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ソニーから本気すぎるエントリークラスのイヤホン「WF-C710N」が2025年4月18日本日発表されました。

- デュアルマイクに進化したノイズキャンセリング機能と
さらに自然になった外音取り込み性能 - 独自開発の5mmドライバー+DSEEに対応
- イコライザーで自分好みのサウンドで
- バッテリー性能は前モデルから約2倍(8/5時間 / ケース込み30時間)、クイックチャージも5分で60分
- 通話性能はAI技術搭載
- カラーバリエーションは黒、白、ピンク、そしてグラスブルーの4色
- 姉妹機詐欺価格は18,000円(税込)
ノイズキャンセリングが前作のWF-C700Nのシングルマイクからデュアルマイクに変更され、さらにフラッグシップモデルのWF-1000XM5と同じ風ノイズ低減構造も搭載。
外音取り込みはシングルからデュアルになったことにより外音取り込み全体的に改善。周囲の環境音が自然に、自分の声もこもらなくなり自然な外音取り込みになりました。
さらに装着検出センサーやクイックアクセス、クイックアテンションなど、フラッグシップモデルにも採用されている機能の多くをエントリーにも採用してきました。
つまり、ミドル〜ハイエンドに迫るほどの機能性の高さを持つ本気のエントリー機というわけです。
今回はソニーさんから一時的にWF-C710Nと、前モデルのWF-C700Nをお借りできましたので、どれほど進化をしたのかチェックしていきましょう。
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ソニー WF-C710N 外観・付属品
それではソニー WF-C710Nの外観や付属品をチェックしていきましょう。
パッケージ
ソニー WF-C710Nのパッケージは全部プラスチックフリーでできたサステナブルなやつです。

開けたらこんな感じです。

付属品

- ハイブリットイヤーピース(XS、M、XL 各2)
- USB Type C to Aケーブル
- マニュアル
充電ケース・本体
それでは外観や付属品をチェックしていきましょう。
カラーバリエーションは黒、白、ピンク、そしてグラスブルーの4色となっています。前作のWF-C700Nと同じカラーを比べても若干配色が異なります。

今回は新色「グラスブルー」を中心に紹介していきます。
充電ケースは丸っこいフォルムのコンパクトなデザイン。

厚みは少しありますけど、ズボンのポケットに収納できる程度の大きさ。

WF-C700と比べると横幅は広くなりましたが、縦幅が少し長くなりましたね。


後継機とはいえ、デザインもしっかり差別化されています。
充電端子はUSB Type Cに対応。

ワイヤレス充電は……残念ながら非搭載! そろそろこの価格でも当たり前に付けてほしい所存。
充電ケースを開けるとこんな感じ。

WF-C700と比べて開口部が拡大したのと、マグネットサイズやマグネット強度を調整することで、より取り出しやすくなりました。

イヤホン本体は上位モデルのWF-1000XM5の角ばったバージョンかのように少し大型になりましたね。

前作のWF-C700はコロンとした可愛らしいデザインでしたが、今作はどちらかといえばカッコよくなりましたね。

内側はこんな感じ。グラスブルーだと内部にパーツがギチギチに詰まっていることがわかりますね。すごい密度感。

ノズルはいつものソニー製品と同様の口径で少し細めで長め。

ケース側の収納部もある程度スペースを確保されているので、他社のイヤーピースでも使用できそうです。
最後に重さですが、総重量は47.9g、本体片耳の重量は5.1gです。ワイヤレスイヤホンとしては平均的な軽さ。


