こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
今回は中国のオーディオメーカ「TWISTURA(ツウィスチュラ)」より、見た目金属っぽいのにウッドの振動板を採用したユニークな有線イヤホン「WOODNOTE」を紹介します!

ウッド振動板といえば、某日本のブランドのイヤホンを彷彿させますね。価格は21,780円となっています。
TWISTURAというブランドをあまりに耳にしたことがない人も多いかと思いますが、CEOがイヤホン界隈でも有名な水月雨(MOONDROP)にも所属していたこともあり、その技術は確かなものとなっています。
2023年に設立されたばかりのオーディオブランドではありますが、パッケージングからビルドクオリティまで、とても品質の高いイヤホンブランドですよ。
今回は代理店のMUSINさんより紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力なのか検証していきましょう。
▼動画版はこちら▼
TWISTURA WOODNOTE 外観・付属品
それではTWISTURA WOODNOTEの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
TWISTURA WOODNOTEのパッケージはこちら。価格にしては大きめ。

開封してみるとこんな感じで入っています。価格にしては高級感がありますね。

付属品

- イヤーピース4種
スタンダードノズル
インストゥルメンタルノズル
ボーカルノズル
標準ケーブル
3.5mm交換モジュール
4.4mm交換モジュール
イヤホンキャリングケース
クイックスタートガイド
付属品がめちゃめちゃ多いっ!イヤーピースだけで4種類もあるよ……。
灰色イヤーピースが一番低域が強め、透明のイヤーピースがボーカルを中心としたバランス型、黄色のイヤーピースは低域寄り、青色がボーカルを中心とした中高域寄りのサウンドになりますね。

そしてノズルもスタンダード(ダーク・ステンレス・スチール)インストゥルメンタル(シルバー・アルミニウム合金)ボーカル(真鍮製)の3つが入っています。

このイヤーピースとノズルを組み合わせることで、自分の好きな音の傾向にチューニングができるようになっています。
カスタマイズしながら好きな音に仕上げていくのが好きな方には面白い製品になっているかと思います。
とりあえず今回は「スタンダードノズル」「透明イヤーピース」の組み合わせで使っていきます。
デフォルトだと「ボーカルノズル」がついているぞ!気をつけろ!!なんでスタンダードじゃないねん!
本体・ケーブル
イヤホン本体はこちら。

筐体には航空機グレードアルミニウム合金を採用。このアルミニウム筐体を使うことで不要な共振を抑制してピュアなサウンドを実現しているとのこと。
内側はほんの少し凹凸のある形状になっていますね。

側面にはイヤホンとしてはめずらしくシリコンサポートパーツが搭載していて、耳の形に沿って正しくフィットさせるような仕組みを作っています。

反対側には細長い穴が空いているのですが、こちらは筐体内の空気圧を制御するための「ガイディングエアリリース構造」となっています。

これにより、長時間の装着による蒸れやリスニングのストレスを緩和できるとのことです。
ドライバーは10mmのウッドドーム振動板を採用した1DD構成。厳選された天然木繊維をプレス加工技術でドーム形状へ加工し、フレキシブルサスペンションを採用しています。

またウッドドームだけでなく、デュアル・マグネティック&デュアル・リアチャンバー採用することで、振動板の駆動力を最大化し、エアフローを制御することで分割振動を抑制し、位相特性の劣化や歪みを低減しています。

ケーブルは着脱可能で埋め込み型の2pinに対応していますが、ピンの挿入部分だけ若干飛び出してる……。

ノズルはネジ式で交換が可能になっていて、付属のノズルでチューニングを行えます。

ケーブルは酸素銅(OFC)、銅合金、銀銅合金、グラフェン銅のハイブリッド構成で内部導体が構成された、マルチコア・ハイグレードケーブルを採用。

なかなか太くてイカつめなケーブルですが、取り回しは意外と悪くないです。
コネクタは埋め込み型の対応した2pinとなっていますが、本体部に埋め込み部分の溝が収まり切らないのが気になる……。

