TANCHJIMとEFFECT AUDIOのコラボ!2DD構成の最新フラッグシップモデル「FORCE」を試す

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こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。

今回はイヤホン界隈でもとても人気の高いメーカー「TANCHJIM(タンチジム)」より、シンガポールのハイエンドケーブルメーカー「EFFECT AUDIO」とコラボしたフラッグシップモデル「FORCE」を紹介します。

こちらは8.2mmPUサスペンション付きベリリウムコート振動板と、低域に10mmPUサスペンション付きチタンコートドームを搭載した2DD構成になっています。

価格はAmazonだと42,900円になります。

TANCHJIMといえば、以前紹介したORIGINのようにボーカルの質感の高さが特徴ですが、そこにEFFECT AUDIOのケーブルが加わることで異なるアプローチのサウンドを実現したモデルとなっています。

今回はTANCHJIMさんより紹介用に提供いただいたので、実機を使ってどれほどの実力か、前回紹介したORIGINと比べながら検証していきましょう。

ぜひ、最後までご覧ください。

目次
かじかじ
元イヤホン専門店スタッフ
オーディオ販売歴9年。元々イヤホン専門店で店長やWEBマーケを担当してました。

イヤホンをレビューすることは空気を吸うようなものだと思ってます。


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TANCHJIM FORCE 外観・付属品

それではまずはORIGINの外観や付属品をチェックしていきましょう。

パッケージはブランドキャラクターの浅野てんきちゃんがメインビジュアルとして掲載された可愛らしいデザイン。

髪の毛で隠れてるけど、ご立派ぁっ!! 髪の毛邪魔そうだから切ってあげたい。

開封しても浅野てんきちゃんがお出迎えしてくれます! ご立派ぁっ!!

付属品

付属品一覧
  1. イヤホンケース
  2. シリコンイヤーピース(S/M/L)各1ペア 2種
  3. ケーブル
  4. マルチプラグ(3.5mm / 4.4mm / USB-C)
  5. 浅野てんきカード

イヤーピースは高域寄りと低域寄りのもの2つが付属。開口部が広い方が高域、狭い方が低域向けとなっています。今回は高域寄りのものを使用しましょうかね。

真っ白で分厚いハードケースが付属。安心感はすごいけど、分厚すぎて携帯性は悪そう。

中身はこんな感じです。

本体・ケーブル

本体は医療グレード樹脂+CNC加工アルミ製フェイスプレートを採用した筐体となっています。

この前紹介したORIGINはステンレススチールを採用していたのでズシっとした重みがありつつも高級感があるデザインでしたが、FORCEは手に取ってみると少し安っぽく感じてしまいますね。

左右のフェイスプレートには「ORIGIN」と「TANCHJIM」のロゴがそれぞれ刻印されています

ハウジングがメッシュのように穴ボコになっていますが、これはオープンバック構造デザインというものを採用しています。

この構造により筐体内の音の反射を抑えて音の歪みを低減させているようです。

この構造だと音漏れや遮音性が心配ではありますが、そちらも対策されているとのことです。ちなみに防塵・防水メッシュとなっているので、埃や湿気からも保護できます。

内側はこんな感じ。透明の樹脂のため、2つのダイナミックドライバーが丸見え。

1つのドライバーはノズル付近に、もう一つのドライバーは2つのチューブが搭載されているのがわかるかと思います。

特許取得の「エアリリースチューブ設計」というもので、1つのチューブはノズルに、もう1つのチューブは背面側のメッシュ部から内部の気圧を逃して自動内の圧力を自動的に調整して耳詰まり感を解消しているとのことです。

また独自のHPFD-SEG技術でチューニングすることで、マルチBA系のイヤホンと比較しても歪み率を大幅に軽減しているとのことです。

コネクタ部は埋め込み型の2Pinタイプを採用。

ノズルは筐体と同じ透明の樹脂素材になっています。

そしてケーブルにはFORCEのためにTANCHJIMとEFFECT AUDIOが共同開発した高品位カスタムケーブルが付属。

4本撚りの26AWG単結晶銅に銀メッキを施し、職人の手作業で編み上げられた品質の高いケーブルとなっています。

このケーブルで力強く引き締まった低域、安定した制御力、深く沈み込む重低音を実現しているとのことです。

分岐部にもEFFECT AUDIOのロゴ入りのパーツが搭載。アジャスターも品質が高め。

そしてプラグはORIGINでは3.5mmのみでしたが、今回はマルチプラグに対応したため4.4mmバランスも気軽に使えるようになりました。

それだけでなくUSB-Cへの変更も可能! これは嬉しい!

