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ULTRASONE Signature MASTER MkII レビュー|プロ御用達!バランス接続にも対応したハイエンドモデル

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ドイツの御三家ともいわれるオーディオメーカー「ULTRASONE」から、人気ヘッドホンSignatureシリーズのハイエンドモデル「Signature MASTER MkII」を紹介します。

一言で言うなら、密閉型なのに音場がめっちゃ広くて、そのなかで楽器がレイヤーわけされているかのようにクッキリハッキリ聴こえるヘッドホンで感じ。

Signatureシリーズといえば、Signature PUREを以前紹介しました。

バチクソ高いUltrasoneの製品の中では、ちょうど3万円と同社の中ではとても価格が抑えられていて、それでいてちゃんとUltrasoneの上位モデルのエッセンスを感じらえるヘッドホンなんですよ。

定位感が良くて遮音性も高いから、ボクもバーチャル試聴のモニタリングでめちゃ愛用しています。

今回のSigunature Master MkIIはハイエンドモデルで、専門店価格で99,000円。バチクソ高いほどでもないですが、クソ高いです。それでも人気が高くて売り切れたりもしてるみたいなんですよ。

でもね、初代のSigunature Masterは約120,000円なんですよ。パワーアップしてるのに安くなってんのよ。意味わからん。

ULTRASONE LT-SIG-MASTER-MKII Signature MASTER MkII プロユースモニターヘッドホン シグネチャー・マスター・マークツー

製品提供:アユート

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目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


2024年1月時点で月間100万PV。
YouTubeチャンネル登録者は7万人ほど

ULTRASONE Signature MASTER MkII 外観・付属品

それではULTRASONE Signature MASTER MkIIの外観や付属品をチェックしていきましょう。

パッケージ

今回はケースのみお送りいただいているので、パッケージの紹介はカットで。

つうかキャリングケースの質感が高すぎる。テメェだけで1万円くらい取られてるだろ。

開封するとこんな感じ。

付属品

付属品一覧
  1. 3m着脱式ストレートケーブル6.3mmプラグ(Neutrik製)
  2. 1.5m着脱式ストレートケーブル3.5mmプラグ(L字/ Neutrik製)
  3. 1.4m着脱式ストレートケーブル4.4mmバランスプラグ(ストレート)
  4. イヤーパッド(シープスキンレザー/装着済み)
  5. Signatureキャリングケース
  6. マニュアル

ケーブルはなんと3種類も入っている豪華仕様。

そして初代Signature MASTER はなかった4.4mmバランスケーブルが付属するようになりました。なにげにSignatureシリーズとしては初バランス対応です。

これで、DAPやDACに繋いでも出力が確保しやすくなったり、より分離感の高い音を楽しめるようになりましたね。

モニタリング用途であれば特にありがたいですが、プロ向けの機材って4.4mmバランスに対応しているものってかなり少ないような気がする……。

本体・ケーブル

本体デザインはまるで金メダルのようなゴールドプレートが特徴。Sigunature MASTERとULTRASONEのロゴが記されたゴージャスなデザインになっています。

前作のSignature MASTERは「=型」のロゴが入ってましたが、今回は「X型」のロゴデザインに変更が加えられています。

ドライバーには、10万〜20万クラスのクソ高い「Edition」シリーズ直系となる密閉ダイナミック型40mmチタンプレイテッド・マイラードライバーを採用。

基本チューニングは前モデルのSignature MASTERを踏襲しているようです。

Signature PUREと比べるとこんな感じ。デザインだけで評価するならマットブラックを採用したSignature PUREの方が好き。

そしてULTRASONEの独自技術である「S-Logic 3」を採用。アーム部分にもロゴが入っています。

この技術がすごくて、密閉型のヘッドホンなのに、開放型のヘッドホンのように自然に広がるような空間表現を実現できます。

また、S-Logic 3テクノロジーの一部となる独自の最新技術「DDF (ダブルデフレクターフィン)」も採用しており、S-Logic効果がさらに向上させているようです。

