブル
- イヤーピースがペラッペラ
3.7
高音
3.8
中音
3.8
低音
3.7
解像度
4.0
迫力
4.4
装着感
KZ DQ6 概要
KZ DQ6 の特徴はこちら。
- 10mmドライバー+6mm×2の3DD構成
- 亜鉛合金フェイスプレートを搭載
- qdcタイプの2pinリケーブルに対応(0.75mm)
3000円台で3DDと言う狂気のドライバー構成は今からまで見たことがありません。
まともな音が鳴るか心配…。
スペックは以下をご覧ください。
スペック一覧 | DQ6 |
---|---|
形式 | カナル型 |
ドライバー | 10mmドライバー1基+6mmドライバー2基 |
インピーダンス | 24Ω |
再生周波数帯域 | 20hz〜40000hz |
音圧感度 | 112dB/mW |
プラグ形状 | 3.5mm3極 |
コード長 | 1.2m |
重量 | 27.7g(ケーブル含む) |
リケーブル対応 | ○(2pin qdcタイプ/0.75mm) |
リモコンマイク | × |
保証期間 | 1年 |
KZ DQ6 のカラーバリエーションはシルバーとグレーの2色です。
今回はシルバーを選びました。
さっそく開封していきましょう!
パッケージ、付属品
KZ DQ6 の外箱。いつものKZらしい小さくてシンプルなパッケージです。
開封するとこんな感じ。フェイスプレートのおかげて高級感がありますね。
付属品一覧はこちら
- イヤーピース(シリコン製)3ペア
- 2pinケーブル
- マニュアル
イヤホンケースは入っておらず、必要最小限の付属品のみ入っています。
KZ DQ6に付属するイヤーピースは本体に装着しているものも含め4ペア。
パッと見、薄くてペラッペラ。
見た瞬間から「他社製に変えないと」と考えてしまうほど質が悪そうです。
神は言っている、イヤーピースを変えろと。
イヤホン本体・ケーブル
DQ6のイヤホン本体はこちら。
価格以上にプレミア感のあるデザインです。
ドライバーは冒頭でもお伝えした通り3DD仕様です。
- ダイナミック(D)型ドライバー → イヤホンで一般的に採用しているスピーカー。豊かで自然な音が特徴。
内側のシェルは透明で、中の3DDを目視する事ができます。
透明度も高く、中にもレジンがしっかり充填されており、耐久性も高そうですね。
ヘタなカスタムIEMより作りはしっかりしてるんじゃないかな?
フェイスプレートは亜鉛合金を採用。
重量感はないけど高級感のあるプレートで、カスタムIEMのフェイスプレートカスタマイズでも単体で1万円ほどしそうなデザインですね。結構好みです。
リケーブルにも対応し、コネクタはqdcなどに採用される凸型の2pinに対応。
フラットタイプの2pinリケーブルは使えず、専用のものが必要になるのでご注意ください。
KZ DQ6のノズル径は5.0mm、くびれ部は3.9mm。
ノズル長は3.5mmです。
ノズル径はやや細めですが、他社製のイヤーピースであれば大体適合します。
ケーブルはクリア色のものが付属。
4芯タイプでしなやか。取り回しも良好です。
プラグはL字を採用。分岐部は長さを調整するアジャスターはついていません。
耳掛け部は形状固定型でハリガネは入っていません。
ケーブルを装着してみるとこんな感じ。デザインに一体感があって美しいですね!
KZ DQ6 の重量ですが、本体7.0g、ケーブル込みで27.7g
片側に3つドライバーが入っているため、片耳あたりの質量はやや重ためですね。
ここまで総括すると、KZ DQ6の品質はかなりのもの。
ケーブル、イヤーピース、シェル、フェイスプレート、それぞれが整合性のある配色で、価格以上にデザインの美しさを放つイヤホンのように感じました。
デザインだけで言えば3万円クラス!