ソニー WF-C710N スペック
スペック | WF-C700N | WF-C710N |
---|---|---|
ノイズキャンセリング | ★★★ (シングルマイク) | ★★★★ (デュアルマイク) |
外音取込み性能 | ◯ (シングルマイク) | ◯ (デュアルマイク) |
高音質化機能 | DSEE | DSEE |
360 Reality Audio | ◯ | ◯ |
バッテリー(NC) | 7.5H/15H | 8.5H/30H |
通話性能 | – | AI技術 |
防水性能 | IPX4 | IPX4 |
アプリ | ◯ | ◯ |
マルチポイント | ◯ | ◯ |
対応コーデック | SBC, AAC | SBC, AAC |
質量 | 本体のみ4.6g | 本体のみ5.2g |
操作 | ボタン | タッチ |
IRセンサー(装着検出センサー) | ✘ | ◯ |
その他 | – | クイックアクセス |
ソニー WF-C710N レビュー
装着感|耳全体で支える安定した装着感
ソニー WF-C710Nの装着感についてですが、個人的にはですけどかなり良いですよ!
実際に装着してみるとこんな感じ。

前作のWF-C700Nは小さな筐体に対してイヤーピースだけで耳に支えているような感覚でしたが、WF-C710Nはイヤーピースと筐体全体で耳に支えられている感覚でかなり安定します。
フラッグシップモデルのWF-1000XM5よりも良好です。
前から見ても耳からの飛び出し感は少なめです。

耳の形状次第ではあるので装着感は個人差はあると思いますが、ボク的にはLinkBuds Fitに次ぐ装着感の良さでした。
装着感 | (4.8) |
音質|ソニーらしいバランス型のサウンド
ソニー WF-C710Nの音質は、機能性の良さと価格を考えればなかなか良い方だと思いますよ。
WF-C700と同じドライバーを搭載しているこもあって音質は大きな違いはないように感じましたが、メリハリ感のある楽しい音に変化していますね。
ソニー WF-C710Nの音の特長は次のとおりです。
4.3
高音
4.3
中音
4.3
低音
音の傾向
最近のSONYらしい少しウォームで聴きなじみの良いバランスの取れたサウンドで、音のバランスはややボーカル寄りという印象。
クセが少ないのでとても万人受けしやすいと思います。
音場
おおよそふつう程度。
高音
ほどよくクリアでこもりは感じさせないまろやかな高音。めちゃくちゃ抜け感が良いというわけではないですが、刺さりがなく聴きやすいバランスです。
WF-C700Nよりもウォームになりすぎず、少しカチッとさは増しているようにも感じました。
中音
男性・女性ボーカル問わずにしっとりと聴かせてくれます。ボーカルラインが埋もれないので、歌モノ系は全般得意ですね。
低音
低音は低いところからしっかりと広がるように響くような感覚があります。WF-C700Nと比べても少しタイトな低音になっていますね。
低音過多というわけではないですが、低音好きでも十分満足できる量感はありますね。
後述するイコライザーで「クリアベース」を増加させれば、かなりゴリゴリの重低音サウンドになります。
おすすめのジャンル
ボーカルものがおすすめですが、基本なんでもOK。
イコライザーで好みのサウンドに調整できる
イコライザーも用意されていて、自由に自分好みの音質に変更することも可能です。

元の音がウォームかつフラット寄りなので、メリハリ感のある音にしたい場合は調整してあげてもいいと思います。
また、ソニーにはクリアベースというものがあって、これをスライドさせれば他の帯域に影響させることなく重低音だけを増やすこともできます。
K-POPとかヒップホップを低音ゴリゴリにして聴きたい人も、この設定をしておけばノリ良く楽しく聴けます。
また「ファインド・ユア・イコライザー」を使えば、自動で半自動で自分好みのイコライザー設定にしてくれる機能もあります。

大味の設定ではありますけど、好みの音がわからない場合はファインド・ユア・イコライザーを試してみてもいいと思います。
DSEEで圧縮音源でも緻密なサウンドに
独自技術のアップスケーリング機能「DSEE」によって、圧縮音源でもより高音質で楽しめます。