ドライバーから発生する電磁波を低減する独自技術ULEテクノロジー採用。

「ミューメタル」という軍用の特殊金属を使用して、最大約98%の電磁波をシャットアウトするよう設計がされているとかどうとか。正直これがどのように影響するのかはわかんない。

イヤーパッドにはシープスキンレザー製を採用。少し硬めの質感でありつつも、しっかりと耳を密閉してくれます。

前作は交換用のイヤーパッドが入っていましたが、コストカットのためか今回は付属していません。

ヘッドパッドは、前作は全面シープスキンレザーでしたが、今作は接触面のみメッシュ素材になっています。

Signature PUREもメッシュ素材でしたが、Signature MASTER MkIIの方がクッション性が高く、もっと上質なメッシュ素材になっていますね。

ケーブルの着脱部はロック機構付きの2.5mmジャックになっています。

片出しではありますが、4極端子になっているのでバランスでの出力が可能です。

プラグはストレートタイプを採用。ちゃんとULTRASONEのロゴ入りです。

そしてこれらの製造は、すべて自社工場でハンドメイドで行われているのですよ。そりゃ高いよね。

最後に重さですが、288.1g。

なんと前作よりも約60gほど軽くなっているみたいです。たしかに、見た目に対してズシっとくる感じもないんですよね。

ULTRASONE LT-SIG-MASTER-MKII Signature MASTER MkII プロユースモニターヘッドホン シグネチャー・マスター・マークツー

ULTRASONE Signature MASTER MkIIのスペック

ドライバー40mmチタンプレイテッドマイラー
インピーダンス32Ω
音圧感度98dB
再生周波数帯域6 – 42,000 Hz
ケーブル仕様ケーブル長の異なる着脱式ストレートケーブルが3種付属
・3m:6.3mmプラグ(Neutrik製)
・1.5m:3.5mmプラグ(L字/ Neutrik製)
・1.4m:4.4mmバランスプラグ(ストレート)
本体重量約286g(ケーブル含まず)
付属品3m着脱式ストレートケーブル6.3mmプラグ(Neutrik製)
1.5m着脱式ストレートケーブル3.5mmプラグ(L字/ Neutrik製)
1.4m着脱式ストレートケーブル4.4mmバランスプラグ(ストレート)
イヤーパッド(シープスキンレザー/装着済み)
Signatureキャリングケース
ULTRASONE LT-SIG-MASTER-MKII Signature MASTER MkII プロユースモニターヘッドホン シグネチャー・マスター・マークツー

ULTRASONE Signature MASTER MkII レビュー

装着感|意外と軽快

ULTRASONE Signature MASTER MkIIの装着感ですが、見た目に対して意外と悪くないですね。

実際に着けてみらたこんな感じ。ギラッギラ。

首にかけている時もハの字型になるので、そこまで邪魔にはなりません。

この手のDJモニター系、スタジオモニター系って側圧がキツくて、重さで頭頂部も痛くなりがちなんですけど、2〜3時間くらいであれば耐えれるくらい重さを分散してくれてます。

Signature PUREの時は、耳コロス気か!って思うくらい側圧が強かったですけど、今回はそこまで痛くなりませんでしたね。

モニタリングなどで長時間ヘッドホンを使うことが多いという方にも良い選択肢になると思います。

あとは、遮音性も高いので周りの騒音に左右されず、出力される音に集中できるのも良いポイント。

ボクの環境だとバーチャル試聴の出音の確認や、左右の音のバランスの調整などでめっちゃ使いやすかったです。

装着感(4.5)

音質|分離感の鬼

ULTRASONE Signature MASTER MkIIの音質は、めちゃめちゃ定位感が良いスタジオマスタリングサウンド。

試聴環境は以下で検証しています。全部組み合わせ使ったわけではなく、それぞれで検証していると考えてください。

試聴環境
  • DAP:KANN ULTRA
  • DAC(オーディオインターフェイス):BabyFace Pro FS、AK HC4
  • アプリ:Apple Music
  • 接続方式:3.5mm / 4.4mmバランス接続 どちらも検証
  • エージング:100時間ほど                                                                                                                                                                                                   