耳掛け部は形状固定型。
分岐部はメーカーロゴとアジャスター付き。

プラグはこの価格でありつつ、3.5mm / 4.4mmどちらにも対応できるマルチプラグ方式を採用。

ネジ式で勝手に抜ける心配もありません。
本体とケーブルを装着するとこんな感じ。

充実した付属品、軽量なアルミニウム筐体、ウッドドーム振動板、マルチプラグ対応など、価格に対してとても品質は高い方だと思います。
TWISTURA WOODNOTEの概要・スペック
■ スペック | |
---|---|
ドライバー構成 | ユニット構成:10mmデュアル・マグネティック&デュアル・リアチャンバーユニット ダイヤフラム:ウッドドーム・コンポジットダイヤフラム |
インピーダンス | 18Ω ±15% (@1kHz) |
音圧感度 | 125dB/Vrms(@1kHz) |
再生周波数帯域 | 周波数特性範囲:8Hz -21kHz (IEC61094、Free) 有効周波数範囲:20Hz -20kHz (IEC60318-4、-3dB) |
付属品 | ・イヤーピース4種 ・スタンダードノズル ・インストゥルメンタルノズル ・ボーカルノズル ・標準ケーブル ・3.5mm交換モジュール ・4.4mm交換モジュール ・イヤホンキャリングケース ・クイックスタートガイド |
TWISTURA WOODNOTE レビュー
装着感|とても良好!
TWISTURA WOODNOTEの装着感はとても良好!
イヤモニ型で耳内に収まりつつ、シリコンサポートで耳の淵の痛みも軽減もでき、さらにアルミ筐体ということもあって本体も軽く、とても軽快な装着感なように感じました。
実際に装着してみるとこんな感じ。

前から見ても飛び出し感は少なめ。

耳内をしっかり塞ぎつつも、そこまで密閉されすぎないような感覚。1/8オープン型みたいな感じ。
そのためカナル型でありつつも、外音はやや入ってきやすいように感じました。
装着感自体は全然不満はないけど、遮音性はやや低めといったところです。
装着感 | (4.5) |
音漏れが大きめ
広く取られたベント孔の影響か、イヤモニ型にしては音漏れがやや大きめのように感じました。
耳に挿入する前と変わりないレベルで音が漏れ出すので、大きめの音量で聞かれる方は要注意です。
音質|ウッドの柔らかさとアルミの硬質さの両立
TWISTURA WOODNOTEの音質についてですが、ウッドドームらしい自然な柔らかさと、アルミニウム筐体ならではの硬質さやレスポンスの良さを合わせ持つ音のように感じましたね。
音の傾向的には某日本ブランドのウッドドームイヤホンと似ているように見えて、少し異なるアプローチになっています。
音の好みにもよりますが、約2万円のモデルと考えれば音質もふつうにイイと思います。
- DAP:SONY NW-WM1AM2
- アプリ:Apple Music
- 接続方式:4.4mmバランス接続
- イヤーピース:透明イヤーピース
- ノズル:スタンダード
- エージング:50時間ほど