ONにしておいた方がワイヤレス特有の音のザラつきが少なくなり、高音質コーデックで聴いているっぽい感覚になるので、基本的にONがおすすめ。
ただし、バッテリーの減りは速くなります。
LDACに対応していないのは残念ですが、DSEEのおかげで弱点には感じさせない程度に音情報を補完してくれます。
ノイズキャンセリング|2万円以下のなかではかなり優秀
WF-C710Nのノイズキャンセリング性能についてですが、2万円以下のモデルの中ではかなり優秀な方だと思います
WF-C700Nと比べてもシングルのフィードフォワードマイクから、フィードフォワードとフィードバックのデュアルマイク構成に進化したことにより、ノイズキャンセリング性能がより強力になりました。
といってもWF-C700Nも優秀だったんで「劇的に進化した!」って感じでもないですけど、中高域の遮音性はアップしているように感じました。
電車の中で使うと「ガタンゴトン」と下から響くような走行音も、音楽を聴いていれば気にならないレベルでカットしてくれます。
ソニーのノイズキャンセリングは低域側だけでなく高域側の遮音性も高く、喋り声やキーボードのタイピング音、空調音などの音もしっかり目にカットしてくれるんですよ。
オフィスや図書館でデジタル耳栓側に使って仕事・作業に集中したい時にも便利。
さらにフラッグシップモデルのWF-1000XM5のように風ノイズを低減する構造を採用したことによって、風切り音が入りにくくなりました。
実際に風の強い日に屋外で使ってみましたけど、風切音が全然入らなくて驚きましたね。ノンストレス!
低域〜高域側のノイズキャンセリングの強さ、風ノイズの少なさ、ホワイトノイズの少なさ、それぞれを総合的にみると2万円以下ではかなり優秀なノイズキャンセリング性能だと思います。
ノイズキャンセリング | (4.5) |
外音取り込み|想像以上に優秀
外音取り込み性能についてですが、こちらもWF-C700Nと比べてシングル→デュアルマイクに変更されたため、性能が大幅にアップしています。
こちらはWF-C700Nとの違いがハッキリとわかるレベルで性能がアップしていますね。
ノイズキャンセリングと同様に2万円以下のモデルとしてはかなり自然で、フラッグシップモデルのWF-1000XM5とほぼ同等クラスに自然に取り込んでくれます。
普段耳にで聴いている状態に近い状態で集音できるので、イヤホンをつけっぱなしでも普段通りに生活を送れます。
ただ自分が声を発すると少しモゴモゴとする感覚があるので、LinkBuds Fitほど自然ではないという印象。
音量を小さくしてあげれば、BGM感覚で音楽を聴きつつ会話もできる「ながら聴き」用途でもギリギリ使えるレベルではあります。
外音取り込み | (4.5) |
操作性|物理ボタンのような快適さ
WF-C710Nの操作性についてですが、前作の物理ボタンからタッチパネルに変更されたことで「使いにくくなるんじゃね?」とか思ってましたけど、全然問題ありませんでした。