DAPはKANN ULTRAくらいでちょうど出力を確保できる感じでしたね。

AK HC 4などのドングルDACだと、やや音が薄く感じますね。DC-Eliteでギリギリなくらい。

できれば出力が高めのオーディオインターフェイスや、据え置きのDAC内蔵アンプが必要かと思いました。

ちなみにBabyface Pro FSの6.3mm接続は余裕で鳴らせました。この子めっちゃ出力高いな。

ULTRASONE Signature MASTER MkIIの音の特長は次のとおりです。

音の特長

※10万円以下の有線ヘッドホンの評価軸です

4.8

高音

4.7

中音

4.8

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
フラット
高域寄り

音の傾向

音の傾向は硬質でパワフルな音でありつつ、音のバランスはフラット〜弱ドンシャリな印象を受けます。

完全にどフラットというわけではなく、ULTRASONEらしい独自の世界感を持ったモニターサウンドという感じ。

Signature PUREはもっと低域の主張が激しくて、キック音を中心に追いやすいDJ用途的な印象でしたが、Signature MASTERはもっとモニタリングに振ったようなバランスですね。

音場

音場はUltrasoneらしく広大で、密閉型とは思えないくらい広いフィールドのなかで定位を定めながら、内側に迫るようなパワフルな音で鳴らします。

最近同じドイツ発のモデルで密閉型でありつつも広大な音場のHD 620Sしましたけど、あっちは音の一体感重視、Signature MASTER MkIIは解像度感や音の分離感重視という感じですね。

解像度や定位

解像度は鬼高いです。音の粒子が見えるかのような緻密な解像度感……ではなく、各楽器隊がどんな風に弾いているか意識せずとも耳で追えるような輪郭のクッキリとした分離の良い音という感じでしょうか。

定位感もバチクソ良くて、ULTRASONEらしい広い音場のなかで、どの方向からどれくらいの音量で鳴らすかを正確に把握できます。

まるでPhotoshopのように全音を細か〜〜〜〜くレイヤー分けにしているような感覚で聴き取れますよ。

「リバーブ」や「ディレイ」のようなエフェクトでさえも、まるで「元の音」と「エフェクト」で分けて聴き取れるような感覚でさえもあります。打ち込み系の楽曲は特に細分化して聴きとりやすいですね。

バーチャル試聴のモニタリングで使えば、左右のわずかな音量差でさえも聴感上だけでも気づけそうなほどの精度の高さ。

FPSでも足音の位置を制作に把握できそうですね。Signature PUREも定位が抜群に定りますが、Signature MASTER MkIIはそれ以上の定位感の良さなのですよ。

ゲーミング界隈でも広まれば、さらに人気がそうな気がしますね。マイクをつけてもいいくらい。

低音

ベースラインの解像度が特にスゴイですね。凛として時雨のようなかなりガチャガチャとした楽曲のサビの部分でも、ベースラインの輪郭をハッキリと把握できます。

Signature PUREと同様にキック音も浮き彫りにされているかのように把握しやすく、リズムを崩すことなくモニタリングできます。

モニタリングのはずなのですが、低音の躍動感がほしくて思わずノってしましますね。遮音性も十分高いので、DJ用途でも使えると思います。

高域

高域はモニター系のヘッドホンによくあるような、硬質系で刺さる一歩手前の剥き出しの音でダイレクトに伝えてきます。

これでも昔のSignature DJとかProとかに比べると、だいぶ高域がまろやかになって聴きやすくなったほうよ。昔はもっとナイフでグサグサ刺してくるような容赦のない高音だったのよ。

シンセサイザーの音を、電子音としての良さを引き出しながらレスポンス良く鳴らすのが得意ですね。

アコースティック系の音をリスニングライクに伸びやかに聴きたい場合は、まあ他の5〜6万円クラスの開放型を使った方がコスパは高いですが、意外とSignature MASTER MkIIでもアコースティック系を伸びやかに鳴らしてくれますよ。

