こんにちは、元イヤホン屋のかじかじです。 イヤホン・オーディオの情報を発信していますので @kajet_jt ←よければフォローお願いします。
コスパの高さで定評のあるSOUNDPEATSから、大人気インナーイヤー型ワイヤレスイヤホンの第5世代「AIr5」が登場しました。
ね、同じインナーイヤー型のAirPodsでもまだ第3世代までなのに、SOUNDPEATSは早くも5世代目ですよ。
お盛んすぎる。
- Qualcomm製の最新SoC「QCC3091」を搭載
- SnapDragon Sound / aptX Losslessに対応
- マルチポイント対応
- インナーイヤー型ながらノイズキャンセリングに対応
- 刷新されたケースデザイン
価格は9680円となりますが、SOUNDPEATSのことだからクーポンでもっと安く買えることがほとんどです。
前作のAir4の時点でスペック面ではほぼ完成されてしまっているので、この価格帯でどこを伸ばせばいいねんって思うかもしれません。ボクも正直そう思ってました。
実際に使ってみたら、ちゃんとグレードアップしてましたね。
▼動画版はこちら▼
Air5、AIr4、Air4 Liteと比較すると
製品名 | Air5 | Air4 | Air4 Lite |
---|---|---|---|
ドライバー方式 | 13mmダイナミックドライバー | 13mmダイナミックドライバー | 13mmダイナミックドライバー |
対応コーデック | SBC、AAC、aptX Lossless、aptx adaptive、aptx Snapdragon Sound認証 | SBC、AAC、aptX Lossless、aptx adaptive、aptx | SBC、AAC、LDAC |
Bluetoothチップ | QCC3091 | QCC3071 | WQ7033AX |
Bluetoothバージョン | 5.4 | 5.3 | 5.3 |
最大持続時間(単体) ※SBC 60%音量 通常モード | 6時間 | 6.5時間 | 7時間 |
最大持続時間(本体) ※SBC 60%音量 通常モード | 30時間 | 26時間 | 30時間 |
充電時間 (単体) | 1.5時間 | 1.5時間 | 1.5時間 |
充電時間 (本体) | 2時間 | 2時間 | 2時間 |
充電コネクタ | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C |
Adaptive ANC | 対応 | 対応 | 非対応 |
風ノイズ低減 | 対応 | 非対応 | 非対応 |
マルチポイント | 対応 | 対応 | 非対応 |
ゲームモード | 対応(77ms 低遅延) | 対応(88ms 低遅延) | 対応(88ms 低遅延) |
専用アプリ | 「PeatsAudio」対応 | 「PeatsAudio」対応 | 「Soundpeats」対応 |
防水性能 | IPX5 | IPX4 | IPX4 |
通常価格 | 9,680円 | 8,980円 | 7,380円 |
マルチポイント対応だけでもすごいのに、aptX Lossless対応、アダプティブノイズキャンセリング機能まで全て搭載。
唯一搭載していないのはワイヤレス充電くらいでしょうか。結構使う機能なのでココは残念。
ただ、Air4と比べるとスペック上の進化は少ないのが残念なポイントでしょうか。
Air5 外観・付属品
それではAir5の外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
パッケージはいつものSOUNDPEATSらしいデザイン。
開封するとこんな感じ。
付属品
- イヤーピース(シリコン製)3ペア
- USB Type Cケーブル
- マニュアル
充電ケース・本体
Air5、Air4、Air4 Liteを比較するとこんな感じ。
いずれも筐体は薄いので、胸ポケットにも収まるサイズ。
充電端子はUSB Type Cに対応。
充電ケースを開けるとこんな感じ。
デザインは今までのものとあまり変わらないですね。
ケースへの取り出しやすさも問題なし。
本体はスティック型で、EarPodsのように耳を密閉しないインナーイヤー型のイヤホンとなっています。
Air5、Air4、Air4 Liteと比べるとこんな感じ。形状はほぼ同じですが、ハウジングがシルバー色に変更され、ようやく価格相応の高級感のあるデザインになりましたね。
最後に重さですが、総重量は43.7g、本体片耳の重量は4.2gです。
多機能なワイヤレスイヤホンとしては、かなり軽め。
Air5 レビュー
音質|バランスの整った音作り
Air5の音質ですが、前作のAir4と比べてなかなかレベルアップしていますね!
