こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
コスパの高さで定評のあるイヤホンメーカー「SOUNDPEATS」から、過去最安レベルでMEMSドライバーを搭載した新製品「Capsule3 Pro+」が登場しました!
先に試しましたけど、現時点でSOUNDPEATS最高傑作だと思いますよ。
- 音質、ANC、デザインの3拍子揃った完全ワイヤレス
- MEMSドライバーと12mmダイナミックドライバーのハイブリッド構成
- ハイレゾワイヤレス認証を取得し、LDACコーデックもサポート
- 適応型ANCでノイズを最大45dB低減
- イヤホン単体約6.5時間、ケース込みで最大43時間のパワフルなバッテリー
- 15,480円→10,404円(専用クーポン利用)
SOUNDPEATS製品としては1万円超えと少し高めに感じますが、MEMSドライバーを搭載した製品としてはかなり安め!
MEMSドライバーというのは、従来のドライバーと比べてコイルを用いない構造で、非常に小型で軽量。精細かつ空間表現にも優れた最新の半導体技術を応用したドライバーとなっています。
2023年末あたりから一部のイヤホンで採用されてきましたが、どのモデルもめっちゃくちゃ音が良かったんですよ! ただ、価格は2〜3万クラスと高価な製品が多かったんですよね。
そこでSOUNDPEATSから約1万円で買えるMEMSドライバー搭載機が登場ですよ。 ドライバー構成だけで見ればめちゃめちゃコスパが高そうに見えます。
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スペックを比較
製品名 | Capsule3 Pro+ | Capsule3 Pro | Air4 Pro |
ドライバー | MEMSドライバー 12mmダイナミック | 12mmダイナミック | 13mmダイナミック |
Bluetooth | 5.3 | 5.2 | 5.3 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | SBC,AAC,LDAC | SBC,AAC,aptX aptX Adaptive aptX Lossless |
再生時間 | 本体:6.5時間 ケース込:43時間 | 本体:8時間 ケース込:52時間 | 本体:6.5時間 ケース込:26時間 |
充電端子 | Type C | Type C | Type C |
防水 | IPX4 | IPX4 | IPX4 |
自動装着検出 | – | – | ◯ |
低遅延モード | ◯ | ◯ | ◯ |
ノイズキャンセリング | アダプティブANC | ハイブリッドANC | アダプティブANC |
マルチポイント | ◯ ※LDACとの併用不可 | – | ◯ |
外音取り込み | ◯ | ◯ | ◯ |
価格 ※Amazon参考価格 | 15,480円 | 8,480円 | 8,480円 |
Capsule3 Pro+ 外観・付属品
それではCapsule3 Pro+の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
Capsule3 Pro+のパッケージはいつものSOUNDPEATS製品と比べると少し大きめ。
開封するとこんな感じ。いつもより高級感がある!
付属品
- イヤーピース3ペア(S/M/L)
- USB Type Cケーブル
- ステッカー
- マニュアル
充電ケース・本体
充電ケースはCapsule3 Proと大きくは変わらないですが、質感がよりマットになっていて、さらに英字の表記も追加されて高級感がアップしているような感じですね。
厚みも大体同じくらい。胸ポケットにも収まるほどの大きさです。
充電端子はUSB Type Cに対応。
ワイヤレス充電には残念ながら対応していません。コレは欲しかった……。
充電ケースを開けるとこんな感じ。
取り出しやすさも特に問題なしですかね。
イヤホン本体も今までのSOUNDPEATS製品と大きな違いはなしですね。ハウジングの配色がピンクゴールドからゴールドに変わったくらい。
ノズルはややくびれが強めで、充電ケースの収納部も狭いので、他のイヤーピースを使う場合は軸が短い完全ワイヤレス向けのタイプを使う必要がありそうです。
最後に重さですが、ケース込みで49.6g、本体のみで4.7gとわりと軽め。
Capsule3 Pro+ レビュー
装着感|スティック型採用で圧迫感は少なめ
AIr4 Proの装着感はスティック型を採用していることもあって、圧迫感がなくて快適ですね。
実際に装着してみるとこんな感じ。
前から見ても飛び出しが少なめ。
長時間装着しても耳が痛くなりにくいですね。
スポーツ用途だとちょっと安定しにくいですが、通勤通学くらいであれば不満なく使えます。
装着感 | (4.5) |
