こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
イヤーピースで評価の高いメーカー「SpinFit(スピンフィット)」より、最新モデル「NEO」が登場しました。
SpinFitは、2009年に台湾で設立された会社で、国内外でも人気の高いイヤーピース専門メーカーです。
NEOはSpinFitのなかでもスタンダードなモデルとして愛されてきた「CP100シリーズ」をさらにアップグレードした有線イヤホン向けのイヤーピースとなります。
まさにSpinFitの「顔」となる新定番のイヤーピースになるというわけですね。
カラーリングも以前までのポップでカラフルなカラーリングから、ブルーグレー調のモノトーンな配色に変更され、イヤホンのデザインとも合わせやすくなりました。
表面のシリコン素材も変更され、全体的にブラッシュアップしたベーシックモデルみたいですね。
使い心地はどうなのか? 同社の有線イヤホン向けイヤーピース「W1」や、ワイヤレスイヤホン向けの「OMNI」と比べながら検証していきましょう。
SpinFit NEO 外観・付属品
パッケージ
SpinFit NEOのパッケージ
パッケージはこちら。
パッケージもシンプルな配色で落ち着いたデザインになりましたね。
中には細軸のノズルに対応させるためのアダプターが付属しています。
細軸ノズルのイヤホンは最近だとSHUREくらいしかありませんが、名作のSE215SPEやSE846でも細軸アダプターを使うことでNEOのようなサードパーティー製のイヤーピースを使えるようになります。
細軸アダプターはW1やOMNIにも付属していないので、SHURE向けに使いたい方はNEOがおすすめです。
本体がこちら。
カラーリング以外は前作のCP100+によく似ていますが、表面のシリコン素材が異なります。
CP100+も医療グレードのシリコンを採用で品質も高かったですが、NEOはW1やOMNIとも異なるを自社開発新配合シリコンを採用しています。
触ってみるとCP100+よりも傘部が柔軟になっていて、耳の奥まで負担なく挿入できそうな仕様になっていますね。
サイズは全5サイズ(SS/S/M/L/XL)を展開で、サイズごとに軸の配色が異なっています。小さいサイズは薄いグレーで大きいサイズになるほど濃いめのグレーにグラデーションしていきます。
そしてSpinFitの最大の特徴は、特許取得技術である「3Dクッション構造」。
軸を中心にクルクルと回るような設計が特徴で、これによって内側で少しカーブしている耳穴に対してイヤーピースを真っ直ぐ挿入できるのですよ。
W1やOMNIとも比べましたが、OMNIの軸が長いバージョンって感じですかね。W1の方がもう少し傘が分厚い気がする。
軸部分も一見細く見えますが柔軟性は高く、DUNU DaVinciのようなノズル口径が大きいものでも装着できました。
ただ、NobleのFoKus Mystiqueのような極太ノズルはさすがに装着できませんでしたね。
寸法
寸法(mm) | NEO | W1 | OMNI |
---|---|---|---|
傘径 | SS:10.0 S:11.0 M:12.2 L:13.3 LL:14.0 | SS:11.0 S:11.5 M:12.0 L:12.5 LL:13.5 | SS:10.0 S:11.0 MS:11.5 M:12.0 L:13.0 LL:14.0 |
軸長 | SS:9.2 S:9.5 M:9.7 L:9.9 LL:10.0 | SS:9.5 S:9.7 M:9.8 L:9.9 LL:10.1 | SS:7.4 S:7.6 MS:8.0 M:8.2 L:8.4 LL:8.4 |
ノズル径適合サイズ | 全サイズ:4.0〜5.5ほど | 全サイズ:5.0〜6.0ほど | 記載なし 様々なサイズに対応可能 |
主な特徴 | ・エントリー~メインストリーム有線イヤホン向け ・癖が少ない万能型 ・細軸アダプターも付属 | ・ハイエンド有線向け ・抜け良く音場も広い ・軸部ダブルウェーブ加工で ノズル部にしっかり装着 | ・ノズル部の3段階の溝で ワイヤレスイヤホン~有線イヤホンまで対応 ・6サイズ展開 |
どのワイヤレスイヤホンに使える?