TWISTURA WOODNOTEの音の特長は次のとおりです。
4.5
高音
4.6
中音
4.5
低音
音の傾向
音の傾向は低域と高域が強調されつつ、ボーカルも主張してくるW字型の傾向。
スタンダードノズルだと、低域・中域・高域それぞれが主張しつつも、立ち位置はフラットなように感じますね。
モニターっぽさはなく、リスニング向けに極振りしたチューニングになっていますね。
音場
音場はやや広めで、スパっとキレの良い音で高域側は伸びていきつつ、低域も奥行きまで感じられるような立体的な広がりを見せます。
少し余韻のある音ではありますが、定位もそれなりには定まっているように感じますね。
高音
高域はカチッとした硬質さを持ちつつ、レスポンス良く鳴らすような印象。ウッドドームならではの自然さではなく、完全にアルミ筐体側のカチッとした音が乗ってます。
1DDということもあり粒立ちは甘めでハイハットやアコースティックギターの細かな音が団子になりますが、その代わり各帯域の繋がりが滑らかで自然な伸びの良さを持っています。
ウッドの柔らかさだけだと眠たい音になってしまいますが、そこにアルミ筐体による煌びやかさを持つことで、高域がアクセントとして際立つようになっています。
ハイハットやシンバルの金属音の再現性も高いです.。
少し残響感はありますが、刺さりやキツさはギリギリ感じさせない瑞々しい高域の表現となっています。
中音
中音は余韻が広がりつつ厚みも感じられるサウンド。
ボーカルには暖かみがあり、楽曲の雰囲気を引き出す艶やかな歌声を聴かせます。
女性ボーカルは高域側に乗るため、暖かみがありつつも硬質な高域がボーカルの輪郭を縁取りつつ、余韻を少し加えてるような感覚。
ハキハキとしつつもしっとりと聴けるようなボーカルの表現で、とても聴き心地が良いですね!
また、1DDにしては分離感も良く、ピアノやギターなど同じ帯域の音も聴き分けがしやすいです。ピアノの音も凛とした音で美しく響き渡ります。
低音
低域はウッドドームならではの自然な広がりや柔らかさを持つような感覚。とくにウッドベースの表現が心地よく、アコースティック編成の楽曲との相性は抜群。
といいつつレスポンスも良い音のため、最新チャート曲のような打ち込み系のサウンドでもタイトな迫力が出ます。
パワー型ウッドドームです。
おすすめのジャンル
おすすめジャンルは幅広く、ロックやポップスのような電子音だけでなく、ジャズなどアコースティック編成の楽曲もおすすめです。
ボーカルノズルにすると

ボーカルノズルに変えると、他の帯域に対してボーカルが一歩前に出るようなバランスになりますね。
バランス的には「W」字型から「山」型になったような感じ。
ボーカルものやポップスをメインに聴く場合はボーカルノズルが一番心地よく聴けるかと思います。
ボクも3つのノズルの中では一番お気に入りでしたね。
インストゥルメンタルノズルにすると

インストゥルメンタルノズルにすると、わかりやすく弱ドンシャリ型傾向になります。ボーカルが引っ込んだ!
ただ女性ボーカルのピークはけっこう前に出てきますね。
ボーカルよりも楽器隊をメインに聴きたい場合はこちらのノズルにすると良いかと思います。
それにしてもノズルによるチューニングがとても上手ですね! 傾向を変えずにボーカルの距離感だけをうまく調整できているような感覚です。
TWISTURA WOODNOTE まとめ
TWISTURA WOODNOTEをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.7/5
WOODNOTE

- ウッドドームの暖かみとアルミ筐体の煌びやかを両立したサウンド
- ノズルとイヤーピースの交換で好みの音にチューニングできる
- 3.5mm / 4.4mm両対応
- 付属品が充実している
- 軽快な装着感
- 遮音性は低め
- 音漏れが大きめ
4.5
高音
4.6
中音
4.5
低音
4.5
解像度
4.5
迫力
4.0
装着感
TWISTURAのイヤホンを本格的にレビューするのは初めてですが、新鋭ブランドでありつつも他の中華ブランドとは異なる個性を持ったイヤホンのように感じましたね。
このウッドドームの暖かみとアルミ筐体の硬質さを両立したチューニングはとても好印象。
あまり聴いたことがないような面白い音ではありますが、音のバランスはボーカルが際立つW字型になっているので、万人受けはしやすいと思います。
ノズルとイヤーピースでもチューニングできるので、好みの音にも仕上げやすいのもイイですね。
以上! TWISTURA WOODNOTEのレビューをお送りしました。
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