音質|MEMSドライバーの影響が大きい
Capsule3 Pro+の音質ですが、一聴してMEMSドライバーの恩恵を顕著に感じられましたね。価格と機能性を考えれば音質はとても良い方だと思います。
Capsule3 Pro+の音の特長は次のとおりです。
4.5
高音
4.2
中音
4.2
低音
一聴して感じるのは、今までのSOUNDPEATS製品と比べて高域側がとてもクリアになっていること。そして空間表現が広くなっていることですね。
Air 4 ProやCapsule 3 Proとは比にならないくらい伸びやかになっていますよ
MEMSドライバーは高域側の周波数帯域が広く歪みが少ないことが特徴で、その影響が顕著に現れています。
同価格帯と比べてもバケモノ級に繊細かつ伸びやかに鳴らしつつ、それでいて刺さり感もギリギリない音という印象です。高域は1万円台前半だと多分最強クラスの伸びやかさ。
中域もとてもクリアで、MEMSドライバーの音がボーカルラインにも乗るおかげで、澄み渡るような歌声を聴かせますね。
低域は従来のSOUNDPEATSらしくズッシリと鳴らす豊かなサウンド。解像度感は少し甘めですけど、迫力はしっかりと感じられるようなノリの良いサウンドですね。
おすすめのジャンルは、いつものSOUNDPEATSらしくロックやポップスですが、高域側が繊細に伸びるようになったため、弾き語りやクラシックなどのアコースティック編成のジャンルやストリングスアレンジにも対応しやすくなりました。
Mrs.GREEN APPLEの「ケセラセラ」を聴いたら、その空間表現力の広さと高域の表現力の高さに驚くかと思います。
さすがに2〜3万クラスのMEMSドライバー搭載イヤホンと同じクオリティほどでないですけど、価格と機能性を考えれば音質はとても良いかと思います。
同社の音質に曲振りしたOpera 05と比べると、わずかにOpera 05の方が実力は上のように感じました。
高域の伸びやかさはCapsule3 Pro+が上、全体的な解像度感は音の緻密さはOpera 05の方が上という印象ですかね。Opera 05もなかなかバケモノ。
ただ、Opera 05は硬質でキレッキレのドンシャリサウンド、Capsule3 Pro+は繊細かつ伸びやかなサウンドなので音の傾向に違いはあります。
それにしても、1万円台でMEMSドライバーの音をちゃんと体感できるのはスゴイ。
イコライザーで好みのサウンドにカスタマイズできる
さらにイコライザーで好みの音にも仕上げることもできます。用意されているのは「適応型」「プリセット」「カスタムEQ」の3つ。
プリセットは9種、カスタムEQは10バンドに対して±6dBでの調整が可能です。
適応型は聴覚テストを行なって、自動で最適なイコライザーを作ってくれる機能のこと。
テストしてみましたけど、ボクの場合だと全部の音が聞こえてしまったので、音にほとんど変化がなかったんですよね。まあとりあえずやってみてもいいかと。
ノイズキャンセリング|前作よりもさらに向上
ノイズキャンセリング性能は、前回紹介したAir 4 Proや前作のCapsule3 Proよりもさらに向上しているように感じます。
低音域の遮音性は高く、電車の走行音のような下から響くような音をしっかりカットできています。ホワイトノイズも少なめですね。
ただ、高域側に対する遮音性は低めで、キーボードのタイピング音や空調音の高周波帯などは耳に入りやすい印象で、音も鋭めなので少し耳障りに感じることもありますね。風切音も少し多めです。
高音のキツさや風切音書きになる場合は、あえてノーマルモードで使うのもおすすめです。
ノイズキャンセリング | (4.3) |
外音取り込み|会話がしやすい集音量
外音取り込み性能もなかなか優秀で、こちらもAir 4やCapsule3 Proよりもさらにクリアになって聞き取りやすくなっていますね。とくに高域側が明らかにクリアになっています。
音楽を小音量で聴いた状態でも、ふつうに家族と会話できましたからね。ケセラセラ聴いた状態でも妻と会話できましたからね? かなり優秀よ。
ノイズキャンセリングも外音取り込みもそうですけど、高域が妙にクリアになっているので、このあたりも音を出力しているMEMSドライバーの影響があるのかもしれません。
こちらも高周波帯はやや”ツンっ”とくるので、カチャカチャと鳴るタイプのキーボードだと、タイピング音がキツく感じてしまうかもしれません。
外音取り込み | (4.4) |
操作性|タッチ感度も良くなっている
操作性も改善されているのか、今までのSOUNDPEATS製品と比べるとタッチの反応が良くなった気がしますね。誤反応が少なく、それでいて複数タップ時も認識しやすくなりました。
操作方法は次の通りです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を2回タップ |
曲送り | R側を長押し |
曲戻し | アプリで設定可能 |