タッチパネル部が少しだけ凹んだ形状になっているためタッチポイントがわかりやすく、物理ボタンのような感覚で直感的に操作が行えます。
操作方法一覧は次のとおりです。
項目 | 操作方法(デフォルト) |
---|---|
再生/停止 | R側を1回タップ |
曲送り | R側を2回タップ |
曲戻し | R側を3回タップ |
音量を上げる | R側を4回タップ(タップし続けることで断続的に音量が上がっていく) |
音量を下げる | L側を4回タップ(タップし続けることで断続的に音量が上がっていく) |
電話を受ける | 着信中にL or R側を1回タップ |
着信拒否 | 着信中にL or R側を長押し |
通話終了 | 通話中にL or R側を長押し |
外音モードの切り替え | L側を1回タップ |
クイックアクセス | L側を2回タップ |
音声アシスタント | L側を長押し |
ペアリングモードへの移行 | 充電ケースを長押し |
今回も四回以上のタップを続けることで音量調整を断続的に行えます。ソニーはこの操作方法になってからかなり使いやすくなりましたね。
操作のカスタマイズは左右で一括で変更されるため細かくカスタマイズはできませんが、デフォルトでも各操作は網羅されているため不満はなしですね。
クイックアクセスで気軽に音楽を聴ける
L側を2回タップ(デフォルト設定の場合)することで、あらかじめ設定されたアプリを呼び出すことができます。
そこにSpotify Tapという項目があるのですが、これがめちゃくちゃ良い!
本体をダブルタップすると、Spotifyを呼び出してプレイリストを再生してくれるんですよ。
「なんでもいいからBGM感覚でなんか音楽を聴きたいなー」って時に役に立つんですよね。選曲するのがめんどくさいけど音楽を聴きたい時ってあるじゃないですか。
音の遅延|動画を見る分には問題なし。
WF-C710Nの映像と音声のズレですが、こちらもかなり少ないですね。
動画を見る分に関しては、全然ズレを感じないので、アニメやYouTubeを見ても全く問題なさそうです。
ただしゲームで使う場合は低遅延モードが搭載されていないため、FPSや音ゲーには不向き。
あくまでカジュアルにプレイする用途考えたほうが良さそうです。
通話品質|背景ノイズがかなり減っている
WF-C710Nの通話品質についてLinkbudsシリーズにも搭載されているAI技術活用のボイスピックアップテクノロジーによって、クリアな通話用途を実現しました。
周囲の環境ノイズを抑えることで、騒がしい場所でも自分の声をクリアに抽出できるとのことです。
マイク音声も実際に録音してみました。以下の音声をよければチェックしてみてくださいね!
WF-C710Nのマイク音声
WF-C700Nのマイク音声
雑音を流した状態で検証しましたが、WF-C700Nと比べて確かに背景ノイズがかなり減っていますね。
音声自体は加工されている感はありますが、何を言っているかは分かりますし、騒がしい環境での通話にも向いていると思います。
通話品質 | (4.5) |
ソニー WF-C710N まとめ
ソニー WF-C710Nをまとめると以下のとおりです。
総合評価
4.5/5
ソニー WF-C710N

- 2万円以下としては音質・機能性・スペックの総合力が高い
- ノイズキャンセリングは同価格帯でかなり優秀
- ノイズキャンセリングの風切音が超少ない
- 外音取り込みもなかなか優秀
- 装着感がとてもいい
- 物理ボタン感覚で使える操作性
- マルチポイントにも対応予定
- LDACなど高音質コーデックには対応していない
- 低遅延モードが搭載していない
- ワイヤレス充電がほしい
4.3
高音
4.3
中音
4.3
低音
4.8
装着感
4.5
ノイズキャンセリング
4.5
外音取り込み
4.5
マイク性能
4.6
利便性
Bluetooth | 5.3 | 最大再生時間 ※ANC ON時 | 本体8.5時間/ ケース込み30時間 |
コーデック | SBC,AAC | 充電時間 | 本体:1.5時間 ケース:3.5時間 |
ドライバー | 5mm ダイナミック型 | 充電端子 | Type C |
専用アプリ | ◯ | 防水 | IPX4 |
ノイズキャンセリング | ◯ | 質量 ※片耳/ケース込 | 4.5g |
外音取り込み | ◯ | ゲームモード | – |
自動装着検出 | ◯ | 空間オーディオ | – |
マルチポイント | ◯ | 保証 | 1年 |
ソニー WF-C710Nはこんな人におすすめ
- 予算1〜2万ほどでワイヤレスイヤホンを探している
- 新生活に向けてワイヤレスイヤホンを買おうとしている新社会人や学生さん
- 電車でよく使うからノイズキャンセリング性能にこだわりたい
今回のソニーのエントリー機はかなりレベルが高いですね。
LDACとワイヤレス充電が対応していないのは気になりますが……それ以外のノイズキャンセリングや外音取り込み、音質、再生時間の長さなどを含めた総合力の高さはトップクラス。
上位モデルのLinkBuds Fitよりもノイズキャンセリング性能も高いですし、ソニーということもあってブランドに安心感もありますし、はじめてワイヤレスイヤホンを買おうと考えている方にはおすすめできるイヤホンです。
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