音質にこだわるならDAPにバランス接続で繋ぐのが一番良いと思いますが、スマホで気軽に聴きたい時にはUSB-C直結が便利なんですよねー。

てかマルチプラグでL字タイプはかなり珍しい。ただ、ネジ式ではないので勝手にすっぽ抜けないか心配。

最後に本体の重さは、イヤホン片側で約5.7gですね。

TANCHJIM FORCEの概要・スペック

項目内容
ドライバー構成8.2mm+10mm デュアルダイナミックドライバー
ドライバー技術DMT 4 Ultra
振動板素材PUサスペンデッドエッジ+ベリリウム/チタンコートPETドーム
インピーダンス17Ω ±10%
感度120dB/Vrms
再生周波数帯域8Hz ~ 48kHz
全高調波歪率(THD)<0.05%(1kHz・94dB時)
コネクタ0.78mm 2ピン(4ピン互換)
付属プラグ3.5mm/4.4mm/USB Type-C(DSP内蔵)
ケーブルEFFECT AUDIO製 銀メッキUP-OCC銅ケーブル
ケーブル長約1.2m
ハウジング素材医療グレード樹脂+CNC加工アルミ製フェイスプレート

インピーダンスもそこまで高くもなく、感度も高めのため、3.5mm接続でもしっかり駆動できるかとは思います。

装着感について

装着感についてですが、イヤモニ型+本体が軽量なこともあり、軽快かつ安定した装着感のように感じましたね。

実際につけてみるとこんな感じ。

前から見てもそんなに飛び出しはないです。

ORIGINと違って内側は金属筐体ではないため、冬場に使ってもヒヤッとすることがありません。

装着時の閉塞感も少なく、その上で遮音性も確保されているように感じましたし、音漏れも特別多いとは感じませんでした。

装着感(4.5)

音質について

FORCEの音質についてですが、TANCHJIMらしいボーカルの質感の良さはそのままに、低域と高域はメリハリ感が効いた現代的なチューニングになっているように感じました。

ボクもメリハリ感のある音が好きなので、なかなか好みでしたね。ほぼ同価格のORIGINともしっかり差別化できています。

検証環境
  • スマホ:Xperia 1Ⅵ
  • DAC:LUNA
  • 接続方式:4.4mmバランス接続
  • アプリ:Apple Music
  • イヤーピース:付属の高音イヤーピース
  • エージング:約50時間

ORIGINの音の特長は次のとおりです。

音の特長

4.7

高音

4.9

中音

4.8

低音

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低域寄り
高域寄り

音の傾向

音のバランスはボーカルを中心としつつも、低域や高域もほどよく主張する弱W字型の傾向。

ORIGINはニュートラル寄りでしたが、FORCEはさらに出すところは出して、引っ込めるところは引っ込めた感じのバランスになっています。

TANCHJIMらしさはそのままに、ORIGINよりも余韻を抑えて分離感を高め、よりメリハリ感を加えた現代的なチューニングのように感じました。

この辺りのチューニングはEFFECT AUDIOのケーブルの影響が大きいのかしら? そもそも4.4mmケーブルを使っている影響が一番強いのかと思いますけどね。

音の質はORIGINよりも少し柔らかめに感じましたね。

音場

音場は横方向の広がりよりも、奥行きの深さや空気感の描写に優れています。

この奥行き側への音場感があるからこそ、中高域の明瞭感やボーカルの存在感が際立ち、1音1音の分離も良く感じられます。

ORIGINよりも余韻が少ないため、定位も良くなっているように感じますね。

高音

高域はナチュラルで丸みを帯つつも余韻が少し加えられた美音系サウンド。ニュートラルに少し美音系のテイストを足したような感じ。

弦楽器が抜け良くスゥーっと抜けていくようなプラナードライバーのような音ではなく、鋭さや煌びやかさも控えめな印象。

限られた帯域内で優しく広がるナチュラルな高域で、聴き疲れはしにくいと思います。

ORIGINの方がもう少し硬質かつキラびやかで、余韻もたっぷりな印象でしたね。高域の表現はORIGINの方が好きだったかも。

低音

低域はそこまでゴリゴリとした派手さはありませんが、ORIGINと比べるとタイトな迫力で鳴るようになっています。

ロックやBPMが早めのポップスでもモタつかず、スピーディーに聴かせますね。

ORIGINの場合はミッドベースがボワ〜っとした自然な広がりがありましたが、FORCEはミッドベースが空気の震えとともにその輪郭を把握しやすくなったように感じます。ミッドベースの質感はとても高いかと!

