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ソニーから久々のワイヤレスヘッドホン「ULT WEAR(WH-ULT900N)」が登場しました!
一言で伝えるなら、フラッグシップモデルWH-1000XM5の技術を一部踏襲したソニー史上最強の重低音モデルという感じでしょうか。
- 「ULTボタン」で、ソニー史上最高の重低音体感
- サウンドモードは3段階で調整可能
- 専用設計40mmドライバーユニット
- WH-1000XM5搭載の統合プロセッサーを重低音モデルで初搭載
- 長時間利用でも快適な装着感と、新たなカラー採用でスタイリッシュなデザイン
- 価格は33000円
ぶっちゃけ、今までのソニーの重低音モデルはそこまで好きじゃないものが多かったけど、ULT WEARはマジでバカみたいな重低音で逆に好きになりましたね。
今回はソニーさんよりレビュー用に一時的に貸出いただいたので、実機を使ってレビューしていきます。
YouTube版はこちら
WH-1000XM5とスペックを比較
特徴/モデル | ULT WEAR | WH-1000XM5 |
---|---|---|
ドライバーユニット | 40mm | 30mm |
ULTボタン | 対応 | – |
DSEE | DSEE | DSEE Extreme |
プロセッサー | 統合プロセッサーV1 | 統合プロセッサーV1 ノイズキャンセリングプロセッサーQN1 |
ノイズキャンセリング | デュアルノイズセンサーテクノロジー (マイク左右2つずつ) | マルチノイズセンサーテクノロジー (マイク左右4つずつ) |
外音取り込み | 対応 | 対応 |
再生周波数帯域 | 5Hz – 20,000Hz | 4 Hz – 40,000 Hz |
充電時間 | 約 3.5 時間 | 約 3.5 時間 |
電池持続時間 (連続音声再生時間) | 最大30時間(NC ON時)、最大50時間(NC OFF時) | 最大30時間(NC ON時)、最大40時間(NC OFF時) |
電池持続時間 (連続通話時間) | 最大30時間(NC ON時)、最大40時間(NC OFF時) | 最大24時間(NC ON時)、最大32時間(NC OFF時) |
Bluetooth通信方式 | Ver.5.2 | Ver.5.2 |
対応コーデック | SBC, AAC, LDAC | SBC, AAC, LDAC |
伝送帯域 (A2DP) | 20 Hz – 20,000 Hz | 20 Hz – 40,000 Hz (LDAC時) |
マルチポイント | 対応 | 対応 |
アプリ | 対応 | 対応 |
マイク | 片側2つ ビームフォーミングマイク | 片側4つ ビームフォーミングマイク |
価格 | 33,000 円 (税込) | 59,400 円 (税込) |
DSEEやノイズキャンセリングプロセッサー、マイク数など細かな点を見れば、やはりWH-1000XM5の方が全体的にスペックは上ですね。
ただ、価格差も定価で25000円ほどの差があるので、音質やノイズキャンセリング性能に大きな差がなければULT WEARも買いかもしれないですね。
ULT WEAR 外観・付属品
それではULT WEARの外観や付属品をチェックしていきましょう。
本体はシンプルで少しゴツめの見た目。
一見、どんな服装でも合わせやすそうな見た目ですが、ハウジングの厚みがけっこうあるのが気になる。
WH-1000XM5と比べるとこんな感じ。WH-1000XM5の方がシュッとしてる。
ハウジングの厚みを見比べても、WH-1000XM5の方が薄い。
ロゴは角度によって七色に光るようになっていて、音楽やライフスタイルの多様性を表現しているとかなんとか。
アーム部分は段階式に調整可能。
折りたたみができるのは強い。WH-1000XM5は折り畳めないですからね。
ハードケースもついてくるので、携帯もしやすいですね。
パッドは価格にしては質感はふつうで、WH-1000XM5のようにモッチリとした感じでもないですね。
ヘッドパッドは肉厚で弾力がある仕様。
ボタン部は左側に集約されており、電源ボタン、ノイズキャンセリングボタン、充電用USB-C端子、ヘッドフォンジャック、そして低音をモリモリにするULTボタンが備わっています。
右側にはなんもなし。
最後に重さですが、ULT WEARは254.4g、WH-1000XM5の重量は248.9gです。
それほど重たくはなく、だいたいWH-1000X5と同じくらいの重さですね。
ULT WEAR レビュー
装着感|悪くはないけど……
ULT WEARの装着感についてですが、装着感”は”悪くはないです。しっかり密閉できますし、耳も痛くなりにくいですし、良好です。
ただ、問題は見た目! 実際に装着してみるとこんな感じ。
横から見た感じは悪くはないです。
問題は前から見た時のビジュアル。ハウジングの厚みがありすぎてダサい。フランケンシュタインかよ。
WH-1000XM5もそうですけど、ソニーのヘッドホンって基本ハウジングが分厚いのでスタイリッシュにならないんですよね。PX7 S2eを見習ってほしい。
この見た目が気にならなければ装着感は良いです。
装着感 | (4.5) |