今回はXperia 1Ⅵを使ってaptX Losslessで検証しました。
このaptX Losslessというのが、ほぼ無圧縮で44kHz / 16bitで再生できるコーデックのことですが、Bluetoothなのにほぼ有線のような情報量で聴けるということです。
aptX Losslessを聴くのはがSnapdragon 8 gen 1を搭載していて、なおかつaptX Losslessに対応したスマホが必要になります。なかなか対応機種は少なめです。
Air5の音の特長は次のとおりです。
4.0
高音
4.0
中音
4.0
低音
音の傾向はフラットに近い弱ドンシャリ傾向のサウンド。中高域はとてもクリアでスカッとした明るいチューニングです。
前作のAIr4も同価格帯のインナーイヤー型としては音質は良い方でしたが、解像度感や音の伸びがさらに向上していますね。
低域はデフォルトだとややスッキリとした印象を受けますが、イコライザーで調整すれば豊かな低音で鳴らしてくれるようになります。
AirPods 3とも比べてみましたが、音質はさすがにAirPods 3の方が上のように感じました。音の深みや広がりの良さなど、全体的なレンジの広さはAirPods 3の方が上ですね。
ただ、Air 5はAirPods3よりも15000円ほど安いのにも関わらず、近いレベルの音質の良さを持ち合わせています。
前回、1万円以下だと音質最強では?と伝えたLDAC対応のインナーイヤー型のイヤホンと比べてみましたが、実力は同じくらいか、aptX Lossless接続ではAIr5の方が若干解像度が上かな?という印象。
Air 5はaptX Lossless対応でLDACは使えないので、aptX Loesslessを使えるスマホをお持ちであればAir 5の方が良いと感じました。
アダプティブイコライザーで自分にピッタリの音にできる
アプリでアダプティブイコライザーという機能があるのですが、これがなかなか優秀。
こちらでは各帯域に対して聴力検査を複数回行って、自分にぴったりのイコライザーを自動で決めてくれる機能です。
実際に完成したイコライザーがこんな感じ。
低域とボーカルライン、そして高域が強調された極端な波形になりましたが、普通に好みの音でした。
他の製品でアダプティブイコライザーをしたときはそこまで良い結果にならなかったのですが、今回はいい感じにしてくれましたね。
装着感|スティック型採用で圧迫感は少なめ
Air5の装着感はスティック型&インナーイヤー型を採用していることもあって、圧迫感がなくて快適です。
実際に装着してみるとこんな感じ。
前から見ても飛び出しが少なめ。
インナーイヤー型のタイプは、筐体が大きくて耳が痛くなりやすいものもありますが、Air5は耳への挿入部が小さくて長時間装着していても痛くなりにくい印象でした。
スポーツ用途だとちょっと安定しにくいですが、通勤通学くらいであれば不満なく使えます。
装着感 | (4.8) |
インナーイヤー型なのにノイキャン対応
Air 5は耳を完全密閉しないインナーイヤー型でありつつ、ノイズキャンセリングにも対応しています。
Air4より遮音性は少し高くなっている印象を受けましたね。
今回はAIアダプティブノイズキャンセリングに対応しており、周囲の環境に合わせてノイズキャンセリングの効果が最適化されます。
その実力はインナーイヤー型としてはなかなか優秀で、耳を密閉できていれば、周りの音ををストレスのかからない程度には遮音してくれるようになります。
電車の走行音のような大きく響く音はさすがに遮音しきれないですが、カフェで使うと「ガヤガヤ」とした音をかなり軽減できて、音楽に集中しやすくなります。
過度な期待はしてはいけませんが、オフィスやカフェなどではなかなか実用的です。
アプリではノイズキャンセリングの設定が複数ありますが、自分の耳で一番遮音性が高くなるものを選べばOKです。
気になる点は風切音がうるせぇー!!こと。 「うるさい」じゃない「うるせぇー!!!!」ってレベル。
風の強い場所ではノイズキャンセリングをOFFにした方がいいです。周りのノイズより風切音のほうがうっせぇです。
ノイズキャンセリング | (3.8) |
操作性
SOUNDPEATS Air5の操作はタッチパネルで行います。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | L or R側を2回タップ |
曲送り | R側を長押し |
曲戻し | 対応していない |
音量を上げる | R側を1回タップ |
音量を下げる | L側を1回タップ |
外音モードの切り替え | L側を長押し |
音声アシスタント | R側を3回タップ |
低遅延モード | L側を3回タップ |
ペアリングモードへの移行 | 充電ケース裏側のボタンを3秒間長押し |
音量操作や選曲、再生/停止など、あらゆる操作は行えます。