機種名 | AirPods Pro | WF-1000XM5 | MOMENTUM True Wireless 4 | EAH-AZ100 |
適合 | × | ◯ | × | ◯ |
機種名 | Soundcore Liberty 4 Pro | EarFun Air Pro 4 | JBL TOUR PRO 3 | ピヤホン8 |
適合 | × | × | × | × |
機種名 | Gemini II | PerL Pro | FoKus Mystique | Pi8 |
適合 | × | × | × | △ |
ワイヤレスイヤホン向けに特化するなら、軸が短いOMNIの方がいいかとは思いましたが、EAH-AZ100のように充電ケースの収納部が深いイヤホンであれば使えます。
SpinFit NEO レビュー
装着感|低刺激かつ耳の奥までしっかり挿入できる
まず、SpinFit NEOの装着感は自社開発新配合シリコンを採用している影響でとても低刺激でありつつ、3Dクッション構造のおかげで耳の奥までしっかり挿入できるように感じました。
表面が滑り止めのような素材になっており、頭を振っても耳から落ちる気がしません。
W1と比べても耳の奥までしっかり挿入できますし、OMNIと比べても密閉感も高く、3製品の中では摩擦も少なく耳の奥までスルッと装着できるように感じました。
CP100+と比べると、基本的な装着感は同じですけど、圧迫感がやや少なく耳の奥に挿入しやすいようにも感じましたね。
長時間装着していても耳が痒くなりにくく、デスクワークをしながらイヤホンで音楽を聴いていても耳が快適なままですね。
装着感重視でNEOを選ぶのもありだと思いますよ。
音質|音の粒立ちを感じ取りやすい
SpinFit NEOを装着すると、汎用的に使用されているイヤーピースと比べて音の粒立ちが感じやすくなり、全体的に締まりの良さと解像度が高まったように感じました。
密閉感の割には低音の量感は多くはならず、中高域にフォーカスが当たるスッキリとした鳴り方です。
余計な付帯音がつかないため、アコースティックギターやハイハット、シンセサイザーなど超高域帯の細かな音まで追いやすい印象。少しモニターっぽい音にもなってしまいますね。
音の変化はCP100+とほぼ同じように感じましたが、傘が少し柔軟になった影響かもしれないですけど、ほんの少し高域側の輪郭を聞き取りやすくなっているようにも感じましたね。
最近3万円台だとお気に入りのPerformer 7でも使ってみましたが、装着感も含めなかなか相性が良く感じましたね。
Performer 8は音の情報量で攻めるタイプなので厚みや臨場感をさらに増やすためにW1を使ってましたけど、Performer 7はプラナードライバーによる高域の繊細さや伸びかさも特徴なのでNEOを使ってその特長を活かしてあげたほうがいいと感じましたね。
イヤホンの特性をフラットに保ちながら、粒立ちの良さと装着感をアップさせたい方はNEOは良い選択肢になると思います。
EAH-AZ100にもおすすめ
ワイヤレスイヤホンもいろいろ検証してみましたけど、充電ケースに干渉せずに相性が良く感じたのはTechnicsのEAH-AZ100。
ヨルシカのアポリアを聴いてみると、サビのマンドリンやギターの音の輪郭が明らかに聞き取りやすくなっていますね。
低域は少しスッキリしてくれるので、ボワつきが気になる方にもいいかと。
装着感も純正イヤーピースと比べて耳の奥までしっかり挿入しやすくなっていますし、刺激も少なくてずっと着けていられますね。
某金属コア入りのイヤーピースは響きや華やかさを加えてくれるとすれば、NEOは高域の伸びやかさや粒立ちの良さを加えてくれるような感じですね。こっちもふつうにアリ。
EAH-AZ100をアコースティック系に特化させつつ、装着感も改善させたい場合にもおすすめです。
SpinFit NEO まとめ
総合評価
4.5/5
SpinFit NEO
- 耳への刺激が少ない
- 3Dクッション構造で耳の奥まで挿入しやすい
- 装着感が安定する
- 音の粒立ちを感じ取りやすくなる
- SHUREのような細軸のイヤホンでも使える
- とくになし
- 有線イヤホン向けのイヤーピースを探している
- 今使っているイヤホンの装着感が安定しにくいと悩んでいる
- 長時間装着していても耳が痒くなりにくいものがほしい
- 音の特性を大きくは変えたくない
装着感の良さや刺激の少なさで定評のあるSpinFitですが、
どれがおすすめというわけでもなく、合わせるイヤホンや音の好みによってどれが良いかは変わると思います。
なんやったら全部おすすめやから、とりあえず全部買えばいいよ。
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