音質|ゴリゴリの低音と意外とバランスの良いサウンド
ULT WEARの音質ですが、コンセプト通りゴリっゴリの重低音が出ますね。そして低音はゴリゴリなのに、意外と中高音もキレイに出ているんですよね。
今回の検証では、Xperia 5Ⅳを使ってLDACで接続、ULTのモードは2段階で調整可能ですが、重低音とのバランスが良いULT1で検証しました。
ULT WEARの音の特長は次のとおりです。
4.4
高音
4.5
中音
4.6
低音
まず低音は、ULT1の状態で聴いた場合でも、他のワイヤレスヘッドホンと比べてもかなり低音が強いと感じるくらい大迫力が出ますね。
空気を揺らすような立体的で臨場感に極振りしたかのような低音で、ライブ会場で聴くときのような容赦のない臨場感を味合わせてくれます。
低音の深みや解像度感は知ったこっちゃない、臨場感で押しつぶせ!と言わんばかりの低音です。といっても低音の輪郭が破綻しているわけでもなく、わりと締まり良く鳴らしてくれます。
ULTをOFFにすると低音が少なくなって、個性の少ないただの価格相応以下くらいの音質になってしまうんで、基本ULT1か2にしてゴリゴリの重低音を体感していた方が楽しいとは思います。
高域は鋭めでスナップ感の良い音で、こもり感のようなものは感じないほどクリアには鳴っていますね。ただ、JBL TOUR ONE M2やSENNHEISER ACCENTUMなど同価格帯のヘッドホンと比べると解像度感にやや荒さは感じます。
ボーカルラインは意外とクリアで、強烈な低音に埋もれることなく、フレッシュな歌声を聴かせてくれます。
もちろんWH-1000XM5の方が解像度感は高く、まとまっていて聴きやすい音質ではあるんですけど、どちらかというとULT WEARの方が好きかもしれない。
こちらも参考にしてくださいね
ULT2でバカみたいな低音になる
そして、ULT2にするとマジでバカみたいな低音になります。容赦何なさすぎて中高音とのバランスを考えていない感じ。
YouTube版ではULTの切り替え時の音の変化もバーチャル試聴で録音しています。(9:56〜あたり)
ULT1ではライブ会場で聴いていたけど、ULT2はさらにスピーカー近くまで移動して爆音で低音を浴びるように聴くような感じになります。
そして中高域も意外と阻害していなくて、低音を除けばバランス良く聴けているんですよね。感覚的にはソニーのイコライザー設定にあるクリアベースを振り切って+50にしたような感じ。
ULT WEARを使っている間はわりと好みでULT2を使うことが多くて、普通に楽しい音なんですよね。この低音に慣れてしまうと、多分全てのイヤホン・ヘッドホンの低音が物足りなくなってしまう気がします。
ただ、聴き疲れはめちゃくちゃします。ヘッドホンから出る低音で耳が痛くなるのは初めての経験。
エレクトロやヒップホップとの相性がめっちゃいい
このULT2でエレクトロやテクノ、ヒップホップを聴くとめっちゃめちゃ楽しいんですよ。臨場感があまりに凄すぎて耳だけでなく全身に低音を浴びているような感覚になって、もやは細かな解像度感とかどうでも良くなってきます。
ぜひULT WEARのULT2で、Underworld「Born Slippy(Nuxx)」、The Prodigy「Breathe」、ケンドリック・ラマー「HUMBLE.」あたりの洋楽を聴いてみてほしいです。
ライブ映像とか見たら特にヤバいですよ。脳内麻薬ダラダラ溢れてきて、今すぐサマソニかフジロックに行きたくなるから。
ただ、ロックやポップスを聴く場合は低音過多でコッテリマシマシすぎるので、他のワイヤレスヘッドホンを使った方が良く感じましたね。
バーチャル試聴
YouTube版では、ダミーヘッドによるノイズキャンセリングのバーチャル試聴も行っております。(9:56~あたり)
ノイズキャンセリング|かなり強め
ノイズキャンセリング性能はかなり強めで、価格に見合った実力がありますね。ソニーはノイズキャンセリングがやはり強い。
感覚的にはWH-1000XM4のような耳がキュッとなるノイズキャンセリングのような効き方で、WH-1000XM5のようなナチュラルな感じではないですね。なんで人によっては耳が痛くなるかと。
電車の中で使っても、音楽を聴いていれば周りの雑音は全然気になりませんでした。また、高周波に対する遮音性も高く、キーボードのタイピング音や空調音のような高い音も耳に入りにくいです。
さらにULTボタンを使ってゴリゴリの低音で音楽を聴いていれば、電車や車の「ゴォぉぉ」という振動音も全然耳に入らなくなります。
「ノイズキャンセリングでカバーできない騒音は低音で掻き消せ!」と言わんばかりの脳筋系ノイズキャンセリングで笑いました。
ノイズキャンセリング | (4.7) |
外音取り込み|WH-1000XM5と同じくらい
ULT WEARの外音取り込みはまあまあ優秀といったところ。感覚的にはWH-1000XM5と同じくらいな印象でしたね。
少しマイクで拾っている感はあるけど、音楽を止めていれば十分に会話ができるほどの集音量って感じです。
ちなみにWH-1000XM5にも搭載しているハウジングを手のひらで抑えれば外音取り込みになる機能も今回も搭載しています。
外音取り込み | (4.3) |
風切音がかなり入りにくい!