中域

ボーカルラインも一切妥協なく、男性・女性ボーカル問わず、録音環境に合わせたハリの良い歌声を聴かせてくれます。

艶感や伸びやかさみたいなものは薄めなので、しっとりとしたボーカルが好みの方はやめておいた方がよいかと。

おすすめのジャンル

スタジオマスタリング用ヘッドホンなので、基本的にはDTMやMIX、マスタリングなどプロユースになるかと。遮音性も高くてリズムも把握しやすいので、ドラムのモニタリング用途にもめちゃめちゃ使いやすそうですね。

リスニング用途で使うならエレクトロやロック、電子音を多用したポップスなどが合うように感じました。レスポンスがめっちゃ早いから、音数が多くてBPMの早い楽曲がとても合うんですよね。

サカナクションとかおすすめですよ。あの方達も実際にてSignature DJをライブで使ってましたしね。同じようなエレクトロサウンドを多用した系統だとYOASOBIもおすすめ。

ジャズやクラシックなどをしっとりかつ伸びやかに聴きたいなら、まあ他の5〜6万クラスの方がキレイに聴こえるかと思います。

バランス接続にすると

ここまでは6.3mm接続で聴いた時の感想でしたが、バランス接続で聴くとフラットな特性から、高域と低域にメリハリ感が生まれて煌びやかかつノリよく楽しい音になりますね。

ボーカルラインも前に出てくるような感覚になり、よりジャキジャキとしたパワフルな音になります。

ポータブル環境でも出力を確保しやすくなりますし、個人的にはバランス接続で使った方が好みでしたね。

ただ、スタジオで使う場合は4.4mmバランス端子はほとんどつかえないでしょうし、基本的には6.3mmか3.5mmでの運用になるでしょうね。

総評

総評して、Signature PUREより2ランクほど上に感じる解像度や音場で、価格なりの音質差があるように感じました。

やはり一番の強みは、密閉型でありつつも広い音場感と高い定位を得られるという点でしょうかね。

艶やかにしっとりとリスニングライクに聴きたい場合は他にも選択肢があると思いますが、モニタリング用途で使ったり、エレクトロやロックの輪郭をなぞりながら迫力良く聴きたい人には良い選択肢になると思います。

ULTRASONE LT-SIG-MASTER-MKII Signature MASTER MkII プロユースモニターヘッドホン シグネチャー・マスター・マークツー

ULTRASONE Signature MASTER MkII まとめ

ULTRASONE Signature MASTER MkIIをまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.5/5

Signature MASTER MkII

  • 密閉型とは思えない広い音場
  • 定位感がとても高い
  • 音の分離感がとても高い
  • 遮音性が高い
  • 密閉型のモニターヘッドホンにしては装着感が良い
  • バランス接続も対応でケーブルも付属している
  • 高い
  • リスニングオンリーで使うにはコスパは悪め

4.8

高音

4.7

中音

4.8

低音

4.7

解像度

4.8

迫力

4.5

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

ULTRASONE Signature MASTER MkIIはこんな人におすすめ

こんな人におすすめ
  • 予算10万円以下でリスニング・モニターどちらも使える有線ヘッドホンが欲しい
  • 音漏れのしない広い音場感
  • サウンドエンジニア、DJ、DTMer
  • ロックやポップス、エレクトロファン

用途は特殊ですけど、ボクのバーチャル試聴用のモニタリングヘッドホンとして愛機にしようと思います。完全にオーバースペックだけどな!!

まあ、基本的にはプロユースのモデルなので、リスニングオンリーだけで使おうと考えている方には他にも選択肢はあるかと思いますが、どちらの用途でも使いたい方には最高だと思います。

まあ、基本的にはプロユースのモデルなので、リスニングオンリーだけで使おうと考えている方には他にも選択肢はあるかと思いますが、どちらの用途でも使いたい方には最高だと思います。

エンジニアの方は、このヘッドホンを使って良い曲を作れれば、その収益で99,000円はすぐにチャラになるので実質無料です。

それ以上の利益が出たら飯奢ってください。

ULTRASONE LT-SIG-MASTER-MKII Signature MASTER MkII プロユースモニターヘッドホン シグネチャー・マスター・マークツー

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