音量を上げる | R側を1回タップ |
音量を下げる | L側を1回タップ |
外音モードの切り替え | L側を長押し |
音声アシスタント | R側を3回タップ |
低遅延モード | L側を3回タップ |
またアプリでL~Rに対して1回タップから長押しまで自由に割り振りも可能で、自分好みのカスタマイズできます。
以前までは操作のカスタマイズができないモデルもありましたが、かなり自由度が上がってきていますね。
ノーマルモードを挟んでしまう
ノイズキャンセリングと外音取り込みモードの切り替え時に、必ずノーマルモードを挟んでしまうこと。ここが個人的に気になる部分なんですよね。
ノイズキャンセリングイヤホンは、基本「ノイズキャンセリング」か「外音取り込み」しか使わないのに、ノーマルモードを挟むことによって「外音取り込み」から「ノイズキャンセリング」に移行するために2回の操作が必要になってしまうんですよ。これがわずらわしい。
メーカーによっては「ノーマルモード」をオフにすることもできますが、SOUNDPEATSは対応できていないようです。ここをそろそろ改善してほしい。
アプリでできること
アプリも「PeatsAudio」という最新アプリにいつの間にか刷新されていますね。
できることは次の通り。
- 外音取り込みモードの切り替え
→集音量の調整はできず - ゲームモードのON・OFF
- タッチを無効にする
- 操作方法の変更
- マルチポイントのON/OFF
UIがスタイリッシュになって、タッチ操作やイコライザーの項目も増えて、さらにカスタマイズ性がアップしました。
通話品質|ノイズに強い
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてください。
音声は少しガサつきますが、バックのノイズはかなり消えています。
ある程度騒がしい環境でも、問題なく通話ができそうなレベルですね。
通話品質 | (4.3) |
ゲームも普通にプレイできる
Air4 Proは低遅延モード(L側を3回タップ)を搭載しており、スマホゲームをする時も遅延がほぼなくプレイできます。
音ゲーだとタイミングが少し合わず実用的ではありませんでしたが、FPSやその他のゲームであればカジュアルにプレイできます。
また、低遅延モードにしなくても動画鑑賞であればほぼ遅延がないため、YouTubeやアニメを見ても違和感なく見ることができますね。
Capsule3 Pro+ まとめ
Capsule3 Pro+をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.8/5
Capsule3 Pro+
- 約1万円でMEMSドライバーを体感できる
- 前作よりもノイキャンや外音取り込み機能もアップ
- LDACに対応
- マルチポイントに対応
- 低遅延モード搭載でゲームもできる
- ワイヤレス充電非対応
- 自動装着検出非対応
- LDACとマルチポイントの併用ができない
- 風切り音が大きい
- 外音モード切り替え時にノーマルモードを挟む
4.5
高音
4.2
中音
4.2
低音
4.5
装着感
4.3
ノイズキャンセリング
4.4
外音取り込み
4.3
マイク性能
4.0
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体5時間/ ケース込み33時間 |
コーデック | SBC,AAC,LDAC | 充電時間 | 約1.5時間 |
ドライバー | MEMSドライバー ダイナミックドライバー | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 5g/48g |
外音取り込み | – | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | ◯ | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ LDAC併用不可 | 公式サイト | こちら |
Capsule3 Pro+はこんな人におすすめ
- 1万円台のワイヤレスイヤホンを探している
- 伸びやかで空間表現力に優れたイヤホンが欲しい
- 機能性も重要だけど音質の方がもっと重要
Capsule3 Pro+は現時点でのSOUNDPEATSの集大成のように感じました。ボクとしても最近のSOUNDPEATS製品のなかでは一番好みでしたね。MEMSドライバーがやっぱすげぇ。
あとは、ワイヤレス充電や外音モードの切り替え時にノーマルモードをOFFにする機能など、利便性をもう少し高めれば同価格帯最強になりえる実力はあるかと思います。
使いやすさも大事だけど、どちらかといえば音質に拘りたいという方はぜひ検討してみてください。
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