そしてULT WEARを使って気づいたことがあったんですけど、外音取り込み時とノイズキャンセリング時に風切音がめちゃくちゃ入りにくいんですよ。
実際にマイクを上部に設置するという新規設計を施して、風ノイズを低減するようにしているようですね。
風切音めっちゃ気にするタイプなので、この構造はありがたい! WH-1000XM5よりも風切音は少ないかも。
ノイズキャンセリングバーチャル試聴
YouTube版では、ダミーヘッドによるノイズキャンセリングのバーチャル試聴も行っております。(13:34~あたり)
操作性|超快適
操作性についてですが、ハウジングにタッチセンサーが備わっていて、WH-1000XM5譲りの直感的な操作が可能です。超快適ですね。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | R側を2回タップ |
曲送り | R側を前にスライド |
曲戻し | R側を後ろにスライド |
音量を上げる | ハウジングR側を上にスライド |
音量を下げる | ハウジングL側を下にスライド |
電話を受ける | 着信中にL or R側を1回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 通話中にL or R側を長押し |
外音モードの切り替え | L側下部のボタンを1クリック |
スピークトゥチャットのON/OFF | R側を2本の指でタッチ |
サウンドモードの変更 | ULTボタンを押す |
指をスライドしながら直感的に操作ができるので、操作に迷うことがないですね。1タッチだと反応はしないですし、誤動作も少なめです。
ソニーのヘッドホンの操作性は最強クラス。
アプリでできること
アプリでできることは次のとおりです。
- アダプティブサウンドコントロール
- 外音コントロール設定
- イコライザー設定
- Bluetooth接続品質設定
- DSEE設定
- クイックアクセス設定
- 2台同時接続設定など
基本的にできることはWH-1000XM5と同じです。
マルチポイントとLDACの併用ができない
ただ、一点致命的な弱点がありまして、ULT WEARは2台同時接続を行う「マルチポイント」と、高音質コーデック「LDAC」の併用ができません。
WH-1000XM5では克服されていたのに、なぜ最新機種で退化する……。この点がULT WEARの一番のデメリットのように感じました。
iPhoneとiPadなどLDACが使えないデバイス同士では問題ありませんが、XperiaとiPadなど片側のデバイスがLDACで接続できる場合は音質面でややマイナスになってしまいます。
まあ、低音の勢いだけで攻めるようなヘッドホンなので、LDACが使えなくてもそこまで気にならないかもしれませんが……。
通話品質|品質高め
マイク性能はなかなかの実力です。
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
ULT WEAR
WH-1000XM5
WH-1000XM5と比べると少しノイズは入りやすいですし、音声もWH-1000XM5の方がクリアですが、ULT WEARでも同価格帯のヘッドホンの中ではなかなかの実力です。
マルチポイントも使えますし、オンライン会議など通話用とでも使いやすいかと。
通話品質 | (4.5) |
音の遅延|映画やライブを見るのにピッタリ
音の遅延はYouTubeやプライムビデオなどストリーミングサービスで視聴する分には問題なし。
ただ、低遅延モードなどは搭載していないので、ゲーム用途には向いていないですね。
ULT1〜2にすると低音の量感が凄まじくなるので、映画やライブコンテンツを視聴するのみピッタリです。
ULT WEAR まとめ
ULT WEARをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
ULT WEAR
- 低音の迫力がヤバい
- ULTボタンで低音の量感を瞬時に切り替えられる
- ノイズキャンセリング機能が優秀
- 風切音画少ない
- 直感的な操作感
- ハウジングの厚みがありすぎる
- 価格を考えると音の解像度感はイマイチ
- マルチポイントとLDACの併用ができない
4.4
高音
4.5
中音
4.6
低音
4.5
装着感
4.7
ノイズキャンセリング
4.3
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.8
利便性
Bluetooth | 5.2 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 40 |
コーデック | SBC, AAC, LDAC | 充電時間 | 約3.5時間 |
ドライバー | 40mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | – |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 | 255g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
ULT WEARはこんな人におすすめ
- とにかく低音の量感が欲しい
- エグいほどの低音の迫力を感じたい
- ライブで聴く浴びるような感覚の低音が欲しい
- 低音を……もっと低音を……くれっ……!!
解像度重視やキレイめに聴きたい方は他のワイヤレスヘッドホンの方がおすすめですが、とにかくライブのような容赦のない低音を浴びるように聴きたい方はピッタリですよ。これ絶対需要あるやつ。
低音だけでなく、操作性もいいしノイズキャンセリングや外音取り込み機能もなかなか優秀ですし、マルチポイントもついていますし、ふつうに使いやすいんですよ。
もっとリアルな振動を感じながら臨場感のある音を体感したい場合はスカルキャンディのCrusher Wirelessでもいいと思いますが、使いやすさも重視しつつ音のバランスも考えるならULT WEARがおすすめです。ボクはULT WEAR派かな〜。
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