今までタッチの感度が高すぎてしまって誤操作が多かったり、アプリで操作を自由にカスタマイズができなかったりと不便に感じることが多かったSOUNDPEATSですが、Air5ではある程度解消されています。
低遅延モードも3タップで切り替えが可能ですが、複数タップ時も以前までの機種と比べて反応がよくなりました。
また、アプリも最新の「Peats Audio」に刷新されたことで、左右の操作を自由に割り振れるようになりましたね。
SOUNDPEATSは今まで操作周りに不満がありましたが、最新アプリの「Peats Audio」に対応した製品あたりから解消されてきましたね。
マルチポイントの挙動について
マルチポイントの挙動についても問題なさそうです。
電源をONにした瞬間にあらかじめ接続しておいたXperia 1ⅥとiPhone 15 Proに繋がりました。2台目への接続がめちゃめちゃ早いです。
Air4 Proの時は2台目のデバイスを再生した時に割り込みで再生されていましたが、Air5は割り込みができないようになっています。
通話品質|ノイズに強い
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてください。
音声は少しガサつきますが、バックのノイズはかなり消えています。
ある程度騒がしい環境でも、問題なく通話ができそうなレベルですね。
ただ、こちらも風ノイズに少し弱い印象を受けました。
通話品質 | (4.5) |
ゲームも普通にプレイできる
Air5は低遅延モード(L側を3回タップ)を搭載しており、スマホゲームをする時も遅延がほぼなくプレイできます。
音ゲーをしてみましたが意外とタップのタイミングが合う印象で、高スコアを狙わなければ十分なほど。FPSも問題なくプレイできますね。
また、低遅延モードにしなくても動画鑑賞であればほぼ遅延がないため、YouTubeやアニメを見ても違和感なく見ることができますね。
気になる点
最後に気になる点ですが、前作のAir4から大きな進化が少ないという点でしょうか。
たしかに音質も良くなっているし、ノイズキャンセリングも強くなっているし、操作性も良好になってましたけど、スペックや機能性面で大きく進化しているポイントが少ないように感じました。
前回紹介したCapsule 3 Pro+はMEMSドライバーを搭載して音質を大幅に向上させてきた点が大きな進化点でしたけど、AIr5もそれくらいの進化をしてほしかったですね。
Air5 まとめ
Air5をまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
Air5
- 1万円以下のインナーイヤー型の中では音質は良い
- aptX Losslessで有線クラスのロスのない音を聴ける
- マルチポイントの切り替えが早い
- ゲームモード搭載で手動で切り替え可能
- マイク性能が優秀
- ノイキャンはそれなりに実用的
- ワイヤレス充電非対応
- 風切り音が大きい
- Air4からパッと見の進化が少ない
4.0
高音
4.0
中音
4.0
低音
4.8
装着感
3.5
ノイズキャンセリング
–
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.3
利便性
Bluetooth | 5.4 | 最大再生時間 | 本体6時間/ ケース込み30時間 |
コーデック | SBC,AAC,aptX aptX Adaptive aptX Lossless | 充電時間 | 本体:約2時間 |
ドライバー | 13mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX5 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 4.2g/43.7g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | ◯ |
自動装着検出 | – | 保証 | 1年 |
マルチポイント | ◯ | 公式サイト | こちら |
Air5はこんな人におすすめ
- 1万円以下で音質を重視しつつ、機能性にもある程度こだわりたい
- aptX Adaptive、Losslessに対応したAndroidを所持している
- 複数のデバイスを使い分けることが多い
- ワイヤレスイヤホンゲームをすることが多い
前作のAir4がわりと完成されていたため比べて進化したポイントは少ないですが、音質は確実にレベルアップしていると思います。
Air4から買い替えるほどではないですけど、これから1万円以下で音質にこだわったインナーイヤー型が欲しいという方には良い選択肢になるかと思います。
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