サブベースやバスがゴリゴリと出るタイプではないので、重低音でエレクトロやヒップホップをノリよく聴きたい方には向いていないかなーとは思いました。

中音

FORCEの一番の強みは中音域の表現力の高さ。とてもナチュラルな質感で、吐息も含めて美しくしっとりとしたボーカルを聴かせてます。

男性ボーカルはほんのり温かく、女性ボーカルはクリアで透明感高め。ボーカルメインの楽曲を聴くには好相性です。

ORIGINの場合は上記に加えて余韻の美しさがプラスされ、より艶やかに聴かせます。ORIGINの方が奥行きの表現が上手なのか、コーラスはこちらの方が聴き分けしやすいように感じましたね。

FORCEはORIGINのように金属筐体特有の響きは乗らず、余韻を加えすぎずにボーカルの輪郭をもう少しクッキリとさせていますね。

おすすめのジャンル

ポップスやバラード、弾き語りなどボーカルものメインで聴くならかなりおすすめ!

ORIGINと違って「YOASOBI」や「ずっと真夜中でいいのに。」のような音の数の多いガチャポップ系も付いていけるレスポンスの良さも持っていますね。

バラードや弾き語りなどボーカルに特化するならORIGINでもいいと思いますが、ボーカルを軸にしつつ楽器隊にもフォーカスするならFORCEの方がおすすめかなーとは思いましたね。

女性ボーカルもクリアに伸びますけど、意外と男性ボーカルの方が得意だったりします。ORIGINの時も伝えましたけど、BUMP OF CHICKENのボーカルの藤くんの声の周波数にドンピシャなんですよね。

USB-Cで聴くと

USB-C直結で聴くと、LUNAのバランス接続と比べるとけっこうマイルドな音になりますね。

出力が不足しているのか、キレやレスポンスがLUNAと比べると悪くなるので、低域や高域が主張されにくくボーカルをメインに聴くようなバランスになります。

便利ではありますが、FORCEのポテンシャルを考えると、できる限りドングルDACなどでバランス接続で運用したいところ。

ただ、ワイヤレスイヤホンやDAPの電源が切れた時などいざという時に便利なので、ケースと一緒にマルチプラグも一緒に入れておくといいですよ。

アプリについて

USB-C接続時はアプリの使用もできます。現状はAndroidのみでしょうか? iPhoneだと反応はしませんでした。

アプリではイコライザーの設定が可能で、デフォルト、ナチュラル、バランスなどあらかじめ用意されたプリセットに変えることができます。

個人的にはデフォルトで十分ですし、USB-C接続だとFORCEの実力を最大限まで発揮できそうにもないので、アプリはあまり使うことはないかも。

TANCHJIM FORCE まとめ

TANCHJIM FORCEをまとめると以下のとおりです。

総合評価

4.7/5

TANCHJIM FORCE

  • ボーカルの質感がとても高い
  • ミッドベースの輪郭を追いやすい
  • 3.5mm / 4.4mm 両対応
  • USB-Cでスマホ直結で使える
  • アプリでイコライザー設定ができる(USB-C / Androidのみ)
  • 筐体がやや安っぽい

4.7

高音

4.9

中音

4.8

低音

4.7

解像度

4.6

迫力

4.5

装着感

音の傾向
狭い
広い
硬め
柔らかめ
分析的
余韻重視
繊細
迫力
楽器寄り
ボーカル寄り
低音寄り
フラット
高音寄り

TANCHJIM FORCEはこんな人におすすめ

FORCEはTANCHJIMらしさがありつつも、ORIGINとは異なるアプローチで攻めた優等生系ボーカルホンのように感じましたね。

ボーカルの質感を重視しつつ、音の一体感や余韻の美しさ、奥行きの広さを重視するならORIGIN

同じくボーカルの質感を重視しつつ、音の分離感やメリハリ感、低音のタイトさを重視するならFORCEがおすすめなように感じましたね。実力的には同列だと思います。

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