KZ DQ6 レビュー
イヤモニのようにぴたっとハマる
KZ DQ6はカスタムIEM(オーダーメイドイヤホン)のように耳の形状に沿った本体設計で、なかなかに良好な装着感です。
耳からの飛び出しも少なく、ぱっと見は高級なカスタムIEMを身につけているかのよう。
qdcやShureほど完全に密閉するような装着感ではないですが、街中を歩いていても落ちる気配もなくストレスのない装着感です。
音漏れや遮音性は普通レベル
ただ、音漏れは結構多めで、普通よりやや大きいくらいの音量で聴いていても、嫁さんから「音大きすぎない?」と指摘されたほど。
ちなみに遮音性もそこまで高くはなく、音楽を流していても電車の走行音がそれなりに聞こえてきます。
電車内で音量を大きくして聴いていると、もしかしたらシャカシャカと音漏れしている可能性もあるのでご注意ください。
装着感は良好、音漏れや遮音性は普通レベル。
ロックなど重厚なギターサウンドに最適
試聴環境は以下の通りです。
- 再生デバイス:iPhone XR
- エージング:30時間
感度が高く鳴らしやすいイヤホンのため、あえてiPhone直結で試聴しました。
箱だしの状態だと高音がピーキーでうるさく感じ、中低域もモヤっとして全体的な解像度もイマイチでしたが、30時間ほどエージングさせるとかなり改善されました。
エージング後のDQ6の音質は3DDらしい広い音場とレンジ、そして3DDとは思えないような解像度が高めで帯域の被りが少ないサウンドが特徴です。
- 高音:女性ボーカルの一番高い帯域がピークラインのような鳴り方で、「伸び」というより「ハリ」といった感じの元気なサウンド。オーディオテクニカの高域に少し似ている気がする。箱だしの時はうるさく感じたが、エージングを進めたらピーキーな感覚はなくなり、刺さる一歩手前の気持ちの良いハリの良いサウンドに変化した。スネアドラムの炸裂音もリアル。
- 中音:たっぷりとした厚みで重厚なギターサウンドが超気持いい!同じ帯域でもボーカルラインよりもギターサウンドのほうが目立つくらい楽器隊を際立たせてラウドネスに鳴らしてくれる。ロックとの相性が抜群。
- 低音:バスドラムやタムの空気をまとうような低音の出し方で、ドラムの臨場感をリアルに感じ取ることができる。EDMなど打ち込みサウンドより、バンドサウンドのリアルな楽器のサウンドの方が得意。
- 音場:なかなか広め。定位はそこまで良くはないような気がする。
- 傾向:ボーカルラインにかかる中高域と低域が強調されるような波形の弱ドンシャリ型。元気なウォーム系サウンドって感じかな?
- 解像度:価格を考えればかなり高め。一音一音は聴こえやすいが3DDの影響か音が全体的に太め。
得意なジャンル
- ロック
上記の評価の通りロックとの相性がめちゃくちゃ良く、邦楽ならone ok rockやLISA、洋楽ならFoo Fighters、Arctic Monkeys(4thアルバム)などラウド系を軸にしたロックサウンドとの相性が良いです。
70年〜80年のハードロック系とも相性が良く、Deep PurpleやGuns N’ Rosesの重厚なギターサウンドや昔のスモーキーな雰囲気まで見事に再現してくれますね。
総括するとDQ6は、音場の広さと臨場感、そして厚みのある中域が強みです。
年代問わずロックサウンドを聴くならコレ!と言えるイヤホンのように感じました。
重厚なギターサウンド聴くならDQ6!
もう少しすっきりとフラットな傾向が好きな方はKBEAR Larkがおすすめですね。
イヤーピースは変えることをおすすめします
KZ DQ6の付属イヤーピースは素材が薄くペラッペラで必要十分な密閉感を保ちにくいです。
何か合うイヤーピースがないかと思い色々試してみましたが、個人的にしっくりきたイヤーピースはAZLA SednaEarfit Light Shortでした。
肉厚のイヤーピースで耳内をしっかりと密閉し、SednaEarfit Light Shortの制振効果により音像がビシッと定まったように感じます。
SednaEarfit Light Shortがドンピシャ!というより一番よかったかな?くらいの相性なのでもっと他にも良いイヤーピースがあるかもしれません。
多数イヤーピースをお持ちの方は色々実験してみると面白いですよ!
イヤーピース選び、マジで大事
KZ DQ6 まとめ
総合評価
4.8/5
- ロックサウンドと抜群の相性
- 広い音場と臨場感のあるサウンド
- 取り回しの良いケーブル
- イヤーピースがペラッペラ
3.7
高音
3.8
中音
3.8
低音
3.7
解像度
4.0
迫力
4.4
装着感
- 年代関係なくロックを聴く方
- サブ機のイヤホンをさがしている方
- イヤホンマニア
KZ DQ6は3000円台とは思えないマテリアルとしての質の高さと、コスパの高いダイナミックなサウンドが特徴。
音楽鑑賞用の有線イヤホンのメイン機としてはもちろんのこと、イヤホンマニアの方も一度体感して欲しいです。
e☆イヤホンやヨドバシでは試聴できないイヤホンで買わないとその音は体感できませんが、最近の中華イヤホンはここまで質が良いのか!?と驚かされます。
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